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この本は子供を本当に守りたいと願うのであれば、子を持つ親、政策立案者、教育者にとって聴きたい話ではないだろうが必読の一冊であると私は考える。
著者の見解は、基本的には、セックス自体が青少年に有害なのではなく、セックスから子供を保護するという姿勢のほうがむしろ有害になっている、というもの。その主張の内実はややわかりづらいのだが、アメリカでは、「保護」の名のもとに美術館の裸体像やコンドームの使用法までが子供から遠ざけられているようなことが起こり、「性的虐待の頻発」が針小棒大に報じられ、「禁欲=正しい」という教育ばかりがなされ、セックスの持つプラス面は無視して感染症ばかりが大々的に喧伝されるようになっているということのようだから、やはりたしかに「保護」が行き過ぎの状況をもたらしているということであろう。
そんな性をめぐる社会状況は、じつはアメリカ特有の話ではない。本書の「解説」に、少しだが、日本のある養護学校で行われた性教育が「寝た子を起こす」として問題視されて教職員が処分されたという事件への言及があった。日本もまた、知的障害者は性的存在であってはならず、禁欲生活を送るのが当たり前、とされてしまうような社会なのだ。自由主義社会では、性を謳歌するのも、性から離れて禁欲生活を送るのも、いずれも個人の選択の自由のはずなのに…。性の問題は難しいが、軽んじても「怯え」てもいけない。様々な事例からそう考えさせられる本である。
たしか記憶によればレヴァインは2002年の米国最高裁の児童ポルノ法違憲裁判の時に公聴人として証言し、96年児童ポルノ法は違憲でありこれでは「ロミオとジュリエットですら」ポルノとして否定される、と述べた人。陪審が彼女の意見をそのまま容れて違憲判決を出した事は有名だが、そのあと怒り狂ったワシントン・タイムズなど統一教会系、ブッシュ系メディアの総攻撃の対象になっている。この問題で彼女ほど保守派から罵倒された人は少ない。こういう骨のある人はなかなかいない。
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