韓国新大統領:麻生副総理と会談 未来志向で緊密協力
毎日新聞 2013年02月25日 19時36分(最終更新 02月25日 23時41分)
【ソウル西脇真一】韓国の朴槿恵(パク・クネ)新大統領は25日、ソウルの青瓦台(大統領府)で麻生太郎副総理兼財務相と約25分間会談した。両首脳は日韓関係が冷え込むなかで、新政権同士が「未来志向」で緊密に協力していくことで一致した。会談後、麻生氏は日本メディアに「(歴史認識などで)互いの立場を理解することが大事だ。未来志向で行かなければならないのははっきりしており、政治家として努力しなければならない」と語った。
外務省関係者によると、日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題は双方が言及しなかった。ただ、朴氏は「未来志向の協力のためにも歴史認識が重要だ」と、日本側にくぎを刺した。
また、青瓦台関係者によると、朴氏は「歴史問題などの懸案が未来志向的な韓日関係の発展を妨げているのはもどかしい」と指摘。「友好関係構築のためには、歴史を直視しながら過去の傷がこれ以上悪化しないよう努力し、被害者の苦痛に対する心のこもった理解がなければならない」と述べたという。
朴大統領の就任式をめぐっては、日韓関係の早期改善に向け安倍晋三首相の出席と、日韓首脳会談の開催も取りざたされた。しかし調整はつかず、麻生氏の出席で落ち着いた。
22日の「竹島の日」の行事に内閣府政務官が出席し、韓国の反発も高潮。外務省関係者は「副総理というハイレベルの出席者が就任式に参加し、やり取りできたのは意義があった」と言う。
過去の就任式には日本から首相が出席することもあった。08年の李明博(イミョンバク)氏の就任式には福田康夫首相(当時)が、03年の盧武鉉(ノムヒョン)氏の際は小泉純一郎首相(同)が出席した。98年の金大中(キムデジュン)氏の時には橋本龍太郎首相(同)が中曽根康弘元首相に親書を託した。