アブラハム「いつかはゆかし」誇大広告の疑い

やまもといちろう

2013年02月23日 14:25

 結論から言いますと、月5万円の積立を30年間想定利回り10%を複利でやっても1億円なんて貯まりません

 明らかな誇大広告であり、有利誤認の疑いがあります。

有利誤認とは
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/yuri.html

 そもそも、積立で複利とか…

Yukashi_7_130223

 私も、「いつかはゆかし」でシミュレーションしてみました。30年後に1億円が貯まるみたいです。そのころ私は70歳だそうですけど、細かいことは気にしない。正確には、108,566,055円だそうです。 

 おかC…  そんな馬鹿な。出たシミュレーションの回答から、算式を割り出したいです。とても。

 逆算してみましょう。まずは、素直に数式を算数で作ってみます。計算してみたら…

(((60*1.1+60)*1.1+60)*1.1…

 なりました! 108,566,055円です!

 まさかの算数! 算数であります!

 マクロも微分積分も不要な、足し算と掛け算を30回繰り返したら、108,566,055円になった!

 四則計算です! いまどき金融商品をスパコンで設計したり超高速通信で顧客に投資助言する世界で、ただの足し算です! 小学生でも根性で計算できる程度のシミュレーション内容でした!!

 やったぞ母ちゃん! これで私もゆかしだ! 1億円だ!!

Yukashi_8_130223

 …馬鹿かよ。

 ここから、アブラハムの意味の分からない積立額に対するチャージが支払われます。
 年0.9045%だそうなので、手数料を毎年引かれますから年間0.99055をかけなければなりません。

(((60*1.1*0.99055+60)*1.1*0.99055+60)*1.1*0.99055+60…

 結果は8,846万円。積み立たないじゃねーか。千万以上違うぞ。1億円はどこいったんだよ。話が違う。それも根本的にだ。おい高岡池田、説明しろ。

Yukashi_9_130223

 さらに忘れていることがあります。

 キャピタルゲイン税。

 日本人が日本で居住して積み立てて収益確定させたら、キャピタルゲイン税かかりますね。

 払わないと脱税ですね。重加算税ですね。ちゃんと払いましょう、キャピタルゲイン税。

 30年間毎年60万円積み立てた額はいくらですか? 1,800万円ですね。

 30年後、我が国のキャピタルゲイン税の税率がどうなっているか分かりませんが、課税額はこの8,846万円から1,800万円を引いた7,046万円です。

 いまのまま10%なら704万円のキャピタルゲイン税のお支払いですね。

 アメリカと同じ20%になる議論がなされてるんで、20%になったら1,409万円です。

 都合、いつかはゆかしの言うとおり30年毎月5万円積み立てて得られる報酬はキャピタルゲイン税が20%だとすると、結論としては7,397万円ですね。

 誰だよ1億円は貯められるとかでっかいガセネタ流した馬鹿は。算数できないのかよ

 絶対分かっててやってるだろ。そうでなければただの本格派の馬鹿か。知識の無い人を騙すためにキリの良い数字を並べているだけとしか思えん。もちろん、他の数字を入れてシミュレーションしてもまったく同じ問題を起こします。明らかに有利誤認を導く誇大広告のシミュレーションですね。

 ちなみに、表面利回り10%でも実効利回りや納税、カード手数料(笑)を考えると、月額5万円の積立だけで1億円を貯めようとすると47年から65年かかると予想されます。

 7,000万台ならそれでも凄いって思う無知な人もいるかと思いますが、私たちだってプライベートのファンドのLPが0.4%報酬を引き上げようというだけで騒動が起こるわけです。もうね、年率1%の手数料の上げ下げで殴り合いの喧嘩が起きるのが富裕層ビジネスなんですわ。そういうところをしっかり考えて事前告知し運用できる会社が信頼できるってことであって、こんな1億だと銘打って、仕上がりが7,000万円台とか金融業者ではあり得ないわけですよ。

 もうこの時点で、有利誤認を導く誇大広告の疑いがあるので、早いところSESCや消費者庁に動いてもらわないと駄目でしょうね。利回り10%複利を前面に出している以上、断定的判断の可能性が高いと思います。

断定的判断の提供
http://money.infobank.co.jp/contents/T100090.htm

 投資助言業である以上、想定利回りというのはお客様の判断の結果で大きく異なるはずです。しかし、想定利回り10%を30年間というシミュレーションを立てることは「断定的判断」を顧客に提供していることになりますんで違法な勧誘行為であると考えられる部分は色濃く残ります。どうするつもりなのでしょう。

 っていうか、クレジットカードの手数料が毎月入金のときにかかるんだろうなあ、これ。いつかはゆかしの会員の人、積み立てプログラム提供会社であるハンサード社へ入金する場合のクレジットカード利用料率は幾らになってますか? 仕上がりがポンド建てなら0.95%から1.70%の間のはずなんですが。

 そして、成績が芳しくないファンドを選択してしまったとき、他のファンドへスイッチングするための手数料もな。もちろんちゃんと説明はしているんだろうけどね、そのコストを合わせると最初に言っていた毎月5万円の積み立てで1億っていうシミュレーションは問題だろということですよ。

 最後に、この積み立てプログラムはハンサード社(マン島の金融機関)を利用しているようです。
 私はいつかはゆかしの会員ではありませんので、実態は外形的にしか分からんわけですが。

 で、ハンサードというマン島の積み立てプログラム提供会社とアブラハムが契約して、いつかはゆかしでかき集めた金を送り込んでいるようです。
 が、どういう理由か、audit資料でアブラハムの名前が出てきません。これは、販売代理先として正規の契約先としてマージンの支払いがアブラハムに行われていない可能性がある、ということです。子会社とかに迂回している可能性はありますが、その場合はなんでそんなことをわざわざしているのか、この山本一郎のレーダー魂に炎が灯ります。

 現在、マン島政府に問い合わせをし、内容を確認している最中です。現状で把握できたことは、積み立てプログラム自体はきちんと日本人投資家と問題なく契約されているようです。ただ、その積み立てプログラム提供会社が仲介者であるアブラハムに対して本来は営業手数料を支払うことで取引が成立しているはずなんですが、どーもその契約が無いか、別の会社名義になっているようであります。このあたりは良く分かりません。

 一連の話を総合すると、投資助言業としてどうというより、いつかはゆかし入会金、投資額に対する0.9%のチャージ、ハンサード自体のプログラム利用手数料、その先のファンドの運用手数料、さらにハンサードからどっかに支払われているバックマージンと、まさかの五階建てになってる計算になりますね。どういう契約形態になっているのか知りたいです。もちろん、利用者はさらにクレジットカードでの入金ですからクレジットカード利用手数料は別途かかります。ちゃんと標準の料率になっているんでしょうか。

 というか、貧乏人が30年も積み立てて海外投資するぐらいなら、うまいもん喰って屁こいて寝て英気養ってもっと稼げるようになって頑張って生きろとしか言いようがありません。はした金を年利一割で回したってはした金しか増えないだろ。30年もはした金積み立てるぐらいなら収益拡大方面に積み立てないといけないのは当然のことです。そういうことを理解しないからいつまでも貧乏なんだよ。

 ハンサードが適法か? とか、アブラハムの経営自体に面白い点があるんじゃないの? などという問題も今後ちらほらと。

 こちらからは以上です。



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投資・コンテンツ開発が専門。IT業界の動向に詳しい。

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