「脱原発」のシングルイシュー化は許されない
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本日はキャリアコンサルティング「三橋国家経済塾」最終回でございます。塾生の皆様、一年間、お疲れ様でございました。
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【2012年11月21日 六ヶ所村再処理工場前にて 佐波優子さまと】
Youtube【エネルギー安保】六ヶ所村の今とこれから、再処理施設概要[桜H24/11/27]
http://youtu.be/IFSsfJM0yAo
ニコニコ動画【エネルギー安保】六ヶ所村の今とこれから、再処理施設概要[桜H24/11/27]
http://www.nicovideo.jp/watch/1354003513
わたくしが最近、原発問題について触れているのは、「脱原発」やら「卒原発」やらがシングルイシューとして総選挙の争点にされかねない状況に危惧を覚えるためです。切っ掛けは、テレビ朝日のTVタックルに出た際に、
「石原さんが大同小異と言って第三極を集めようとしています。その大同が『東北復興』や『デフレ脱却』ならば分かりますが、中央官僚政治の打破、これは無いでしょう・・・」
と言ったときに、阿川佐和子さんが「大同」として、
「脱原発とか?」
と仰ったことです。
東北復興やデフレ脱却は、「今、目の前にある問題」ですが、脱原発はこう言っては何ですが「気分の問題」です。何しろ、「一か月以内」「一年以内」の脱原発は絶対にできないのです。
それに対し、「東北復興」はまさに「わたくし達の身体の一部が重傷を負っている」という話であり、優先順位のトップに据えなければならない問題のはずなのです。
別に、将来的に脱原発をしても個人的には全く構いませんが、「今、この瞬間に決めなければならないことか?」と言いたいわけです。と言いますか、現在も東北の方々が復興を実現できず、生業を取り戻せないで苦しんでいる最中に、個々人の気分の問題である「脱原発」の優先順位を高めようとするのは、日本国民としてどうかと思うわけでございます。
とはいえ、恐らく阿川さんは日本国民のマジョリティかも知れません。総選挙の争点を国民にアンケートを取ると、「景気対策」がトップになるケースが多いですが、「脱原発はどうでもいい」と思っている日本国民は少数派なのではないでしょうか。
結果、脱原発を叫べば「票になる(かも知れない)」ということで、「科学」「技術」を無視した脱原発論が横行し、
「我が党は20年以内に脱原発を実現する」
「いや、我が党は10年以内だ!」
と、根拠なきポピュリズムに基づく「○○年競争」が始まっています。いい加減にしろ! と、怒鳴りつけたくなるわけです。
無論、10年以内の脱原発について「科学的根拠」があれば構いませんが、わたくしは未だに一度も「脱原発までのプロセス」について政治家から説明を聞いたことがないのです。先日も書きましたが、脱原発を実現するためには、少なくとも三つの大きな課題があります。
(1) 喫緊のエネルギー供給をどうするのか? 特に、天然ガス依存が高い中部電力などは、中東情勢の影響をもろに受ける。また、寒波の中、東京電力が電力融通を受け、室蘭は鉄塔倒壊で大停電を起こしている。脆弱化している日本国のエネルギー供給をどう立て直し、安定化するのか?
(2) 原発に代わる代替エネルギー供給技術への投資はどうするのか?
(3) 使用済み核燃料はどのように処理するのか。
上記の三つについてきちんと説明しなければ、「脱原発」「卒原発」は、09年に民主党が叫んだ「政治主導!」「官僚政治の打破!」と同じく単なるスローガンということになります。
そもそも、現在の日本国民の果たして何割が、「脱原発」を実現するためには、上記の類の課題が存在していることを知っているでしょうか。上記の課題を国民で共有し、議論を積み重ね、かつ技術開発投資を行い、ようやく脱原発への道が開けてくるわけです。現時点で「10年後!」「20年後!」などとやることは、09年の民主党の「スローガン選挙」同様に極めて不真面目です。
別に、自民党の公約が完璧とは言いませんが、少なくとも原発について「○○年で脱原発!」ではなく、
「中長期的エネルギー政策として、将来の国民生活に責任の持てるエネルギー戦略の確立に向け、判断の先送りは避けつつ、遅くとも10年以内には将来にわたって持続可能な「電源構成のベストミックス」を確立します」
と書いているわけで、他の政党よりはどう考えても「真面目」でしょう。無論、「10年では遅すぎる!」と思われた方がいらっしゃるでしょうが、ならば他の政党に「五年以内に結論を」といった公約にするよう働きかければ済む話です。
要するに、現在の「脱原発!」という各政党の声には、
「政治主導!」
「コンクリートから人へ!」
「官僚政治の打破!」
「政権交代!」
「ムダの削減!」
などと、スローガンを叫ぶことで政権を握った09年の民主党と同じ匂いを感じるわけです。
というわけで、09年と同じ轍を踏まないように、わたくしは原発について「真面目に考えよう」と訴え続け、できるだけ自分の目で各種の情報を確認し、皆様にお届けしたいと考えているわけでございます。
偶然ではございますが、ご著書の推薦を書いたことから懇意にさせていただいている弁護士の後藤先生から、原発問題を含んだご投稿を頂きましたので、ご紹介させて頂きます。
『石原慎太郎はなにやっているのか(弁護士 後藤孝典)
石原慎太郎は齢80になったというのに任期2年余を残して東京都知事を辞任し、憂国の情、止みがたく衆議院選挙に打って出るという。その意気やよし、よほどこの世を去る前にやり遂げねばならぬと決意した人生の重大事があるに違いない、ことと次第によっては自分も献金ぐらいはしなければと気をはって、実現したいと念じていることは何事ならんと目を剥いて注目していた。
ところが毎日のように新聞を読みなおし、ネットを繰り返し見つめなおしても石原慎太郎は人生の一大事を語らない。石原新太郎が新政党立ち上げ以来耳に入り目に入る石原の言葉と言うのは、官僚制を打破する、自民に過半数は取らせない、の二つだけだ。他になにか語っているのだろうか。もし私が聞き落としていないとすれば、石原慎太郎は何をやっているのだろうか、不思議でもあり、石原慎太郎、老いたり、と思う。
まず、現在の日本は、中央官庁の官僚制を打破する必要はない。かれらは、プラスもマイナスもあるが、賄賂も取らず、将来の安定収入もないのに、合計すれば、よくやっている。東京都の都知事を長年勤めておれば、官僚が何をやるにも邪魔をすると思うようになるのは、むしろ当然だ。大阪府の場合も同じだろう。官僚は東京都だけ大阪府だけを考えて仕事するわけには行かない。国全体を考えざるをいない。財源は有限である以上、国と地方とは利害相反することとなるのは不可避だ。衝突するのがむしろ当然なのだ。
地方公共団体が潤沢なる財源をもち、中央政府を凌駕する強大な権限を持ったとすれば、それは地方自治ではない。国を分裂させるものだ。そうなれば、手をたたいて喜ぶものたちに取り巻かれていることを知るべきだ。
今回の選挙で、なぜ自民党に過半数を取らせてはいけないのか。デフレ脱却、尖閣防衛、憲法改正、安倍が提起するこれらの課題は、どれをとっても、戦後これほど重要な争点はなかったというほど、重要な争点である。今回の選挙の結果は、日本の生死を決定する。しかも、安倍晋三の主張と石原慎太郎の主張とどこが違うのか。この三点とも同じではないか。石原が異を唱える理由がないではないか。
原発に関しても、二人は大した違いはなかったはずである。石原は、維新と一緒になる前は、脱原発依存などとは言っていなかった。むしろ、自分は原発推進論者だと語っていた。
広島、長崎に原爆炸裂後人が住めなくなったわけではなく、福島原発によって誰も死んではいないことは、二人ともよく知っている。石原は、原発にまぶした原爆への恐怖を餌に票を集めようというさもしい人々にとり囲まれているし、 安倍の周辺にはそのような人々はいない違いがあるだけだ。日本から原発がなくなれば、喜ぶものたちが国の回りにいることを百も承知でありながら、石原は外交を語らなくなった。なぜなのか?
石原慎太郎のわが国の安全保障や尖閣諸島についてのこれまでの主張は明快でもあったし、魅力的でもあった。しかし、わが国を首相として動かす人物として、どちらが適切かという視点からは、安倍晋三のほうが上だ。石原慎太郎は安倍晋三と手を組むべきだ。手を組んで得るものの巨大さに比べ、失うものなぞない。
橋本徹は、いつも二番手に置かれる大阪の縁日にしゃしゃり出て、東京に対するルサンチマンの啖呵を切る香具師に過ぎない。石原にとっても、いつまでも同席する相手ではないはずだ。』
後藤先生、ありがとうございました。
わたくし達日本国民はこれまで、「シングルイシュー」や「スローガン選挙」により選択を誤り、悲惨な目に会ってきたわけです。もう、この手のバカげた選挙戦はやめませんか。政策とスローガンは、違います。
今回こそ「政策」を争点にした選挙が実現できるよう、あえて大声で言っておきます。
「脱原発」のシングルイシュー化は許されません!
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