脳科学:ドーパミン分泌で「自分は優秀」錯覚 うつ改善も

毎日新聞 2013年02月26日 10時35分(最終更新 02月26日 11時07分)

 「自分は平均より優れている」と錯覚してしまう仕組みを解明したと、放射線医学総合研究所(千葉市)の研究チームが発表した。快感が高まったときなどに脳内で分泌される神経伝達物質「ドーパミン」の量が多い人ほど、錯覚を抑える脳の働きが弱かった。自信回復や、うつ症状の改善の治療法開発に役立つ可能性があるという。

 25日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。

 この現象は心理学で「優越の錯覚」と呼ばれる。適度な錯覚は自分を肯定的にとらえ、心の健康に重要だが、錯覚が弱まると「自分は劣っている」と悲観的でうつ状態に陥りやすいとされる。

 チームの山田真希子主任研究員らは、日本人男性24人に「正直」「温厚」「怒りっぽい」などの性格を表す単語を示し、自分が平均的な人と比べてどれくらい上か下かを点数で評価してもらった。

 その結果、人並み以下と答えたのは2人だけで、全体では平均で約2割他人より優れているとなった。さらに、この24人の脳を画像診断したところ、自己評価の高い人ほど、ドーパミンを出す部位「線条体」の活動が活発な一方、状況を判断する役割を担う前頭葉の働きが弱くなっていた。

 山田さんは「成果を、うつ症状の特定や改善策につなげたい」と話す。【阿部周一】

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