黒沢 清 監督 『一九〇五』
世界的スケールで製作決定!
1905年の横浜を舞台に、二人の男と一人の女が国境を越えて織りなす壮大なスケールの新感覚アクションムービー。トニー・レオンと松田翔太のバディな関係に、運命の女・前田敦子がクロスする。
Director’s Statement
百年前の横浜は驚くほど国際的な街だったようで、そこに流れ着いた人々の思惑が国籍を超えて激突するさまを物語の軸に据えてみました。彼らが経験する絶望と希望とは、私たちが今現在、そして未来に向けて抱えている様々な問題とずばり直結しており、今これを撮る意義もそこにあるのだと思っています。そしてこの映画のために、夢のようなキャスティングが実現しました。私自身まだ信じられないくらいです。恐ろしく魅惑的な三人の俳優たちが言葉、年齢、性別を超えて魂と魂をぶつけ合うことになるでしょう。そのお膳立てができるなんて、監督冥利につきると言うものです。
Actor’s Comments
黒沢清監督の作品をずっと敬愛していました。その監督と一緒に仕事ができる機会を得て、とても興奮しています。あらゆる瞬間に至るまで、この貴重な体験を楽しみたいと思っています。
I always admire the works of Director Kiyoshi Kurosawa, and am thrilled to have a chance to work with him. I will treasure the experience and enjoy every moment of it.
脚本をいただいた時にゾクゾクとしました。この映画のスケールの大きさや、キャストの凄さにも驚きましたが、この脚本で黒沢監督に会えると思うと嬉しくて仕方がありません。自分を奮い立たせながら緊張感をもち、それと並行して、意識をリラックスさせ今の自分に自信を持って、撮影を楽しみにしたいと思います。
世界を舞台に活躍されている黒沢清監督の作品に参加できることに、とてもワクワクしています。そして、トニー・レオンさん、松田翔太さんとご一緒できることも、すごく嬉しく思います。女性のあらゆる魅力を持っている宮子を、全力で演じたいと思います。女優としての素晴らしい経験になるように、頑張ります。
Producer’s Note
7年前、それは一軒のすし屋から始まった。20年も付き合っていたトニーに初めて言った言葉「俺たちの映画を作ろうよ」すると彼は即座にこう答えた「Why not!」。その後黒沢さんも乗ってくれて、映画は一気に動き出すかと思ったが、シャイで慎重なふたりを会わせるのに数年を費やした。すぐにふたりは意気投合した。そして得た結論がガン・アクション。アクション映画を作ろうということだった。時代は?共演は?言語は?1905年というのはスムーズに決まったと思う。言語は中国語。トニー・レオンが日本語を話せない以上選択の余地はない。問題は共演者だった。難航した。トニー・レオンと共演して輝く俳優はいるのか?そして遂に考えられる最高のキャストを得た。映画が見えてきた。今まで誰も見たことがない映画が。
遠い異国で、まだ知り合って日も浅いのに、なぜか「同士」と呼びたくなるような人と出会うことがある。言葉にはしがたいけれど、国境も文化の違いも飛び越えて、どこか深いところで魂が共振する瞬間。それを描きたいと思いました。1905年という時代は、たくさんの可能性を秘めたエキサイティングな時代ですが、今ととても似たところがあります。私たちは誰と出会い、何に心を震わせ、どこへ行くのか。その旅立ちの第一歩を、誰かと手をとりあって踏み出せるとしたら、それはこの上なく幸福なことに違いありません。