2009年に出版された鈴木修氏の書籍。熱いです。刺さったことばをメモしたのでご共有。
朝令暮改は大いに結構
・会社存亡の危機も、商品の寿命も、25年周期でやってくる。
・スズキの売上高3兆円は実は「取扱高」であって、実際に生み出した付加価値は、ガラスやタイヤ、バッテリーなどの完全部品を除いた3000〜5000億円程度なのです。であれば、決して大企業とはいえないのではないでしょうか。スズキはまだまだ中小企業です。このことは決して忘れてはならないと思います。
・GMは鯨。スズキは蚊。鯨に飲み込まれずに高く舞い上がれる。
・かつて人生50年といっていたが、いまの平均寿命は70歳。ならば年齢も7掛けで考えるべきではないか。70歳といっても7掛けすれば49歳。だから退くのではなく、昇格した。まだまだ現役でバリバリやっていく。
・できない理由を聞くヒマはない。どうすればできるかを言ってくれ。
・かつては『10年ひと昔』といったが、いまは「1年ひと昔」、いや「1ヶ月ひと昔」だ。10年先のことを考えるなんて、昔でいえば100年先を考えるようなもの。
・朝令暮改は大いに結構。昨日までの常識は今日の非常識とすべき。
・電気やガスといったエネルギーは有料だが、重力と太陽は無料だ。わざわざコンベヤーを設けなくても、重力で落ちてくるようにすればいい。わざわざ蛍光灯を設置しなくても、太陽の光で明るくなるように設計したほうがいい。
・「安くするために軽くする」という考え方は、スズキのクルマづくりの原点です。車体が1割軽くなると、コストも1割安くなる。そして、車体が軽くなった分、燃費もよくなる。これはいまでも生きています。
・営業マンに常々言うのは「セールスは断られてから始まる」ということです。とにかく足を棒にして歩くことです。
・「製造業は1円のコストダウンが生死を分ける」といわれます。外部の人は、「そんなのはおおげさじゃないか。1円はしょせん1円だ」と思われる方も多いでしょう。でも、1円を大事にするというのは、決して空疎な精神論ではありません。1円の重みというのは、私たちが日々実感していることなのです。
・売上高3兆円、利益900億円というと非常に大きなビジネスをしているように見えますが、実際には、1部品あたり1円50銭の利益を積み上げた結果にすぎない。もし1部品あたり1円50銭のコストダウンができれば利益は倍増しますが、反対に1円50銭のコストアップになれば利益は吹き飛んでしまう。
・下からの積み上げで決めようとすると、議論百出で時間ばかりかかる。トップダウンこそコスト削減の近道だ。
超パワフル。2013年現在、鈴木修氏はなんと83歳!7掛けすれば58歳なので、まだまだ現役なのでしょう。後継者問題は解決していないようですが、行方が気になりますね。
鈴木氏の剛胆な性格を知ることができる一冊。会社経営に興味がある方は読んでおいて損なしでしょう。