政治【正論】評論家 拓殖大学大学院教授・遠藤浩一 「価値観外交」で米中の間に楔を+(1/4ページ)(2013.2.27 03:29

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【正論】
評論家 拓殖大学大学院教授・遠藤浩一 「価値観外交」で米中の間に楔を

2013.2.27 03:29 (1/4ページ)正論

 政権発足2カ月。一連の安倍外交を見ていて、主権回復時の重光葵元外相の言葉が頭をよぎった。

 終戦後東久邇内閣の外相として降伏文書に調印した重光は東京裁判で訴追され、サンフランシスコ講和条約締結時には仮釈放されていたものの、公職追放は解かれていなかった。

 ≪重光の慧眼思わす首相訪米≫

 が、その国際情勢を見る目は研ぎ澄まされていた。条約の本質をたちまち見抜き、これは「米国の蘇聯(編注・ソ連)に対する宣戦布告」であり、「米国は最早(もは)や蘇聯とは力の闘争に一歩を進めた」、「東亜に於て日本を味方に取り入れた米国の地位は非常に強くなった」、一方、ソ連は「桑港(サンフランシスコ)会議に於ては完全に敗北した」と指摘した(『続重光葵手記』)。

 当時の日本にとって西側=自由民主主義陣営の一員としての国際社会復帰が最良の選択だったことはいうまでもないが、それ以前に、米国にとってこそ日本との連携は大きな利益になると見据えていたところに彼の慧眼があった。

 安倍晋三首相は今回、ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)でのスピーチで、「強い日本を取り戻す。世界により一層の善をなすため、十分に強い日本を取り戻そうとしている」と強調した。オバマ米大統領との首脳会談でも、日本の復活を説き、日米同盟強化の再確認を求めた。「復活する日本と組んだ方が米国に利益をもたらす」とのメッセージにほかならない。

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