【ソウル=小倉健太郎】韓国の朴槿恵(パク・クネ)第18代大統領が25日、就任した。初の女性大統領で2代連続の保守政権だ。任期は5年。北朝鮮には核の放棄を求め、国際社会との連携を強化。対日関係の改善にも乗り出す。内政では所得格差問題や、低成長が続く経済の活性化に取り組む。
朴氏は同日午前0時(日本時間同)、大統領の権限を引き継いだ。午前10時ごろ、自宅前に集まった支持者の前に登場し「5年後にまた笑顔で会えるよう最善を尽くす」とあいさつ。ソウル市内の国会議事堂広場で開いた就任式に先だって訪問した国立墓地では「希望の新時代を開く」と記帳した。
課題は内外に山積している。対外関係では北朝鮮政策が当面の焦点だ。朴氏は信頼関係の構築を土台にして経済援助なども進めて南北関係を改善する方針を示してきたが、当面は核実験に対する制裁を強化。北朝鮮の反発も必至で、信頼構築は進めにくい状況だ。対日関係も両国の政権交代を機に改善期待が広がるが、22日に島根県が開いた「竹島(韓国名・独島)の日」式典を巡っては韓国で批判も出ている。
経済も輸出の不振などで7四半期連続でゼロ%台の成長率が続く。福祉の拡充や中小企業育成と同時に、輸出の立て直しに取り組む。
ただ、政府組織づくりは遅れている。首相指名者が就任前に辞退に追い込まれるなど人事で混乱したほか、省庁再編のための法案もいまだに通過していない。新政権は当初から難しい対応を迫られる。
就任式には麻生太郎副総理、中国の劉延東国務委員(副首相級)ら外国要人も出席した。
朴槿恵、麻生太郎、韓国、劉延東
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