2002年上半期の日記

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20020102
 DC版Kanonプレイ。川澄舞役の田村ゆかりだが,声質や喋り方が舞に合ってはいるものの,声優としての本質的な部分に問題があるのではないかと感じる科白があった。みたらしだんごを12個口の中に詰め込んだまま「逃がした」という科白があるのだが,テキストではそれは「みまみま」と表記される。これを,口に何も含んでいないかのように,ごく普通に言ってのけたのだ。アクセントもとても「逃がした」と言っているようには思えない。まさに,「みまみま」と正確に発話したとしか思えない科白だった。そう言えば,「喉に詰まったの」という科白もそうだった。詰まった状態で話せば,当然話し方は変わるはずだ。
 キーくんママは,舞編をクリアする直前で選択肢を間違えたままセーブしてしまい,バッドエンドになった。こうなると最初からやり直すほかない。選択肢を選ぶ前に必ずセーブするようにと忠告したのだが,だめだった。システムが章立てになっているとか,「次の選択肢までスキップ」がついているとか,初心者向けの救済措置があればよかったのだが,そうしたものが何もないこのゲームでは,再度延々と同じ文章を見る羽目になってしまう。パソコンでこの手のゲームをやりなれている人にとってはこの手のことは常識だが,家庭用ゲーム機で遊ぶ人(キーくんママのような)にとっては決して当たり前ではない。制作者は,このようなシナリオとは無関係なところでプレイヤーのやる気を削ぐことのないよう,システム設計にもっと注意を払うべきではないか。

20020103
 DC版Kanonプレイ。舞編クリア。クリアすると,デモ画面にオープニングムービーが入らなくなった。これでようやくパソコン版と同じになったわけだ。このゲームにおいては,初めてゲームをする人にオープニングムービーをデモで観せてしまうのは,一長一短だと思う。個人的には,パソコン版のようにゲームを始めてからオープニングを観るほうがよかった。
 舞編のシナリオは,以前パソコン版をやったときにはなかなかよいように思えたのだが,今観返すと問題が多いように感じた。祐一は男女差別的発言を繰り返すし,舞は自らの腹を突いて自害したはずがどのようにして生き延びたのかさっぱり解からない。そもそも,舞の人生を狂わせた特殊能力が果たしてどのようなものか,表現の仕方が曖昧で矛盾が多い。死んだ母を蘇らせるような能力を,テレビ局や叔母はどうやって見出したのか。ただ,雪ウサギの動物園は,泣かせるシナリオではある。
 それはともかく,舞の母親の声がかなりどうしようもなかったのには閉口した。舞役の田村ゆかりについては,7年前のまいや子どもの頃のまいに関しても声質についてはほぼ完璧だったのだが,如何せん状況に合わせて喋り方を変える力に欠けていた。また,独白部分のナレーションは,地声に近い感じで不自然であった。
 続いて佐祐理編も難なくクリアした。こちらは2つの長い独白を聴くだけだから,さほど大変ではない。この物語は,もう少し膨らませてきちんとした話にするか,さもなければ完全に端折ってしまうかのどちらかにすべきだったと思う。佐祐理役の川上とも子の演技は,独白部分が地声だったので誰が喋っているのかわかりにくかった。独白も佐祐理の声で喋るというのは難しかったのだろうか。このゲームでは,舞もそうだったのだが,独白部分の喋り方がどのキャラも似てきてしまっており,聴いているだけだと判りにくい。
 さらに栞編をプレイ。栞役の小西寛子は,個人的には声質が合っているとは言いがたかったのだが,声優としては立派なものだと思う。病弱の少女の声とは言いがたかったが,これはそもそもシナリオからしておかしいので,仕方ないだろう。しかしこのシナリオ,病弱で余命1年未満の少女に,どういう無茶をさせているのだろうか。おまけに科白も行動も,健康な少女ですら無理があるほどに健康的だ。それにしても,聴けば聴くほど元気印の少女のようで,設定と比べて違和感が募った。初めの一週間くらいは,まだ少し暗い感じの喋り方だったのだが,1月25日を過ぎたあたりからは陰がまったく聴き取れなかった。
 名雪役の國府田マリ子は,1月20日くらいになると,かなり名雪になりきったペースで喋ってくれた。声質は相変わらず想像していた名雪とは違うが,このテンポなら,これが名雪なのだと言われれば納得できなくもない。初日からこれくらいの力を発揮してほしかったところだが,巷の評判も大きく外れてはいなかったのだと認めざるを得ない。特に北川君が舞踏会の準備をしてきたときのやりとりは絶品だった。「ごめん,私もゴミ袋だと思った」「ごめん,私も似合わないと思った」のあたり。
 香里役の川澄綾子は,個人的には最後まで非常にうまかったと思ったのだが,キーくんママは,栞のことでついに祐一に泣きついてしまう場面を「下手だ」と評した。分からないものだ。このゲームの声優の中では,佐祐理役の川上とも子と並んで,自分のイメージと100%合致した稀有な例だったのだが。
 栞編クリア。7年前の物語との接点がわからなかったのだが,今回見返してみてようやく理解できた。栞の病気が治ったのは,あゆの見た夢の力。ずっと待ちつづけたことへのご褒美として,ひとつだけ願いがかなえられることになった。あゆは栞と祐一のことを物語の間中ずっと見ていたので,栞の病気を治すことを,そのことだけを望んだのだ。単独の物語としては泣かせる構成ではあるのだが,やはりこのゲームのシナリオ全体を俯瞰すると,この話は浮いている。今回見返してみて,舞編の浮き方とさほど差はないということがわかったのだが,それにしても浮いていることに変わりはない。この作品は,あゆ編と名雪編のみにして,残りを大胆にカットした方がよかったのではないか。

20020104
 DC版Kanonプレイ。真琴編をやる。真琴役の飯塚雅弓が「温かい」を「あたたかい」と読むので,かなり違和感がある。真琴のキャラクターなら,「あったかい」だろう。
 初登場の天野美汐役,坂本真綾は,美汐のイメージとまったく合わない声でかなりがっかりした。この人ももしかしたら一通りの声質しか出せないのかもしれない。そもそも,この人物は真琴編のシナリオに必要ないとも言えるので,ある意味どうでもよい。
 舞編では舞自身の特殊能力,栞編ではあゆの願い,そしてこの真琴編ではキツネたちの力が,この夢のような物語を紡いだことになっている。そんなことで納得できるか。やはりこの作品は,名雪編とあゆ編だけで構成するべきだった。
 名雪編クリア。どうしても男女差別的発言(女の子だから弱くていい)が気になってしまうが,何度観てもこの物語には泣かされてしまう。名雪のマザコンぶりには閉口しなくもないが,名雪の祐一への想いの深さ,そしてそれに応える祐一の名雪への想いの強さには,素直に共感した。名雪編での祐一が,ほとんど唯一,感情移入するに足る言動をとっていたからかも知れない。しかし,名雪編においても,奇跡を起こしたのがあゆだったというのは,やはり残念だ。このゲーム自体があゆの起こした奇跡の物語なのだから,致し方ないのだろうが。名雪役の國府田マリ子は,少女の頃の名雪の声と現在の名雪の声をうまく使い分けていたし,後半の演技に関して言えば,名雪の感情の微妙な変化をごく普通の科白(「祐一,放課後だよ」など)で見事に演じ分けていたので,最終的には好印象をもった。パソコン版で抱いた名雪の声のイメージとは違和感があるが,それでもこの名雪はこれで完成されていたと思う。最初の酷評は撤回する。終わりよければ何とやらだ。

20020105
 DC版Kanonプレイ。あゆ編をやる。あゆもマザコンで,母を失ったことをトラウマとして引き摺っていた。このゲームでは,母を失ったり失いかけたりするキャラが3人もいる。しかも,後の作品であるAIRのことも考え合わせると,久弥直樹はどうも母子関係に関する物語ばかり書きたいらしい。
注) 実は久弥直樹が手がけたシナリオは名雪・あゆ・栞編だけという話を,後に師匠から聞いた。他のシナリオは麻枝准が手がけたそうだ。また,AIRには久弥直樹はまったく関わっておらず,すべて麻枝准とイシカワタカシの手によるとのこと。
注2) 名雪編,あゆ編を書いた久弥氏も母子関係が好きだったのかもしれないが,舞編を書いた麻枝氏のほうがさらに輪をかけて母子関係好きであったことは,AIRCLANNADをプレイした人にはもはや常識であろう。
 クリアしたが,やはり3つ目のお願いに泣かされた。それ以外の点では,ナレーションを声つきでやるのをやめてほしかった。予想通り,語りの部分は物語の余韻をぶち壊す効果しかなかった。あゆの話し方自体は,最後まで微妙な違和感がついて回ったし,國府田マリ子の演じた名雪ほどには独自のあゆ像を確立したとは言えないけれども,まあぎりぎり合格点だろう。最終的には,奇跡を起こしたのは祐一があゆにあげた天使の人形ということだったのだが,そうなると超能力者は祐一自身ということになる。その方が矛盾は少なそうだし,5人のヒロインに対して5回の奇跡を起こしているのだから,整合性もとれるというものだ。
 CGは,パソコン版をやったときと同じ現象が生じた。名雪が子猫のぴろを頭の上に乗せて,「ねこー,ねこー」と叫んでいるところの画像だけ,取り逃がしていた。真琴編をやるときに,名雪の猫アレルギーを誘発するような選択肢を選ばなければ見られないのだから,素直なプレイヤーほど取りにくい画像だろう。これは後刻回収。
 もともと,パソコン版でも18禁シーンに意味づけがなかったゲームだったこともあり,家庭用ゲーム機における全年齢版に本質的な違和感はなかった。だが,やはり二回目ということもあり,このゲームのシナリオに関する欠点も見えてしまった。システムに関しては,声のon/offができる分だけパソコン版より優れていると言えるし,家庭用ゲーム機で遊ぶ方が大画面かつ高音質で楽しむことができる分,評価は上がりこそすれ下がりはしないはずである。だが,家庭用にするなら,やはり「セーブし損ねたばっかりにクリア直前の二択で失敗して,最初からやり直し」という事態は避けられるようにしてほしかった。また,シナリオの減点がかなり大きいので,評価は引き下げざるを得ないと考える。繰り返し遊べるゲームではないという点は同情に値するが,致し方あるまい。

20020107
 ダークシードIIプレイ。カーニバルを探索。メリーゴーランドの左に進むと,射的,ルーレット,輪投げのコーナーがあった。左上に進むと,鏡の部屋,異常双生児ミニーとデイジーの部屋,強力ガルガンの部屋,占い師パンドーラと愛蛇ルシファーの部屋があった。右上に進むと,メリーゴーランドの電源部,スタッフルームがあった。スタッフルームにピエロの薬の入ったクーラーボックスがあったが,上に重石が乗せてあり非力なドーソンには取ることができない。
 ミニーとデイジーとの対話。ミニーは巻き物の番人の声を聴いて,ドーソンに鏡の部屋の鍵を送ろうとしていたらしい。しかしデイジーに止められてしまった。デイジーは鏡の部屋を作らせた張本人だが,どうやらダークワールドの何者かと通じているようだ。もしかして,この二人に名前を聞かれたときに,本名を答えてはいけなかったのか? マイク・ドーソンとフィリップ・マーロウの二択だったのだが。だとすると取り返しがつかない。
 強力ガルガンは,事務所の金が盗まれて自分が解雇されるということで鬱になっており,ドーソンに協力してくれない。パンドーラは,ドーソンの持ち物のうち3つまでを使って占ってくれた。入場券は「4つの掛け釘の1つがふさがっている。帽子掛けが見える」,カメラは「血の海に浮かぶ,教会が見える」,壊れたハンガーは「判事の前で裁かれている。丸天井が見える」とのこと。にこちゃんマグネットは見てもらえなかった。順序は重要なのだろうか?
 輪投げの担当者が,盗まれたと思った金は2時間後に見つかったのだと教えてくれた。だが,その情報をガルガンに伝える術がない。ガルガンとの対話の内容が変わらないのだ。これは本格的に行き詰まってしまった。ここまで2:46。

20020206
 ダークシードIIプレイ。カーニバルで行き詰まったので,他に行けるところがないか探してみることにした。複数回通うことで,パンドーラはにこちゃんマグネットも占ってくれた。「もう回らない,6つのスポークのついた車輪が見える」とのことだ。また,ミニーの言っていた鏡の部屋の鍵は,謎々によると「もう眠っている人間」に送られたそうだ。ピエロとガルガンについても何やら言っていたが,現時点では意味が通じない。
 カーニバルを出て左に行くと,ラミレズ夫人の邸宅に出た。こんなところがあるなんて気づかなかった。こうした見落としが他にもあるかもしれない。隈なく見ていたつもりだったのだが。ラミレズ夫人は,教会と本とお金があれば,お金だけを信じる保険屋にも対抗できると考えているようだ。また,この町はダークフォースに侵されていると信じている。毎週教会に行くようドーソンに忠告した。保険屋といえば,ドーソンの父とフレミング市長が昔コンビを組んで保険屋をやっていたらしい。
 このあとは展開があるまでかなり苦労した。何しろ,何と何が関連付けられているのか予想もつかなかったから。バトラー保安官といろいろ話をすると,ラーソン医師が前の病院を追い出されたことがわかる。例によって,死体安置所でいちゃついているところを見つかったためらしい。この情報を得てから死体安置所に行き,ラーソン医師と話をすると,選択肢にこの件に関するものが付け加わる。それを選ぶと,ラーソン医師は怒ってカウンターを叩く。それ以上のことは何もないのだが,なぜか立ち入り禁止で鍵がかかっているはずの解剖室入り口が開錠されているのだ。そのことは,グラフィックからも文章からも音楽からも,まったくわからない。実に陰険な作りだ。扉を開けてみたときの説明によれば,ラーソン医師が怒ってカウンターを叩いた際に,たまたま電子錠の開錠ボタンを押してしまったのだそうだ。ありえない事態だ。
 中にはマーク・ダンソンという名の灯台守の死体(老衰死)と,リタの首なし死体があった。ダンソンの死体はガラスの鍵を首に下げており,ドーソンは遠慮なくそれを拝借。また,ラーソン医師の手帳にはリタたち女性の電話番号と品質(リタは四ツ星)が書かれていたが,中にひとりだけ男性の電話番号が。その男性はジミー・ガードナー。
 直接本人に聞いてみると,ジミーはラーソン医師に女を斡旋していたとのこと。また,リタの方から医師を口説いてお金が欲しいと言い出したらしい。
 ともあれ,鏡の鍵を手に入れたことで,鏡の部屋の怪しいところへ進めた。そこには前作と同じ鏡があり,ダークワールドにつながっていた。ダークワールドに入ると,光の番人がやってきて目的を説明してくれた。真実の光,英知の巻き物,正義の剣を入手し,ベヘモスを孵そうとしているパワー発生器を破壊せよとのこと。ベヘモスとは,FFに出てくるベヒーモスと同類か。パワー発生器は人間の脳細胞で動く,などの怪しい説明をした後,光の番人は死んでしまった。しかしドーソンは,命がけで皆を守ろうとした光の番人の死体に対して「気持ち悪い」とコメント。とことん恩義の観念のない奴だ。勝手に「貴方が最後の頼みです」と言われたことへの仕返しか?
 鏡の迷路を抜けてダークワールドへ出た。口のようなものと,左側への通路がある。口の中に入り,4つの分岐(右,右上,左,下)を下に進むと,ここへは戻ってこれなくなった。仕方がないのでロードしなおして,まずは行っていないところを探索。
 鏡の迷路出口から左に進むと,イクとウクというバイオメカノイドがいた。どちらがどちらかは教えないそうだ。そして,ダークワールドの昼と夜が見分けられない者は,牢獄の中には通せないとのこと。話を聞く限り,この奥に巻き物の番人がいるのは間違いなさそうだ。今のところ,左が正しければ,今は夜で左がイクとなる。右が正しければ,今は昼で右がイクとなる。
 口の中に入ると,リタの顔が接続された機械があった。リタの眼と口にチューブが挿さっているので,リタの死体が頭を斬り落とされて眼と舌を抜かれていたことと符合する。まったく,残虐なゲームだ。これで推奨年齢が「全年齢」なのだから呆れてしまう。
 右から入ってきたようなので,まずは右上に進む。ベヘモスの孵化器があった。左に進む。射的場のような機械がある。空のソケットがある。商業地区にエネルギーを送っているらしい。その先にも空のソケットつき機械がある。ダウンタウンにエネルギーを送っているらしい。壁には一つ目の巨大な顔。頬に大きな安全ピンが刺さっている。話し掛けると磁束がどうとか言うので,ルーレットと同じと判断。にこちゃんマグネットでインチキしてやると話してくれた。今度は磁束レベルが高すぎて,次元を越えて影響を及ぼしたそうだ。これでルーレットが当たるかもしれない。その先には輪投げの塔があり,行き止まり。やはり空のソケットがあった。公会堂にエネルギーを送っているらしい。
 リタの顔から下へ進むと,ゲートが閉じて戻れなくなった。データカードを提示しないと再び帰ることはできないらしい。これでノーマルワールドへも戻れなくなったがどうするのだろう。
 ダークワールドの5つの世界を行き来できるようになったので,とりあえず一通り出かけてみることにする。まずダウンタウンだが,フードセンターがあった。そこで蛆の湧いた死体を食糧と称して入手。飲み物を所望すると腹がはちきれるまで強制的に注入され,ドーソンは破裂して死亡。死んでも一度は復活できるが二度はだめなので,一度でも余計なところで死ぬとクリアできないらしい。やり直す。
 次にレクリエーションセンターに入る。静脈に薬を打っている生きものとヤニを吸っている生きものがいる。ジミーとメリッサらしい。電撃エネルギーを発生させている装置に触ると,ドーソンは溶けて死んでしまった。さすがはダークワールド,ちょっとしたことですぐに死ぬらしい。死に方のバリエーションも豊富そうだ。電気仕掛けの鍵がかかった扉があるが,今は開けられない。
 次に公会堂に進む。左の部屋にはドレッケス・ガードがおり,真実の光を証拠品として守っていた。牢は空っぽ。真実の光を入手しようとすると,ドレッケス・ガードに文字通り消された。ここはおとなしく帰るしかない。右の部屋は魂の番人の部屋だそうだが,電気鍵の扉と巨大な拷問絵図があるのみ。真ん中の部屋は裁判所で,剣の番人が磔にされて殺されていた。裁判官が古き神々への反乱者を死刑に処していた。パンドーラがハンガーについて語っていたのと同じ光景。裁判官と喋ると,何を選んでも死刑になるらしい。
 死の館では,ライフフォース・ヒルに殺されなければ出られない。ここで特権階級のデータカードを入手したので,例のパワー発生器のあるゲートも通れるし,真実の光も入手できる。いろいろ質問されたときはひやひやものだったが,供物は朝に供えるものらしい。
 商店街では,最初に武器屋に入った。アーグランという名の武器職人が,手榴弾発射弓を造ろうとしているが,引き金のデバイスがないのだそうだ。引き金があれば武器を造ってくれるとのこと。また,ゴスという勇敢なダークワールド人が古き神々に叛乱を企てたが,レクリエーションセンター裏のパワーロックに閉じ込められているそうだ。寺では,最高尼僧がいろいろとこの世界について教えてくれた。その先の尼僧の家では,門番と話ができるが,中に入ろうとすると殺されてしまうので注意。門番との話で,イクは昼間真実を語り,ウクは夜に真実を語ると知る。ここまで5:04かかった。意外と短い。
 再びパワー発生器の元に戻り,巻き物の番人が囚われているという牢に入った。巻き物の番人の話では,古き神々はダークワールドの住人の遺伝子を組み換え,シェイプ・シフターという生物をつくり,ノーマルワールドに送り込んだそうだ。シェイプ・シフターを同定するには市長に会うこと。パワー発生器を破壊するにはゴスに会うこと。前者の方が簡単そうなので,前者からやることにする。すでにドーソンは真実の光を入手しているが,なぜか二人ともそのことには触れず,真実の光を手に入れるにはどうすればよいかを話し合っていた。
 ノーマルワールドに戻る。ルーレットで景品(テディベア)をもらった。カーニバルでは他に変化はない。公会堂でフレミング市長と出会った。市長は再選キャンペーンの資金紛失の件で裁判所に行くところだった。市長は車に忘れ物をしたまま裁判所に入っていったので,ドーソンは車の鍵をハンガーでこじ開け(車の鍵がハンガーごときで開くものか!),鞄の中身である25セント硬貨とリタのヌード写真を強奪。硬貨はどうせ電話にでも使うのだろう。ジャックに見せるまでここを離れないとドーソンは言うが,実際には自由に動ける。
 とりあえず公衆電話を使うと,正しい選択肢以外はすべて硬貨が戻ってくることがわかった。このゲームとしては信じがたいほどの親切心だ。すぐに警察署を調べる。こなごなに割られたリタの写真と,保安官の収賄容疑の新聞記事が見つかった。
 家に戻るとジャックが登場。彼はフレミング市長とラーソン医師が怪しいと言って去る。ついでにいつのまにか証拠品をくすねていった。奴がいちばん怪しい。シェイプ・シフターでないと誰が言えようか。ドーソン自身はバトラー保安官とラミレズ夫人を怪しんでいる。ラミレズ邸に行ってみると,ジミー・ガードナーが放火の報酬を受け取りに来ていた。窓からこっそり証拠写真を撮る(ドーソンが「写真を撮らなきゃ」と言ってくれる)。これでジャックも怪しさを信じるか,とドーソンは思ったらしい。
 しかし頭痛が襲い,シムス医師のところに行く。今度はダークワールドのフードセンターで,ジミーとメリッサが市長(またはリタ)放火殺害計画について話し合っている場面を宙から見る夢を見た。ドーソンは靴から血を流しており,それをハンクに指摘された。どうやら夢が正しいとすれば,リタを殺したのはジミーということになるのだが,ジミーは当日の夜にアリバイがある。市長の再選資金は,リタがくすねてジミーに手渡したことがわかった。
 ドーソンの家で再会したジャックは,ジミーがすべての容疑者と関連していることを指摘。一転して最も濃い疑いをかける相手と決め付けた。このとき家に入って母と話すと,マイクのテニスシューズがなくなったことを話してくれる。
 ドーソンはジミーを探しにプールバーへ。そこではジミーがスリムと口論していた。スリムはすでにジミーをリタ殺害容疑で告発中。リタがフレミング市長に宛てたラブレターを,メリッサの鞄からかっぱらっていたようだ。ドーソンが止めに入り,殴られ,それを助けに来たジャックが庇う。ジャックは一撃でジミーを沈めた。ジミーが持っていた銃には,弾丸が入っていなかった。スリムから証拠の銃と手紙をもらったドーソンは,証拠品をバトラー保安官に渡しに行くことにした。だがその前に,ジミー失踪。ジミーがシェイプ・シフターだと思っているドーソンは,慌ててジミーを探すことにする。だが正直言って,小生はジミーがシェイプ・シフターだとは思えない。もしジミーがシェイプ・シフターなら,ラミレズ老人を放火で殺したりはせず,首を斬るだろうと思えるからだ。むしろ,カメラも奪い去ったジャックの方がよほど怪しい。ここまで6:16かかった。意外に長い。

20020208
 ダークシードIIプレイ。ジミーがリタ殺しの犯人であることを示す状況証拠をバトラー保安官に渡しにいったが,保安官はまだ戻っていなかった。他に変化したところはなく,ジミーもジャックも見つからない。仕方なくダークワールドに戻り,可能な限りできることをしてみる。
 ダークワールドに入ると,パワー発生器にフレミング市長の頭が据えつけられていた。すでにシェイプ・シフターが活動していたようだ。また,ルーレットの景品であるテディベアのぬいぐるみが,ダークワールドの生きものに変わった。それをルーレットの部屋のソケットにはめ込むと,電源がロックされフードセンターへの電力供給も止まった。これでゴスに会える。
 レクリエーションセンターでエゴ・マッサージ機を入手。ドーソンが触れたら溶けたやつだ。だが中に入ると快楽に溺れるらしい。また,電気錠のかかった扉が開くようになり,奥に住んでいるゴスと対面できた。ゴスはノーマルワールドのスリムに対応しているようだ。反乱時に踏みつけられて外骨格骨折。鎮痛剤を所望された。ピエロの言っていた薬が必要なのだろう。
 武器屋でアーグランにジミーの銃を渡し,代わりにバイオメカニカルマシンガンを装着してもらった。これは頭脳をもち,非生命体のみ撃つようになっているそうだ。これで射的場の景品はこっちのものだろう。
 ゴスの薬を手に入れるために再びノーマルワールドに戻る。ガルガンにエゴ・マッサージ機を与えると,みるみる幸せになり,それまで彼が使っていた鎮痛剤と抗うつ剤をくれた。これでゴスに与える薬は手に入った。だがピエロは今朝死んでしまったそうだ。悪い噂は皆ガルガンが流していたらしい。これからは重量挙げで生きていくそうだ。
 バイオメカニカルな機関銃で,射的場の景品(テディベア)を手に入れた。だがバトラー保安官が駆け寄ってきて,射撃の腕を皮肉ってドーソンをフレミング市長殺害の容疑者扱いしてきた。ドーソンはリタの手紙を渡し,ジミーが怪しい旨を伝えた。
 再度ダークワールドへ行き,商店街の電気をストップさせた。アーグランがドレッケス・ガードに殺され,最高尼僧が脱出した以外は変化なし。ゴスに鎮痛剤を与え,話を聞いた。巻き物は正義の館にあり,剣はシェイプ・シフターが持っている。光で暗闇を照らし,巻き物で真実を吹き込み,剣で融合してはならなかったものを切断せよとのこと。また,電磁弓をもらった。磁力のかかったものに効き,以前は通信を混乱させるのに使ったとのこと。輪投げマシンの心棒(金属製)に使えば最後のテディベアが手に入るだろう。テディベアを入手しないと,正義の館の電気錠が開かない。今日はここまで。7:18。

20020209
 ダークシードIIプレイ。輪投げマシンでテディベアを入手。早速ダークワールドの輪投げマシンにはめ込む。公会堂の電源が切れたので,電気錠のかかっていた部屋を探索。右の建物の扉は死の部屋につながっており,入ると事実上のゲームオーバーだった。真ん中の部屋(裁判所)には判事はもうおらず,証拠書類保管用キャビネットに英知の巻き物があった。あとは正義の剣をシェイプ・シフターから入手するだけだ。
 武器屋の左隣にあった入り口が開けられることに気づいた。入り口の右横に制御装置があったのだ。中はドーソンが最初に胚を移植されたデザインルームで,そこでレンチを入手した。今でもドーソンは,脳の胚を移植された部位がずきずき痛むそうだ。
 とりあえずダークワールドでできることはすべてやったので,シェイプ・シフターを探しにノーマルワールドへ戻る。カーニバルを出ると突如激しい頭痛に襲われ,ドーソンはシムス医師のところへ行く。今度の催眠術では,芝生に水を撒いていたポール・クーパーが,デザインルームを舞台にリタ,フレミング市長,ラーソン医師のホログラムをドーソンに見せて,三人ともドーソンを馬鹿にするという展開。ただし,リタを殺した犯人がジミー・ガードナーではないということだけはリタが証言した。まるでテレビ番組のようで,このムービーは少し笑えた。ドーソンはゲストだったし,ゲストはちゃんとおちょくられたのだ。最後にポールはドーソンに,リタの顔に刺さったステーキナイフのセットをプレゼントしてくれた。
 病院を出るとFBIの捜査官ガノンが,フレミング市長殺害容疑でドーソンを尋問する。その際ドーソンを「町で唯一リタと関係を持てなかった男」と揶揄したため,ドーソンはガノンを殴り倒した。これで有罪決定的となったので,ドーソンはジャックに相談するため家に逃げ帰る。ジャックは裁判になったら証言するとだけ言い残して去った。役立たずだ。証拠品をすべてくすねてこのざまだ。仕方がないので,ドーソンは単独でポール・クーパーを調査しなければならない。小生は今でもジャックの方がシェイプ・シフターではないかと思っているのだが,物語はポールがシェイプ・シフターという前提で動いているようだ。
 ポールは庭先で芝に水撒きをしているが,この水を止めれば家に入れるかもしれない。素手では蛇口を回せないので,多分レンチを使うのだろう。レンチを使って水を止めると,自動的にドーソンはポールの家に不法侵入。引き出しだらけのリビングには何もなく,奇妙なデザインの寝室にも何も見当たらなかった。ここでかなりの時間苦しむことになった。何しろ,進展がなかったから。
 しかし実際にはここに隠し扉があったのだ。扉の正体は本棚。本棚の前の床に,本棚を引き摺った跡があるということを発見しなければならないのだが,この跡とやらがまず普通に見てもわからない。あると解かってから見ないと,とてもじゃないが発見できない代物だった。酷い話だ。
 中に入って鍵束を盗ると,ポールがやってきて争いとなる。ドーソンはポールを刺し,ポールは異世界の住人の話をして死ぬ。ドーソンはすぐさまポールの家から逃げ出した。何だかこのあたりの展開は自殺行為だ。
 鍵束には日曜大工の店の鍵があったので,閉まっていた店に入る。中のものをいろいろ探索していると,火災報知機を触ったときにベルが鳴り出し,ブラウン警部補がやってきてしまう。おかげで今はリタの家の護衛がいなくなり,ドーソンはまたも不法侵入可能となった。リタもポール同様,メッセンジャー(ベヘモス)の来訪を待つカルト集団の一員だったので,きっとダークワールド絡みの何かがあるのだろう。
 リビングにはリタの手紙があり,ドーソンは小犬で情緒不安定で傷つけるのが心配と書いてあった。彼女が本当に好きだったのはポールの方で,カーニバルの無料心霊占い券をもらったらしい。寝室にはチェストがあるが,カーソルが「見る」に変わるのにクリックしてもメッセージが表示されない。バグらしい。ここでしばらく行き詰まった。
 鏡の左下隅に,何やら小さな灰色の部分があるが,これがパンドーラの心霊占い券。これも大変に判りにくい。この券を取ると,鏡に映ったドーソンがジャックに変わり,ジャックがダークワールドのメッセンジャーに変わった。となるとやはり真実はジャック=シェイプ・シフターだったのか? だとすれば物語としての整合性は保てそうだ。意外に脚本家はしっかりしている。
 せっかく占いチケットがあるので,ダークワールドでは巻き物の番人に対応しているパンドーラに,このチケットで占ってもらうことにする。ドーソン自身が言うように,そうでもしないとこの先どうすればよいのか本当にわからないから。
 パンドーラは,水晶玉でオプションの占いをしてくれた。子どものマイクが寝室のクローゼットから怪獣が来たと怖がっており,母が見えない鍵でクローゼットのドアを閉めたというもの。大変強力な占いだったからすぐ帰れ,とパンドーラに言われ,ドーソンは自宅へ戻る。
 自宅のクローゼットには,ダークワールドに通じるもうひとつの鏡があった。そこからドーソンはダークワールドの寝室へ移動。靴箱に血のついたドーソンのテニスシューズと,血まみれのステーキナイフがあった。シェイプ・シフターによる殺害の成果,ドーソンへの濡れ衣計画の一環らしい。また,正義の剣もここにあった。
 寝室の扉を抜けると,なぜかノーマルワールドの台所そっくりの場所に出た。母もいる。だがこの台所では,冷蔵庫には腐ったものが詰まっているし,流しにはぬめぬめしたものが詰まっているし,細部がどうにもダークワールドだ。しかしドーソン夫人は正常に料理している。ところが,話し掛けると,「これがすべてを物語っているわ」と言うや否や,ドーソン夫人の頭部がはじけとんだ。そのあまりのリアルさにびっくり。そのままドーソン夫人は首なし死体として床に倒れこみ,床は血の海と化した。これでも「推奨年齢全年齢」と言えるのか!
 鍋の湯気からリタが話し掛けてきた。この世界のいろいろなことを話したのだが,要はベヘモスを正義の剣で倒せ,ということらしい。時間がないとのことだ。ドーソンがスリムにもらった同窓会のチケットは655番であり,リタの持つ656番ではなかったらしい。655番はシェイプ・シフターのもので,奴がわざと置いたものだそうだ。マイクとバトラー保安官は嫉妬心が強すぎて,古き神々の奴隷に誘えなかったらしい。
 パワー発生器に戻ると,すでにポールを含め4人の首がつながれていた。今ごろになってドーソンは,ポールがシェイプ・シフターではなかったことに気づく。遅すぎだ。まさに嫉妬が彼の心を曇らせたのか?
 孵化したベヘモスを鏡の館で追いかけるには,左から三番目,上から四番目の蝶番つきの鏡を通らねばならない。その上,最短ルートで行かないと,ベヘモスのほうが先にゲートについてしまう。また,ベヘモスとドーソンはすれ違うので,ゲート以外の場所でベヘモスを仕留めることはできない。ゲートでベヘモスと出会うと,戦闘はオートで行われた。ドーソンは運動神経が悪いはずなのに,見事にベヘモスを仕留めた。
 その後,三種の神器を使って古き神々の宇宙船を爆破させた。ところが,気がついてみるとシムス医師の診療所。しかもシムス医師は刺されており,ジャックが目の前にいた。ジャックは,マイクのダークワールドでの対称物と名乗り,それはすなわちシェイプ・シフターだったのだが,いきなりマイクに襲いかかって何とマイクを刺し殺してしまった。そこへバトラー保安官とブラウン警部補が登場。マイク・ドーソンが精神錯乱のためわずか2時間の間に4人(フレミング市長,ラーソン医師,ポール・クーパー,シムス医師)を殺したと話していた。ジャックはその場に突っ立っていたが,マイク,バトラー,ブラウン,シムスに対してそれぞれ独自の見解をコメント。あまりにもニヒルでダーティなその発言には,さすがの小生も開いた口がふさがらなかった。
 結局,ジャックはマイクが二度にわたって古き神々の計画をだめにしたことに腹を立てて殺した。ジャックとマイクは一心同体のはずだったものが分離したので,元はひとつ。マイクが多重人格だったことは確かだが,最終的にジャックとしての人格の方がマイクの人格を上回り,人格を乗っ取ってしまった。だからジャックは治療と称してジャックとしての自分を抑圧するシムス医師に恨みを持っていた。今回の事件に恐怖していたブラウン警部補のダークサイドは,あのドレッケス・ガード。そういえば,リタは,マイクが最初の古き神々の手先であり,マイクが第一の事件を起こしたからこそ古き神々はダークワールドからノーマルワールドへのバリアを越えられる生物をつくれたのだと言っていた。これはベヘモスのことを言っているとばかり思っていたのだが,実はシェイプ・シフターであるところのジャック,すなわちマイク自身をも意味していたのかもしれない。
 クリアタイムはおよそ9時間(最後のセーブが8:52)。結果的には,エンディングにおいてダークワールドでバイクを乗り回していたジャックが今後どう生きるのかは不明だったのだが,ダークシードIIIが作れないことだけは確かとなった。これをめでたいと言い切ってよいものかは決めかねるが,この作品に関して言えば,このエンディングの潔さに敬意を表したい気になっている。いくつかADVとしては致命的に意地の悪いところがあり,小生もネット上で攻略法を検索できなければ自力での攻略は諦めていたかもしれないのだが,それでもこのエンディングは苦労して確かめる価値のあるものだった。どう考えても全年齢対象という点だけは納得行かないけれど。

20020217
 FF10プレイ。前回まで9:50で止まっていた。ミヘン街道を北上する。この街道,セーブポイントがない上にかなり長い。しかも強制的に映像を観せつけられる場面が多く,話が進まない割に時間ばかり取られる。まずはミヘン様の像のところで,ミヘン街道の名の由来について老人に延々と語られた。どうやらミヘンとは新興宗教の教祖みたいなもので,信者が増えすぎて寺院から睨まれ,申し開きのためにこの街道を通って旅をしたとのこと。結局,寺院に認められて手先のひとつとして生き延びたらしい。
 途中,道の窪みでベルゲミーネという名の謎の召喚士にしごいていただいた。ユウナと一対一の召喚獣バトル。ユウナのヴァルファーレがHP500強なのに対して,ベルゲミーネのイフリートは1400以上のダメージを与えても倒れず,敗北を喫した。ユウナ弱すぎ。ミヘン街道を渡りきったところではヴァルファーレのHPが800近くまで上がっていたので,これまでいかにユウナを使わなかったかが判ろうというものだ。ベルゲミーネは,一度シンに負けたことがあるらしい。
 ここでは,ミヘンセッションという,召喚士によらずにシンを倒すプロジェクトが進行中。その関係の映像やイベントが多数観られた。ミヘンセッションは,エボンの教えに反する機械が使われるらしいが,そのことに反対する僧侶も出現。ワッカは機械の使用に反対のようだが(単にアルベド族が嫌いなだけかも),アーロンは逆に機械の使用を奨励するとも取れる発言をして,ワッカを惑わした。エボンの教えに対して反発を交えた突き放した態度をとるアーロンの様子は,どうやら何かありそう。ついでに言うと,ミヘン街道の終端にはアルベド族の旅行公司があるが,ワッカが反対したにもかかわらず,アーロンは「俺が疲れたんだ」と強引に入ってしまった。アルベド族との確執という点でも,アーロンにはワッカとは別の何かがあるらしい。恐らくは昔,生真面目で教えに忠実であっただろうアーロンを変えたのは何なのか,明かされる時を楽しみに待とう。ここまで11:18。

20020218
 FF10プレイ。旅行公司前でチョコボイーターと戦闘。ここで重大な欠陥に遭遇。ルールーのオーバードライブ技について,バーが出てくるのだがいったいどういう入力を求めているのかまるでわからないのだ。どのボタンを押してもゲージはびくともせず,連発するはずのファイアは通常の半分の威力で1発のみ。これでは何の役にも立たない。また,パーティ全体が弱すぎて,貫通武器でもHP200強しかダメージを与えられず,あっという間に崖下に落とされた。まったく酷い話だ。そのまま旧道を通ると,チョコボに乗ってジャンプしなければ行けないところが3箇所もあり,しかもチョコボに乗るには1000ギルもとられてしまう。おまけにザコのサンダープリン+ボム×2という組み合わせに大苦戦する体たらく。腹が立って仕方がなかったので,12:19まで歩いたところでやめた。
 キーくんママによると,ルールーのオーバードライブ技は右のアナログスティックをぐるぐる回すのだそうだ。取扱説明書にも書かれていないその情報は,友人に借りた攻略本に載っていたらしい。小生はその本を読んでいないのだが,攻略本を買わなければ使い方が分からない必殺技など,無意味ではないかと思える。
 問題点をもうひとつ。アイテムは「整理」することができるのだが,武器・防具は整理できない。このため,どの武器・防具が不要なものかが判りにくく,装備の切り替えも困難である。シリーズ10作目になるというのに,こんな基本的なところで操作性が悪いというのは理解に苦しむ。何とかしてほしい。

20020219
 FF10プレイ。チョコボイーター戦直前のセーブデータ(11:30プレイ)からやり直す。ルールーのオーバードライブ技を成功させ(速さより確実性が要求されるようだ),ルールーのファイアを中心に攻撃することにより,チョコボイーターを倒すことができた。ここまで11:41。倒すとチョコボに1回だけ無料で乗れるらしい。
 チョコボに乗ると新道・旧道いずれも敵に遭遇せず自由に行き来でき,しかも普通は取れない宝箱を4つも開けることができる。道の終点ではミヘン・セッションが遂行されており,召喚士も通行不可能。だがそこにやってきたシーモア老師が,ユウナたちだけ通してくれた。どうやらミヘン・セッションの黒幕はこの男らしい。エボンの老師でありながら,教えに反した機械を使う作戦を容認したのはなぜか。ワッカには納得が行かないらしい。ユウナとティーダはむしろシーモアの言い分に理があると感じているようだ。
 シーモア老師に作戦司令部に来るよう呼ばれ,ユウナたちはキノコ岩街道を北上。ここでは普通に戦っていると経験値稼ぎに相当するようで,かなり時間がかかった。高台入り口に着いた時点で13:19。シーモア絡みの映像が多かったとはいえ,随分長くかかったものだ。
 高台には砲台が並んでおり,司令部周辺にはさらに多くの砲台があった。キノック老師なる人物がシーモアとともに現れたが,アーロンとは旧知の仲らしい。しかも,アーロンにかなり馬鹿にされていた。小物なのだろう。だが今ではエボンの寺院関係者の中で四指に入る大人物ということになっているらしい。キノック老師は,初めからミヘン・セッションが失敗すると踏んでおり,どうも寺院に敵対する勢力を一掃しようと企んでいるようだ。真剣なアルベド族たちを食い物にしている。その点,現時点ではシーモア老師の方がまだ理解がありそうな素振りを見せている。
 シンのコケラ:ギイと戦闘。囮にするはずのコケラが檻から飛び出して暴れたので,ティーダたちが迎え撃った。ルールーの魔法攻撃を主体に,頭をワッカとルールー,腕をキマリとアーロンで叩く。本体はグラビデを連発してくるので,本体戦だけはルールーの魔法を主体にユウナが回復,ティーダがヘイスト兼攻撃とした。この頃になると,キマリの攻撃力がアーロンを上回っていたので,基本的にキマリを使用。
 ギイを倒すとシンが現れ,砲台が唸りをあげた。砲弾を受けて,シンからは多数のコケラが落ちてきた。コケラたちに向かって,チョコボ騎兵隊が突撃した。ちょうどその頃,ギイが息を吹き返したが,シーモアが一人で止めてしまった。今度はシーモア,ユウナ,アーロンの3人でギイとの戦闘。シーモアがあまりに強すぎるので,5ターンほどで終わってしまった。シーモアの黒魔法は一撃で1300HP以上奪うのだ。強くなったルールーが900HP弱なので,レベルが違う。
 その後はしばらく映像を観せられた。アルベド族の超強力機械によるビーム砲が炸裂したが,シンには効かず,壊滅。ミヘン・セッションに参加した人々のほとんどが,シンの怪しい砲撃にコケラごと消し飛んだ。ティーダは夢中でシンを追いかけたが,追いつけなかった。ユウナは召喚しようとしてシーモアに止められた。アーロンはキノック老師に対し,「満足か」と訊いた。手下の僧兵は早くから避難していたらしい。どうやらアーロンは寺院に対して強烈な不信感を抱いている模様。

20020220
 FF10プレイ。前回まで14:39。ミヘン・セッションに1:20もかけた計算になる。このゲーム,体感上は大して遊んだ気がしないのだが,実際には強制的に観せられる映像の上映時間が長く,無駄に時を費やしている印象がある。肝心の映像の方も,通常の解像度のものと髪の毛一本に至るまで詳細に描きこまれた高解像度のものがあるのだが,両者がほとんど別人の域に達しており,統一感がない。
 ジョゼ街道を北上。キマリが珍しくティーダに話し掛けてきて,「笑顔の練習中」だと言い出した。「やってみ」というティーダの問いかけに答えて無理に笑顔を作ったキマリの顔は,おかしいくらいに怖かった。アビリティスフィアが尽きてしまい,ルールーの黒魔法が習得できなくなっていたのだが,バジリスクを倒すことでたくさん入手できた。石化攻撃は厳しかったが,ユウナが完全石化防御のアビリティのついた防具(安らぎの指輪)を身につけていたので,イフリートの地獄の火炎で一掃できた。ジョゼ街道の終端では,幻光河へ行く道とジョゼ寺院へ行く道とに分かれていたが,イベントで強制的にジョゼ寺院に連れられた。アーロンが,「シンはジェクトだ」ということをユウナには黙っておけと,ティーダに釘を刺した。
 ジョゼ寺院では,若い兄弟の召喚士とガードに出会った。長男イサールが召喚士,次男マローダと三男パッセがガード。三男はまだ幼い。マローダが,召喚士が行方不明になる事件が頻発していることを教えてくれた。彼らはこれからビサイド島に向かうそうだ。
 試練の間では,前回同様「破のスフィア」が見つからなかった。しばらく探してわかったのは,すべての「ジョゼのスフィア」を正しい位置に置き,祈り子の部屋に至る階段を出したあと,1階の祭壇を元に戻す印のそばの壁を調べればよい,ということ。
 試練の間の面倒な手続きを済ませると,召喚士ドナの一行が入ってきた。おつきのバルテロ(兄貴系ガード)は,筋肉ムキムキポージングで,アーロンに握手を要求した。単なるファンのようだ。ドナは英雄アーロンをおじさん呼ばわりしたことで,ワッカとルールーに無知を笑いとばされ,腹いせによろけて出てきたユウナにあてつけたが無効。ユウナは召喚獣イクシオンを手に入れた。ここまで15:40。

20020222
 FF10プレイ。ユウナが寝坊して笑いものにされた。そもそも,「ユウナが来たら出発だ」と言われたのだが,肝心のユウナがどこにいるのか皆目わからなかった。散々捜して,ジョゼ寺院の僧官の間(左側)にいたのを発見したときには,かなり時間を無駄にしていた。ビサイドからミヘン・セッションのためにここまで来たガッタは,兄貴分のルッツの死に打ちひしがれ,故郷へ帰ることにしたそうだ。チョコボ騎兵隊のルチル隊長以下3名(エルマ,クラスコ)は,残された1羽のチョコボとともにグアドサラムへ行く模様。エルマとクラスコはチョコボに乗せてもらえず,走って追いかけているらしいのだが,元気なエルマに対して「追いつけないですよ〜」と泣き言を言うクラスコという対比が面白い。
 幻光河に向かって北上。この道沿いに出てくるオチューは強敵。毒,暗闇,沈黙,混乱のステータス異常をひき起こすオチューダンスは凶悪。出会うたびに倒していたら,ルールーのMPが尽きた。ここはとんずらを使って適度に逃げた方がよいようだ。道中キマリを苛めた連中が現れ,「哀れなキマリ,角を無くし,召喚士もなくす」と謎の言葉を放って逃げた。ベルゲミーネとの召喚獣バトルがここでも行われた。ユウナの召喚獣は1300前後のHP。だがベルゲミーネのイクシオンは軽く4000HPはあるらしい。ヴァルファーレのオーバードライブ技2連発で辛くも倒した。道中,ティーダがオーバードライブタイプ闘志を覚えた。受けるダメージ量ではなく与えたダメージ量でゲージがたまるというありがたいもの。早速変更。
 幻光河は,幻光花という植物がたくさん生えている河で,そこには幻光虫が飛び交っていた。夜になると美しいらしいが,ティーダ以外は夜までいるつもりはないようだ。すぐにシパーフなるゾウのお化けみたいな動物に乗って河を渡ることになった。このあたりも映像が多く,話がなかなか進まない。おまけにセーブスフィアが少ない。ユウナは10年前にシパーフに乗って河に落ち,シパーフに鼻で助けられたそうだ。そのとき面白がって3度も河に飛び込んだので心配したとキマリが語っていた。シパーフ乗り場近辺には商人がたくさんいたが,欲しいものを売っていなかったのですべて無視した。いよいよシパーフに乗るというところでやめる。

20020223
 FF10プレイ。前回まで17:04。シパーフの上でアルベド族にユウナが攫われ,ティーダとワッカの2人が助けに行った。どうやら河の中の戦闘では,泳げる2人しか参加できないらしい。敵のアルベドキャプチャーは雷に弱いので,雷攻撃のオートアビリティのついた武器を使って攻撃。だがワッカの武器はたいした攻撃力がなかった。それでもヘイストやはげますを駆使してかなり容易に勝利。幻光河の北岸に着いた。
 幻光河の北岸からグアドサラムへ向かう。グアド族が怪しい会話をするほかは,途中で倒れているリュックを発見するくらい。リュックは「盗む」と「調合」,それに武器・防具の改造ができるので便利。グアドサラム入り口で,トワメル=グアドなる見るからに怪しい老人がユウナを強引に連れて行こうとしたが,全員ついていった。
 グアドサラムの宿屋に,シェリンダとメイチェンがいた。シェリンダは狂信者の僧侶で,メイチェンはお節介な語り部。どちらも正直あまり会いたくない相手だ。シーモアの屋敷にて,シーモアはとんでもないスフィアを一行に観せた。1000年前のザナルカンド,そして1000年前に最初にシンを倒した召喚士,ユウナレスカ。ユウナレスカとその愛人のスフィアを観せて,シーモアはユウナに結婚を迫った。どうもこの世界は胡散臭い。政略結婚という奴だろう。大召喚士ブラスカの娘と,グアドの族長にしてエボンの老師が,種族を越えた結婚を行う。それでスピラの民がひとときの夢を見ることができれば本望。
 驚いたことに,ユウナもこの案に賛成の気持ちがあるようだ。正直言ってこんな奴(=ユウナ)もうどうでもいいやと思う。この時点でかなり嫌気がさすヒロインだが,物語の真実を知ってからこの場面に戻ってくるとさらに不快感が募る。シーモアは召喚士の何たるか,ユウナレスカの何たるかを知った上で,ユウナに結婚を申し込んだ。明らかに政略だ。だがユウナは,召喚士の使命と運命を知りつつ,シーモアの提案を受けようとしている。ユウナレスカの真実を知らずに,無謀な提案を受理するかを真剣に悩んでいる。アーロンならずともこれにははらわたが煮えくり返る思いだろう。リュックが結婚を勧める気持ちは,後になればそれはそれでわかるが。
 異界では,ユウナが両親と,ワッカが弟と会っていた。ティーダはジェクトを呼んだつもりが,母親を呼んでいた。どうもマザコンだったらしい。だが母はティーダよりいつもジェクトとばかり楽しそうにしていたので,それでジェクトが嫌いだったようだ。羨ましい限りだ。アーロンとリュックは異界に入らなかった。それぞれの理由があるらしい。異界を出ると,死んだはずのジスカル(シーモアの父)が迷い出てきた。ユウナが異界送りをしたが,そのときジスカルはスフィアを残した。
 ユウナはシーモアに会いに屋敷に入った。どうすれば先に進めるのかわからない。全員と話をしなければならないようだが,キマリが行方不明。散々捜して,ショップの中にいるのを発見。それでもユウナは出てこない。雷平原に一人で強行突破しようとしたら,狂信者シェリンダが登場。シーモアはすでにマカラーニャ寺院へ向かったとのこと。一行は雷平原に進む。
 雷平原に入った後に異界に戻ると,3つくらい小さなイベント映像が観られる。それから火星の印という謎のアイテムが手に入った。雷平原にはサンダラを連発する敵が多く出現し,かなり苦戦する。落ちてくる雷はノーダメージなので無視しても安心だが,画面的に鬱陶しい。このあたりでオーバードライブタイプを覚える仲間がちらほら現れた。当然「修行」は効率が悪いので,他のタイプを覚えたものは変えていった。ルールーは「憤怒」(他人が攻撃されると上がる),ユウナは「慈愛」(味方を回復させると上がる)というように。ここまで19:17。

20020303
 FF10プレイ。前回まで19:17。雷平原を普通に歩けるように修行しつつ,宝箱を開けていく。途中にメイチェンがおり,雷平原の物語をした。それによると,アルベド族のビリガンという男が,雷の止まないこの平原を旅人が通れるように,機械を使って避雷塔を建てたのだそうだ。ビリガン自身は,塔建設中に雷に撃たれて死んでしまったとのこと。アルベド族だから歴史に名を残せなかったのだそうだ。
 途中,旅行公司前でリュックが強引に休もうと言い出した。それを無視する一行とのやりとりは漫才めいていて楽しい。旅行公司はアルベド族のリンが経営しており,リンにアルベド語辞書第14巻をもらった。リンは昔アーロンを助けたことがあるそうだ。アーロンは普通の人なら歩けないほどの傷を負っていたにもかかわらず,翌日消えていたそうだ。そのことについてアーロンは話したくないらしい。
 ユウナは一人で奥の部屋に行って休んでしまった。ティーダが覗きに行くと,部屋から男の声が。ティーダは扉をそっと開こうとして転げ入ってしまう。馬鹿だ。ユウナはジスカルのスフィアを観ていた。そして部屋を飛び出してしまった。ティーダは後をつけてきたらしいワッカに散々絞られた。
 旅行公司には謎の本があり,ひとつはティーダの雷避けに関する記録簿,もうひとつは召喚士ガンドフがサボテンダー?というモンスタを封印した経緯についてかかれた本であった。石碑で□の印を結ぶと封印が解けるそうだ。
 さらに進むと,ユウナが突然一行を止めて,結婚すると宣言した。このお嬢さんはどうにもわがままでいけない。召喚士がわがままなのは,覚悟と引き換えの権利なのだそうだ。ティーダ以外,全員が納得していた。ワッカだけは少しティーダの気持ちを汲んでいたようだが。
 鉄巨人という敵がやたらと強くて,相変わらず苦戦している。この平原ではいつまでたってもパーティーが強くなったという気がしない。そうこうしているうちに21:09になってしまった。時間ばかりかかってちっとも話が進まない。

20020403
 サクラ大戦4〜恋せよ乙女〜をキーくんママが始める。オープニングは前作に比べてかなりちゃちになった。完全3Dアニメとなったのだが,3Dの人物が前作の2Dとは比較にならないほどまがい物っぽく,1996年のゲームのようなぎこちなさだ。音楽は,重ね合わせる楽器の数も増え,それぞれの楽器の音もより本物に近づいた。オーケストレーションも見事。そのためなおのことアニメーションの手抜きが目立つ。少なくとも,オープニングを観る限り,前作(サクラ大戦3)を10点とすると今作は2点くらいの出来と言ってよい。「檄帝」(注)を大神一郎役の陶山章央が歌っているが,これについてはあえてコメントしない。
 第1幕は帝国華撃団のメンバーのみ登場。巴里華撃団には思い入れがあっても帝撃には欠片もない小生としては,ほとんど聞き流すのみ(注2)。とりわけ「すみれVSカンナ」の喧嘩シーンでは,幻滅することしきり。大勢のメンバーをすべて登場させるために,無理に台詞割りをしたことが明白だったからだ。さくらの絵も妙に鼻が下の方に描かれていて,不自然極まりない。あれではメガネをかけたら老眼鏡にしか見えまい。キーくんママは巴里のヒロインにグリシーヌ,帝都のヒロインにレニを選択。
 唯一笑えたのが薔薇組。帝都の登場人物は薔薇組と月組しか評価していないので,彼らの登場シーンだけは大いに楽しめた。その他,光武二式の足に金粉がついていたり,今度の帝劇の新作が「あぁ,無情」だったりしたことは,ある意味どうでもいいや。「あぁ,無情」の柱になるのは,やっぱりテナルディエの強欲の話(注3)でしょう。
注) 檄帝(ゲキテイ):「檄!帝国華撃団」のこと。サクラ大戦サクラ大戦2サクラ大戦4の主題歌。それぞれのゲームでアレンジや歌い手が異なっている。
注2) 聞き流すのみ:本作もこれまでの作品と同じくすべて喋るので,聞いているだけでシナリオの大筋はつかめる。
注3) テナルディエの強欲の話:さくらが演じる「強欲なテナルディエ夫人」は,まさに迫真の演技。地が出たか?

20020408
 サクラ大戦4プレイ。今度の敵は鬼式神。ボスは能面をつけた魔操機兵シカミ。シカミは能面の名前らしい。前作のシゾー様のような傑物ではなく,何とも面白みのない地味な敵だ。霊力をゼロにする効果をもつ金粉を,「金の蒸気」に見せかけてばら撒き,蒸気機関を暴走させる。金粉のもつ力は霊力ではなく妖力というそうだ。この辺の区別はいい加減。
 戦闘は前作とまったく同じ方式なので,迷うことはない。敵のAIが馬鹿なので,かなり容易に勝てる。むしろ前作の方が敵の動きなどがリアルで,戦闘にも楽しさがあった。本作の敵は,こちらが射程内に飛び込まない限り自分から動こうとしなかったり,攻撃の余力があるのに途中で攻撃を止めてこちらの射程内に自ら飛び込んできたりと,無意味な行動が多すぎる。
 第1幕で選んだヒロインが,戦闘後の第2幕で登場する。今回はグリシーヌだったのだが,彼女が大神を婿に迎えに来たと発言したため,レニと一触即発状態。グリシーヌの決闘の申し込みに,レニは「来いよ」と低く短く答える。両者の強さは折り紙つきなので,これはとても怖い。大神は二人を煽って,グリシーヌの好感度を高めた。だが残念なことに優等生マリアが争いを止めてしまって,肝心の戦闘シーンが見られなかった。

20020414
 サクラ大戦4プレイ。レニが大神の部屋にいるときにグリシーヌが訪ねてきて,大神はレニを箪笥に隠れさせてグリシーヌの求愛に応えるというへまをやらかした。レニは猫の真似をして切り抜けたが,去り際の声音が異様に怖かった。話している間中緊張感が漂い,居心地の悪さが場を支配する。どのキャラも知らない間柄ではないため,本当に二股をかけたかのような罪悪感に襲われるのだ。だがこの場面での恐怖はそれだけで終わり。レニは次の戦闘時にはもう冷静な判断を下せるまでになっていた。グリシーヌの戦闘参加を快く受け入れるくらいに。あの緊張は何だったのかと拍子抜け。心地よくプレイさせるかどこまでも厳しく追及するか,いずれかにしてほしかった。
 劇中劇とも言える「ああ,無情」だが,カンナとさくらのテナルディエ夫妻は,いかにも強欲そうでぴったりだった。すみれは,子どものためにお金を稼いで体を壊すファンティーヌ(コゼットの母)が理解できず,話の筋を変えてしまった。まあ,舞台だから改変もありか。
 シナリオの本筋は,銀座がある男を封印していたが,どこからともなく現れた金の蒸気がミカサの蒸気機関を暴走させ,ミカサにつながれている帝都中の蒸気機関が暴走,帝都壊滅の危機に立たされる,というもの。銀座文書なるものに銀座の秘密が書かれており,それをなぜか巴里の迫水大使が知っていたというのが謎。米田司令は,ミカサを止めにレニたち一部の花組隊員とともに地下へ。大神たちは帝都に現れた金色の魔操機兵と戦いに行く。

20020416
 サクラ大戦4プレイ。キーくんママがレニとグリシーヌの修羅場を見るのを嫌がって,最初からやり直した。この二人,本当に怖いよ。
 帝劇の連中は選ばないように注意しながら進めると,予想通りさくらが勝手にヒロイン気分に陥っていた。嫉妬の仕方から迫り方まで,薔薇組以上の無気味さが漂う。こんなキャラでも萌えている方々がいるようなのでこれ以上は書かないが,レニが大神の気持ちを踏まえた上での本気度100%であったのに比べ,ここまで自分の世界に浸りきった対応をされると,同情する気も起きない。
 レニは前回ヒロインだったからマリアの作戦に反対したのかと思ったが,どうやらヒロインであるか否かにかかわらずここで反対する役だったらしい。あまりマルチシナリオが生きていない。どうせ短いシナリオなのだから,この辺も書き込んでほしかった。
 ということで,再度,金色の蒸気を振りまく魔操機兵との戦闘場面から続きとする。

20020417
 サクラ大戦4プレイ。魔操機兵ハクシキと戦闘。四隅にある結界を壊さねば,ハクシキは倒せないらしい。部隊を分けて,いちばん前にいた大神とさくらは右前,グリシーヌは単独で左前,残りの3匹(カンナ,すみれ,マリア)は後ろのザコがたくさんいるほうを担当。大神機があまりにも弱く,大神・さくらペアが最も苦戦したというのが謎。グリシーヌ機は余裕で2個の結界を撃破。途中,米田司令がミカサ機関部で隔壁に閉じ込められるイベントがおき,親の子に対する愛情に絡んだ科白が並べられた。「あぁ,無情」への伏線らしい。
 結界とすべてのザコを倒し,さらにハクシキの体力を2/3ほど奪ったところで,ハクシキが金色の蒸気を桁違いの濃度で放出するイベントが発生。すべての光武が動かなくなった。そのときグリシーヌが,大神に巴里華撃団の出撃を要請。こっそり帝都に来ているのかと思ったら,大神の叫びに対してメルが巴里で情報を受信,リボルバーカノンを発射し始めた。大笑い。この部分(リボルバーカノン準備,装填,発射)のアニメーションは,このゲーム中最高のクオリティ。物理法則を無視して大気圏外に飛び出し,銀座という小さな標的に正確に着地した巴里華撃団。何と言っても驚きは巴里から帝都までの到達時間だ。ほとんど1分くらいで地球の反対側に飛んでいる。
 しかも巴里の連中,妙に強い。「何こんなザコにてこずってんだ,バカだからか?」というロベリアの科白に大笑いしたが,言葉通り,巴里の面々はザコを瞬殺し,エリカがスーパーサイヤ人状態で全員を超回復。わけのわからない熱狂のうちにハクシキと再戦と相成った。しかしこうなるとハクシキなんてザコ同然。奴の順番が一度も回らないうちに,しかもマリアの順番まで回らないうちに,一巡目の途中で瞬殺。
 ハクシキはなおもしぶとく金の蒸気の濃度を上げ,変形して帝国劇場に突撃体制をとった。大神はうかつにも光武の脚を斬られたが,唯一霊力がゼロにならなかったのでブースターで突撃。最後には光武から飛び出して生身で剣を突き立てた。ハクシキは炎上するが,炎の中から煤もつかない真っ白な服で生還した大神は,無気味なフィギュアにしか見えない3D映像。ともあれ,くだらない「勝利のポーズ」を全員で決めて,この章は終わった。セーブ画面で流れる音楽が,サクラ大戦3のエンディングだった「未来(ボヤージュ)」だったのが気になる。状況に合っていない。

20020429
 サクラ大戦4プレイ。自らの歓迎パーティーの準備を手伝う巴里の面々。加山は謎の怨霊に背中を斬られながらも,銀座文書を大神に手渡した。「道」に興味があるというグリシーヌに,華道を教えると豪語するすみれ。それを,恐らくはすみれよりよほど華道に詳しいであろう花火が「是非私にも教えてください」などと言っている。もしかしたら非常に嫌味な人なのかもしれない。>花火
 薔薇組の清流院琴音が,ロベリアに顎で使われていた。大神はエリカに連れられて,さくらから麻雀もどきのゲームを教わった。エリカもさくらも弱いので大勝。
 大神が風呂で寛いでいるところに,花組全員が入ってきた。後から覗きに来た花組の皆さんが大神を痴漢呼ばわりして,おまけに全員に結婚を迫ったことにされて一悶着。それどころじゃないのにね。
 金色の蒸気で帝都を闇に陥れた張本人は,大久保長安という人物らしい。反魂の術を使って死人を働かせ,金鉱・銀鉱を開発し,江戸に金座・銀座をつくった人だそうだ。能楽師としても一流で,この世とあの世をつなぐ神楽舞いを舞う金春流の人だとのこと。設定が訳不明だし,どうみてもパリシィの二番煎じなのだが,仕方ないのか?
 敵はミカサを乗っ取って,空中から砲撃を仕掛けてきた。ついに米田司令はミカサ撃沈作戦を展開。
 今回はキーくんママが選んだ組み合わせ(グリシーヌ,ロベリア,花火,エリカ,レニ)で行ったが,皆巴里華撃団だったらボーナスがついただろうに。米田司令から「大神華撃団」なる謎の科白が出て,かなりやる気を失った。大神は,ヒロインのグリシーヌと一緒に双武なる機体に搭乗。二人の信じあう力で動くらしい。攻撃力は高いが,でかいので通路を塞ぎがち。
 地上部隊8人の隊長はマリア。だが地上部隊は敵魔操機兵の攻撃に遭い,あえなく全滅したらしい。対する大神華撃団のほうは,かなり余裕の勝利。ミカサ本体の方が弱いようだ。
 その後大久保長安と戦闘になる。怨霊相手では戦いにならないだろうと危惧したのだが,幸いにして長安が「神体」なる魔操機兵に乗ってくれたので,物体相手なら問題なし。ターン終了時にときどき味方の機体を乗っ取るのだが,大神機さえ残っていれば倒せる。例によって大神のターンで火作戦と山作戦を繰り返し,行動力1で「ため」と「防御」をともに行うパターンで削りまくった。神体を倒すと,黒い帯のようなものでミカサが覆われた。どうせサクラ大戦なのだから,「最後の戦い」が3回あるのだろう。
 2回目の攻撃はちょっと特殊。奇数ターンには隣接する光武のみ攻撃。大したことはない。ただしターン終了時に間接攻撃をするザコが3体出てくる。偶数ターンが凶悪。正面一直線上に強力な全体攻撃を行い,その上攻撃を受けた機体を1ターン行動不能にする。したがって,偶数ターンと奇数ターンに連続して攻撃を受けると,戦闘不能になる機体も出てくる。奇数ターンの終わりに一直線上から外すように逃げておけばよいのだが,それを忘れてロベリア機が破壊されてしまった。尤も,神体を倒すこと自体はそれほど難しくはない。3体のザコを倒すには,遠距離攻撃機体が2機いると楽。
 2回目を終えるとそのまま終わってしまった。長安を倒す(もしくは改心させる)ムービーに突入。前作とどうしても比較してしまうので,感銘は薄い。風組と薔薇組が,配置換えで帝劇からいなくなるそうだ。薔薇組は解散。琴音は解散の理由を,「大神中尉が一人前になったから」だと言っている。
 最後は大神一郎総合演出の「あぁ,無情」公演。だが公演自体はほとんど表現されず,巴里華撃団飛び入りによる演目も静止画。最後は大神が米田支配人に司令の座を譲られるのだが,無責任極まりない大神は,グリシーヌとともに巴里へ婿入りしてしまう。司令兼総合演出兼もぎりが巴里にいて,帝国華撃団が機能するのかどうかは疑問だが,巴里華撃団は相変わらずフレンチカンカンを踊っていた。
 エンディングはグリシーヌとブルーメール家専用海岸で日光浴。グリシーヌは,普段は斧を振り回しているくせに,このときはなぜか貝殻が足に刺さったくらいで歩けないなどと吐かし,大神に抱えられてご馳走様状態。
 そして帝都では,余生を送る米田中将が大神華撃団の面々を夢想しながら「サクラ大戦かぁ」と呟くという,何の脈絡もない終わり方をした。はっきり言って,よほど強い思い入れがなければこんなシナリオで感動しろと言う方が無理だ。8ヵ月で13人分つくったから偉いとか凄いとかいう話ではない。プレイヤーにとっての肝心の一人について,きちんと描かれていたかどうかが問題なのだ。残念だが,小生にはこのシナリオを評価することはできない。

20020501
 サクラ大戦4ロベリア編をキーくんママがプレイ。「バカだからか?」が絶妙なタイミングで出てくるので,科白の満足度は高い。さすがに,ミカサ戦の前に大神の不安を取り除く役を演じただけあって,科白に滲み出る人生観も他の隊員とは一線を画している。それ以外の点では,ほとんど同じシナリオを繰り返す羽目になるので,正直言って退屈である。ロベリアの好感度を上げる選択肢を選びつづけると,グリシーヌとレニの好感度がまったく上がらないのが印象的。マリアやカンナの好感度も低い。
 今回キーくんママは,帝都での恋人をアイリスに設定し,ロベリア対アイリスの戦闘を見ようと試みた。だがさすがロベリア,アイリスなんか相手にせずに,大人としての余裕の勝利。見事バレバレの猫真似を演じさせられたアイリスは,一人でボケて一人で突っ込んだ哀れな様相に。
 二度目に観ても,リボルバーカノンの発射シーン(巴里華撃団,銀座に到着)は楽しめた。この部分が,このゲーム唯一の山場かもしれない。大神が巴里華撃団に出撃命令を出すときに,一回目は最強で叫んだのだが,今回は最弱にしてみた。すると,出撃命令の最後に大神が「どうやってくるのかわからないけど」と呟いていた。それでも巴里のメルとシーには普通にキャッチされたので,ここでの分岐はないらしい。タイムオーバーになったらどうなるのだろう。
 シカミもハクシキもヨワヨワなので,二度目の戦闘は退屈だった。シカミは,やり方を覚えたキーくんママが自力で倒し,ハクシキは「面倒くさい」と押し付けられたので速攻で倒した。ロベリアはマリアに連れられて浅草寺に行き,五重塔のようになってほしいと謎かけされた。このイベントに大した意味はないらしい。グリシーヌがすみれに連れられて華道をやり,二人して(大神もだけど)足が痺れてのた打ち回ったイベントと比べればかなり地味。

20020502
 映画「名探偵コナン〜ベイカー街の亡霊」を観る。シナリオがダメダメ。推理ものがスパイスリラーに化けるくらいならまだ許容範囲だが,強運と周りの献身で偶然に勝利するサスペンスものになってしまってはお話にならない。こういうシナリオなら主人公は毛利のおっちゃんにするべきだ。そもそも,コナンの七つ道具が封じられた時点でかなり問題があるのだが,その上ただのガキンチョに肉体派男優の代わりをさせるのは酷。ホームズとの推理対決のような安楽椅子探偵の要素を盛り込んで,知恵の勝負にするべきだった。そもそもベイカー街の話なのに,肝心のホームズが「バスカヴィル家の犬事件のためダートムーアに出張中」という設定が怪しい。灰原さんをまったく生かしていない点や,新一の父の推理ショウを簡略化しすぎた点など,いたるところに齟齬が見られる。プロットだけはよかったのだが,映画化する際の手続きを完全に間違えた作品。

20020504
 サクラ大戦4プレイ。ロベリア,アイリス,大神,さくら,カンナのエンディングを観た。どれも今ひとつの出来で,あまりピンとこない。大神エンディングは「今は平和のことしか考えられない」を選べばよいのだが,全隊員に追いまわされるという単純などたばたで終わっていた。とてもくだらなかったので,13人全員の隊長という真のエンディングがあると思われる。
 長安はどのヒロインの科白にも簡単に振り回されて改心してしまうので,ラスボスとしての権威に乏しい。ヒロインの科白に説得力があればまだよいのだが,アイリスのようにただ哀願するだけでも心を動かされているので,本当に怨霊なのか疑わしくなってしまう。声優は広井王子だが,エフェクトをかけまくっているので違和感はない。誰がやっても似たように聴こえるのだろうとは思うが。

20020505
 プライベート・アイ・ドルを始める。A君(注)に借りたゲーム。SCD後期のゲームだけあって,グラフィックは荒いがクオリティの高い動画と音声の作品である。初めに,登場人物紹介と操作説明を兼ねて丁寧に情報をくれるので,取扱説明書を読まなくても始められる。ただ気になったのは,始めるときに「コンティニュー」にカーソルが行かないこと。電源を入れていざ始めようというときに,ボタンを連打すると自動的に「スタート(ニューゲーム)」になるのはいただけない。開始時の読み込みが長いのだから尚更である。
 このゲームは,アーケードカードDuoを使うとCD-ROMの読み込み回数が減り,メモリーベース128を使うとセーブ箇所が1箇所から5箇所に増える。前者はもっていないのでA君から借り,後者は自前のものを用いた。
 シナリオは,アイドル集団がお化け屋敷をロケするというものだが,この手の話の定番として,雨が降ったり崖崩れが起きたりして館に閉じ込められるというシチュエーションが生じる。そして館の中で事件。見かけとは裏腹に,かなりきつい話だった。
 この館では20年前に殺人事件が起きている。魔術師の男が妻子とともに暮らしていた。魔術師は家族の目を盗んで,動物や果ては人間の女の命を奪う実験に明け暮れていた。ある日行いが妻にばれ,妻が自首を迫ったため,男は妻の血で魔方陣をつくり,妻子を殺した。警察が来たときには男も死んでいたそうだ。
 大学時代にオカルト同好会に所属していた雑務スタッフの笹木忠雄と,霊能力が売りのタレント幻条優子が,この話を知っていた。だが笹木の調査では,館に魔術関係の本は一冊もなかったそうだ。
 館の構造は地上2階地下1階。2階右側が主人公メイたちの宿泊部屋。真ん中の大きな居間には古いオルゴールと汚い緑色のソファーがある。居間の入り口には青いラインのついた2体の鎧があり,刃の入った大きな剣をもっている。剣をもった腕は,細いワイヤーで吊るされているだけ。恐らくはこれが倒れて誰かが斬られるのだろう。また,鎧の前にあるテラスは欄干の木が朽ちており,恐らくはここから落ちて誰かが死ぬと思われる。2階の左側には,今も滅茶苦茶なままである殺害現場となった部屋と,魔術師一家の写真が置いてある部屋がある。
 1階左側にはバーナータイプの大型のボイラーがあり,バーナータイプであるにもかかわらずなぜか扉がついている。人一人焼き殺せる大きさがあり,事実ボイラー内に骨を発見した。ボイラーの横には軽油式の発電機があり,1階右側の物置に軽油があったので,無事電灯はついた。左側には他にもシャワー室とトイレがある。また,裏庭に通じる出入り口があり,裏庭には電動式のポンプがついた井戸があった。つまり発電機が動けば電気も水も通るということ。お湯だけはボイラーで何かを燃やさなければならない。1階右側には,物置のほかにダーツのある遊戯室がある。メイのライバルに当たるアイドル女優の柳素子はこのダーツが得意で,百発百中の実力をもつ。1階真ん中奥には食堂がある。
 地下にはワインルームがある。地下への入り口は2箇所あるのだが,初めのうちは片方に鍵がかかっている。だがすぐに緑色の幽霊が飛び出して,鍵のついた扉は開けっ放しとなった。扉を開けて飛び出したのだから,当然幽霊なるものは実体をもった人間である。
 いくつかの状況を記しておく。主人公のメイ・スターはアイドル女優。MECの人工知性体ORUKAのCMでタレントデビューを果たしたため,ナビという名の試作品をMECより提供された。このナビが今回探偵助手の役目を果たすのだが,ドクターワトスンのような役回りというよりは,スナッチャーのメタル(注2)のような能力の高い助手という役だろう。同じプロダクションに所属する親友の立花綾華とも行動をともにする。
 柳素子は,挑発的で高慢な言動とは裏腹に,実は幽霊に怯えていたり他人の気持ちを敏感に察知するなど,繊細な一面ももつと思われる。同じプロダクションの三原かんなといつも一緒にいる。このかんなはすぐに気絶する気弱なタイプ。
 幻条優子は,女性だが力が強い。気絶した三原かんなを抱えて運ぶくらいの体力はある。思わず居間のソファーに腰掛けるなど,この館に過去に訪れたことがあるのではないかと思える行動をとる。昔ここに住んでいたのではとの疑いを捨てきれない。
 照明担当スタッフの篠田正次は,かんなと付き合っていたらしいが,よりによってこの日にかんなを殴り飛ばして捨てた。無口だがかなり性格が悪いらしい。おまけに素子と二股をかけていたようで,かんなを捨てて素子に走ろうとして,実は繊細な素子から肘鉄を食らった。
 カメラマンの沢田重樹は,今回いちばん犯罪とは縁遠そうな人物。ADの白木厚志は幽霊も怖がる小心者で,ロケバスの運転から警察への通報までこなす雑用係。
 第1の事件はかんな誘拐。篠田とかんな,素子が修羅場を演じ,かんなと素子は2人して食堂でいじけていたのだが,唯一の証人である素子の話では,地下から重いものを引き摺る物音がしたので2人で行ってみたとのこと。すると黒板を引っかいた音をすこし低くしたような甲高い声とともに緑色の幽霊が現れ,かんなは気絶。素子はかんなを抱えようとしてしゃがんだところを突き飛ばされ,気を失った。気がつくとかんなも幽霊もいなかった,とのこと。だが,素子がもっていったはずの懐中電灯は,幽霊と出会ったというワインルームではなく地下の階段下に落ちていたし,正面から幽霊に突き飛ばされたとの話だが,素子の服は正面側が汚れていた。実は怖くて背中を向けて逃げたところを突き飛ばされたのかも。この事件はかんなと関係が深い,篠田&素子が容疑者。
 第2の事件は綾華殺害。トイレが汚いので外にしにいくと行って裏庭に出たまま長いこと帰ってこなかった綾華が,2階欄干でメイに助けを求め,そのまま朽ちた欄干から転落。しかし死因は胸に刺さったダーツ。このとき,メイとともに1階から見上げていた沢田と笹木は犯人ではありえない。転落時に停電がおき,緑色の幽霊が見えた。2つの事件は同一犯である可能性もある。
 かんなを探している間中行方不明だったのは,篠田,笹木,優子,綾華の4人。笹木は魔術の本を探していただけなので除外するとして,篠田はボイラーをいじっていたり(火をつけたのは彼か?),素子のいるシャワー室に乱入して痴話喧嘩をしたり,何をしていたのか謎が多い。優子はロケバスにいたと主張しているが証拠はない。
 以上の状況から,綾華殺害事件の犯人を突き止めるのが主人公メイの仕事。いきなり相棒を失うという衝撃的な展開に驚かされた。推理の余地は実はあまりないが(選択肢をすべて選んでよいので),シナリオに若干の期待をもって進めることにする。
注) A君:市長の教え子。天才シューター。Aランクかどうかは不明。だが本人は「専攻はRPG」と言い張っている。
注2) メタル:コナミのSCD版ADVスナッチャーに登場するロボット,メタル・ギアmk-IIのこと。主人公ギリアン・シードの片腕として働く敏腕ナビゲーター。

20020506
 プライベート・アイ・ドルプレイ。綾華が殺されるということは,オープニングデモを観れば一目瞭然だった。それにしても,殺されるなら最後だと思っていたのだけれど,一撃目とは。これから何人殺されるのだろうか。鎧の剣による犠牲者と,ボイラーによる犠牲者の2人は確実として。
 素子から事情を聞く。ジュースの缶の由来が確認された。笹木が素子にあげて,素子がかんなに渡したもの。幽霊の叫び声は,キィィィィとゆっくり聞こえた。予想通り,素子はかんなを助けようとはせず,すぐに逃げ出して転んだことが判明。
 軽油がなくなっていた。発電機は停電後笹木が再起動させたらしい。優子がかんなを霊能力で探すところをカメラに収めよと言ってきたそうだ。沢田,笹木,白木が撮影をしていた。篠田は行方不明だったので,白木が照明担当。優子はダーツのある部屋で,ダーツの裏の壁に血文字を見つけた。光を当てると浮かび上がってきたが,何と書いてあるかは読み取れなかった。
 その直後,素子が篠田に激しく殴り飛ばされ壁に激突,失神した。篠田によると,素子が篠田をかんな誘拐事件の犯人呼ばわりしたため,怒って殴ったそうだ。ついでにメイも殴り飛ばし,メイ失神。優子たちが篠田を止めて,篠田はロケバスで逃走。
 その後笹木が優子をけしかけ,再度優子はかんなを探すことに。素子はメイについて一緒に探偵役をすることにしたようだ。ソファの下に落ちていたものを2人で入手。鍵だった。また,厨房から投げられたと思われるダーツが食堂の扉に刺さっていた。幽霊の叫び声は,ワイン庫の反対側の扉を開ける音だったらしい。その先の廊下に蛍光緑の布切れを見つけた。
 優子は地下室の廊下の壁に血文字を発見。"↓Button"と書かれていた。そしてボタンを発見し,隠し扉を開けた。その奥にあったのは拷問部屋。かんなが台の上で寝ており,頭の横に"Sorry"という血文字が浮かび上がった。
 かんなを助けたあと,一人で調査するメイ。かんなが寝ていた台の上には強力睡眠薬が1錠。また,壁には3本のダーツが刺さっており,その下に綾華の眼鏡が落ちていた。拷問部屋の奥には鍵のかかった部屋。中には真新しい鞄があり,透明な瓶(強力睡眠薬の錠剤入り)と茶色の瓶があった。メイは茶色の瓶を取り落とし,中の液体をこぼした。液体は光に当たると赤く変色した。
 以上で推理のためのデータはすべて手に入った。あとは犯人である魔術師の娘,優子を追いつめるだけ。メイはおバカなので,優子の部屋で見つけた蛍光緑の幽霊服をまとい,単身優子の元へと乗り込んでいった。推理を聞かせ,正体を明かし,居間の剣で襲われた。ここで突然アクション要素が入ったのには焦った。正しい方向に方向キーを入れないと,優子に殺されてゲームオーバーになるという謎の設定。↓←↓↓と入れれば助かるのだが,怪しすぎる。
 その後沢田に見つかった優子は2階の手すりから身を投げ(この高さで死ぬ方が難しいと思うが),メイが助けようとして一緒に落ちた。メイは笹木に助けられ,優子はソファの上に落ちて助かった。これで第1話は終わり。ほかには誰も死なないの? 鎧の剣はどうなったの? 伏線余りまくり。
 第2話は30時間の船旅が舞台。素子に連れられてメイが船に乗ったので,この2人以外は新しい登場人物ばかり。エリート社員朝霧正臣とその妻温子(高価な指輪もち),爬虫類研究家の木原尚子,船酔い刑事の立花次郎(綾華の父?),『静かの海』号の船長,ミーハーな航海士,売店店員の田中,掃除屋の花田剛三が登場。
 船室は6つ。4号室がないので7号室まである。1号室,6号室は空き部屋。2号室に木原,3号室に朝霧夫妻,5号室に立花刑事,7号室にメイと素子が宿泊。
 まず10時にメイたちが食事に出ようとしたら,朝霧温子と花田剛三が3号室扉の前で衝突。温子が指輪を落とした。目撃者はメイたちのほかには朝霧正臣,木原尚子。そして朝霧夫妻,メイたち,立花刑事が食堂で食事。その後朝霧夫妻は甲板を散歩して,12時に部屋に帰ると,棚の上に置いたはずの指輪が盗まれていた。
 アリバイがあるのは,ずっと仕事をしていた船長,売店の田中さん,ずっと船酔いで苦しんでいた立花刑事,彼に付き添っていたメイたち,そして朝霧夫妻。つまりこの時点で,犯行可能なのは木原尚子,花田剛三,それに一瞬だけトイレに立った航海士のみ。3号室の合い鍵をもっているのは船長と花田だけなので,花田が一応怪しいのだが,動機と機会の点では木原がいちばん怪しい。何しろ指輪をヘビに呑ませるという古典的な隠し方が可能だからだ。花田が犯人では,あまりにありきたりで危険すぎる。
 棚の上にはオイルのついた手形があり,盗みであることは明らか。木原と花田,航海士は,それぞれ10時過ぎに物音を聞いたそうだ。木原は1号室,花田は2号室か3号室と主張。部屋の並びは左から3号室,2号室,1号室,トイレで,航海士も左側から聞こえたといっているので,この時点で木原と花田に犯人は絞られた。
 立花刑事が3号室のトイレの天井に通路を発見。船長と花田によれば,3号室の通路は左舷の部屋,つまり1号室と2号室にしかつながっていないとのこと。船長から1号室の鍵をもらい,1号室の通路を調べたが,上から重石が乗せられており入ることができなかった。つまりこれで2号室の木原が犯人ということになる。ヘビのお腹から無事に指輪を発見し,一件落着。温子の希望で事件はなかったことにされた。研究費がほしくて盗んだなんて,現実にはありそうもないシナリオだけれども,まあいいか。
 第2話の後編は,大島から渡し舟で渡った先にある児島が舞台。ここのホテルに泊まるのは朝霧夫妻とメイたちだけのようだ。しかし児島に着くなり鎌をもった老婆が現れ,「帰れぇ」と脅してきた。しかも妙な地図システムが現れて,ホテルに着くまで一苦労しそうだ。とりあえず,駐在所に進むことになるらしい。
 駐在所では老婆と船頭がもみ合い,鎌が飛んで駐在所の壁に刺さった。老婆は逃走,船頭も戻り,警官の渡部吟次が鎌を棚にしまった。ここには島に1つだけという旧式の無線機がある。また,吟次の部屋は鍵がかかっており,居室ということだが有事には牢獄として使われそうだ。吟次は村野という青年と懇意にしており,村野は大島の住人だが毎日吟次のところに話しにくるそうだ。老婆も大島の住人らしい。最近よく児島に来て,帰れと喚いているらしい。辛いことがあったのだろうとのこと。
 ホテルには,2人のホテルマン,フロント嬢,支配人の榊弘司がいた。1階がフロント,2階が食堂,3階が客室(301,302,303,305号室),4階も同様(402がメイ,403が素子の部屋),5階がスイートルーム(501,502号室)。朝霧夫妻は501に宿泊。立花刑事もここに泊まっているらしい。
 メイの本名は草薙メイ。父は草薙英二という名の刑事。5年前に睡眠薬で自殺したそうだ。
 ホテルの支配人とフロント嬢から,観光名所である夜光洞と天狗岩の場所を教わる。また,浜辺から帰った朝霧温子に浜辺の場所を教わる。それぞれ出かけてみたが,浜辺にロープが結んであったのが気になった。誰かがここから舟で出入りしているとしか考えられない。
 夕方,駐在所の無線機が何者かに壊され,鎌が奪われた。村野が駐在所から逃走するところを見たが,どういう関係があるのかは不明。
 ホテルにて,朝霧夫妻と夕食を共にする。その後夫妻は夜光洞を見学に行くと言い,メイたちは独り食堂で飲んでいた立花次郎を見つけた。立花は予想通り綾華の父で,昔は草薙,武藤と3人でトリオを組んで鳴らしていたらしい。だが草薙も武藤も死んでしまったそうだ。メイに気を使った素子は,朝霧夫妻を夜光洞へと案内しに行った。フロントで吟次と出会ったメイとナビは,吟次に無線機の件を伝えた。
 夜光洞に着くと,中から男の断末魔の叫びが聞こえ,入ると村野が倒れていた。傍らには凶器の鎌をもった素子が。素子は容疑者として吟次に連行される。夜光洞は封鎖。現場を調べることはできない。
 素子の話では,村野のほかにもう一人いたような気がするとのこと。村野の悲鳴を聞いて駆け寄ると,村野はまだ生きていて,自分の腹に刺さった鎌を抜いて素子に手渡したそうだ。吟次は自分の部屋に鍵をかけて素子を閉じ込めたまま,行方不明。
 立花刑事は302号室にいた。メイと共に夜光洞へ行き,封鎖された中に入って調査。犯人は村野ともみ合い,夜光苔がついているはずであること,素子たちが近づいたときに泉に飛び込み,反対側から出たことがわかった。また,村野の本名が武藤孝弘19歳であることが免許証からわかった。刑事であった武藤洋の息子だそうだ。
 武藤洋は,7年前拳銃で撃たれ殉職した。犯人は逃亡,捜索は打ち切り。上司は左遷されたり退職したりしたらしい。吟次はそのときの立花の上司で,左遷組だったらしい。今は警部だそうだ。これからは渡部警部と呼ぼう。
 翌朝,メイは鎌の柄が開くことに気づき,中から紙を発見した。「三本岬の断崖 倉庫」と書かれていた。立花と素子が大島で武藤孝弘の足取りを追う間に,メイは暗号の調査を頼まれた。三本岬の場所を島民は知らず,渡部警部から教わった。ロープで崖を降りようとしたがうまくいかず,船頭に舟で送ってもらった。三本岬の洞窟の中では怪しいパズル形式のアクションをこなしたが,簡単すぎて謎だ。奥は密輸品の倉庫になっていた。銃器,麻薬,盗掘品,企業の秘密データ(ナビたちORUKAのデータ)があった。
 港に戻るとフロント嬢が休暇をもらって大島に行くとのことで,そのときちょうど老婆がフロント嬢に激突し,「復讐」と叫んだ。
 天狗岩で看板に血のついた手の跡を発見。切り裂かれたスーツに「榊」の名札があった。柵が壊されており,一見すると榊が何者かに襲われて柵から崖下に落ちたようにも見える。だが状況証拠だけなので,本当に榊が被害者とは思いがたい。ここは渡部警部に任せる。警部には倉庫のことも話したが,この人は榊と懇意にしていたので,犯人グループの一味である可能性も高い。
 ホテルで,ホテルマンの一人から,榊が事件の夜全身びしょ濡れで帰ってきたと聞いた。これで榊が武藤殺しの犯人であることは確定。渡部警部に話すと,調査結果を誉められたが,まだ調べたいことがあると言って警部は天狗岩に残った。立花とメイに後の捜査を託すとも言われた。
 立花刑事と素子がホテルに戻っていた。事情を話し共に天狗岩へ。そこでは渡部警部が刺されて倒れていた。手にはメイ宛ての封筒。「壊れた信号の中には必ず意味がある 渡部」と書かれていた。暗号にしては直接的過ぎる。壊れた無線機を探すと手紙があった。榊と渡部が組織の一員で,警察の情報を組織に流して武藤を殺させたのは渡部だったとのこと。老婆は武藤刑事の母で,以前組織の倉庫だった古寺に住んでいるそうだ。
 天狗岩から道に迷って古寺に出たという朝霧正臣から古寺の位置を聞き,立花と共に老婆救出に向かう。間一髪で間に合い,榊は逃亡。老婆と共に筏で先回りしようとするが,老婆はぎっくり腰。ヘビを避けながら筏に飛び乗るアクションをこなしたあと,逃亡地点である浜辺へ。そこでは榊の秘書であるフロント嬢が,モーターボートと拳銃をもって待ち構えていた。さらにアクションで拳銃を避けると,立花が救いに来てくれた。
 どうやら,このゲームの構成は完全一本道シナリオらしい。ここまでの話では推理力など必要なさそうだ。物語を楽しめばよいだけか?

20020507
 プライベート・アイ・ドルプレイ。第3話は少々手ごわい。メイは児島の事件での活躍を評価され,秋の交通安全式典に関連して,さつきヶ丘警察署の一日署長に抜擢された。メイの父草薙英二も,このさつきヶ丘署に勤めていたそうだ。登場人物は,大瀧剛警視正(本来の署長),立花次郎刑事,沢田重樹カメラマン,笹木忠雄AD,柳素子,三原かんな。
 1丁目の電器店『Woodsy ELEn』では,『静かの海』号の売り子であった田中さんが店員をやっていた。2丁目のカフェ『サンダンス』は,昼間から準備中。ぶらぶら歩き回っていたメイに,突然園木葉という7歳の少女が泣きつき,行方不明の父探しを依頼してきた。父の名は達郎。3丁目のメゾン・ド・フルールに住んでいる私立探偵。
 アパートは2階建て。1階は管理人室(仁科友美27歳の部屋),102号室(曽根川という無愛想な女性が住む),103号室(笹木の部屋)。2階は201号室(高田という噂好きのおばさんが住む),202号室(園木の部屋),203号室(増谷という人物の部屋だが不在)。
 達郎の部屋を調べると,8桁の暗証番号をもつ金庫と,システムディスクが必要なパソコン,それに留守番電話が見つかった。この部屋の電話番号は"94-6157"。葉の部屋のジグソーパズルの裏に達郎からのメッセージが書き込まれていた。曰く「万一のために 3LET7 園木達郎」とのこと。これが暗証番号を表している。
 ナビがLETをさかさまにしろと言ってきたので,逆さにして8桁の暗証番号を得た。中には草薙英二の死を扱ったスクラップブック,システムディスク,隠し撮りした謎の男の写真,草薙英二の検案書があった。検案書の報告者は窪田晃だが,確認の署名は大瀧警視正のもの。この男が草薙の死に関与している疑いは濃厚。
 組織と草薙,園木のつながりを知ったメイは,みたび逆上して捜査を決意するが,大丈夫なのだろうか。これまでも,最後の追いつめる場面にかなり粗があるので,最終回でメイ自身が殺されたとしても小生は驚かないぞ。
 パソコンを起動すると,謎のメッセージが表示された。「わたしは一匹の獣が海の中から現れるのを見た。これには,10の目,10の耳,そして10の鼻があった。熱く金色に輝く王冠を戴き,獣は集いし人々に伝えた。「哀れな子らよ。お前達の前に道はない。先へ進みたいのならば,私の言葉に従うがよい。」かくして,人々は真の世界へと足を踏み入れた。」というもの。笹木はこれを暗号だと言ったが,どうだろうか。
 噂おばさんの高田の話により,4丁目の古いアパートで死人が出たことを知った。住人の木下哲雄と思われるが,確認は取れていないとのこと。達郎がもっていた写真は,この死体のものだった。自殺か他殺かは不明。
 古いアパートに入れてもらえなかったので,一日署長の特権を生かして警察官に変装し,内部に潜り込もうと企んだところから次回。メイはこんな悪賢いことをして,本当に命がもつのだろうか。

20020508
 プライベート・アイ・ドルプレイ。4丁目の現場,4号室に潜入。しかし現場を指揮していたのが立花刑事で,メイは瞬殺された(放り投げられた)。野次馬のおばさんの話では,木下哲雄は1年前にここに越してきたが,部屋に閉じこもりっぱなしで挨拶をしてもすぐに逃げたとのこと。園木が偽名で借りていたのではないか?
 行き詰まったので街中を散策。カフェ『サンダンス』が営業を始めた。昼のメニューはアップルパイとコーヒーだけ。だがそのアップルパイが大変に美味らしい。ゲームでは味覚は体験できないので,甘味研の門前の小僧(注)である市長が残念がっていた。
 1丁目の商店街で,喫茶『MAGSAX』を見つけた。沢田さんと笹木さんが食事をしていた。2年前,笹木さんが大学でオカルト研究会に所属していたころ,1丁目の廃ビルに忍び込んだことがあるそうだ。放置されて長いのに,地下駐車場には埃まみれの車が何台か泊まっていたそうだ。写真も1枚撮ったらしい。出てきたところを警察に捕まったそうだが,そのときの話では,5年前にビルが放棄されるまで,さつきヶ丘署が駐車場を利用していたのだそうだ。
 サンダンスにて素子とかんなを発見。かんなの助言により,システムディスクに別の情報が含まれているのではないかとの疑いが発生。電器店『Woodsy ELEn』にて,ナビをパソコンに接続して,暗号解除を試みる。すると本当にもうひとつの文書が出てきた。
「園木達郎氏へ。草薙刑事が死亡した際に検死を担当した医師が,その直後に失踪している。名前は窪田晃。組織も消息をつかめなかった様だが1年ほど前に,さつきヶ丘に戻っていた事が判明。現在は「木下哲雄」との偽名を用いて,4丁目のアパートに住んでいる。なお,組織の榊が戻ってきている。注意されたし。以上。「獣」より」
 どうやら「獣」とは園木が雇った情報屋らしい。
 葉と友美が行方不明となった。ついでに園木の部屋が何者かに荒らされた。隣室の高田さんによると,榊が刑事を名乗り侵入,荒らしたそうだ。奴が釈放されたということは,極めて危険な状況だ。
 友美の部屋を探索するが,文学小説以外ろくなものがない。諦めて部屋を出ようとしたところで2人が帰宅。単にサンダンスにアップルパイを買いに行っていただけだった。
 葉の話で,サンダンスに,1ヵ月くらい前から園木家に出入りしていた「パパの友人」がいたことがわかった。その人物とは立花刑事。サンダンスの主人と話していたそうだ。どうやらサンダンスの主人が「獣」らしい。
 サンダンスにはすでに立花はいなかった。だがこれで4丁目の現場に侵入できそうだ。いちばん奥の4号室だが,状況は極めて整頓されていた。だが台所の流しには洗い物が残っていた。これは自殺説を否定する証拠になる。荒らされた形跡はなく,医学専門書と車の雑誌が多数,そして車の写真が5つあった。
 さらに,立花刑事からメイへのメモ。「五月星は,太陽の前に黙して座り続ける。欲しいものは『ケモノ』」とのこと。簡単簡単。
 メモ通りに,サンダンスへ行き,太陽の絵の前に黙して座った。主人が注文を取りに来たが,メニューはもちろん『ケモノ』。これで情報を貰えた。草薙刑事の検案書は2通作られていたこと,大瀧警視正が榊を釈放させたこと,本物の検案書は窪田が隠しており,園木はそれを受け取るはずだったことがわかった。
 問題は,榊も手に入れていないと思われる本物の検案書がどこにあるかだ。手がかりとなりそうなものは木下こと窪田の部屋にあった車の写真。新車から古い車まであったが,草薙が死んだのは5年前だから,5年より古い3台の車だけが対象となる。うち6年前の車であるTruthだけが,背景が地下駐車場と思しきところ(他は開放的な外での写真である)。
 目星をつけて笹木を探すと,アパートに帰宅していた。2年前の地下駐車場の写真を見せてもらったが,そこにはTruthがしっかり写っていた。そこで笹木を連れて地下駐車場へ侵入。裏口から入れることがわかり,中には3台の車があった。だが目的のTruthは見つかったものの,何もできない。かなり時間を潰して途方にくれ,サンダンスの獣の元へと戻った。
 そこでメイたちが見たのは,獣を撃った榊。獣は倒れ,榊は逃走。だが獣は防弾チョッキにより一命を取り留め,立花刑事から預かったという車のキーを渡してくれた。急いでTruthのボンネットを調べると,真実の検案書が。そこには草薙の体から3個の弾丸が摘出され,1個は心臓を貫通していたという事実が書かれていた。しかも,窪田が大瀧の命により偽の検案書を書かされたというメモも同封されていた。
 そこへ榊が登場。メイを撃ち殺そうとするが,笹木に助けられる。ナビが榊の目の前にホログラムを出して撹乱,笹木が回し蹴りで榊を仕留めた。
 このあと,笹木の提案で大瀧をはめるための壮大な劇が上演された。三択式の心理ゲーム。うまい選択肢を選びつづけると,大瀧がぼろを出してテレビの前で自白するという寸法。だがどの選択肢に対してどういうリアクションをとるのかがわかりにくいため,何度か失敗してしまった。要は,榊を取り調べていると言わせたあとで榊を突き出し,検案書を突きつければよいらしい。見事に大瀧をはめて,ゲームはハッピーエンド。
 少々考えるところもあったのだが,基本的には一本道で勝手に話が進んでしまう印象。プレイヤーの推理力に応じて変化する部分が(第3話の一部を除けば)皆無なので,シナリオがよい割には面白くなかった。すべての科白がフルヴォイスなのは評価したいが,事件に無関係なキャラも多く,物足りない部分もあった。初心者でも遊べるという点は評価したいが,ちょっと退屈すぎる。
注) 甘味研の門前の小僧:甘味研は市長の職場にある愛好会。市長は門前の小僧として,専ら甘味をおいしくいただくだけの役らしい。師範と師範代が,持ち寄った甘味についての薀蓄を傾けてくれる。研究と称して甘いものをいただくというのだから,羨ましい話である。

20020523
 イメージファイトを始める。難度の高いSHTと聞いてはいたが,これほどとは思わなかった。そもそも戦闘シミュレーションステージからしてオプションがないと厳しいところばかりなので,例によってノーミスクリアが前提と思われる。無限コンティニューだが,リカバリ不能な箇所が多いことから,苦手地域の練習にしかつかえない。全5面の破壊率が90%以上行かないと,たとえクリアしても「補習ステージ」なるものに飛ばされるらしい。そもそもクリアなど覚束ないから関係なさそうなのだが。
 30分くらい練習すると,ステージ1および2は問題なくクリアできるようになった。破壊率も99%まで行ったので,この2面は問題ないだろう。だがステージ4のボスがどうしても倒せない。この手のミサイルを山のように降らせる敵は,スーパースターソルジャーにも出てきたが,あれ以来苦手意識が抜けない。倒す手はあるのだろうか。
 このゲーム,IボタンとIIボタンを同時に押すと,ポッドシュートといってオプションを飛ばして攻撃できるのだが,コントローラーの同時押しに対する認識が極めて甘い。飛ばすつもりでいるのにIボタンのスピードチェンジだけが効いてしまい,避けるタイミングが狂って爆発するというパターンに,何度となく苦しめられた。頼むからちゃんと飛んでくれ。特に4面はポッドシュートなしでクリアするのは難しそうなのだ。
 あと,ポッドにはレッドポッド(方向キーと反対に向き,16方向攻撃)とブルーポッド(前方に固定して攻撃)があるのだが,ブルーポッドの使い道が今までのところまったくない(注)。間違ってブルーをとってしまったら死ぬしかなくなるところも多く,プレイヤーに対するオプションというより単なるハンデではないかと思いたくなる。
 結局,この日は一度5面を見たところまで。4面ボスは長い時間粘れば倒せることがわかったが,反射ボールでは苦しい。Vバルカンで粘るよりない。そしてこの4面ボスだけは,ブルーポッドのほうが効率がよいようだ。唯一の使い道ができてよかった。
 その後のプレイでは,1面と2面は破壊率100%を達成できたが,3面以降はまだまだ安定しない。
 時間を置いて再プレイ。3面,4面とも破壊率95%以上でクリアできるようになった。5面のボスも倒せた。どうやら卵形の物体に攻撃を当てつづけると破壊できるらしい。だが細かくて堅い敵が多いせいか,破壊率は何と42%だった。平均が87%で,お説教部屋ならぬ罰ゲームモード(ペナルティーステージと書いてあった)へ。
 これが中ボスのオンパレードで,オプションやポッドが全く出ず,自力で対処せよという強引な面。無限コンティニューを駆使して戦うも,中途で挫折。これがクリアできるくらいなら,破壊率平均90%くらい余裕でクリアしていそうだ。この面,果たして終わりがあるのだろうか?(注2)
注) ブルーポッドの使い道:実際には,2面や3面の一部を除けばほとんどのところで十分使える。
注2) 果たして終わりが……:このゲームを貸してくれたA君(市長の教え子)の話によると,ペナルティーステージは実戦ステージより簡単で,終わりもちゃんとあるそうだ。

20020526
 サクラ大戦4プレイ。マリア編クリア。キーくんママは,ニューヨークの景色が大人っぽくてこれまでのお子様なエンディングよりよいと言っていたが,小生にはやはり似たようなものとしか思えなかった。どのシナリオも似たり寄ったりで,何が楽しくてこんなゲームをしているのかという気分にさせられる。やはり少数のキャラクターをじっくりと描いたシナリオの方がよかった。
 続いてコクリコ編クリア。巴里華撃団の隊員については,全く最初からプレイすることにしていたので,これも初めからやり直し。キーくんママが「絶対正義」のステータスを取得。攻撃力,防御力ともに+8というパラメータ補正がつくので,防御コマンドが全く不要になる。戦闘は大変に楽になったようだ。
 シナリオそのものは特に見るべきところはなかったが,コクリコとの双武にニャンニャン(注)が描かれていなかったのが不満。ターンが回るたびにコクリコがニャンニャン言っていたので,それで補ったつもりなのかもしれない。グリシーヌとアイリスの協力攻撃「ついてこい!」「おさんぽ?」はなかなかよかった。
注) ニャンニャン:サクラ大戦3のコクリコ機に描かれている,猫の落書き。ゲーム中には名前が出てこないのだが,設定資料によると「ニャンニャン」が正式名らしい。描いたのはコクリコ本人ということになっている。

20020528
 サクラ大戦4プレイ。紅蘭編クリア。肝心のヒロインに関する話より,その他のメンバー同士の戦闘中における会話のほうが興味深い。地上部隊隊長をエリカにすると,なかなか健気な科白が聞ける。すみれとカンナが接近したときや,マリアとレニが接近したときの会話など,シリーズを通して遊んできたプレイヤーならいろいろと世界観を構築して自分だけの物語を発展させることができるだろう。だがやはりこうしたことは枝葉に過ぎないので,本質的にはメインのストーリーを充実させてほしかった。
 紅蘭との双武も,必殺技にチビロボが出ないなど,細かい点に不満が残る。せっかく合体必殺技が普通に使えるのに,どのキャラと組み合わせても,演出が似たようなしょぼいものなのはどうかと思う。

20020603
 サクラ大戦4プレイ。すみれ編クリア。双武がキャラごとに肩の色が違うだけという手抜きはコクリコのニャンニャン以外特に不満には思わなかったが,合体必殺技のアニメーションがどのキャラも全く同じというのはさすがに回数をこなすと鬱陶しくなってくる。容量の問題でもないだろうに,せめての使いまわしでもよいから多少の違いは入れてほしかった。
 長安がミカサを落とそうとしたときの彼に対する科白は,すみれが言うと妙に説得力がある。要約すれば「失敗をしてもやり直せばいい」と,ほかのキャラと同じことを言っているだけなのだが,ただのわがままキャラではない,主張をもった人物像がこの迫力を醸し出しているのだろう。同じわがままキャラでも,さくらが言うと全然説得力がない。普段,感情で周りを振り回しているだけなのか,わがままなりの筋を通そうとしているかの違いは大きい。すみれのわがままはプライドと表裏一体だから,必然的にnoblesse obligeがつきまとうのだ。自らを「花組のトップスタァ」と称しつつ,見えないところで誰よりも稽古をこなすという生き様が,いざというときの説得力につながる。
 最後の,映画の練習にかこつけて口づけをするという場面での台詞回しも,本作の中ではかなりよい出来であった。巴里の5人以外は途中からしかプレイしていないが,すみれについては初めからやり直してもよいかも知れない。ただ,あまりにつまらない戦闘パートが,やり直すには高い心理的障壁となるのは間違いないのだが。

20020604
 サクラ大戦4プレイ。花火編の途中,織姫との対決シーンまで。織姫は大神にべったり。最初からラブラブ光線を飛ばしまくっている。これが出会ってからかなり長い間日本男児不信で暴れまわっていた小娘とは,到底思えない。
 それ以上に人格が崩壊していたのが花火。一体全体この変わり様は何なのか。どこからどう見ても,フィリップとのことなどまるでなかったかのような科白,仕草に呆れてしまう。しかも,前作での慎み深さはどこへやら。さくらのようなわがままと,アイリスのような無邪気さと,織姫のような自意識過剰が渾然一体となって,全くの別人になってしまった。これでは先が思いやられる。

20020608
 サクラ大戦4プレイ。花火編クリア。花火の科白は変に悲壮感が漂ったり,妙に間抜けだったりと,落差が激しい。協力攻撃が「日本の心」だったり,「生きて帰ったらお散歩しましょう」と言い出すところにも,違和感を感じる。その分,長安のおバカさ加減が浮き彫りにされるという利点(?)もあるが。
 エンディングは奥手の花火らしいものではあったが,これまでの経過が破天荒であったため,ここで急に巴里の花火に戻されても,帝都での変貌ぶりは何だったのかと思ってしまう。また,鼻緒が都合よく切れるという古典的展開にも失望。そもそも普段があまりに優柔不断な大神には,花火のようなキャラは相方として似合わない。グリシーヌやロベリア,すみれのような,ぐいぐい引っ張るキャラでないと不釣り合いに思えてしまう。

20020609
 イメージファイトプレイ。17日ぶりだが,腕はすっかり鈍っていた。ノーミスで切り抜けられるのは2面だけで,コンティニューしても4面がクリアできない。SHTはいつも2回目以降にスランプがくるのだが,今回も例に漏れなかったらしい。やっても苛々するばかりなので,諦めることにした。毎日コツコツと練習するだけの時間が取れれば巧くなるのかもしれないが,今の仕事を続ける限りそれは叶わないから,C級シューターへの夢は断たれたと考えるしかないだろう。
 やればやるほど巧くなっていくSHTが欲しくて仕方がないのだが,どうしてそういうゲームを作ってくれないのだろう。こうしてまたマインスイーパーフリーセル(注)に逆戻りしてしまうのだよなあ。
注) マインスイーパーフリーセル:Windowsに付属のミニゲーム。仕事の合間に手軽に遊べて,やればやるほど巧くなるので中毒性が高い。Microsoftが世界中のビジネスマンを腑抜けにするために仕掛けたとの噂もある。

 サクラ大戦4エリカ編プレイ。米田司令からは,「エリカを副隊長にするとは思い切った奴だなあ」と驚かれた。エリカは,大神のことを思うと夜も眠れなくて,毎日昼寝をしていたらグラン・マに巴里から追い出されたそうだ。細かい台詞回しも,さすがエリカと思わせるような破天荒なものばかりで,久々に楽しめた。
 エリカが帝都に来てしまったら,金色の蒸気にやられたときの回復役はコクリコでもやるのだろうかと思っていたが,意外にもエリカ本人が金色の蒸気などものともせずに超霊力を発動してしまった。本気になったときのエリカの霊力は想像を絶する。だがそれなら最初からその力出せよという気にもなる。

20020610
 イメージファイトプレイ。相変わらず4面ボスまでしか行けなかった。

 サクラ大戦4織姫編クリア。双武は愛の力で動いているのだから諦めちゃいけない,などと恥ずかしい科白を臆面もなく吐けるところがキャラクターの勝利か。長安はよりによって織姫ごときに「自分勝手で〜す」などと言われてしまった。さぞやショックだったろう。やる気を失って消えてしまったのもよくわかる。可哀想に。
 織姫編のエンディングは帝国ホテル。織姫は着物が似合う。馬子にも衣装だ。自分はイタリアに帰るから,中尉さん奪いに来てくれますか,とは,最後までわがままぶりを発揮していて納得の行くエンディングだ。だからといってこの手のキャラは好きではないが。織姫編でも大神は婿入りすることになるらしい。それとも奪い去って帝都で暮らすつもりだろうか。
 関係ないが大神の髪は針のように硬く,エリカが触ると手に刺さるそうだ。

20020612
 イメージファイトプレイ。難易度は4段階あるが,敵の弾の速さが変わることと,堅さが変わること以外にはさほど大きな違いはないようだ。今日は4面途中までしか行けなかった。だんだん腕が落ちていくのはこれまでの他のSHTと同傾向。

 サクラ大戦4レニ編プレイ。大神が風呂に入っているところにどかどかと入り込んできた花組の面々の科白が,レニ編のときだけちょっと変わっている。「これは計画にない。すぐに結婚しなくては」と言われてしまうのだ。どうやらいつ結婚して子どもを何人産んでといった,細かい人生設計を立てていたらしい。計画によると,一緒に風呂に入るのはもっと後のことだったようだ。
 レニによる長安の説得は,期待していたほど論理的ではなかった。もう少しすとんと胸に落ちる科白かと思っていたのだけれど。長安の最後の望み(注)については,どんなキャラでも無条件に期待するものらしい。子どもなんかどうでもよいとか言い出すキャラはいないものだろうか。
 エンディングは,予想はしていたが,「あんな男の子みたいなレニでも愛する隊長のために綺麗な女の子になりました」という落ち。70年代の発想だ。常に冷静で男の子みたいな少女を,そのままの形で愛せるようなシナリオにはできなかったのだろうか。時代が「太正」だから昔の恋愛観に合わせたのだ,と主張されたら致し方ないが,どうもそうではないような気がする。単に制作陣が90年代の発想に慣れていないだけだろう。
注) 長安の最後の望み:大神とヒロインに対して,「お前たちの子どもが見たい」というもの。

20020613
 イメージファイトプレイ。今日はさらにレベルが下がって,3面途中で終了。

 西遊記を始める。T氏(注)から借りたもの。主人公である三蔵法師こと陳玄奘の性別が選べるというのが怪しい。女性を選ぶと同じ読み(げんじょう)でも当て字の玄娘となる。両方試してみたが,周りのキャラクターの科白が変わったり,僅かながらシナリオが変化するようなので,仕方なく両方を並行してプレイ。第1章の2戦目まで終えた。ここまで40分くらい。意外と待ち時間が長いゲームだ。
注) T氏:とりわけ歴史シミュレーションにおいて鬼神の如き強さを誇る。今月もまたどこぞの戦術級シミュレーションを3日でクリアしているはず。

 サクラ大戦4エリカ編プレイ。始めの方こそ面白い台詞回しもあったが,神体を倒す辺りからの発言はほとんど花火並みの真面目さ,堅物さで,ちっとも個性を生かしきれていなかった。エリカにまともに説得されてしまっては,長安も立つ瀬がないだろう。
 巴里に旅立つに当たって,「東京の恋人」であったレニに呼び出された。俯いた形相があまりにも怖かったので,もしや刺されるのではと思ったが,他のメンバーと同じく単に御礼を言われただけだった。物分かりのよい女の子ばかりで,ギャルゲーとしてはこれでよいのかもしれないが,物語としては今ひとつ物足りない。
 エンディングは正式にシスターになって,結婚の誓いをするというものだった。結婚にまで踏み込んだというのは,全キャラクター中唯一のものである。それだけエリカに思い入れがあったということだろうか。
 総評だが,エンディングとして納得が行ったのは結局すみれくらい。よくぞ全員の話をまとめた,という思いよりも,この程度でお茶を濁されたか,という気持ちの方が強い。とりわけ悪役陣にインパクトがなく,かといって実在感があるわけでもなく,パリシィと黒鬼会のつまらないところだけをつなげてつくったかのようだったのがいただけなかった。各隊員とのイベントについても,東京の恋人と巴里の恋人の対決シーンを除けば見所はなく,エンディングで思い出されるのは前作(サクラ大戦3)や前々作(サクラ大戦2)でのイベントばかり。エンディング曲「君よ花よ」の出来がよかったことくらいしか評価するところがない。この曲に関しては,大神役の陶山章央の歌がどうこうという問題があったものの,合唱曲としては出色の出来であった。
 せっかくのムキャクオリティ(画質,音質とも)だったが,内容が期待はずれに終わった。サクラ大戦シリーズはをやればよい。

20020615
 こみっくパーティームキャ版を始める(注)。I君(注2)がムキャも持っていないのに限定版を購入。卒業までに返してくれればよいとのことで,市長が借り受けたものだ。限定版にはテレホンカードらしきものと組み立て式のフィギュアが同梱されていた。ディスク2枚組みだが,2枚目途中のセーブデータをロードするときにも1枚目を使って起動しなければならないらしい。これが噂のバグか。このとき2枚目を使ってロードしようとすると,セーブデータが飛んでしまうことがあるとかないとか。さすがに確かめる気は起きない。
 主人公は千堂和樹,大学1年生。美大志望だったが落ちて第2希望の四大に入ったらしい。幼稚園からの幼なじみである九品仏(くほんぶつ)大志にいいように引き回されて,こみっくパーティー(通称こみパ)に参加することになった。こみパとはどうやらコミケ(コミックマーケット)のパロディーのようで,お台場の東京ビッグサイトのような建物が描かれていた。この頃にはすでに晴海ではなかったらしい。高校からの同級生で同じ大学に第1志望で入った高瀬瑞希は,主人公に気があるらしく,おたく嫌いなのにビッグサイトまでついてきた。
 ゲームを始めると,同人誌即売会やおたくの世界について懇切丁寧に解説してくれるオープニングが,実に2時間半にわたって繰り広げられる。その間セーブはできない。親切ではあるのだが,まとまった時間がないと大変に遊びにくい。登場人物たちのやりとりはそれなりに笑えるのだが,大志が声優の質について言及している割にはこのゲームにおける声優の技量が今ひとつであったりと,随所に不満が残る。九品仏大志役の声優だけが異彩を放つほど巧いのだが(それでもこれがサクラ大戦3なら標準レベル),収録マイクが悪いのか音声圧縮をかけすぎているからか,他の女性キャラの声がどれも酷いものだ。この九品仏大志役の声優が誰かは,取扱説明書ではノンクレジットだったので不明。エンディングテロップ辺りで明かされるのかも。
 オープニングで登場したキャラは,高瀬瑞希(CV:茶山莉子),牧村南(CV:山田美穂),猪名川由宇(CV:茂呂田かおる),塚本千沙(CV:馬場澄江),大庭詠美(CV:石川静),長谷部彩(CV:そのざきみえ)。この他に,芳賀玲子(CV:むたあきこ),御影すばる(CV:倉田雅世),ファンの女の子(CV:こおろぎさとみ)なる人物が登場するらしい。牧村南はこみパのスタッフで,九品仏大志の友人。猪名川由宇と大庭詠美は互いにライバルでパロディ系同人作家。塚本千沙は印刷屋の娘。長谷部彩は創作系同人作家。その他に,主人公千堂和樹に対して高額の援助をしつづけている立川なる謎の人物がいるのだが,この人物はどうも九品仏であるような気がする。今回は10万円のグラフィックソフトをくれたようだ。
 一応同人誌作成シミュレーションらしいので,ここからが本番。しかしこんなにオープニングが長いと,それだけでやる気が失せる。一般の人たちには知りえない世界をモチーフにしたゲームだから仕方がないのかもしれないが,20万人も参加していてこれだけ一般に知られていない世界というのも珍しいのではないだろうか。それを表現するのに,とことん長い詰め込み型オープニングを用意したというのは,手法としては正しいが,途中セーブさせないというのは間違っている。さて,これからどう料理しようか。
注) ムキャ版:オリジナルはWin版の18禁ゲーム。
注2) I君:市長の若い友人。教え子ではない。ところで,彼はいったいいつムキャを買う気なのだろうか。最早店頭でも見かけなくなっているので,他人事ながら心配になってしまう。

20020622
 こみっくパーティープレイ。どうやらいくつかのキャラは,作る同人誌のジャンルによって攻略可能性が決まるらしい。九品仏が初めは「ゲーム ロールプレイング」あたりから始めるようにと助言していたのでその通りにしたのだが,それでは長谷部彩のような創作系同人作家とは会う機会がなさそう。個人的には創作系ファンタジーを作りたかったのに。
 仕方なく攻略ターゲットを猪名川由宇に設定。いきなり高瀬瑞希の強烈なおたく批判に笑い転げた。ここまで極端な偏見を叫ばれると,笑うしかない。ついで九品仏大志の唯我独尊的な「カードマスターピーチ」論を聞かされて,また爆笑した。こみパ会場で「日本の将来を左右する作品に無名の新人声優をあてるとは何事だ」と憤っていたのが嘘のように,新人声優の桜井あさひをべた褒め。布教活動に勤しんでいた。
 肝心の同人誌作りだが,やってみると,24ページの原稿を上げるにはその3倍の72ページ分,本文作成を行わなければならない。コンテ,ペン入れ,仕上げの3段階あるからだ。締め切りまでの日数で計算すると,毎日作っても1日2ページは必要。初めてやったときは,ラスト1ページで見事に原稿を落とした。原稿を落とすと即ゲームオーバーというのはさすが。
 2回目にはコツをつかんだので,何とか原稿完成。表紙もやり方がわかると結構簡単。余裕をもって終えることができた。猪名川シナリオは,彼女が神戸に住んでいる関係で,特別なイベントが少ない。そのため同人誌作りに集中できるのでやりやすい。
 こみパ前日にホテルに遊びに行くと,東京見物と称して千堂和樹のバイト先であるキャラクターショップへ。そこで猪名川は九品仏と意気投合し,和樹をおたくにするための壮大な計画が始まった。どうやら,表紙が平仮名の少女コミック誌20冊と,九品仏厳選のエッチな本?冊を,駅前の一般書店で領収書つきで買ってこなければならないらしい。試練を経て一回り大きくなった和樹は,カードマスターピーチの表紙がついた少女コミック誌を土産に持たされ,それを研究する羽目になった。
 こみパ当日,御影すばるという宇宙人と人間のハーフ,もとい改造アンドロイドが登場。衝突しそうになった和樹とダンプカーをともに投げ飛ばし,空から和樹の上に降ってきた。世界平和のためにこみパで同人誌を売るらしい。
 猪名川は和樹のことをすっかり忘れていたようだが,何とか合体スペースの誘いを受けることに成功。順調に進んだところでやめる。すばるの同人誌は酷い出来だったらしく,おたく2人組(たて男,よこ男)に厳しく説得力溢れる言葉で酷評されていた。ところで,たて男とよこ男の声だが,声優を逆にすべきだったのではないだろうか。痩せたたて男より太ったよこ男のほうが,声はハスキーという印象があるのだが。よこ男の声が妙に低いので,かなり違和感がある。
 同人誌の評価だが,100部刷って71部しか売れなかった。かなりショックだ。価格を安めに設定していたので結局赤字だし。バイトの割がよい(注)ので同人誌で利益をあげる必要はないのだけれど。
注) バイトの割がよい:1回働くと5000円もらえる。つまり平日は1日5000円(半日は大学に通っているという設定だろう),休日は1日最大10000円もらえるということだ。このゲームでは,平日は1日1回,休日は1日2回(午前と午後),活動できる。しかも和樹の通う大学は土休らしく,完全週休2日制だ。

20020623
 こみっくパーティープレイ。このゲーム,同人誌作成に著しく集中力を必要とするので,一日に1ヵ月分進めるのが限度。猪名川由宇シナリオは,同人誌作成の厳しさを叩き込まれるものであるらしい。神戸に住んでいるはずの猪名川が,なぜか月に5回も和樹の家に上がりこみ,同人誌制作を監督していた。たった24ページの同人誌を作るのにこれほどの日数を要するならば,バイトやら買い物やらといった行動はとる暇がない。
 イベントは,こみパ前日に突然コピー本を作ると言い出した猪名川に付き合わされて徹夜し,タクシーで会場に駆け込むものと,猪名川が大庭詠美の過去を暴くふりをして大庭を泣かせてしまったものしかなく,やや軽い印象。
 2回目の作品は,猪名川由宇の趣味に合わせてギャルゲーの「オマージュ本」(猪名川命名)にした。結構頑張って200部刷ったのだが,150部くらいしか売れなかった。
 6月も24ページの作品しか作れなかった。とてもじゃないが36ページなど書いている余裕がない。ただ表紙は多色刷りに変えた。単色は簡単すぎる。テーマはアニメのコメディ。テーマ選びはキーくんママが適当に決めている。
 ここでのこみパ前日イベントは,猪名川由宇との遊園地デート。今回は激しい乗り物乗り放題で苦しめられる以外は極めて真っ当なイベントだったので,逆に面白くなかった。個人的には九品仏大志絡みのぶっ飛んだイベントが見たい。
 中堅同人作家になっていたせいか,同人誌レベルを高めたせいか,300部完売した。こみパ出入り口で見られる,おたく2人組の会話はなかなか面白い。すべてコンプリートしたくなるくらいだ。5月のこみパでは見ていないので,今度忘れずに見たいものだ。
 次はいよいよ噂の「夏こみ」こと8月こみパ。だが出店センスがちっとも上がらないので,不安だらけ。一応念のためもう一月だけ24ページで作ることにした。テーマはアニメのロボット。「超古代帝国ハニワG」というタイトルが凄い。

20020627
 イメージファイトプレイ。3面まで。そろそろ諦めた方がよいかもしれない。

 西遊記プレイ。第1章の3〜5戦をやった。孫悟空のきん斗雲法(「角力(きん)」という字が出ないのは甚だみっともない)は,ちょっと移動力が増えるだけであまり使い勝手がよくない。2回移動できると考えればよいのかもしれないが,10万8千里飛べるという代物なのだから,狭いマップの大半が届かないというのは何とかしてほしい。
 鷹愁澗(ようしゅうかん)で登場する朱涼鈴(しゅりょうりん)なる竜の娘は,大変に性格が悪い。上(三蔵)に媚びへつらい下(孫悟空と猪八戒)を顎で使う,我儘身勝手自己中心的独善妖怪という,素晴らしいキャラだ。こんな姉ちゃんが物語を荒らしまわっては,シナリオの面白さが半減するのではないかと危惧する。そもそも,原作にはいなかったはずだが,思い違いだろうか。嫌な婚約者から逃げてきたというが,まかり間違ってこんなのと結婚させられたら相手のほうが可哀想。何しろ竜王の娘だから,逆らえっこないだろうし。
 沙悟浄は,見た目はカッコいいのだが,このゲームでは性格が悪いらしい。妖怪に助けられたことを恥じて礼も言わない。自分も妖怪のくせに,妖怪が嫌いらしい。だが嫌いでも礼は尽くすべきだろう。
 如意真仙が怒って手下の妖怪どもを怒鳴り散らしたところでやめる。ここまで1時間50分くらい。やはりただ眺めているだけの時間が長いような気がする。

 こみっくパーティープレイ。夏こみ終了。猪名川由宇絡みのイベントとしては,こみパ前日の夏祭りくらいしかない。そこで「六甲おろしの由宇」として恐れられた射的の腕前を見せることになる。景品を全部撃ち落としたらしい。金魚掬いと輪投げもやったらしいのだが,結果は恐ろしくて表示されなかったようだ。
 夏こみでは,由宇が共同購入大作戦を敢行。とばっちりを受けたのは,和樹のほかに,九品仏大志,高瀬瑞希,大庭詠美の3名。だが九品仏は,さすがおたくの鏡だけあって,1200部以上の同人誌を入手できたらしい。瑞希はノルマの30部を達成できず。それでも20部も買えたのは立派だと思うが。
 夏こみは大きなイベントということだったので,奮発して1000部刷ったのだが,とんだ見込み違い。1部僅か100円の超特価だったにもかかわらず,382部しか売れなかった。24ページしかなかったのがいけなかったのか。それでもベテラン同人作家の称号をもらった。もっとも,この称号は九品仏大志がつけたものだが。
 というわけで,次回は無謀にも36ページに挑戦する。ジャンルはアニメの魔女っ娘。前回の超古代帝国ハニワGが,立川さんからすこぶる不評だったため,傾向を変えてみた。それにしても,36ページの同人誌は,どう計算しても締め切りに間に合わないと思えるのだが,どうしたものだろう。

20020629
 こみっくパーティープレイ。イベントとしては,由宇が遊園地の隣の野球場に,売り子として観戦に行ったこと(阪神ファンらしく,しかも阪神は押し出しで負けたらしい)と,由宇が和樹の家に居候しに来たことくらい。居候イベントでは,2人のパンツを並べて干したり,バスタオル1枚で来客を出迎えたりと,無神経ぶりを発揮。あの九品仏大志君でさえ呆れるほどの状況を作りあげた。さすがの和樹も怒ったようだが,ここで元18禁という出自がわかるイベント発生。バスタオル1枚で転んで倒れた由宇が,「しても,ええねん」と震えながら発言する。あまりの不自然さに呆れるばかりだが,さすがは全年齢対象版,この状況をそれなりに巧く料理してくれた。
 由宇はその後このイベントを意識しすぎてしまい,何発も和樹を殴りつづけてきた過去を忘れたかのような殊勝なキャラになってしまうが,それでも詠美とのバトルという見せ場を作ってくれたのはよかった。腑抜けパンダにかわってパンダ使いが詠美に「ふみゅ〜ん」と言わせたのだが(注),詠美絡みのイベントはとにかく楽しくてよい。九品仏君絡みのイベントの次に面白い。
注) 腑抜けパンダにかわってパンダ使いが……:パンダは猪名川由宇のあだ名。詠美命名らしい。由来は明かされていないので不明。詠美は由宇のことをよく「神戸の山の温泉パンダ」という。「温泉」がつくのは,由宇が神戸の温泉旅館の一人娘だからだろう。パンダ使いは和樹のあだ名。詠美命名。いつもパンダと一緒にいて,パンダと話が通じているかららしい。「ふみゅ〜ん」は詠美の口癖。困ったとき,敗北したときに発せられる。

20020630
 こみっくパーティープレイ。9月こみパでは300部を完売した。翌月も36ページで行くことにする。何しろこみパ後に由宇から共同執筆を持ちかけられ,8ページ余計に描かねばならないらしいからだ。ところが,この8ページ分をいつどのように描くのかが全くわからない。実はこの分は何もしなくても描いたことになっていたので考えなくてよかったようだ。
 10月こみパの前日に,由宇と2人で和樹の大学の大学祭に行った。結局,大志から言われていた桜井あさひのコンサートは,観に行かなかった。由宇がお好み焼き屋を説教して,お好み焼きの作り方を伝授しただけ。
 だが翌日のこみパ当日,東京を台風が直撃。由宇は共同制作した400部くらいのコピー本を持って線路を跳び越そうとし,和樹に助けられ九死に一生を得た。しかし助けられたはずの由宇は,命より大切な同人誌が電車に轢かれたことに腹を立て,和樹とのコンビを解消。その後しばらくはこみパにも現れなくなる。
 この日はついにこみパ会場へ行くことは叶わなかったのだが,さすがおたくの鏡,できた男,まいぶらざぁ大志が1人で売ってくれていたらしく,結果は何と700部完売。ページ数が増えたことによる効果は意外と大きいらしい。
 11月こみパに向けて,48ページに挑戦する。しかしこの月は由宇に何度も電話をしなければならず,原稿執筆は困難を極めた。由宇の御機嫌は全く直らなかった。一応電話をすれば,11月17日に大阪の即売会に参加することを教えてくれるが,行ってみると過去の作品を並べて売っているだけ。11月のこみパには不参加で,12月こみパ,すなわち冬こみにも不参加の予定らしい。イベントとしては電話をかけるくらいで他には何もないのだが,休日のほとんどを電話で過ごしたために,薄氷の完成を見た。
 しかしこのゲーム,方向キー(アナログスティック,十字キーとも)のチャタリングが多すぎる。ムキャのコントローラーは滑りやすく,指の置き場も整備されていないので,アナログスティックを用いた原稿制作モードはしんどいの一言。正しく入力したつもりでもスティックが滑っているらしく,入力ミスと判定されることもしばしばあった。また,10月こみパが終わると2枚目のディスクになってしまうので,ロードの間違いは致命的だ。このゲームは2枚目のディスクからは起動ができないので,チャタリングによるロード間違い(注)のたびに,1枚目のディスクに取り替えて再起動し,すぐに2枚目に取り替えるという作業をしなければならない。
 11月こみパでは1000部を完売。冬こみではさらに1冊単価を値上げしたがやはり1000部完売(かなり儲けさせてもらった)。1000部の上は2000部しか頼めないので,1月こみパでは仕方なく2000部刷ったが,さすがにこれは余った。しかも大量に。1247部しか売れなかったのだ。そのせいか,1月こみパからユニットを再結成して登場していた由宇に,えらい剣幕で怒鳴られた。
 由宇といえば,クリスマスとお正月にそれぞれイベントがあった。クリスマスにスカートを穿いて登場したイベントは,和樹と同じで言われるまでスカートに気づかなかった。お正月の初詣でイベントで,由宇は仲直りとユニット再結成をお願いした。それはすぐに叶えられたのだが,3つ目のお願いは「乙女の秘密」とやらで聞かせてもらえなかった。ただ,1月こみパの前日に,由宇がまたも泊まりに来たのには驚いた。しばらくこみパに出ていなかったせいで,印刷代もないほど貧乏になっていたらしい。もちろん印刷代をケチる由宇ではないので,ケチったのはホテルの宿泊費,というわけだ。
 この頃には同人王の称号をもらっていたが,最後くらい60ページの大作を作りたい気もした。だがチャタリングの起きやすいスティックでの操作では,恐らくは48ページが限界。対戦格ゲー用のちゃんとしたスティックなら可能なのかもしれないが……。仕方がないので最後はフルカラーの表紙で妥協しよう。そのためにはお金がたくさん必要なので,バイトに精を出さなくては。
注) チャタリングによるロード間違い:例えば3番のセーブデータをロードしたいときに,きちんと合わせたはずが行き過ぎて4番を(あるいは足りなくて2番を)ロードしてしまう,といったような現象。十字キーの下を押した回数よりも多く(または少なく)カーソルが動いてしまうのだ。

20020702
 こみっくパーティープレイ。48ページフルカラーの原稿を描き上げた。イベントとしては,由宇のバレンタインデー(一瞬だけ登場して板チョコ1枚渡して去っていく)と,こみパ前日のホテルで発覚した古いアニメキャラの「お誕生日本」(キャラの誕生日にちなんで作られるものらしい)にまつわる由宇の同人娘話,それにこみパ当日の編集長イベントくらい。編集長によれば,由宇の実力は「イラストはよいがマンガは戦力外」だそうだ。辛口の評価だが,由宇は慣れっこのようだ。そしてこの編集長は,どうやら詠美とは因縁がありそう。詠美にはイラストの仕事が頼めないらしい。
 ここでCSチューナーの録画予約の時間がきたので,泣く泣く諦めた。CSチューナーとゲーム機が競合する現在のセッティングは,見直すべきなのかもしれない。

20020703
 こみっくパーティープレイ。2月こみパ終了後,由宇の旅館での合宿を持ちかけられた。了解すると,その日のうちに夜行バスで拉致された。おかげで2月こみパの戦績は不明。由宇の実家は神戸の山奥にある猪之坊旅館。周りには何もないので,外出も旅館の各地に行くだけ。由宇の部屋には由宇がいるが,2回分しかバリエーションがなく,あとはいつも不在。旅館の他の場所で会えるイベントもない。仕方がないのでひたすらマンガを描き,バイトをした。
 ときどき由宇が和樹の部屋に侵入してきたりしたが,CGつきのイベントは月末に集中。客室の「おじさまとよしこ」を覗くものと,頑張って原稿を完成させた和樹に由宇がご褒美をあげるというもの。何が欲しいかと聞かれて「由宇が欲しいな」とべたな回答をする和樹。ここから長い長い勘違いシナリオが始まった。由宇は「あんた好みの女になる」などと言って自分のアイデンティティを全て否定しようとし,和樹はそれに対して至極真っ当な返答をした。この手のゲームにおいて,女性が男性に好かれんがために,自分の特徴ともいえる言動を止めてしまおうとする(由宇の場合は怒鳴ったりどついたり無理言ったりしないと誓う)というのがパターン化しているが,さすがに時代錯誤の感がある。
 翌日,夜行バスで東京に向かうが,三重で季節外れの大雪に見舞われ,バスは高速道路上で立ち往生。例によって由宇の無謀ぶりが炸裂し,徒歩でローカル線の駅を目指すことになった。このとき電話で大志や南さんと話したのだが,やはり大志はいざというときにも頼りになる。いい男だ。自分の電話のことを「吾輩のホットライン」と言うのもイカしている。
 こみパ会場には終了後に到着したのだが,瑞希や詠美はともかくとして,一度しか顔を合わせていない玲子さんや,まともに会話したことがない長谷部さん,それに謎の番長までもが総出で迎えてくれたのは,ちょっと奇妙すぎる。エンディングそのものは大したこともなかったが,同人誌をただでばら撒いてしまったので,せっかく2000部も刷ったのに赤字が回収できなかった。
 エンディングテーマが流れた後の「後日譚」はなかなかよかった。由宇のキャラクターが全開で,ばら撒きによる赤字もうまく組み込んでしまっている。和樹は赤字解消のため猪之坊旅館への永久就職を勧められ,またもそのまま拉致された。ここで初詣ででの「乙女の秘密」こと3つ目のお願いが判明。あのときから和樹の婿入りを狙っていたらしい。1000円で婿が買えるのなら,確かに安い買い物だ。夢は夫婦同人。末永くお幸せに。

20020705
 こみっくパーティープレイ。今度はちゃんと長谷部彩を攻略すべく,創作系の同人誌を作ることにした。長谷部さんと会うのは5月こみパなので,それまではひたすら同人誌を描きつつバイトに励むことにした。24ページ単色刷りではかなり日数が余るので,バイトで大儲けできる。大志からの10の質問では,出店センスが少々低くても創造力などの創作パラメータを上げたほうがよいようだ。
 ところが,驚いたことにひたすら同人誌を作りつづけたにもかかわらず,なぜか高瀬瑞希のテニスイベントが発動。瑞希の好感度など上げた覚えはないのだが,こうなったら瑞希攻略も並行して行うに越したことはない。それにしても,このイベントに連動して発動される瑞希と大志の喧嘩が,なかなかに楽しかった。大志によれば,テニスは関節を傷めるので二度とペンが握れなくなるらしい。また,大英帝国を滅ぼしたのはテニスで,軟派テニスサークルに入ると貞操の危機であるばかりか子どもを抱えて卒業する羽目になるそうだ。
 途中から瑞希の家に入り浸り,瑞希に電話をかけまくるファイルをもうひとつ作成。今回は時間的に余裕があるので,ずいぶん無駄に使っても同人誌は完成できた。それにしても,瑞希との会話は細かいものがたくさん入っており,いったい全部で何種類のヴァリエーションがあるのか不明。瑞希の好感度をあげまくったファイルも,最初にプレイした長谷部さん攻略用ファイルも,ともに100部刷り300円で販売することにした。長谷部さん攻略用ファイルは,そのまま御影すばる攻略ファイルに転用できそうだ。
 長谷部さんの同人誌は,話はとても面白いらしいが,絵が地味,キャラが地味,表紙が地味の三重苦で,とてもおたくたちの目には止まらない代物らしい。それはそれで通好みで好きなのだが。実際そんな同人誌があったら欲しいところだ。

20020707
 こみっくパーティープレイ。高瀬瑞希編を先に進めることにする。平日にランダムでイベントが頻発する。どのイベントも,和樹にマンガを止めさせようと瑞希が奔走するもの。選択肢はどれを選んでもよいらしい。中には,九品仏大志が瑞希に対して,「近い将来必ずこの世界に足を踏み入れる」と予言するものがあったが,やはり奴は和樹と瑞希の仲を見抜いていたようだ。
 その瑞希は,6月こみパ当日に,バレバレの仮病を使って和樹を足止めしようとする。クリアするためには騙されたふりをしつづけなければならないのだが,ここまで露骨な仮病に対して何度も何度も真剣な選択肢を選びつづけるのは困難極まりない。でもこのイベント以降は瑞希の態度がちょっと親密度の高い状態に変わり,家に遊びに行っても電話をしても,会話のパターンががらりと変わる。内容は同じなのだが言い回しが違うパターンが得られるのだ。
 6月末には瑞希とラヴロマンスを観に行くイベントが発動。映画の中身はWHITE ALBUMだったが,映画に付き合うだけでノートを貸してもらえるなんて,いい身分だ。中身はどう考えてもいっぱしのデート。だが和樹はまったく動じていない。何だか瑞希が可哀想になってきた。
 今回の売り上げは,5月こみパが300円で83部,6月こみパが250円で193部,7月こみパが200円で300部完売。7月こみパでは,瑞希が売り子を手伝ってくれた。瑞希のほうが売るのは上手そうだ。その分大志が自由になったようで,由宇とつるんでヲタ話に花を咲かせていた。しかしヲタ用語がまったくわからなかったキーくんママに比べ,曲がりなりにも理解できてしまった小生の偏向ぶりが危ぶまれる。

20020722
 ハローキティのガーデンパニックを始める。このゲームは,キティムキャを購入したときに付属していたもので,一般には市販されていない。内容は,昔懐かしい潜水艦ゲームのビデオゲーム版で,敵味方に分かれて自陣に船ならぬ花(プレイヤー側)やアオムシ(CPU側)を配置し,相手のマスを指定して爆撃。見事花やアオムシを粉砕すればポイントとなり,爆撃地点の周囲1マスに花やアオムシがあれば「ヒット」となる。爆撃指定には制限時間があるので,「パニック」と名づけられたらしい。
 花やアオムシにはいろいろな形があって,自陣に残っている花の形と同じ形の枠で,爆弾を落とせる。大きな枠を持っていれば相手にも大枠で攻撃できるが,1つ見つかると形を推測されてまとめて壊されるので,自分も危険である。かといって小さな枠しか配置しないと,こちらも小さな枠でしか攻撃できない。「ト」の字形や"L"字形は推測されにくく壊されにくいが,攻撃する段になると周囲のマスの数が少ないのであまり情報が得られない。意外にパズルとしては考えられている。
 キーくんママが基本的にプレイしたのだが,1時間でクリアしてしまった。お話は完全一本道で,キティが次々といろいろな友達のうちの花壇をアオムシくんから守るというもの。版権の問題か,うさこ(ミッフィー)ちゃんにそっくりのキャシーは「×」印の口がついておらず,その他のキャラも皆キティそっくりの輪郭違い。尤も,ストーリーなんてあってなきが如しなので,どうでもよいのかもしれない。
 マインスイーパーより楽しめたので,短時間の息抜きにはよいかと思う。ゲーム本編のストーリーモードでは,お花畑の制作は飛ばせる(デフォルトの花畑がある)のだが,クリア後のフリーモードではまっさらなところからお花畑を作らねばならず,少々面倒なのが難。

20020727
 こみっくパーティープレイ。久しぶりだったので原稿描きの技量が大幅に減退していた。このゲームは,忙しくても一気にクリアしたほうがよさそうだ。30分も練習したのに以前の力量に戻れなかった。とてつもない時間の無駄だ。ピアノの練習に似ている。
 瑞希と海に行って,海水浴ではなくビーチバレーをやった。何で泳がないかなあ。そして和樹が砂に足をとられて転んで,後頭部を打って5分も気絶していたそうだ。おいおい,5分も起きないなら救急車呼べよ。でもって,瑞希は何を勘違いしたのか,一所懸命心臓マッサージをして,もう少しで人工呼吸をするところだったそうだ。人工呼吸について何やら揉めていたが,それ以前に,心臓が動いている相手に心臓マッサージなんかやったら,それが原因で心不全になりかねないぞ。まず脈を取れ脈を。
 夏祭りでは,浴衣の瑞希を和樹が初めて見るというイベントで,奇妙な花火を観賞した。由宇シナリオの「射的で景品ごっそり」とは,だいぶ雰囲気が違う。
 8月こみパ,いわゆる夏こみでは,500部刷って200円で売った。おたくたて,よこがブレイク前の和樹の同人誌をプレミアがつくとの理由で買いにきたり,牧村さんが人気投票で票が固まってきたことを知らせにきたり,由宇が関西でも噂になっていると言いにきたり,コミックZの編集長(澤田真紀子)が糞味噌に貶しにきたりした。大志によると,編集長が貶しにくるのは才能があると見込んだ人物に対してだけだそうだ。

20020728
 こみっくパーティープレイ。8月こみパは500部完売。9月こみパまでの1ヵ月,48ページものを描くために大変に苦労した。ただ,瑞希編はこの月には特にイベントがない上,家に出かけても電話をしても新しい展開がなかったので,専ら原稿執筆に明け暮れることができた。9月こみパ当日には,バカおたくが来襲し,ろくに読みこなせもしないのに和樹の作品を酷評していった。それに対して瑞希が本気で怒り出してしまい,和樹が巧く捌いたのだがそれでも気持ちの整理がつかなかったらしい。会場で「ここにいるのはみんなバカばっかじゃない」などと怒鳴りまくっていた。大人げないのだが主張には筋が通っているので,和樹も何ともやりにくかっただろう。まあ,あんなバカの相手までしなければならないのなら,即売会なんてやめたくもなるだろうし。瑞希が来月からこなくなったとしても,全然驚かないぞ。
 結局この月はこのイベントだけで終わってしまい,どこも覗けなかった。酷評された作品のほうは,250円と高めの価格設定だったにもかかわらず,700部完売した。見る人は見ているのだからそれでよいではないか,瑞希君。
 次の1ヵ月は,偶発イベントで瑞希と仲直りしようとするも失敗するというものが2回あった。さらに瑞希の家は常に不在で,電話をしても常に留守電なので,休日にも原稿を描くことができ,大変楽だった。余った時間で鉄亜鈴を用いた運動を行い,体力増強。バイトもしてお金を貯えた。すると入稿日に瑞希が塚本印刷に現れて,和樹から原稿を引ったくり,破ると脅してきた。由宇なら自分の命より原稿が大事というところだろうが,和樹はそうではないので,原稿ならまた描き直せばいいだろうとばかりに開き直ってみせた。でも本当なら,ファンに「ダミーサークル」と謗られて,石でも投げられるところだ。
 瑞希は結局破らずに,原稿を返してくれた。どれだけ描くのに苦労していたかを知っているので破れないとのこと。
 翌日,瑞希を大学祭に誘うイベントが発生。瑞希と和樹が高校1年のときにどのようにして知り合ったかが示された。一人ですべてを抱え込んで文化祭の出し物の立て看板に苦慮していた瑞希と,横からひょいと手伝って素晴らしい絵を描き上げた和樹。それにより和樹は美術部の自分の作品を落としかけたらしい。瑞希は和樹のことがずっと嫌いだったのだが,その一件以来仲良くなったそうだ。しかし,瑞希役の声優(茶山莉子)が,高校1年の瑞希を演じるのに妙に幼い声をつくっていたので,逆に拍子抜け。高校1年と大学1年で,こんなに声質が変わることはありえない。やりすぎによる明らかな逆効果。中学1年ならこの声もわかるのだが。高校生の瑞希の絵はなかなか可愛かった。可愛い女の子好きなキーくんママが喜んでいた。
 10月こみパは例の台風直撃の日で,和樹はぎりぎりで到着。余裕の到着をしていた大志の出迎えを受けた。奴は凄い。道路が冠水し,本が届かないことに腹を立てた和樹が,理不尽にも大志に「何とかしろ」と詰め寄ったが,冷静で論理的な大志はものともせずに逆襲。これは全面的に和樹が悪い。しかし本は,なぜか何者かの手によって無事届けられていた。どうも番長が持ってきたらしいのだが,定かではない。人間技ではない何かの力で届けられたとのこと。
 瑞希は昼頃に手弁当持参で謝りにきて,ついでに一緒に会場を回った。瑞希は初めての同人誌購入を経験。買ったのは「都内の紅茶・ハーブティー大百科」なるとても興味深い本。こんな本があるなら小生も欲しいところだ。なのに和樹ったら,全然理解がない。小生の周りには紅茶おたくの男子は幾らでもいるのに。何も女の子の専売特許ではないぞ。頑張れ瑞希,和樹を紅茶おたくにするのだ。
 その後,コスプレスペースを回った。どうやら瑞希はコスプレに興味を持ったようで,コスプレ姉ちゃんにコスプレの極意をしっかりと学んでいた。本人は否定しているが,あれはいつかやるぞ。
 同人誌は1000部完売。3ヵ月連続で48ページ多色刷りをつくることにする。

 およそ1年振りにFF7をやる。もうすっかり忘れてしまっていたが,やはり何度やっても「どこが通り道かわからない」グラフィックに悩まされる。ニブル山の途中からだったので,とりあえず洞窟などの宝箱を回収。マテリアキーパーという中ボスを倒さねばならないはずなのだが,なぜかもう倒したあとだった。日記に記述がない。いったいいつ倒したのだ?
 ともあれ,ロケット村へ急ぐ。村に着けば,とりあえずキーくんママに代わりにやってもらうこともできるだろう。ここまで22時間くらい。マテリアの付け替えが面倒で,それに時間が取られる。バギーを置いてけぼりにして進むのは気が引けるが,バギーはニブル山の反対側にあるので致し方ない。ロケット村に着いたところでやめる。

20020729
 こみっくパーティープレイ。11月こみパまでの1ヵ月も,瑞希関係のイベントはほとんどないので,休日も執筆活動に専念できた。起きたのはランダムイベント2件。ひとつは瑞希が大志から何かを受け取っていたというもの。声をかけても瑞希は「約束だからね」と大志に言い残して逃げるように去り,大志は「男と女の約束だ」などと怪しい発言をしただけでやはり消えた。もうひとつは瑞希の手料理イベント。こちらは発生率が極めて低いのにCGが2枚ももらえるので,落とせないイベント。だが執筆のほうがうまくいかず,2回観たもののこのイベントが起きなかったファイルで11月こみパを迎えてしまった。
 それが命取りとなるとは思わなかった。どうやら,瑞希の手料理イベントを経由しないと起きないCG取得イベントが他に2つもあるらしいのだ。仕方なくこみパ前日のファイルからやり直したが,手料理イベントの発生率が極めて低く,10分近くロードを繰り返してようやく起こすことができた。
 11月こみパでは,瑞希がカードマスターピーチのコスプレを披露。和樹曰く「殺人的なくらい似合ってる」そうだが,確かに髪の色を除けばカードキャプターさくらにそっくりだ。肩には目つきの悪いネコがへばりついている。ステッキはデパートで「妹の誕生日プレゼント」と断って購入したらしい。おたくたて・よこが写真を撮りにきた。ただ立っているだけで目立ちまくって大人気だったようだ。
 今回は300円で売ったが,それでも1000部完売。なかなか調子がよい。立川さんから幻の絵筆を3つももらったので,次回はフルカラーに挑戦しよう。今回のこみパで15万円近く儲けさせてもらったので,資産も60万円になったし。

20020730
 FF7プレイ。ロケット村探索。艇長シドと,その相方で恐らくはメカニックのシエラがいた。シドはシエラのことを「のろま」呼ばわりして大変こき使っていたが,シエラは自分のせいでシドが宇宙へいけなかったのだから構わないのだと言っていた。どうやら,ロケット神羅26号の打ち上げの際,異常データの出ていた酸素ボンベを最後まで点検し,結果的にシドにエンジンを止めさせたのが原因らしい。そのため次の打ち上げは6ヵ月遅れになり,おまけに神羅はすでに宇宙開発に興味を失ったため,打ち上げは永久に中止となった。
 神羅の宇宙開発部門統括パルマーは,お茶に蜂蜜とミルクとラードをかけて飲むらしい。かなりへっぽこなダンスを踊りながら,クラウドたちに戦いを挑んできたが,弱いだけでなく最後に神羅のトラックに撥ねられて終わった。シドにタイニー・ブロンコ(オートジャイロ)を返せといってきたルーファウスは,セフィロスを追って古代種の神殿に行くらしい。クラウドたちもそこへ向かうのだろうが,その神殿とやらがどこにあるのかはわからない。まったく,これほど不親切なRPGも珍しい。
 タイニー・ブロンコは不時着して,浅瀬しか移動できなくなった。そこで行けるところに行こうとウータイに行ったが,何も起きなかった。単なる経験値稼ぎをしただけに終わった。いったいどこに行けばよいのか,さっぱりわからない。ユフィが現れないので,イベントも何も進まない。2時間も無駄にした。

20020731
 FF7プレイ。古代種の神殿とやらがどこにあるのかようやくわかったので,タイニー・ブロンコを駆使してそこへ向かう。世界地図の真ん中下辺りらしい。別にゲーム中のキャラに教わったわけではなく,別売の攻略本(注)に載っていたワールドマップを参照した。どこに行けばよいのかわからないRPGというのは,普通ワールドマップを添付しているものだ。このゲームでは取扱説明書の他には何も添付されておらず,半透明の見辛いマップがワールドマップ画面で表示されるのみ(注2)。
注) 攻略本:「ファイナルファンタジーVII解体真書ザ・コンプリート改訂版」(ISBN4-89366-879-X)。この攻略本,体系だっておらず,単なる情報の寄せ集めですこぶる読みにくい。同時に3箇所も4箇所もページを開かないと必要な情報が揃わないような攻略本なんて,ゲームをやる傍らで使うことはできない。もっとも,攻略本を使いながらのプレイなんてつまらないので,普通はそれでも問題は生じない。だが,たまにこのゲームのように訳不明のものがあったときに,攻略本まで訳不明だと,ますます存在意義が失われる。
注2) 半透明の見辛いマップ:セレクトボタンを複数回押すことによって,半透明でない小さなマップに変えることもできる。しかしいずれも見辛い。
 ゴンガガエリアにある武器職人の小屋で,古代種の神殿に入るにはキーストーンというアイテムが必要であることを知った。キーストーンは武器職人が持っていたのだが,ゴールドソーサーのディオちゃんが買っていったそうだ。
 ここでゴールドソーサーに入るために酷く苦労した。ゴールドソーサー周りには砂漠があるので,歩いては入れない。仕方なくバギーを取りに戻り,バギーでゴールドソーサーに向かった。すると今度はコスモキャニオン付近で道に迷った。段差があるところが,上から見下ろすと境界線が見えない。回転を駆使して下から見上げるようにすると進めないところがわかるのだが,そうするとどちらを向いていたのかがわからなくなってしまう。かなり苦労して砂漠に到着。
 砂漠についてからがまた苦労の連続。どんなに進んでもゴールドソーサーに入れない。何度も戦闘を繰り返し,何度も砂漠を渡りつづけ,結局諦めた。というより,思い出した。ゴールドソーサーへは,北コレルからロープウェイを使わなければ入れないのだ。
 北コレルに入ってからは,セーブできるところがまったくなく,ゴールドソーサー内のセーブポイントもGP不足で使えなかった。バトルスクェアに行くと,ディオちゃんのコレクションが展示されている部屋があり,そこにキーストーンも飾られていた。ディオちゃんは,クラウドたちには借りがあるので自分を楽しませてくれたらキーストーンは譲ると言い出した。そこでクラウドは闘技場へ。1番目のザコを倒し,2番目の「徐々に石化」攻撃をする敵も石化を防ぐアクセサリーで無効化したが,3番目のストップウェブを駆使する敵にあと一歩のところでやられた。それでもキーストーンはもらうことができた。
 帰りにロープウェイが壊れて,ケット・シーの計らいでゴーストホテルに無料で泊まることができた。クラウドのまとめは以下の通り。自分たちはセフィロスを追っている。セフィロスは,セトラの約束の地と黒マテリアを探している。体に数字の刺青をつけた黒マントの男たちも,やはり黒マテリアを探している。黒マントの男たちは宝条の手下らしい。レッドXIIIも数字の刺青をつけられたが,今のところ大丈夫。というもの。
 その後,エアリスがクラウドをデートに誘ってきた。たまたまこの日はアトラクションが無料になっており,イベントスクェアで,本日100組目のカップルとなったクラウドとエアリスを主人公にした劇が演じられた。2択がいくつかあるが,普通に選んでいれば大団円を迎える。それ以外の選択肢のほうが面白いかも。
 次にラウンドスクェアで観覧車に乗った。観覧車は二度目だが,前回とは少し違うグラフィックが観られたようだ。エアリスは,初めはクラウドの中にザックスを見ていたが,次第にクラウド自身を探すようになったと言っていた。どうやら,今のクラウドは本当のクラウドではないらしい。
 デート終了後,ケット・シーがキーストーンを盗み出すイベントが発生。ケット・シーは,よりによってキーストーンをタークスのツォンに投げ渡した。おまけに,マリンを人質に取り,このまま一緒に旅を続けることを強要。自分は神羅の社員で,本社ビルにいて遠隔操作でネコの玩具を操っているそうだ。クラウドとエアリスにだけとはいえ,そんなことをばらしてよいのだろうか。
 ともあれ,ケット・シーに古代種の神殿の位置を教えてもらった。クラウドとエアリスはメンバーから外せないので,もう一人を選ぶ。今回はティファで。いよいよ古代種の神殿へ。しかしウータイといいコレルサバクといい,ずいぶんと無駄なことに時間を費やしてしまったものだ。

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