天城小次郎 | 従業員二人の零細探偵事務所「あまぎ探偵事務所」の所長。事務所の経営は芳しくないが彼自身は格闘の腕前も持ち合わせるかなりの凄腕探偵で、実際にいくつもの難事件を解決している。学者である父・天城健はXTORT(※)という研究に着手していたが小次郎が中学生の時に事故死。同事故で母も失った彼は天涯孤独の身となる。両親の葬式で出会った桂木源三郎に引き取られ、以後は彼の元で探偵としてのノウハウを学ぶ。源三郎の娘である弥生とは姉弟のように育てられ、そして自然と恋人の関係になるに至った。 その後源三郎の経営する桂木探偵事務所を源三郎、弥生の三人で盛り立てていくことになるが、ある日小次郎は源三郎を告発して警察に突き出してしまう。それは源三郎がエルディア情報部から身を隠すためのカモフラージュとして仕組まれた事件だったのだが、当時の小次郎はそのことを知る由も無かった。 恩師であり、育ての親である源三郎を突き出したため弥生との仲は破局。彼自身も桂木探偵事務所に居ることを拒み、独立してあまぎ探偵事務所を設立。そしてエルディア王位継承事件の際に女王候補であるプリシアを保護して以降、同事件で知り合った氷室恭子と共に数々のエルディア絡みの事件に巻き込まれていく事になる…が、日常は浮気調査やペット探しなどの毎日で燻っているという所だろう。 冷徹なまでの思考力で人物や状況の先の先を見通す能力の持ち主であるが故に他人に対しては少々見下すような態度を取る皮肉家なところもあるが、一方で割と正義漢な一面を持つ。その性格が今の事務所の状況を作り上げて来た事に対しても本人は特に改めるつもりも無いらしい。そのように探偵として、一人の男としてこうありたいと強く願う性格が弥生にしてみれば時折現実味を帯びない、子供っぽい一面としても映るのかもしれない。 ※...XTORT 誰にでも移植可能な臓器をクローン技術で作り上げようとした研究。 『EVE ZERO』に於いてストーリーの争点となる。 |
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法条まりな | 内閣調査室所属のエージェント。ZERO時は警視庁公安に属していた。任務達成率99%オーバーの超一流エージェントだが、その奔放な性格と強烈な任務遂行スキルは組織の一環として機能するよりも単独で機能するために培われてきたものであり、一般的に考えられる警察任務とは次元の違う任務を主にこなす。それ故、特に政治上の問題が浮上して来た場合に招聘される事が多く、内調の甲野の指揮下で動くこともしばしば。彼との信頼関係はそういう中で築き上げて来たものでもある。 ちなみにZERO時の一連の事件を契機にして、「自立した日本を作る」という意志の元に甲野らと共に警視庁を出て内調の一部署を設立したメンバーの一人。詳細はTFAの法条夫妻(まりなの両親)を参照。 burst errorでは御堂真弥子の護衛任務に就くが、3年後にあたるLOST ONEではその時のショックから一線を退いて教官職に就き桐野杏子や見城陽一を育て上げる。この1年後にあたるTFA(ADAM)では再び第一線の捜査官に復帰。同任務内に於いて腕の神経を切断されるという重症からの驚異的な復活や背信行為にも近い単独行動等の不透明な部分も少なからず見受けられたが、彼女自身は一貫して当初の意志の元に行動を続けている。 趣味は恋愛で、渋い中年オジサマにしかときめかない…らしい。エルディア王位継承事件の際、桂木源三郎と恋に落ちるが、彼の死によりその恋が実ることはなかった。彼の娘である弥生とは留学先のアメリカで知り合って以来の友人。弥生の恋人、小次郎とはエルディア王位継承事件の際に知り合うことに。以後彼と共にエルディアを巡る事件に巻き込まれていく。 |
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桂木弥生
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桂木源三郎の娘で、源三郎の逮捕以降は桂木探偵事務所の所長を勤める。源三郎と弟子の小次郎が実働タイプの探偵とするならば弥生は事務タイプの探偵。彼らが現場で思う存分動けるように書類上のサポートをしながら探偵事務所を盛り上げてきた。小次郎が源三郎に連れられて家にやって来てからは幼馴染みのような、姉弟のような関係を経てごく自然と恋人関係へと至る。学生時代にFBIを目指して渡米しながらも卒業後は探偵としての人生を歩んだのも、父の影響と、或いは恋人でありライバルでもある小次郎の存在があったからかもしれない。 言葉遣いや態度から男勝りな厳しい印象を周囲には与えているが、本人は非常に繊細で女性的な人物。普段の彼女は冷静で十分以上に物事の分別の付く性格だが、こと小次郎との恋愛関係に話が至ると途端に慌てたり、嫉妬心を露わにするなどの可愛らしい一面も見せる。 burst error事件の約三ヶ月前、恋人であった小次郎が父の源三郎を警察に突き出した事で事務所の信用は失墜。小次郎も事務所を独立して構えるなどもあって事務所の経営は一気に傾いてしまう。しかし、彼女は父が残した探偵事務所を放棄せず一からの立て直しを目指した。自分を捨て、父を裏切った小次郎を無理矢理憎むことで自分を追い立てる原動力にした弥生…しかし、それも小次郎が居てこその自分だと言う事に気付いた彼女は、burst error事件最中に小次郎とのヨリを戻しながらも、新たな気持ちで事務所の再建に精力を傾ける道を選んだ。 その後は何とか現状維持で事務所を経営していくものの、かつての最盛期であった頃の勢いは戻らず、小次郎との関係もくっついてはまた別れて…を繰り返しながら4年の歳月を経る。 「オマエが戻ってくる時の為に、私はパパのこの事務所を守り続けて来たんだ!」 4年という月日の中で弥生の「幸福」が過去に遡って居ることに、彼女自身は気付いているのだろうか。 |
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甲野三郎 | まりな直属の上司でまりなからは「本部長」と呼ばれている。正式な階級や役職はその都度変わるのでこの呼び方は便宜上の物のようだが、それがすっかり定着して今に至るらしい。 警視庁時代にはカミソリ甲野と呼ばれていた切れ者だった彼は、後に美作らの同意のもと、まりなたち腹心を連れて内閣調査室を設立することになる。LOSTONE事件の時、身内から犯罪者を出してしまったために立場が悪くなりTFA(ADAM)時にはJCIAの傘下に取りこまれてしまうが、あの時に決意した「自立した日本を作る」という意志を今尚持ち続けて日々の任務に勤しんでいる。 オネエ言葉を駆使する、自称「ダンディ中年」。普段は温厚でとぼけた言動を取るのでまりなには良いように遊ばれるが、唯一まりなを使いこなせる人物ということで「猛獣使い」の称号を拝領していたりも。何のかんので任務の際にはまりなを部下にすることが多いので実は体よく押しつけられているのかもしれない。また小次郎のことはエルディア王位継承事件の際にまりな経由で知って以降、ドラマCD内やTFAで何度か彼に対して依頼を持ちかけた。 ちなみに妻帯者でありながら後述の香川美純とは不倫関係にあったりもする。その関係もゲーム内で確認できる限りでも4年は続いているというから、その方面でもなかなかのやり手であることは間違い無い。 |
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御堂真弥子 | 駐日エルディア大使ロス=御堂の娘(※ドラマCD『エルディア秘録編』によると御堂とアクアの間の子)。幼い頃テロにより爆死したことになっている。まりなが護衛した彼女の正体は、コードネーム「EVE」と呼ばれた有機生命体μ101。前国王の数値化した脳を移植したアンドロイドで、10歳前後の記憶はアクア・ロイドの記憶の一部を後から埋め込まれている。ボディの方は時期女王候補であるプリシアの遺伝子を利用して複製したクローン体。その為、骨格レベルに至るまでプリシアと同一の肉体を有しており、プリシア即位後は彼女に成り代わって王位に君臨するための目論見もあったと思われる。 国王の側室の娘であり、ロス=御堂の義娘である18歳の御堂真弥子を日本政府に護衛させ、王位継承を正当に受け継ぐ人物としての世論と同情を獲得。その裏で旧エルディア情報部の残党を使って国璽を手に入れ、御堂真弥子を次なるエルディアの王として即位させ、彼女の中に眠る死亡した国王を再び王の座に就ける…それが前国王と御堂らが計画した内容だった。 だが、旧エルディア情報部幹部である桂木源三郎らの暗躍と小次郎やまりなたちの関与によって計画は思うように進行出来ず、そもそも前国王の記憶の上に人工的に「御堂真弥子」の人格と記憶を上書きする計画自体も研究者であるドールマン=孔の死亡のために完全な成功を収めるには至らなかった。そのため、技術的な欠陥からか、或いは様々な人物との出会いを経ることで真弥子の中で人造の記憶と人格とのバランスが崩壊し始めたのか、彼女は「真弥子」であるときも精神に不安定をきたした時に幾人かの殺人を起こしたりもしている。 そもそも計画そのものが現実レベルでの成功を修め得るものではなかったのかもしれない。死に瀕して前国王が辿り着いた狂気と、その狂気に従順した御堂の忠誠…そこから始まった愚かな暴走は、しかし、御堂真弥子という一人の少女を生み出した。 |
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プリシア | 中東の小国、エルディア共和国の女王で前国王の姪にあたる。即位後は前国王時代から続く恐怖政治からの脱却を目指して民主主義的な解放政治を展開。その成果は着実に現れており、エルディアは徐々に良い方向への前進が見られるものの、旧態依然としたバスキーヤ派(※)との軋轢や一部軍部内に見られる不穏な動きには頭を抱えているようだ。 20歳そこそこの若さながら国王としての責務と自覚をはっきりと持ち、LOSTONE事件の際には新薬ADDの解放を宣言したりと国内外を問わずその政治的手腕が評価されつつある。TFAでは日本との国交強化のために訪日したりも。 彼女は日本での王位継承事件の際、プリンという別人格で小次郎の保護を受けていたという経緯を持つ。王宮に仕える侍女としての人格であるプリンは、明るく元気が空回りするような言動も数多く見られた。別人格の出来事でも記憶ははっきりあったようなので、本来のプリシアの性格もこんな感じなのかもしれない。 初恋の相手でもあった小次郎に守られた事は今でも忘れられない様子。国王という激務に負われる彼女だが、一人になった時にしばしばプリンとしての彼女に戻り小次郎というナイトのことを思い出している、という少女らしい秘密も持っているようだ。 ※...バスキーヤ派 ロメオス大司教を中心に結束する、おそらくはイスラム教の一宗派。 国民の大多数が信仰してきた歴史ある宗教で国政にも強い影響力・発言力を持っている。 そのため一部中枢者には権力志向の強い一面も見られるが、 民間レベルの宗旨では結束力と同族意識の強さが国民に浸透している宗派。 |
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ロス御堂 |
駐日エルディア大使。御堂真弥子の父で、日本に滞在中の娘の護衛を内調に依頼する。落ち着いた容貌の品の良い紳士と言った感じの人物だが、同時に外交官特有のポーカーフェイスや肝心な部分には話題を持って行かないようにする巧みな交渉術の持ち主でもある。 解体されたエルディア情報部局長の前歴があり、EVE計画にもその当初から関わっていた人物。内調に護衛を頼みながら、度々の襲撃を画策して御堂真弥子という人物を即位させるための世論作りを形成。一方で即位に必要な国璽の捜索に於いては、二階堂にディーブ(=ニセ孔)の目を誤魔化して原版を手に入れるように示唆。直後には二階堂を殺害するなど冷酷に計画を進行させていく。 彼の計画はほとんど成功を修めていたが、間際になってその真弥子自身が自らの意志でプリシアに王位を譲り渡したために計画は失敗。追いつめられた彼はプリシアを人質に取りながら公海上への逃亡を図るが、最期には自らの正体に気付いて精神的に不安定になった真弥子の手によって殺害されてしまう。 ちなみにエルディア共和国は、その建国当初から日本政府の半傀儡政権としての役割を担うように位置付けられていた国家でもあった(※TFAのまりなと美作の会話参照)。源三郎や御堂の父・または祖父の世代はその意向を汲み取った上での国政参加を行っていたのかも知れないが、彼らの代になるとエルディアの置かれた立場も変わり、また彼ら自身も一国家としてのエルディアの確立に向けて勢力を傾けるようにもなった。彼が前国王に対して忠誠を誓うのもそのあたりが原因なのかもしれない。 |
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柴田茜 | 週刊誌のルポライターで、小次郎との情報や依頼を提供したり週刊誌のネタを貰ったりの関係は彼が桂木探偵事務所時代から続いている。小次郎曰くは「抜け目のないゴシップ好きのカメラマン」とのことだが、それは同時に彼女のルポライターという職業に対しての賛辞とも言えるだろう。何度か小次郎の依頼を横取りしてすっぱ抜いたりしたこともあるようで、そのおわびに依頼を彼の元に持っていくということもしばしば。そのハイエナの如き収集力は時として小次郎の手助けにもなったりするようだ。 そもそも小次郎がエルディアの王位継承事件に巻き込まれる発端となった孔からの絵画捜索依頼を持ち込んだのも彼女。しかし裏では御堂とディーブの依頼をダブルブッキングした二階堂に協力しており、恋人でもある二階堂からの要請で小次郎の周囲を嗅ぎまわったこともあった。結局二階堂が国璽を隠し持っていたために事件に巻き込まれてしまう。ディーブに捕まり拷問を受けることになるが、同じく捕まった小次郎と共に脱出。その後クスリを身体から抜こうとする小次郎の看病をした。 小次郎に対する想いは好意以上のものがあるらしく、それが事務所独立後も彼の周囲を離れない一つの原因と思えるフシが作品内でも幾つか見受けられる。二階堂と恋人関係にあったのも、おそらくその感情と無関係では無いだろう。 |
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二階堂進 | 桂木探偵事務所の所員。所長である弥生に気があるらしく、彼女と恋人関係にある小次郎のことは随分前から勝手にライバル視しているが、おぼっちゃん育ちでプライドが高いのでいつも小次郎のいいおもちゃにされている。小次郎がつけたあだ名は「東海道新幹線」とかいろいろ。すぐムキになる性格がおもちゃにされる大きな要因であることに彼自身はあんまり気づいていないらしい。また相当の女ったらしでもあったらしく、彼女の一人であるカメラマンの柴田茜を利用して小次郎の周囲を調べさせていたりもしていた。 小次郎が別に事務所を構えて居なくなったため本格的に弥生を手に入れようとするが、彼女の心は小次郎を忘れることができなかったためにあっけなく失敗。「所長を二重の意味で手に入れる」と言った彼は事務所を我が物にしようと裏で画策し、絵画の捜索依頼をストールマン(ディーブ)の他に御堂からも受けていた。しかし深入りしすぎたため「テラー」の手によって惨殺されることになる。その死はストールマン=孔を殺した後、罪の意識に苛まれての自殺と発表された。 ちなみに小次郎のライセンス停止や桂木探偵事務所融資の話で時折父親の存在を匂わせているので、彼の父親はある程度業界に発言権を持つ有力者と思われる。彼の父は父で大きな探偵事務所を持っているのかもしれないし、もしかしたら父親は政治家なのかもしれない。しかも話の流れから察するに随分息子に甘い印象も受けるが、それが二階堂のプライドの高さと、一方でその父の力をバックに執拗に仕返しする術を彼に身に付けさせたのだろうか。 |
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鈴木源三郎 | 弥生の父で桂木探偵事務所の所長。両親を失った小次郎を引き取り、彼に探偵のイロハを教え込んだ人物でもある。愛弟子である次郎が娘の弥生と恋仲になった事に関しても特に口出しをしたような記述は見あたらない。互いに腐れ外道だの腰抜けだの言い合いながらも、誰よりも自分に似ている小次郎に対しては実の息子のような信頼をかけていたのかもしれない。 彼はその昔エルディア諜報部の実行部隊「テラー」に属していたことがあり、小国エルディアを御堂やディーブらと共に影から支えていたが、後に「EVE」の研究を目の当たりにした時、大国のエゴに嫌気が差して情報部から脱退。日本に帰国後探偵事務所を開くことになった。 だが国家の機密を知りすぎている彼を情報部が見逃すはずもなく日本にも追っ手が来るようになる。彼は姿を消すため、小次郎に自分を逮捕させて刑務所に身を隠す。後に刑務所に火を放ち逃走。書類上ではその時焼死ということになっている。 刑務所から逃走後はもう一人の娘であるシリアと共に王位継承事件の裏で暗躍。自らの過去にケリをつけると言った彼は小次郎に弥生のことを頼んだ後、客船トリスタンに向かうがそこで死亡。最期の瞬間まで弥生の名を叫びながら、彼は暗い海の中へ消えていった。 ちなみにburst error内では当初保険外交員・鈴木源三郎を名乗って主にまりな編に謎の人物として登場する。ヒゲを生やし始めたのは人相を変えるためということなので、二年前にあたるZEROではヒゲが生えておらず幾分か若々しい姿で登場する。 |
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シリア | 旧エルディア情報部員の残党。現在はディーブの部下になっているが、実はプリシアの側近でありダブルスパイとして暗躍していた。真弥子がエール外国人学校に登校する際にはアラビア語教師として彼女の身辺を見張ることになる。当初は真弥子の周辺で色々と調査するまりなを軍用ナイフを用いて脅し、「テラー」の存在を匂わせて手を引かせようとした。 ディーブ死後も影で動きながら源三郎をサポートしたりプリシアの保護にあたっていたが客船トリスタン内で追いつめられた御堂に腹部を撃たれ死亡。その亡骸は父に抱かれたまま、海の底に消えて行くことになる。 父はなんと桂木源三郎。彼とエルディア人女性との間に生まれたのがシリアである。当然弥生とは異母姉妹ということになるがその存在は知っていても直接の面識は無い。弥生の方は、憧れの父に現地妻がいたことさえ知らないという状況だ。ちなみに小次郎とは事件最中にイロイロあった関係で、源三郎の面影が強い小次郎に対してはそれなりの好意を寄せていた様子。 幼い頃から自分に対して戦闘技術しか叩き込まなかった父を大いに嫌っているが、反面父性愛に飢えている部分もあり、弥生ともども極度のファザコンの一面がある女性でもある。 |
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氷室恭子 | 教育監視機構と通称される、テストケースの諜報機関に属するエージェント。エール外国人学校ディレクター(=校長)、孔にかかった公金横領疑惑の調査のために同校に生徒として潜入、調査を行う。調査の過程に於いて、別件で同校に現れたまりなを優先する必要性から捜査の打ち切りを強制されてしまう。納得の行かない彼女は事件中に知り合った探偵・小次郎と行動を共にして、孔の周囲で起きている事件を追いかける事を決意した。大使館への潜入、公安データベースへの違法ハッキングなどの無茶な橋を渡ってまで真実に近付こうとした氷室は、その中で政府が陰謀に加担している事実に直面。自身の公僕としての存在に疑問を持ち始めたとき、改めて彼女は小次郎の生き方に惹かれ、以降はあまぎ探偵事務所の所員として働くことを決意する。 卓越したハッキング技術や元エージェントとしての腕前は現場タイプの小次郎にとっては欠かせない存在であり、ロストワン事件の折には杏子・雄二をサポートする上でもその腕前を発揮したが、零細探偵事務所ではそれも思う存分発揮出来ない現状が続く。それでも、彼女はその生活をむしろ喜んでいるのかもしれない。一方でEVEとの出会いが再び影を落とすTFA事件の最中には、殺し屋プリーチャーに命を狙われる小次郎を前にして遂に感情を爆発させる一幕もあった。 性格は冷静かつ真面目。私生活に於いてもグータラな小次郎の面倒を見る様は、まりなに言わせれば「まるで夫婦じゃないの…」とのこと。大雑把な性格の小次郎とは逆に几帳面な性格の氷室は相性が良いのかも知れない。しかしその几帳面さは家庭的な方面には発揮されず、毎日の食事は専らジャンクフードであるようだが本人は特にそれを気にはしていないらしい。 |
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ディーブ | 旧エルディア情報部副局長。エール外国人学校長・ストールマン=孔になりすまして小次郎に絵画捜索を依頼した人物である。前国王の人格が宿る真弥子を即位させようとする御堂とは思惑を別にして動いており、アクアと共に国璽探しを行っていたようだ。二階堂が御堂から絵画探しを依頼されていたこと、また雇い主を出し抜くために国璽(※二階堂は国璽とまでは気付いていない)をくすねていた事に気付いたディーブは、二階堂の恋人である茜を拉致して国璽の在処を聞き出そうともしていた。 だが既に国璽は桂木の手に渡った後だったのだ。焦りを感じた彼はその場に居合わせたまりなを捕らえるなどの手を打つが、遂には客船トリスタン内で前国王の手によって縊り殺される。 物腰丁寧な言動の裏に陰険で過度のサディストたる本性が隠しており、旧情報部副長時代は主に拷問等の非合法的な手段を考え付く役目を担っていたとも言われている。ちなみに彼の傍に侍っている二人の女性はシンディとサラ。このうちシンディは『EVE memories』によれば彼の娘ということになっている。 |
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