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政治
【正論】評論家 拓殖大学大学院教授・遠藤浩一 「価値観外交」で米中の間に楔を
最近、中国はしきりに「日本は戦後秩序に挑戦している」と言う。しかし日米が協力して冷戦を戦うことを規定したサンフランシスコ講和体制にこそ、西側世界にとっての戦後秩序の基盤があり、中国はそれに参加していない。おそらく彼らは、ヤルタ・ポツダム体制に戦後秩序なるものの源流を求め、米国もそちらへ回帰させようと目論(もくろ)んでいるのだろう。
問題は、ベルリンの壁が崩壊して4半世紀経(た)とうとするいま、米国が、「東亜」における自らの「地位」を何処に求めようとしているのかという点である。
≪日本が米国引っ張る時代に≫
冷戦は終わったようで終わっていない。欧州では一定の決着がついたのかもしれないが、アジアではむしろ、より複雑化している。一党独裁体制の下、軍事的・経済的な覇権意思を露わにする中国を目の当たりにして、米国のアジア政策は腰が定まっていないように見える。
現在の米国には、「中国に対する宣戦布告」はもとより「力の闘争」を敢行する意志も用意もないだろう。オバマ氏は首脳会談で、尖閣諸島が日米安保の枠内にあるとは言及しなかった。中国メディアはこれを捉えて「成果がなかった」「米国は安倍首相を冷たくあしらった」と報じた。
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