空白依存症

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<<   作成日時 : 2012/09/13 04:03   >>

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たまにはゲームの話してみます。しかもそこまで大衆的な作品ではない(たぶん)んですが。



EVEシリーズという因縁のアドベンチャーゲームがありましてですね。

わたくし、このシリーズの「EVE the Lostone」「EVE Zero」「EVE TFA」はやってたんですが肝心のバーストエラーをやっていなくてですね、数日前ようやくやったのですよ。ええ。

つまり、2,3,4とプレイして1はやってなかったという珍しい人種で。しかもこのシリーズ、最初の作品である「EVE Burst Error」がセガサターン等でヒットして人気を得たわけですが、当時シナリオを書いていたライターである菅野ひろゆき氏は会社やめて独立してしまって、(おそらく菅野氏は続編なんて考えて作ってないのに)それでも続編出しちゃうぞっ☆というイビツなシリーズなんですね。そんで続編出したらこれがとんでもないストーリーで即クソゲーの烙印を押され、ライターは山田桜丸という謎の人物なのですがその正体は今や直木賞作家である桜庭一樹さんだっていうもうヤベエヤベエあんたこれ黒歴史だよって。


このシリーズとの出会いは、たしか中学校を卒業したときでしょうか、友人が突然家に来て「EVE THE LOST ONE」を置いていったことであります。前述のとおり超不評な作品なのですが、2人の主人公の視点を交互にプレイして進めていくシステム(マルチサイド・システム)や、そのゲームの雰囲気にどことなく惹かれました。
その後、ZERO、TFAとプレイしましたが、その友人がPC版のburst error持ってたけど当時はPC持っていませんでした。そしてそのPS2版リメイクが出てもPS2すら持っていない始末…。
今年になって知り合いからPS2を譲り受けたのでようやくプレイしましたよ、という感じなのです。



んで、名作と謳われる本作(といってもリメイクだけど)やってみて、まずやはりこれがEVEシリーズの原点、いや「原典」だと強く感じましたね。そもそも作者(菅野ひろゆき)が書いたのがこれしかなくて、以降はこれの同人みたいなもんなわけで、この作品の登場人物のキャラクターや世界観こそが土台なんだな、と。
皮肉な台詞の応酬、出てくる名言の数々(って覚えてないけど…汗)、以降の作品には見られない緊張感と小気味良さがありましたね。

だって、主人公である小次郎とまりなの推理の冴えが凄いもん。作者が探偵小説好きなんだなーって感じするもんな。以降のシリーズってそんな感じしないもの。「LOSTONE」では主人公違うし、「ZERO」は若き日の小次郎&まりなを描いていたとはいえ、正直「こいつすげー!」って感じがあんまり無いんでね…巻き込まれ型でかつ運で危険回避してる印象が。まあ、バーストでも護衛中に水泳してポカしたり、大使館に侵入して見事囲まれたり、詰め甘いシーンもあるんですが、それでも「主人公たちは凄い人たちなんだよ」って描写がちゃんとあって、こういうところもバーストを超えられないっつー言説の脇を固めてるんだな、と思いました。
以降シリーズでも行動力の凄さは描かれてるんだけどね。


しかしね、肝心のストーリーやラストシーンですが、すんません、泣きませんでした。もちろん想うところはありましたけどね?いやね、だって犯人知ってるし(笑)。以降のシリーズやってるからね、その驚きは無いわね。
あと、LOSTONEに毒されているからか、エルディアに永久睡眠っていうちゃんとした描写は無いのねこれ?ピクチャー1枚じゃん。んでその次のピクチャーはてっきり「こういう未来があればよかったな」とか「まりな・小次郎・プリシアはいつまでも真弥子と共にいますよ」っていう意味かと思いきや、ウィキペディア見たら「真耶子復活する。」って書いてあるし!え、そうなの!以降のシリーズから入った人間だから戸惑っちゃうよ!ちゅうかラストのムービーで、「ああ、死んだな…」って感じだったじゃねーかよー。


源三郎が死ぬところはグッと来ましたね。死すら達観してる雰囲気の人が、最後の最後で死の恐怖を実感して、娘に本当は会いたかった、本当は生きたい、と思うっていうのが良かったです。


やっぱストーリー難しかったですね…。ディーブの目的とか全然意味わかんなくて考察サイト読んで納得したり。そもそもプレイヤーを混乱させるのは、【改革派=反王権派=御堂・アクア=真弥子擁立】、【保守派=王権派=プリシア】みたいな脳内把握をしながらプレイしてたけどそれじゃディーブは保守的な思想だったみたいな描写あったけど御堂と繋がっててあれ?みたいに思って。その辺がよくわからんくて難しかったですね。プリシア自体は改革的な思想の持ち主であるってのは以降シリーズやってて知ってたけど・・・。ま、この「王権派」っつう言葉がミソよね。今は亡き王に忠誠を誓っているのは誰なのかっていうねー。


あと、もっと掘り下げてもいいんじゃないってキャラが結構いて、筆頭はアクアなんですけど、そういうのを深く考察していけるところが今でも根強い人気の元にもなってるのかなぁ。源三郎ももっと掘り下げてもよかったと思いますけどね。(あれくらいが謎を残して良いのか?)


あと、犯人の動機が、「後半は暴走」で片づけることが可能なところとか・・・、動機が明確に説明されない、っていうのは初代からなのね、この辺はZEROなんかに強く受け継がれた気がする・・・。あとは各々の考察・脳内補完に任せますっていう。エヴァ以降のセカイ系に未だ強く残っているようなこの風潮ですが(この間エウレカ観たんですがそう感じました)、この辺を以降シリーズでも根強くやっちゃったのがEVEシリーズなのかなぁ、というか「考察してね」じゃなく「その辺の設定はよく考えてません」みたいなやる気のなさが滲み出てるような気がするのが以降のシリーズでさ・・・・。その点、モヤっとするところはありながらもバーストはまだ絶妙なバランスを保てているか。


と、正直な話期待が高すぎたからかこんな感想になってしまいましたが、良かったです。ようやくこれで僕もEVEファン名乗れるかなぁー。昔からファンの方には「リメイク版じゃなくPC版かサターン版やらないとファンじゃない!」とか言われそうですが・・・・。今PC版DMMで買えるのねこの間知りました(一応エロゲーってことで)。時間があれば、いつかやってみたいですが今のところは勘弁してください(涙)



あとね、最期にこれは言わせてほしいんだけど、茜がすんごく良かった。ZEROでは特に良い印象無かったけど。もう序盤の小次郎とのやりとりとリメイク版でのキャラデザだけで「こいついいなー」って思ってたけど、かの拷問後の茜マジ最高。しかもプレゼントを渡すのってリメイク版だけの仕様なんでしょ?優遇じゃないですか!
小次郎を看病し、トリスタン号へ行く彼を見送るとことか素晴らしかったけどなー。あの瞬間は、茜って弥生・氷室に次ぐ第三のヒロインだったんや!って感じしたけど(プリンはどこ?)。

それなのにね?なんでバースト以降(時系列で)出てないのよこの人。意味がわからん。断じて意味が解らねえ。TFAやニュージェネで出せよ。出そうぜ?いやマジで意味わかんないんですが。出ない理由が。眼鏡っ娘もボクっ娘も全然好きじゃない俺が言ってるんだから間違いないです、茜は本作で良いヒロインでした。新作(多分出る確率は1%以下でしょうが)あるなら茜復活希望。


追記:ああ、松野さんもクソ可愛かったっすわ…。男いてつまらんけど(嗚呼にっくき快楽の学園)。

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