警告
この作品には
〔残酷描写〕
が含まれています。
苦手な方はご注意ください。
Ace of The Blue Sky
小説家志望の学生です。
このような場所に小説を投稿するのは、初めてですので、どうかご教授よろしくお願いします。
ご都合設定、常識無視などは目を瞑って頂けるとうれしいです。
Ace of The "Blue" Sky 〜蒼い鳥の詩〜
Prologue
二十年前、戦争があった。いや、戦争なら遥かな昔から何度となくあった。
長い間、北の谷に閉じ込められていた彼らは、北辺の谷を出で、南に侵攻を繰り返し、領土を広げていた。しかし、運に恵まれぬ彼らに勝利が続くはずも無い。敗戦を繰り返しては領土を失い、小国に戻りつつあった彼らをさらに襲った出来事……。
二十年前、ロゼトール連邦共和国を初め、ユートバニア連邦、シュナイダー公国、軍事帝国フレジアなど、大国が、経済恐慌に陥った。
シュナイダー公国は領土を切り離し、富を作ろうと画策した。しかし、それは失敗に終わった。さらに、切り離した領土の一つ、ウスディオ共和国の山脈に鉱物資源があることが発覚した。
シュナイダーは自分達の領土へ戻ってくれと嘆願したが、ロゼトールの陰謀で、領土には戻らなかった。
彼らは世界が変わったのに気づかなかった。
彼らは比類無き工業力を養い、それを武器に世界に向かって最期の戦いを挑んだ。彼らは勇ましく、猛々しく戦った。そして、惨敗した。それが二十年前の戦争…。
進撃する連合軍を防ごうと、シュナイダー人が国内で、七つの核を起爆させ、国民ごと自らを北に閉じ込めてしまった。シュナイダーの入り口にあった七つの街は蒸発し、今でも放射線を放っている。
その無惨を目にした戦勝国達は二度と戦争は起こすまいと、心に誓った。世界に平和が訪れた。彼らのおかげで。
平和から、最も遠いこの島で、平和を守って飛ぶ彼ら。
彼らこそ、蒼い空を守るエース達。
序章 〜会敵〜
レッドアラート!突如警報が鳴り響いた。その時私は空中にいた。教官機の復座から編隊演習をカメラに収めようとしていた。前席が地上に向かって吠えている。
「現在、編隊演習の各機へ!方位より国籍不明機が多数接近!今から発進しては間に合わない。クライマー大尉、貴官達しか間に合わない!急いでくれ!」
「クソッ!こっちは新米の面倒見てんだぞ!」
「国籍不明機さらに接近!方位280!高度6000フィート!」
「ベイカー、スヴェンソン、後ろにつけ。ひよっこどもは低空に避退しろ!行くぞ、方位280ヘッドオン!」
「い、いないぞ!」
「どこだ!」
「しまった!敵の高度3000フィート!」
私は冷や汗が背中を伝わるのを感じた。
低空には、ルーキー達が居るじゃないか!
それは、前にいる教官も同じようだった。
「畜生!レーダー見てやがれ、この馬鹿野郎!」
「うあああ、敵機だああ!」
「うおお、レーダーロックをかけられた!逃げ切れない!」
「ミサイルが追ってくる!」
爆発音がして、ルーキーの一人が爆発四散する。パラシュートは見えなかった。ということは…。
それからは旋回、急上昇、急降下、その繰り返し。世界がせわしなく反転する。
その時一人のルーキーから、通信が入った。
「こちら、フライヤー、一機撃墜!」
声からして、女性だ。昨日ソファーで手帳に何かを書いていた女の子だろうか。ルーキーで撃墜とは凄いな。
「ハートアロー・ワン、FOX2!」
私の前に座る教官がミサイルを撃った。それは、きれいに敵の機体に吸い込まれて行った。
「アリョージャ1、ミサイルだ!」
「何!うあああ!」
敵が爆発した。しばらく空戦を続けていたが、敵が退却した。
戻ってきたのは三機だけ、だが一機は着陸時にクラッシュして死んだ。結局は一機敵を撃墜した女の子と教官だけが生き残った。管制塔の数字の間違いで、8人が死んだ。
「すまなかったな」
「いえ、貴方のせいでは……」
「しかし、あの07の機体、あのパイロットの反撃は見事でした」
「見てられん…シノハラ!あんな飛び方してたら死ぬぞ!」
「死にません」
ただ一人生き残ったルーキーが呟くように言った。
「けっ、虫も殺しませんって面してやがるぜ」
私は彼女にカメラを向けた。彼女はこっちに気づいて、青ざめた顔でわずかに微笑んだ。
だが、そのカメラは基地守備兵に没収された。
ウィリアム・クライマー大尉、このシュナイダー戦争を生き延びたに鍛えられれば若者達も手強いパイロットに育つであろうはずだったが、その希望はいとも簡単に打ち砕かれた。
待機室には、今日は飛んでいなかったパイロット達が集まっていた。
「おい!聞け!明日からひよっこどもも、スクランブル配置だ!ブレイド、アルフェン、お前らぐらいしか、スクランブル配置に回せねぇ。それと、シノハラ、お前は俺の二番機だ」
ブレイド少尉は無言で敬礼、アルフェン・S・ウォンサー少尉もぶつぶつ言いつつも敬礼した。
しばらくして私は大尉に会いに行った。
「ブレイドってあのな人ですよね」
「ああ、あいつはフレジア人だ」
「ええ!そうなんですか!」
驚いた、彼がフレジア人だったとは知らなかった。
「あいつの本名はヒスイっていうのさ、今度聞いてみな、あいつは一番腕が立つからなあ」
「話は変わりますが、今日襲ってきた戦闘機はどこの機なんでしょうか?」
「あのな、この海の向こうっていったら、ユートバニアの航空基地しかねえんだぜ」
「でも、ユートとは二十年前からの友好国なんですよ」
「さあ、分からんな」
「一番撃ちたくないのは隊長なんだよ」
と奥から声がして振り向くと、そこには、サン・トレント島の整備班長で皆に慕われる、おやじさんこと、ピーター・B・ビーグル特務少尉がいた。
「隊長はユートに恋人がいたのさ」
私はその言葉でコールサインの意味を悟る。
「なあに、古い戦争の傷跡さ」
その夜、私は、隣の部屋に居るブレイド君に会いにいった。
扉をノックする。
「開いてますよ」
彼には本名と気持ちを聞いた。本名はヒスイ・ロシエル、気持ちは複雑なんだそうだ。
もう消灯時間だ、明日も早い、もう寝よう。
Mission1 〜辺境の飛行隊〜
まさか自分に白羽の矢が立つとは思わなかった。確かに俺は、ルーキーの中では、この基地に来て長いし、戦闘技術は、一番だと自負している。フレジアのトップエースだった誇りもある。だが仲間への気配りなんて、俺には出来ない。なぜ俺なんだろう?分からん。
隣からはチョッパー、いや、アルフェンが大音量でロックをかけている。相部屋の記者さんは大変だろうな。ちょっと怒鳴り込むか。
「うるせェ!チョッパー、今何時だと思っているんだ」
「おお、ブレイドか、わりいわりい」
「ったく、反省する気あんのかよ」
と奴にチョークスリーパーをかけてやる。
「いててて、ブレイド、タンマタンマ!」
あいつの方が体がでかいがフレジア式軍隊格闘術を習った俺には、体術の訓練では勝てない。まあそれは置いといて。明日の事を聞いてみた。
「明日ねえ…、ま、生きて帰れば万々歳だな」
「そうだな…」
「そんなに暗くなんなや、ただでさえ無口なんだからこれ以上無口になると、本当にアンドロイドになっちまうぜ」
「うるっせェ!」
本能的にストレートが飛んでいた。チョッパー再びダウン。
その瞬間カシャリと音がして、記者さんが俺たちの写真を撮っていた。
「いや、日常の写真も撮ろうと思ってね。彼とは、仲がいいのかい?」
「ええ、前の基地からの俺の親友です」
「へえ…、あ!一時を回っているよ。明日は出撃じゃないのかい」
「そうでした。お騒がせして申し訳ありません」
「いやいや、大丈夫ですよ」
「失礼します」
そのまま自分の部屋へ戻って寝た。釈然としないまま……。
翌日、俺は空にいた。スクランブル任務につくやいなやの出撃。勘弁してくれよ。
ユートバニア軍のものと思われる偵察機が領空を審判し、再三の警告にも耳を貸さず、偵察機に対し、ロゼトール沿岸防衛隊は、を発射し、片方のエンジンに損害を与えることに成功し、同機は高度を下げつつ、ユート領へ移動している。こいつを強制着陸させるべく、ウォーナイト隊の四番機として、ランバース岬の上空を飛んでいる。
「二番機」
「こちら、フライヤー、問題ありません」
「おい、四番、どん尻、聞こえているか、ブービー?」
「こちら、ブレイド。感度良好」
即座に応えてしまったが、ブービーってのは…?
「ふん、聞こえているようだな。三番お前はどうだ」
「イエッサー、感度良好であります。いやあ、今回くじに勝って三番で良かったぜ」
不名誉なあだ名を回避してはしゃいでいる、チョッパー…、ていうか、お前がくじに細工したんだろうが!この任務が終わったらぶん殴る、と心に決めた俺であった。
「黙れ、アルフィン・S・ウォンサー少尉、お前も何かあだ名で呼んでやろうか?」
「本官を呼ばれるならば、チョッパーであります。それ以外では応答しないかもであります」
「それは実にお前らしい呼び名だが、おれは心のなかではもっと別の名でお前を呼ぶ。いいか?」
「勘弁してくれよ、もう」
シノハラ少尉が小さくため息をついたような気がする。彼女は必要な時しか喋らない。無口なわけではないのだが。
だからよけいに際立つ。
「おっと。敵さんのお出ましだ。おい、おしゃべり小僧チョッパー、お前には、漫談の才能がある。ひとつ、降伏勧告を、やってもらえんか」
「それが俺の呼び名かよ!ど〜ぞ、ご自分で」
「いいからやれ、おしゃべり小僧。俺は人見知りでシャイなんだ」
「それが理由かよ!ちぇ、あーあー、前方の国籍不明機に告ぐ、我々の誘導に従って進路を取れ。なお貴官達の安全は保証する」
「いいぞ、それでいい」
「こちら、空中管制機ブルーシャーク、方位280から、未確認機群が接近中、なお、許可あるまで、発砲は禁ずる」
「前みたいに撃ってきたらどうするんだ」
「何度も言わせるな、許可あるまで発砲は禁ずる」
どうやら、管制機に乗っているのは、相当石頭のようだ、だからこそ管制官なんだろうが。
やがてこっちのレーダーにも光点が映り始めた。機影は四機、先行しているチョッパーはもうすぐすれ違うはずだ。
「まじかよぉぉぉ!」
チョッパーの絶叫とバルカン砲の曳光弾が飛んでくるのはほぼ同時だった。続けざまにレーダーロックをかけられ、久しぶりの緊張で心が昂ってくる。しかし、断じて俺は戦闘狂ではない。
鋭く旋回し、レーダーロックを外すもなんと……、俺のケツには、三機もくっついていたのだ!
「……畜生」
くそっ、久しぶりの実戦でこんなのついてねェ。逃げるが勝ちか?本当泣けてくる。旋回その他諸々しているうちに海面ぎりぎりで隊長が撃ち落としてくれたが……
まだケツにいるんだけどな…なあ、隊長もシノハラも援護してくれないってことは……自分で片付けろってことか!自分のケツは自分で守れってことか。コンチクショー!
それから俺は雲の下に出て一機を撃墜。
その時ユートの連絡船が見えた。
残っていた一機はケツについている。
上昇すると見せかけてスロットルをOFFに、そして、ストールした瞬間にスロットルをMIXに叩き込む。機体はバク転したようにひるがえり相手の後方、上につく、俺の得意技、ストールターンだ!相手は旋回しようとするが、もう遅い。俺は機体をスナップさせ敵にバルカン砲をお見舞いした。敵はきりもみしながら墜落していった。
「ブービー、ナイスキル!」
「隊長!下に連絡船が!」
「何!今シノハラが偵察機を追跡している。くそっ、SAMにやられるぞ!」
「なんで連絡船が?…」
「フライヤー、避けろ!SAMだ!」
「え?」
SAMが発射され、シノハラに向かっていく。俺は本能的にミサイルとシノハラの間に入りミサイルを受けた。
「ブレイド!ごめんなさい、私のせいで!」
「いや、いいんだ。俺は無傷だ」
そのまま俺はベイルアウトし、救助ヘリが来て、運ばれて、医務室に行った。
二人が待っていた。俺の出撃はついてない。
「ヒスイ!」
突如怒鳴り声が聞こえた。俺を本名、しかもファーストネームで呼ぶのは家族以外に同期の連中か、この人しかいない。
「アレン、声が大きい」
「なんて無茶をしたんだ。この大馬鹿者が!」
まるで、兄のように叱る姿にちゃんと謝っっておく。
「すまない」
その時クライマー隊長と記者さんが来た。
「隊長、脂肪の塊に何か言われましたか」
「いいや」
さらっととんでもない事を言った俺に、記者さんが吹き出し、チョッパーは大爆笑し、シノハラはくすくす笑い、隊長は豪快に笑いアレンさえ苦笑しているという始末。
「びっくりするなあ、まさかブレイド君が司令官のことを脂肪の塊なんて言うなんて」
「そう見えるんだ」
またもや大爆笑、アレンは
「ヒスイって変なとこ正直だからな」
「アレン!変なとこってなんだ!」
この基地は戦闘があったとは思えないぐらい明るい。
彼は凄い。ルーキーなのに(あくまで噂だけど)ミサイルと機体の間に自分の機を入れるなんて、隊長でも難しいかもしれない。それにあの戦闘機動、一歩間違えたり、判断が遅れたりしたらすぐに死を迎えるのに。私より弱いなんて、かなりの謙遜だ。追いつかないと。
「シノハラ少尉?どうしたんだ、急に黙りこんで」
「いえ、なんでもありません」
「大丈夫?もう休んだほうがいいよ」
ブレイドが吸い込まれそうに深い闇色に心配の色をたたえて見てくる。この人、無口なわりに、心配性なのかしら。
「ええ、そうね」
わたしは、自分の部屋に行きそのまま深い眠りについた。
Mission2 〜開戦〜
ブービーの野郎、戦闘になると、暴走してすぐどっかにかっ飛んでいきやがる。今日の戦闘の時、俺のF-4Gを真下かすめたときは当たるかと思ったぜ。あいつを隊長にして、トライアングルで明日の任務につかせるとしよう。
翌日、俺たちはすでに空に居た。ディスティアの沿岸に国籍不明の船が侵入し、無人偵察機を放ったと言うらしい。
「たくっ、なんでオイラがどん尻なんだぁぁ」
「……、知らん」
「知らないわ」
「ウォーナイト隊、私語は慎め」
「……」
「ま、ソレはいいとして、なんで、俺が、どうやったらになるんだ?泣けてくるよ」
「ああ、いいぞ。泣いちまえ、ブービー」
「いえ、自分はなにも言ってません」
「無人偵察機発見!回収を許すな、空中で撃ち落とせ」
「了解」
俺は無線操縦の無人機を叩き落とし、あと残り4機という所で無線が聞こえて来た。
「こちら1500飛行隊。クライマー大尉、指揮をどうぞ」
「了解、1500」
無線に気を取られた瞬間に4機は撃ち落とされていた。
「どうしたブービー?」
「いや、どっかで聞いた事のある名前だと思ってな」
「まさか」
「警報!高速で小型機が急速接近中!発砲は禁ずる」
「その命令は受諾出来ない」
「不明機、会敵まであと2マイル」
「撃って来たぞ!」
「全機散開!応戦しろ!」
「フライヤー、了解」
「チョッパー、了解!隊長似合ってるじゃん」
「ブレイド、交戦」
「フライヤー、交戦」
「チョッパー、交戦!」
「ウォーナイト、交戦許可は出していない!」
「……」
まったく無視を決めたらしいブレイド。しっかし驚いたな。美しいまでの機動で敵を追廻し、機銃で撃墜するやり方は。どっかで見た事あるんだが、思い出せないな。
「敵第三波接近!」
「先頭の竜のエンブレムに気をつけろ。あいつは俺が墜とす、あいつはフレジアの飛び方だ」
「了解、隊長」
「生き残ったフレジア人のトップエースといえば、 “竜殺し”を筆頭に、 “黒い閃光”、“死を運ぶ野良猫”の三人か」
「うるせェ野郎だ……ぶっ潰す」
「……“死を運ぶ野良猫”はF-14Dスーパートムキャットしか使わん。 “黒い閃光”はユートに行ったと言う噂だ、つまり、よりによって、どんな機体でも乗りこなし、ストールさえも、戦術に転化し、極力機銃しか使わない飛び方はICAFのエース部隊、レイピア隊十一機を一人で撃ち落とし、英雄オリオン1と二時間張り合った少年。“竜殺し”ヒスイ・ロシエルだ」
「ブービー、そんなに凄かったのか?」
「うそ、ブレイドがあの “竜殺し”だなんて」
「あと一つ驚かしてやろう」
「ブレイド?」
「オリオン1の本名を俺は知っている」
「どうして、オリオン1の本名は誰も知らないはず、家族以外は…まさか!」
「俺はオリオン1の弟だ!」
「何イ」
「嘘…なんで、兄弟で分かれて戦ったの!」
「ただ、爺ちゃんが、ICAFは国を乗っ取ろうとしていると、ず〜と言ってた。当時16の俺に分かるはずもない事だ。兄はそれを知ってた。だから、俺を撃ち落とさなかったんだ」
「待って、貴方の名字はロシエルよね?」
「ああ、それがどうかしたか?」
「ロシエルって言ったら、多分だけど、「大陸戦争」の時のフレジアの大統領よ!」
「爺ちゃんの名前は、グレゴリアス・アルバート・ロシエル」
「何なんだ、お前の家系」
「うるさい!姉の敵だ!」
とホークで突っ込んで来た。それにMIG-29Aフォルクラムが二機続く。
「あなたの姉には、すまない事をした。俺はコックピットを狙ったわけではない。エンジンへの、弾の入射角が悪かったんだ」
「うるさい!黙れ黙れ黙れええ!」
「……」
「死ね死ね死ねぇぇ!」
「くそ、ストールターンでも振り切れない」
水面ぎりぎりまで下がり、機銃をかわす。
ミサイルの警告音。いつ聞いても嫌な音だ。
二つ数えてから左へ急旋回。のしかかるGが俺を押しつぶそうと襲いかかる。
「うう…」
そのままっフルスロットルで上昇しミサイルをかわしひねりこんで後ろをとるがスピリットSをされ、また後ろを取られる。
上昇しながらスロットルをOFF。そしてエレベータを思いっ切り引くと同時にスロットルををMIXに押し上げる。
その瞬間にエレベータを放す、すると、機体はバク転する直前、つまり、逆立ちになった状態でスライドし、ホークの上空をまま通過する。その何秒かに右手がトリガーを押す。
弾丸は、コックピットを血に染め、ホークの全身を穴だらけにしていった。そして、後ろに付き、さらに機銃を浴びせる。ホークは爆発四散した。
二人も、性能は、向こうの方が上だったが機動で勝り、撃ち落としていた。
「イヤッホー!ブービーなんだ、今の機動、俺にも教えてくれよ?」
「却下」
「一体何、今の機動?空中分解するわよ」
「あ、今の機動か?大丈夫大丈夫」
「名前は?」
「あれは、フレジアでは、ハーフ・ノット・エア・ドライブって呼んでたな」
「誰が開発した機動だ?」
「俺」
「すまん、モウイチド言え」
「俺だ」
「名前付けたのは?」
「スタンリー・グラスナー」
「誰だそれ?」
「グラスナーっていったら、 “黒い閃光”よ」
「マジか」
「俺の親友だ」
「ウォーナイト隊の諸君、私語は慎め」
といつものオカタイ台詞がはいった所でミッション終了。のはずだったがとんでもない無線が飛び込んで来た。
「くそ、1500飛行隊、応答しろ!どこへ行った」
「FOX1」
「なっ、ミサイルだと!」
その時、隊長機からノイズが走り、
「ちょっくらベイルアウトするだけだ。救助ヘリと俺の予備機の手配、頼んだぜ」
「了解、隊長」
その頃、サントレント島では、
私にあてがわれた部屋、または牢獄。最初の空戦を目にした私は、島を出る事が出来ない。今、私の部屋に居るのは、
ハミルトン大尉、私を閉じ込めた基地指令の副官にしては、話の出来る男だ。
「たった今、あなたを閉じ込めていた理由がなくなったよ」
「えっ」
「ユートバニアが宣戦布告した、セント・ヒューレット軍港が、空襲をうけている」
ブレイド達は…
「ウォーナイト全機、至急基地に帰還!敵は宣戦布告した!基地で燃料弾薬を搭載して再発進!」
「そんな、救助ヘリがまだです!」
「シノハラ、今は帰ろう、ここにいたら守れる物も守れなくなる」
「えっ、……分かったわ」
「そういうことだ。あと、ブービー、口説き文句は、二人きりの時に言いな」
「はい?」
Mission3 〜師との対決〜
クライマー隊長の救助を確認することもなく、慌ただしく基地に帰還した俺たちを迎えたのは、「ユートバニア宣戦布告」と言う驚愕に値する事実だった。宣戦と同時に、セント・ヒューレット軍港に停泊中の第三艦隊が、航空攻撃を受けている。
俺たちは、機体からおりる事もできずに再出撃で忙しい整備兵を見守る事となった。
「ブレイド、聞こえているか」
こんな時に聞きたくもない脂肪のかたまりの濁声だった。クライマー大尉が居ない今、その対応は俺に任されてしまっていた。
「ユート軍は不敵にも我が第三艦隊を狙って執拗に攻撃を続けておる。空母達を守るのだ。無様に舞い戻ってくる事は許さん。部隊の名誉に泥を塗ってくれるなよ」
前線に行くのは、俺たちなんだ。と心の中で高級士官達を罵りつつ、努めて冷静に、了解と応える。
「ブレイド、こちら管制塔、オールグリーン、離陸を許可する、」
この時は、管制塔に感謝した。司令官殿との不毛な会話が終わったから。
この憂鬱な気分を酒で晴らそうと思いつつ。
「了解、ブレイド、」
隊長を欠き、トライアングルでセント・ヒューレットまで飛んでいる。
軍港は、極度の混乱状態にあるらしい。同士討ちも発生していると言う。俺たちも含めて、平和な時代に流された軍隊は、緊急事態に対応する能力を失っているようだった。
「こちら、ブルーシャーク。フライヤー、君が指揮を取れ」
「ネガティブ。ブレイド、貴方が指揮を取って、私は後ろにつく」
「シノハラ少尉!命令に従え。」
「もう、戦闘空域に近い。自分が指揮を取ります。前の任務でも隊長だったので。異論ありますか?石頭」
「……」
「言うねえ、ブービー」
「うろうろしてるな!ここは戦場だ!邪魔をするな。そこら中の敵に喰われるぞ!」
「援護にきたのに邪魔とはひどいよなぁ」
「こちら、フォード大尉だ。次の敵編隊を迎撃する。位置を知らせよ」
「こちら、対空艦エクスカリバー!前方を塞ぐ艦、離れてくれ!SPYレーダーが照射出来ない!」
俺はもう、レーダーに敵攻撃機を捉えていた。あれは…!A-6Eか!
「数が多い、各機散開して対処しろ!」
「フライヤー、了解」
「ラジャー」
俺はシノハラとチョッパーに指示を出しつつA-6Eのエンジンに機関砲を撃ち込む。
そいつはコントロールを失い、海面に激突した。
「停泊艦ばかりだ。まるで演習だな」
「撃てば当たるぞ」
混線が激しい。敵の無線も聞こえる。
「対艦ミサイル発射!」
「右舷後方より対艦ミサイル!ファランクス撃ち方始め!」
「管制機!目標を指示してくれ!」
「方位280から敵侵入……、だめだ、数が多すぎる」
「しっかりしろ!あんたの声が必要なんだ!」
「うお!こいついい機動しやがる」
チョッパーの声だ。レーダーでチョッパー機を確認するとぴったりと、敵機に追い回されていた。あのエンジンは…-2000か!
「今助けてやる、待ってろ!ロックンローラー!」
とエンジン全開で近づき敵の後ろに付きロックオン!
「ブレイド、FOX2!」
「チッ!邪魔が入ったか」
敵機はきれいなバレルロールと上昇、下降でミサイルをかわす。そして俺の後ろを取ろうとするが、俺はをかけ出力全開でスピリットS。急降下旋回のスピリットSはただでさえ速度がつくのに出力全開となればかるくマッハ1だ。そのスピードで機体が安定しないが機銃を撃ち込む。
「あのF-5Eなんて無茶な機動やらかす」
弾丸は敵の機体に穴を開けたが撃墜には至らなかった。
「!被弾した!」
敵が低空に避退したのと同時に敵の背中に上からミサイルをぶち込む。敵はミサイルの着弾点からまっぷたつに折れ、空に火球を出現させた。
いや、俺もあの機動には驚いたな。空中分解ぎりぎりの機動をやらかして撃墜。あの飛び方どっかでも見たな。まあいい。しかも本人は涼しげに、「ブレイド、」だからな。しかも、喜びも、楽しみもない、ただ、事実を告げているだけの感情のない声。むしろ冷たい声だったな。その後が見物だったな。
ブレイドはフレジア人らしいな。ユートのと一体一の勝負をやった時だな。相手もフレジア人と来た。しかも、二人とも知り合いで無線を聞いてる限り二人そろってエースと来た。
“死を運ぶ野良猫”との勝負なんざ一生かかっても見られんだろうな。
「おい、ミラージュを撃墜したF-5E!いやキャメル1…ちがうな。ブレイドと呼んだほうがいいか」
「その声は……コスナー中佐ですか?」
「ああ、久しぶりだな、坊や」
「あなたは、まだ、フレジア一極主義ですか?」
「ああ」
「貴方を撃墜します」
「やってみろ、小僧!」
と二人は旋回し始め最初に後ろを取られたのはブレイドだった。
「さよならだ、坊や」
「どうかな……」
俺が気づいた時には、見た事もない機動をやらかしやがった。その時にウォーナイトの二番機が喋った。
「ハーフ・ノット・エア・ドライブ!」
どうやらその機動の名前らしい。その後ユートの野郎も俺たちとは違う次元のぶっ飛んだ機動をやらかしやがった。俺には、説明出来ん。ただ、曲芸のようだったとは言えるな。
ユートの野郎は、ブレイドより腕が上らしいがその時は決着がつかずに終わった。
「パーティは終わりだ。小僧、今度は問答無用で潰す」
「かかってこい!」
ユート軍は、撤退してゆく。それを見て、この俺、マーカス・フォードは汗を拭った。
「全機、戦闘配置解除」
「ウォーナイト隊、帰投せよ」
「了解」
俺は、恩師の一人、コスナー中佐が敵についたと分かり俺の心は重く沈んでいた。
Mission4 〜初陣〜
私は与えられた部屋で、ぼーっとしていたが、盛大にロックがかかった事で、意識を取り戻す。
「やあ、チョッパー、どうだった、今日の任務は?」
「いや、最悪さ。性能のいい機体に追い回されるわ、ブービーの野郎は知り合いと一騎打ちをはじめるわ。はあ〜」
「ブレイド君の知り合い?」
「ああ、フレジアのエースさ」
「となると、“黒い閃光”かい?」
「いいや、やつは親友だ、と言っていたから、多分、“死を運ぶ野良猫”の方だろうな」
「そりゃあ、凄い」
「……ブービーは、“竜殺し”だな」
「やはりそうか」
「あ、本土から、新しい隊長殿が……」
とチョッパーが途中まで喋った所で、甲高いサイレンの音が聞こえて来た。
「おい、空襲警報だぜ、勘弁してくれよ!」
と走り出しつつ、
「あ、ケビン頼む」
ケビンとは、チョッパーの犬である。
「あ、ああ」
その後彼は、ブレイド君の部屋の前まで来ると…。
「起きやがれ!コラア!」
って、この空襲警報の中寝ていた!何とゆうタフネ……いや違う違う違う!
どたばたとチョッパーの後を追う隊長を見て、私は心配になった。
俺は極度の緊張から抜けると途端に寝てしまう癖があるらしい(実兄談)
そんな状態のまま、慌ててパイロットスーツを着け、コックピットに滑り込む。
「タービンの回転が上がらねえ。急げ!急げ!急げ!急げ!」
その次の瞬間、チョッパー機の近くに爆弾が落ちる。
「うわっち!」
「ブレイド、緊急発進急げ!」
「了解!ブレイド、!」
空には、敵機がうじゃうじゃ。三機のF-4Eが俺を狙って来ている。セント・ヒューレットの俺の凄まじい機動は、ユートの連中の間で評判のようだ。
「うざってェ。フライヤー、援護頼む、チョッパーは、敵爆撃機を攻撃しろ」
「ブービー。素が出てるぞ…」
「了解、後ろは任せて」
「チョッパー、攻撃開始!」
と指示しながら、すれ違う時に、コックピットを撃ち抜き、もう一機をミサイルで叩き落とす。最後の一機はシノハラが落とした。
そして、近くを飛んでいた爆撃機をミサイルで撃墜。
「敵第二波接近!」
シノハラの報告が飛ぶ。
「かなり多いな。前方に火力を集中しろ。」
「了解!」
「ラジャー、おい!ハンガーを見ろ、誰だ?誰が引っ張りだしたんだ?」
「ブレットです、」
「お前にゃ無理だ!補習教育がすんでねえ、ほかの予備搭乗員はどうした?」
「もう、あのMIG-29Aに墜とされたよ、!俺はあの野郎を墜としてくる。フライヤー、チョッパーはブレットを援護しろ」
「」
「了解っと」
こっちに突っ込んでくる俺を見て、敵のMIG-29Aの四機は展開を始める。隊長機らしい先頭のやつが翼を振って挑発してくる。それに乗った振りをして後ろの列機を狙う。 敵が機銃を撃つと同時にストールターン、至近距離で機銃をお見舞いしてやる。あれは、助からないな。もう一機には、華麗なエルロンロールを決めて、オーバーシュートさせてミサイルをぶち込む。後二機。
「くそ、こいつ凄腕だぞ。退避しろ。俺がやる」
俺はわざと後ろにつかせ、ひらひらとトルク・ロールでにげて隙を狙う、大技をするためだ。敵が真後ろに来た瞬間に
「かかった!」
スロットルを切り、エレベータを思いっきり引く。歯を食いしばって加速に耐えて、三つ数えてからA/B。機体は上を向いた状態で一度失速し、そのまま落ちてゆく。しかし、エンジンを吹き上げたため、縦回転、ロール、、ひねり、ループなどをしながら落ちる。敵機が俺を見失った瞬間に反動トルクのみで体勢を立て直し、敵機の腹をバルカン砲でスクラップにしてやる。
フレジアの機動、ウインド・ノット・エア・オーバーだ!
「……」
「………」
「ブレイド隊長、なんすか、今の」
「……」
すでにマイナスGでレッドアウトしていた俺には聞こえなかった。
座席に押し付けられた痛みで意識を取り戻した俺は操縦桿を引き、機体を水平に戻す。しかし、ミサイルアラート、急上昇して、ミサイルをかわし、敵がもたついている間にミサイルを放つ。
その時、本隊の中佐殿から、無線が入った。
「現在飛行中のウォーナイト隊、応答せよ」
「こちら、ウォーナイトの臨時指揮を取っているブレイドであります」
「ウォーナイトリーダー、ガーランド中佐だ、上空の味方機、本隊の着陸を援護せよ!」
クソッタレ!テメエのことしかかんがえられないのかよ!
思わず声が出てしまったのだろう。チョッパーが憎々しげな調子で呟いた。
「阿呆が!」
「ウォンサー少尉か?」
「着陸後に譴責して……」
ドオン!
「火を噴いた!中佐が落ちた!」
「ふん、自分のケツぐらい、自分で守りやがれ」
「ブービー、そう言うな」
管制塔から報告が走る。
「敵第三波接近!」
「くそ!ブレット、早く離陸しろ!手順は省け!」
「りょ、了解!」
隊長は僕にそう指示しながら、早くも敵機を撃ち落としている。僕は離陸開始到達地点に到着し、無線を開いた。
「離陸開始地点に到着!エンジン最大出力!」
「チッ、F-16Cだ。機体の性能差がありすぎる」
「シノハラ!俺の援護について、チョッパーはそのままブレットを守れ、ブレットは離陸次第、チョッパーの後ろに付け!」
「了解!」
と隊長は素早く指示を出して、F-16Cの四機編隊と、正面から、ヘッドオンした。二発ミサイルをぶっ放し、二機を撃墜したところで、僕は上がる事が出来た
「離陸しました!」
「ブレット、組む相手が個性派の俺で悪いな。ついて来れるか?」
「がんばります」
この時からコールサイン「パニッシャー」こと、この僕、リチャード・ブレット一等空士はウォーナイト4となった。
「そら、初戦果がてらに、隊長に恩売っとけ」
「あ、はい」
と言われて隊長の方を見たら、一機を追い回していたが、その後ろに敵機がいた。
マニュアル通りにミサイルを放つ。
「パニッシャー、FOX2!」
それは見事命中した。
「フッ、ナイスキル、パニッシャー」
「どうした?ブービー急に笑って」
「いや、昔を思い出しただけだ」
「ふ〜ん、そうか」
「よし、チョッパー、パニッシャーに指令だ、爆撃機を叩き落とせ」
「了解!」
「りょ〜かい」
僕と、チョッパー少尉で、敵機を撃ち落としたときには、敵の攻撃はやんでいた。
「僕はうまく飛べたでしょうか?」
「ああ、度胸があるからな」
「おら、歓迎の準備をしろ!」
僕らは、トレント島へ戻った。
隊長が、副官のハミルトン大尉と喋っていたので、盗み聞きしてみた。
「なあ、アレン、F-5Eじゃ、この先、きつい」
「何でだ?」
「敵は新鋭機を出して来ているんだ」
「そうか、何がいい?」
「う〜んと、俺はSU-27フランカーか、SU-37スーパーフランカー。フレジアで使ったやつだから」
「無理だ、ランクアップされた機体はもう少し戦果がないと、申請できん」
「そうなの?じゃあ、フランカーでいい、後、シノハラは、F-20A、チョッパーも、F-20A、ブレットはF/A-18Cだな」
「そうか、分かった」
僕はその話をシノハラ少尉と、チョッパー少尉に伝えた
「ブレイドが?珍しいわね」
「気が利くじゃないかブービー」
僕は、ハイレルザーク基地の噂が本当かどうか確かめてみる事にした。
「あの、隊長、復座に座ってた鬼教官を高G機動で失神させたって本当ですか?」
「うん」
覇気のない返事、空でのリーダーシップと荒っぽい口調はどこすっ飛んだんだていうほどの。
「あ、そうだ、アレン……」
「何だ?」
「夜、十一時以降の出撃は勘弁してくれ」
「何?」
「はあ?」
「はい?」
「隊長、何言ってるんです?」
「フレジアでは、夜間飛行隊と呼ばれる部隊があった。黄色中隊と並ぶ腕のパイロットがいて、夜間の戦闘を請け負っていたのさ」
「だから、ヒスイ、お前は夜すぐ寝るのか」
「ああ」
「残念だが、無理だ」
「……」
「まあ、ソレはいいとして、お前の家族の話を聞かせろ」
「何の話だ?」
「ブービーの家系がおかしいから」
「家族の話を聞かせてもらうんです」
「アレンは知ってるからいいよな」
「改めて聞かせてもらおうか」
「う…、俺はヒスイ・ ロシエル」
「ふむ」
「元フレジア政府国防空軍第327強襲戦闘飛行隊キャメル隊所属、 “キャメル1”だ」
「つまり、隊長か?」
「ああ、通り名はたくさんあるけど、有名なのは、“フレジア史上最強のエース”と “竜殺し”だな」
「それと…俺の兄の名は、ヒサメ ・ロシエル。ICAF空軍司令直轄特殊戦闘隊こと「オリオン中隊」隊長で “猛禽”の異名を持つ」
四人揃って、兄さんの本名初めて聞いたらしいが、当たり前か。
「姉は、スターシャ・スワン・ロシエル、歌手だ」
「世界的な歌手が姉で、が兄とは、やっぱりお前の家系はおかしい」
「父は、ウスティオ空軍第六師団第66小隊……」
「ウルフェンでしょ」
「ああ“円卓の鬼神”ことネメシス1、コールネーム、“サイファー”、レオンハルト・R・ロシエルだ」
「母は、サピン国防衛空軍第201航空師団空中管制指揮官、オルビア・ロシエルだ」
「ヒスイの母さんは“天才空中指揮官”か、ますますもって分からん」
「祖母は世界的な画家、フローラウス・エレメント・ロシエル」
「そして、祖父は「大陸戦争」当時の大統領グレゴリアス・アルバート・ロシエルだ」
皆が沈黙していたが。
「明日は飛ぶぞ、もう休め」
Mission5 〜第三艦隊集結〜
ユートバニアの先制攻撃によってロゼトール軍のうけた損害は甚大な物があった。“海洋のエース”ことロゼトール海軍第一艦隊壊滅を始め、第三十二機動艦隊全滅、最新鋭の戦闘空母艦隊を不能にし、空軍にも損害がある。そんな中、かろうじて生き延びた第三艦隊その他の空母を内海に集結させる方針は間違っていないはずだったのだ。少なくても、イーグリン海峡通過までは。
「Hey、ブービー、久しぶりに肩の力を抜いて飛んでいる気がするぜ」
「ウォンサー中尉、任務中だ。私語は慎みたまえ」
「せっかくいい気分なのに、風紀委員だけはいるんだなあ」
「私語は慎めと言っている!」
相も変わらずのチョッパーとブルーヘッドの罵り合いに内心溜め息をつきつつ、俺もリラックスしていたのは間違いない。厚い雲がバリケードの役目を果たしている。そんな状況の中俺たちは編隊を組んで空母の上空を旋回している。先日俺らを怒鳴り飛ばした、フォード大尉のFー14Aも編隊を組み上層を警戒している。
「ストライフよりウォーナイト、サン・トレントの大活躍は聞いているぞ、しばらくのうちに、歴戦の勇士みたくなったじゃないか」
「ブレイドよりストライフ、恐縮ですが、あれは、部隊の皆がいてこそです。俺一人のもんじゃありません」
「おやおや、君はもう将来のエース候補として、賭けの対象になってるんだがな」
「ふふ、隊長はブレイド君の飛行に惚れたんですよね」
「フン……、お前も二番機のお嬢さんにご執心だろう?」
「ぐッ……」
「え……?」
「てなわけだ、ああ、俺はネテス、“天狼”だ。どうだい、今度、食事でも…」
「やめときな、嬢ちゃん、すぐに喰われるぜ」
「うるせェ」
「本当のことだろうが!」
「ごめんなさい、好きな人がいるの」
「なにい!」
「あえなく、玉砕っと」
わたしはそう答えてから、誰の事が好きなのかと考えた。そしたら、すぐに、寡黙で優しいけど、哀しい瞳をした彼を思い出した。私は多分、出会ったころから、彼に惹かれてたのだろう。
「ブレイド……」
そう私は無意識の内に呟いていた。それを聞いたブレイド以外は、口笛を吹いて冷やかした。
「え、何、何、何の事?」
ブレイドは話を飲み込めていないようだ。思いっきり子供っぽくなっている。
「ブレイド、彼女のことはどうなんだ」
「か、彼女って?」
「シノハラ少尉だよ」
「え、そんな事は、言えませんよ」
「大丈夫だ。これは、俺と君だけの個人回線だ」
それは嘘で、思いっきり全機に回線が回っている。
「えっと、気になりますけど」
「ブービー、良かったな!相思相愛だぜ!」
「どこだ、どこが、気になるんだ、顔か?」
「まあ、彼女は美人だしな」
「いえ……」
「じゃあ、体か?」
「そんなワケないでしょうが!」
「じゃあ、なんだ?教えろ“天狼” ネテスに」
「……」
「喋る気はねえってか?」
「……」
彼は無口だから。そんな事言わないわよね。
「おい、ブービー?どうした」
「いや、今、雲の間に何か光った気がしてな」
「まさか」
そんな、馬鹿な事があるわけないわ!ここは航続可能圏外よ。
その時、空母ランカスターの横を航行していたフリゲート艦が火を噴いた。
「ASM直撃!ダメージコントロール!」
「右舷より対艦ミサイル二本来ます!」
「ファランクス撃て撃て撃て!」
「だめです、衝撃に備えてください!」
さらにミサイルの直撃を受けたフリゲートは、大爆発を起こして沈没した。
やはり、さっきの光は、敵機だったのだ。銀色の光が灰色の雲の山脈を駆け上がって行く。
それと同時に、敵がレーダーに映り始めた。
南北からわらわらと来ている。
敵はいきなり空母に向かって対艦ミサイルを放ってきた。
「オイオイ、いきなり空母は取れねェだろうよ」
とこぼしつつ、急降下し対艦ミサイルにAAMをブチ当てる。
「シノハラ、チョッパー、ブレット!南の敵に当たれ!俺は、北を叩く!」
「一機で大丈夫か?」
「チョッパー、俺を誰だと思ってる、 “竜殺し”だぞ」
「そうだったな」
「チョッパー先輩」
「あ?何だ?」
「隊長って、空に昇ると口調荒っぽく変わりません?」
「ああ、そうだな。多分あっちが素だ」
「よし、ブレイドに合わせて攻撃だ!」
「了解!フォード隊長」
「さァて、行くとすっか」
「隊長口調変わってますよ!」
俺は、反転、下降した敵機にミサイルを撃ち、炎に包み、もう一機を追った。
「隊長がやられた!」
「落ち着け、指揮を引き継ぐんだ」
「直線で航行している。撃てば当たるぞ」
「何だこいつ、ミサイルが当たらない」
「ブレット、VTOLに普通に撃ってもホップアップでかわされるだろうが」
「そうなんですか」
チョッパーと、ブレットが、随分とずれたような話をしているが、まあそれはいい。こいつらは一体全体どこから入って来たんだ……。
むしろ、俺たちが油断していたのには変わりはない。厚い雲と、直進するしかない狭い海峡を利用したのは、敵さんだったと言うわけだ。
「いやあ、反復攻撃の練習みたいで、勉強になるなあ、これ」
ブレットが妙な所で感心していることに、
「あほか」
と、俺自身が突っ込みをいれたが、俺は、気が抜けてしまった。
「ブルーシャークより、パニッシャー、今は戦闘中だ。余計な私語は慎みたまえ!」
「あ、はい!申し訳ありません、ブレット、突貫します!」
「そうだぞ、ブレット、敵さんに関心するより、ブービー、じゃなかった、もといブレイドの飛び方を学んだ方がマシだぞ」
「ウォンサー少尉、貴官もだ!」
ヘッドホン越しには、シノハラの盛大な溜め息が聞こえてくる。
もっとも、その間に、敵のハリアー隊を全機撃ち落とし、空母に擦り傷さえついていなかったのだが。敵のしつこい攻撃は第八波まで続き、フォード大尉達と協力して、すべて、ミサイルも含め(ブレット曰くミサイルを叩き落とすのは神業らしい)落としていた。
「ふう〜、敵さん、どうでもいいけど、俺らになんかあるのかねえ」
「彼らの機体では、ここまで飛んでくる事は難しいはず。どうやって飛んで来たと言うの?」
「こちら空母インターセプター、ウォーナイトへ。前方に新たな機影をキャッチ、おそらくこっちが本命だ。遠距離攻撃が出来る機らしい」
「ブレイド了解!任しとけ!」
「チッ、ヒスイの野郎、ノってきやがった」
「スタンリーか」
「久しぶりだな、相棒!」
「あいにく今回は敵同士だな。そいつじゃァ俺には勝てねェぞ」
「わかってるさ。退くぞ!」
「こちらブルーシャーク!全機に告ぐ!弾道ミサイル接近、繰り返す、弾道ミサイル接近!」
「弾道ミサイルだと!どっから撃ったんだ!」
上空から白い光が降ってくる。その光は空中で数個に分かれ、さらに大きくなった。俺は反射的に操縦桿を胸元に引き寄せ左フットバーを蹴りとばす。その刹那、激しい衝撃波が機体を震わせ、海面が大爆発に包まれた。
「た、隊長、艦隊が消えています!」
ブレットのすっ飛んだ報告に、俺も海面を見ると、護衛艦隊と空母一隻が高く炎を上げて轟沈していくのが見えた。
「ブルーシャークより全機へ!第二弾飛来!至急5000フィート以上に上昇しろ!」
「なんで、5000フィート以上って分かるんだ!石頭ァ!」
「敵のミサイルの性能までいちいち把握していると思うのか!一発目の炸裂点が5000フィート以下なんだ!今はそれにかけるしかないだろう!」
「分かった。全機退避!」
「全艦前進全速!空母インターセプターに続け!この海域から脱出せよ!」
「ウォーナイト隊、無事だったか!」
ストライフこと、フォード大尉も生き残っていた。
「私の部隊はほとんど全滅だ。ネテスが行方不明だが……」
「……隊長、……フォード隊長……」
「ネテス!生きていたか!」
「隊長、聞いてくださいよ。俺の左腕がこの海域のどっかに落っこちちまって、探してくれます?」
フォード大尉の後ろを見ると、風防が半分以上砕けちり、血まみれで左腕がないネテスさんの姿があった。
「馬鹿野郎!冗談飛ばしている場合か!落ちるなよ、息をゆっくり吸え!」
「……隊長、俺ムリですわ。かえれませんね、こいつぁ」
「あきらめちゃだめです!意識をしっかり持ってください!」
「ハハハ……、最期に惚れた女の子の声が聞けるたぁ、俺にしては、幸せな死に方だぜ……」
「ネテス!ネテス!おい!」
ネテスさんの言葉の語尾が小さくなるのと比例するように、機体は高度を落として行き、ネテスさん、いや、ネテスさんだったものを乗せて、海に叩き付けられた。
「くっ」
「……」
「くそっ」
「……」
「なんで、何でこんな事が……」
「甘ったれんじゃねェ、ブレット、これは戦争なんだ」
そんな俺たちを、雲が晴れて、やっと顔を出した太陽が、俺たちの気持ちなどどこ吹く風と、さんさんと照らして来ていた。
「ウォーナイト隊、空中給油機を回せない、
そのまま北東に進み、ハイレルザーク基地へ向かえ」
「了解」
先の戦闘で空中給油を受けられなかった俺たちは、最寄りの軍事航空基地へと着陸した。
ハイレルザーク基地までは歩いて一時間ほどだ。
今俺らはこのクソ寒い南シュナイダーの道路を駸々と降る雪とともに歩いている。
「なあ、ブービー」
「あ?どうした」
「腹へらねえか」
「たしかに。一応シノハラとかにも聞いてみよう」
「私が何?」
「「おわ!」」
「そんなに驚かなくてもいいじゃない、ひどいわね」
「ああ、ごめん。で、何か食べないか?昼から何も食べてないから」
「そうね」
うーん、そう決まったのはいいものの、レストランなんざこの辺にはなさそうだしなあ。
困った困った。
「もうこの際食べられればなんでもいいんじゃねえの」
「この俺に草を食えと言うのか?」
こいつ妙に荒っぽくなるかと思えば子供っぽいし、あげくの果てにこんな帝王じみた台詞吐きやがる。はあ。
「誰もんなこと言ってねえええ!つーかどういう思考回路だそれ!」
「はあ……、大丈夫なのかな」
「それに関しては激しく同意するわ。ブレット」
シノハラとブレットの心の中で、協定が結ばれた瞬間だった。
「はあ、とりあえずそこのカフェでイイダロ」
「ああ」
俺らが見つけたのは、通りの角にぽつん、と立っていた『カフェ&バー・フォルティシモ』
だった。
「じゃあ、入ろうか」
と全身真っ黒の本人曰くフレジア製のスーツに、ボルサリーノをかぶったブービー。
白のブラウスに黒のベストを着てスーツパンツを着こなし、その上からダッフルコートを羽織ってるシノハラ。
普通のジーパンにワイシャツとカーディガンを合わせてジャケットを着てるブレット。
俺はと言えばスーツを着てはいるものの、シャツを出し、ネクタイを緩め、ボタンを二つ外している状態。
パッと見どうだろうか、ブービーなんか特に。
まだネクタイが黒なのは分かる。自分で言ってたもんな。
「自分が殺した命の弔いだ」
それはよくわかる、本当にわかる。
すっっごくわかる。でも、でもでも、ワイシャツまで黒にするか!しかもボルサリーノまでかぶるか!
それじゃあどっからどう見ても、服もイタリー製なんてほざいてるし、パイロットには絶対に見えねえ。その格好はな、小柄な(身長165?)マフィアのドンだよ!このバカ!
「いらっしゃいま……せ?」
なぜ疑問系?ブービーの格好か?
「新しいマフィアの方ですか?」
「「「「………」」」」
そうそう俺らは、ニューマフィアのブレイドファミリー……って違うわ!
「悪いが、違う。俺たちは戦闘機乗りだ」
そこ答えちゃうの?機密事項じゃないの?
「へえ、そうなんですか?」
「マフィアって言ってたけど、ここ、マフィアが多いの?」
「ええ…、うちにもお得意さんがいますよ」
……それまずいんじゃない?
「いえ、一般人に手を出さないと言う掟がありますから、大丈夫ですよ」
なんで俺の考えがわかるんだ?
「読心術ですよ」
へえ……、ってプライバシーねえじゃねえか!
「ふん、お前は閉心術もできないのか」
「お前みたいなアンドロイドと一緒にするな」
「…潰す」
と言われた俺は腹に掌底を受けた。空きっ腹にはきついだろ……。
「えっと、ミートパイと、ホットドッグと、ジン」
「季節のサラダと、ナポリタンと、カプチーノ」
「ディナーセットとホワイトレディ」
ちょっっと待て!お前ら!何普通に注文してんだ!シノハラや、ブレットはともかく!
ここに倒れふしてる原因のお前が俺を助け起こそうとすることもなく平然といすに座って注文しやがって俺が最初からいなかったみたいに扱ってんじゃねえ起こしやがれこのどうが……ぶはっ!
「ふん、騒々しいな」
この野郎心の中でノンブレスで喚いたのになんで分かった。思いっきり俺にスタンプしてんじゃねえこの……
(注:スタンプ…、軍隊格闘の技の一種)
「この童顔ちびすけが!」
ピシッ。まさにこの状況にぴったりな擬音だ。特に我らが隊長ブレイドの周りが、氷点下380℃な感じで凍り付いていらっしゃる。
俺死亡フラグ立っちゃったかも。嗚呼…俺の25年の人生おわったな。
「チョッパー……、すぐさま前言を撤回しろこの愚か者が」
嗚呼、笑っている、我らが隊長が。美しく、凄絶に、笑ってらっしゃる。こんな笑顔正面から直視したら女でも男でも落ちるね、うん。でも、目が笑ってないんだよね。むちゃくちゃ怖いね。完璧にプッツンしちゃってますね。
「ね、ねえシノハラさん」
「な、何かしらブレット?」
「隊長って、黒属性ですかね?」
「そうね」
ブレイドには童顔と言わないようにしよう。
そう誓った二人であった。
「なあ、アル」
「なんだ、ヒスイ」
前の基地の呼び方に戻っちゃってるよね。
ヤバいよねいやマジでこれ本当にどうしよういや本当に本気と書いてマジと読むぐらいまずいよね今目の前で笑ってるこの方絶望の王と呼ばれるだけはあるね俺今強制昇天しそうな予感ばりばりしてるんだよねああ俺自分が何を言っているのか分からないや何か頭の中の思考回路がバレルロールを描いて全力でアクロバットしつつどっかにとんでいったよどうしよう何か天使が見えて来た。
ガン!
「いってえ」
「現実に戻ってこい馬鹿野郎が」
「あ、ああ」
「注文しろこの大バカ野郎が」
「ランクアップですか!」
ブレットのツッコミを無視する俺とブービー。
「ひでえ、ま、いいや、ハンバーガーのセットを一つと、チキンナゲット」
「かしこまりました。しばらくお待ちください」
「ああ、くそ眠い。チョッパー、飯来たら起こしてくれ」
「ラジャー、キャプテン」
と、俺に命令したあと、ボルサリーノを、顔に被せて寝るブービー。
お前はどこのマフィアだよ本当に!
「お待ちどうさまです。あれ、ボルサリーノの彼寝ちゃったんですか」
「ええ」
「そういえば、自己紹介をしてませんでしたね。僕がここの店主、ユーイチ・ナナシロです」
「俺はアルヴィン、そっちで寝てんのが、ブレイド」
「私は、アカリ・シノハラ」
「僕は、リチャード・ブレットです」
「彼って、ブレイドが名前なんですか?」
「いんや、違う。こいつの本名勝手に教えると怒るんだよ。ところで、年は?」
「あ、19です」
「そうか、年下か」
「ん……」
「おお、起きたかブービー、男のくせにそんな色っぽい声出してんじゃねえ」
「「いただきます」」
「ブービー、シノハラ、無視か!この野郎!」
「私は野郎じゃないわ」
「うるせー」
入口にある鈴が、涼しげにチリンチリンと音を奏でる。一心不乱にミートパイをほおばっていたブービー以外がそちらを向く。
「騒がしいと思ったら、新顔かい?」
「この人達はマフィアじゃないよ」
「ふーん、そう。そこの君」
「俺か……」
その声を聞いたか、ブービーが顔を上げる。
「何か?」
「いや、どっかで見た顔だと思ってね」
「……」
無言。でもブレイドが纏ってる雰囲気は、一気に冷たくなった。まるで凄腕の暗殺者のように。
「ま、今日はいいや。じゃあね」
「ええ」
全員飯を食い終わったみたいだな。
「よし、金払っていこうぜ」
「ああ」
「ちょっと私よるところがあるから、先いっててくれないかしら?」
「ああ、いいぜ」
「馬鹿が、マフィアが多いのにシノハラ一人を残す気か?攫われるぞ」
「大丈夫よ」
「いや、ここにいるよ。何かあったら大声だせ」
「分かったわ」
やっぱ、ブレイドって、シノハラには優しいよなあ。フェミニストめ。
まあ、その後は男三人で、普通に雑談してたんだがな。10分ぐらい立った頃にシノハラの声が聞こえてきたんだよな。
「ちょっと、なんですか!急いでいるんです!通してください!」
「そんな事言わないでさあ、俺たちとイイことしようぜぇ」
「これから仕事なんです!貴方達と遊んでいる暇はないんです!」
「つれないねえ、楽しい事なんだからさあ、初めてなら色々教えてあげるしさあ」
「やめてください!貴方達に構っている暇はないんです!」
うん、ナンパだね。しかもなんか古い!まあ、シノハラって、黙ってたらめちゃくちゃ美人だし、東洋のクールビューティって感じだしなあ。
「おい、チョッパー、ちょっと殺ってくる。待ってろ」
おい、文字の変換がおかしいんじゃないのか、おい。
「そうか?だったらお前が逝ってこい」
だからゼッタイ文字の変換おかしいっての!つーか地の文を読むな!
「もう、いい。力づくだ」
「ちょっ、貴方達何を、きゃあっ!触らないで!」
ピシッ。本日二度目の擬音。またもや我らが隊長がブチ切れた。あ、でもブチ切れ度が上がったね。当社比三十%ぐらい。
「……消す」
今、口癖の『潰す』じゃなくて、『消す』だったよね。あのナンパ男達終わったね。
「やめて、ちょっと、触らないでください!きゃっ!!助けて!」
ピキッ。今度は何の擬音だろうか。ああ、我らが隊長の美しいご尊顔に青筋が立ってますね。(特に額の辺り)
「へへ、男かあ?助けになんかこないぜえ」
「チョッパー、死体の処理は頼むぞ」
「うん」
あ〜、これはプッチンときてるね。プリンみたく。
ちょ、ちょ、ちょっと待て。そのサバイバルナイフはどこから出した!
「どこって、スーツからだけど?」
ああ、スーツからね。って何イ!お前スーツの中に何仕込んである!
「サバイバルナイフと、仕込み手錠と、サブマシンガンと、ハンドガンだけど?」
危険すぎるわお前。仕込みすぎだお前。
つーか、手錠にも仕込んであるって何者だお前。
「隊長!」
「待たせたな、シノハラ」
「覚悟はいいか?三下野郎」
「邪魔しやがって、まずてめえから殺してやる!」
「……消え失せろ」
バキッ!ドコォ!メコ!ゴキッ!
ガシャン!ガシャン!
普通に殴り飛ばした後。ナイフ出し…って危なすぎるだろ!
「地獄で眠れ」
グシャッ!ドスッ!ベキッ!
もはや、打撃や、殴打の音じゃないよね。
少ししたら、ぼろぼろのボロ雑巾と化したナンパ男A、Bくんが血塗れで地に倒れふし、爽やかな笑みを浮かべて、黒スーツ全身に返り血を浴びた隊長と、ほっとした笑みを浮かべるシノハラがいた。シノハラはともかく隊長、その状態で爽やかに笑っても怖いだけですって。
その後、ブービーはスーツの中からスーツを出してカフェで着替えている。何かブービーのスーツが極東の国民的某有名アニメの猫型ロボットの四次元ポケットに見えて来たんだけど。
さらにその後、シノハラが抱きついた。
内容は聞き取れなかったが、とりあえず言いたい。そこで普通にピンク色のオーラを垂れ流すな!
シノハラをナンパしてた奴らを見るとものすごくもやもやしたから、問答無用に拳で殴ってやった。
その後、スーツを着替えて、黒の上下に白のワイシャツ、黒のベストに、紫のストライブのネクタイをした。どうでもいいけど。
着替えて出て来たらシノハラに抱きつかれた。凄く驚いた。
「ありがとう!」
抱きつかれた時の女子特有の甘い匂いとわずかに香る柑橘系のコロンが女を意識させて俺はとたんに落ち着かなくなる。
「本当にありがとう!ブレイド!」
「気にすんな」
「ええ!」
何故か、チョッパーとブレットが砂を吐くような表情でこちらを見ていた。
そのまま、俺とシノハラは、一緒にハイレルザークへいったのだった。
宇宙の鳥(PART1)
懐かしい場所だ。ほんの少し前まで俺たちは此処で訓練を受けていたというのに。何時の間にかこの戦争で一番戦闘経験のあるパイロットになってしまっていた。
この地がかつて南シュナイダーと呼ばれ、もう少し北に行けば二十年前のシュナイダー人による核破壊の爪痕に思い当たるのか、シノハラの顔がやや曇りがちなのが俺は気になった。
基地に到着した俺たちを迎えたのは、この基地で訓練を受けている後輩達だった。
「こんばんは、ウォーナイトの皆さん!」
と挨拶してくる。なかなか微笑ましい。
「よう、テメエら!この俺がウォーナイトの三番機、チョッパーだ!」
「二番機のアカリ・シノハラよ」
「四番機のリチャード・ブレットです、よろしく」
「……」
俺は何も言わず、ただ彼らを見るだけ。
そんな俺を見かねたのか、チョッパーの奴が言って来た。
「おい、ブービー、お前も自己紹介しろよ」
「……ヒスイ・ロシエル、TACネームはブレイド、だ」
「よろしくお願いします!」
「すまんな、こいつはちょっと無口なロボッ」
バキッ!
「グハッ!」
俺は良からぬことを喋ろうとしたチョッパーの脇腹を蹴り込んでやる。
「何しやがる!」
「お前は本当に死にたいらしいな、遠慮するな、手伝ってやる」
「まだ、死にたくないから!」
「そう言うな、安心しろ、一瞬だ。貴様の喉元に貫手をぶち込めばいい話だ」
「お前が言うとシャレにならねェんだよ!」(絶叫)
俺のボケ(?)とチョッパーのツッコミ(?)で談話室は爆笑に包まれた。
「あの、チョッパー先輩……」
「ん?なんだ?」
「ブレイド先輩ってそんなに強いんですか?」
「ああ、強いぞ、あいつは。うん、具体的に言うとな、格闘の教官が何人かいるだろ」
「ええ」
「その中の一人をな、蹴り一発で昏倒させて、もう一人は貫手で喉元突いて病院送りにして。最後の一人は踵落としで頭割って、もう教官出来ないようにした」
「ああ、だから居なかったんですか。教官達が」
「そうだ。それに、あいつはフレジアの軍隊格闘教練を全軍トップで修練。そしてCQC&CQB。さらにそこに蹴り技主体のゼロレンジコンバット・オリジナルと独自の戦術。拳、貫手、掌底、肘、脚を多用する、極東の古武術、ボクシング、キックボクシング、マーシャルアーツ、サバット、テコンドー。さらに、ナイフコンバットと、蹴り及び掌底を多用する、空挺部隊近接戦闘術、特殊な手錠を使う、フレジア機動警察対テロリスト用手錠格闘術。そして八百時間を超える訓練。しまいには、。これらすべてを総合して合わせた、え〜と、何て名前だったっけ?」
「見事な解説ありがとう。総合近接格闘瞬時換装システム。略してH・B・A・F・S・S」
「えっと?」
「全部言うと、ハードブレイクオールファストスイッチシステム」
「名前が長い!」
「しゃ、射撃はどうなんですか?」
「私と同じくらいよ」
「え?それマジ?」
「ええ」
「シノハラは神懸かり的な射撃の腕を持っていてな、具体的に言うと、五十メーター先の的に二秒でワンマガジン当てることができる。それで今でもトレント島での伝説になっているんだ」
「伝説ならヒスイ君にもあるわよ。この前、本職の基地の警備隊十二人を二分で倒してたじゃない」
「一人十秒だぜ。恐るべし、H・B・A・F・S・S」
「組み手をやりませんか?ブレイド隊長」
「いいけど、大怪我するよ」
じゃあ、と基地司令に頼んで組み手を開始。
「行きます!」
俺に組み手を申し込んだ彼、ロマノフとか言ったか?彼は、今年の空軍近接格闘部門の主席らしい。
「はっ!」
気合いと共にロマノフ君が鳩尾を狙って突きを打ち込んでくる。
「体重のしっかり乗ったいい突きだ。だが、甘ェな」
俺はそれを左手の手の平で受け、そのまま右で顎にアッパーカットを打ち込んでやる。
ちなみに俺の利き手は左だ。
「くっ!」
彼はかろうじてかわした。やるね。
チョッパー曰く『ブービーの貫手はそのままレイピアになる』らしい左の貫手を眉間に突き込む。ロマノフ君は右に避けるが、頬をかすめ、切り傷ができる。
「腹がお留守だぜ」
と喋りつつ、掌底を腹にぶち込んでやる。今度は直撃した。
「がはっ!」
「その程度か、君は?」
「うおお!」
雄叫びを上げつつ、ロマノフ君は体格を生かして右回し蹴りを放ってくる。
それをウィービングで避けつつ、目を軽く打つ。重さも体重も乗ってない軽いものだが、動物的本能で、ガードが上に上がるのは分かっている。俺の狙いはその下、腹に足刀をぶっ込んでやる事だ。
ドゴン!と重い音を立てながら足刀が腹に決まる。彼もこれには耐えられなかったらしく、訓練場の端まで吹っ飛んで行く。
組み手を見ているルーキーや、スタッフは歓声をあげるが、チョッパーだけは歓声をあげず、俺を鋭く見ていた。
「どうしたの?チョッパー。そんなに難しい顔して」
「いや、あの技一度見た事があってな、まともにくらったその酔っぱらいは内臓破裂を起こしたらしい」
「何故わかるの?」
「ブレイドがそう言ってたのさ。『酔っぱらいを蹴りとばしたら、内臓の破裂がおきた』とな。蹴った時の感覚だけでわかったとは、つくづく恐ろしいやつだよブービー」
内容は聞こえないが、俺の事だろう。
さて、続きだ続き。
「まだ、いけるだろう、君は。立てよ。今度はウォーミングアップは無しだぜ」
「ええ、分かってます…」
「はぁっ!」
俺はノーモーションで近づき、構えない状態からの貫手。通称『地獄突き』を放つ。
「ぐっ!」
吹っ飛びかけるところを掌底とともに拳を握り込む技。打撃のインパクトの瞬間、体内に衝撃が送り込まれる。
「ガハッ」
意地で立ってるね。
「むん!」
ロマノフ君は俺の状態が崩れた時を狙ってミドルキックを放って来た。俺はそれを止めきれず、脇下に喰らってしまう。
「!」
重いね、それなりに。ま、まだまだかな。
「セイッ!」
気合いとともに俺は両掌を叩き込む。合わせた両手を勢い良く広げ凄まじい衝撃とともに、強力な掌打を打ち込む技だ。こう説明すると誤解されるかもしれないが、別に俺は衝撃波を撃っているわけではない。打撃の衝撃を相手の体内に送り込んでいるだけだ。
「グッ」
彼はそう呻いてから、床に崩れ落ちた。
「相変わらずだな、ブービー、お前は強すぎるぜ」
「フン……」
「ブレイド、どうしたの?」
「お前ら、弱すぎだ!俺が一から戦闘技術を叩き込んでやる!」
………。
それからのブービーはスパルタだった。ぶっ続けで三時間の講義と実技、(ちなみに俺は訓練相手と言う名の実験台にされた)俺はいま優しさと言う名の薬が飲みたい。
まあ、なんだかんだ言ってても、ブービーは失いたくないんだろう、後輩を。こんなことも言ってたしな。
「戦闘の時、死ぬと思うな。絶対生き抜くと思え、必ず基地に、家族のもとへ帰れるようにと。生きて、生きて足掻きぬけ」
なんて臭い台詞をはきやがった。
でもこの時この無表情、無感情の男が、こんなに感情を表すことがあったか?こいつもコッチに来て少し変わったなぁ。
「あ〜!ヒーちゃん!」
ヒーちゃん?子供の声?
ずたごろがしゃん。
ずた、はブービーの野郎が演説台みたいな高い台からころげ落ちた音。
ごろ、はそのまま転がった音。
がしゃん、はいすに激突した音。
って何やってるブービー!
「相も変わらず、臭い台詞を平然とその顔で言えるわね。あなたに泣かされた女の子が何人いることか」
ん?誰だ?シノハラではないよな。こんな言葉を普通にぶつける人なんざ家族ぐらいしかいない気がするが…ん?家族?
「姉さん!どうして此処に?」
「姉さんじゃないだろ、お姉ちゃんだろ」
ずさー。
ああ、今の音は今この場にいた全員が床に滑り込んだ音だ。(俺も含む)
ちなみにシノハラは顔から突っ込む事だけは避けていた。恐るべし……!
「お…お姉ちゃん…」
そこ!顔を赤らめて言うな!どこの青春ものの主人公だ!何のフラグだ!何のフラグが立った!
「あ〜かわいい、ヒーちゃんは何でこんなにかわいいんだ〜!」
とぎゅ〜と抱きしめられているブービー。
うらやましいなあ。
「姉ちゃん!放して!ほかの人が見てるよ!」
「いいではないか〜」
「良くないよ!」
つーかダレ?
「俺の姉さん。スターシャといえば分かるか?」
「ええええぇぇ!」
その場に居た全員が絶叫。
何イ!声が出ねえ。テレビの時の歌姫ぶりがない!どこにもない!ツンデレのデレ時のツンぐらいない!って何言ってんだ俺は。
改めて見ると、
「ちっこいな、ブービー」
「うるさい、ちっこくて悪かったな!」
姉に抱き込まれる弟って……。
やっぱりちっこいな。
「姉ちゃん!いい加減に放して!」
「はあ、しかたないな」
「大丈夫か?ブービー?」
「大丈夫じゃないよ。まったく」
泣いてんのか?泣いてんのか、ブービー!
「べつに泣いてないよ。俺ってそんなに子供か?」
ぐっ、童顔にミニサイズ+小首傾げ+涙目+上目遣いは危険すぎるぞ。
俺は今すぐ床を叩きたい衝動に駆られた。
…、やばい。いまよく分からん感情にかられそうになったぞ。
「……、分からん」
「ねーねーヒーちゃん」
「どしたのフィー」
「なんでそんなにちっちゃいの?何でそんなにどうがんなの?」
ガン!ブービーが机に頭をぶつけた。痛そー!
子供ならではの純粋な質問。ブービーはどう答えるのだろうか?
「俺にも分からない。ごめんね」
ま、無難だな。
「お姉ちゃん、お名前は?」
いつの間にかシノハラの目の前へと移動していた。末恐ろしい子になるかもな。
「私?私は、アカリ・シノハラ」
「じゃあ、アカリお姉ちゃんだね!」
「ふふっ…」
シノハラも子供好きのようだ。母性が強いのか、女性特有なのか、すぐに仲良くなっている。
「こら、急に何をやっているの」
「ごめんなさい……」
「すいません」
「いえ、おかまいなく」
やっぱり女性は女性で気があったのだろう、おしゃべりしてる空間だけ、花が飛んでいる。
ん?あの子がこっちを見た。今度は俺か?
「おじちゃん誰?」
お、おじちゃん……、ぐさっときたぞ、ぐさっと。
「ねーねー、おじちゃん、お名前は?」
やーめーてー、ぐさっと何かが刺さるからー。
「ああ、俺はアルヴィンだ。あだ名はチョッパー」
「じゃあ、チョッパーおじちゃんだね!」
うう、心が痛い。
「チョッパー君…すまないな」
そんな優しい笑顔で肩に手を置かないでください。陸軍大佐。
「あ、お父さん!」
「何!」
新兵及びウォーナイト隊員(ブレイド除く)本日二度目の絶叫。
「む、自己紹介がまだだったな。私はスミス、ジョン・スミスだ。階級は大佐だ」
何それ、美男美女って。神様はなんとやらだなぁ、はあ。
「やあ、義兄さん」
「ヒスイ君か」
「どうも」
と言いつつ、ブービーはジンをストレートで飲んでいる。
「飲みますか?」
「ああ、付き合おう」
ちなみに、俺たちが今居る場所は、訓練場ではなく食堂だ。そこの美男二人が、飲んでいるのは食堂の奥にあるバーだが。
マスターは、初老に手が届くぐらいの落ち着いたおっちゃんで、ブービーは訓練生の時よく飲んでたな。
「黒ビール。ジョッキで」
「かしこまりました」
黒ビール…。うむむ、渋いチョイスだ。
人柄と酒の好みは似るもんかね。
「さっきの訓練を見たが、空軍ならば格闘は基本のみ、仕方ないのではないかね?」
「甘いです。撃墜されて、敵地に降り立った時、拳銃一丁でどうしろと?」
「ふむ、しかし君と彼らを比べるのは実力が違いすぎると思うのだが」
まあ、たしかになぁ。
世界最強と謳われた軍隊の出身だもんな。
ブービーは。
「確かに。陸軍のベテラン連中ほどの格闘戦能力とは言いませんが、せめて、陸軍の新兵と同じぐらいは欲しいですね」
陸軍のルーキーは、銃も含めて、近接格闘術基本と応用及び、ナイフコンバットを修練、のはず。
「なるほど。だが、拳銃のみで、野戦が出来るか?」
「いえ、我々の作戦空域は、恐らく本土上陸を果たしたのならばジャングルでしょう。一気にジャングルを抜けて、都市部を制圧出来るほどあなたがたは練度が高くないでしょう?」
「ふふふ…、世界最強の軍隊と比べられてはかなわんよ。こっちは上層部が腐り落ちてるのだからな」
おいおい、かなりヘビーな話になってきてねェか?
「そういうもんですか?」
「そういうもんだよ。シュナイダー、フレジアと大国が一つは壊滅。もう一つは、再編中ときた。これからの国際社会は、ロゼトールと、ユートバニアで回るだろう」
「……、でも興味ないですね」
「上の連中は下が納得してねえのに、勝手に戦争おっぱじめた。支部預かっていると、皺寄せがくるものだよ」
「まあ、まだ俺たちは一兵士ですから、上官の命令に従わなくちゃなりませんから」
確かになあ。俺たちにそんなしがらみはないけど、上に行けば行くほどあるんだよなあ。めんどくさいのが。
「まあ、特殊部隊や、海兵隊ほどの強さはいりませんが、せめて、陸軍の同期と同じぐらいは、強くなって欲しいですね」
「君は、明らかに空軍のひよっこどもとは違う」
「ええ、フレジア出身ですから」
「ただのパイロットではないだろう?」
実はフレジアのスパイでした、とか?
「フレジア軍の中でも最強の名を欲しいままにした、空挺部隊『砂漠の狐』。ライオネル砂漠で壊滅したとされる部隊の生き残りの一人であり、二番隊隊長」
「ええ、そうです」
「砂漠の狐と言えば、近接格闘だからな。その中でも、最強に近いのだから」
「ええ…」
「一人で、千人を葬り去る最強の浸透戦術使いとして名を馳せた。だろう?」
……。
ええええ!全員本日三度目の絶叫。ルーキー達にいたっては凍り付いている。
そりゃ、そうか。最強の軍隊の中でも最強と謳われた部隊のさらに上から数えた方が早いような化け物だしなぁ。
一人で千人って、人間の領域じゃねえぞ……。もはやチートじゃねえか。
「潜入任務及び暗殺。並びに、テロリスト殲滅が、俺の主な任務でしたけど」
「テロリスト集団、『竜の息子達』殲滅。それが君の異名の由来だろう?」
「あァ…、竜殺しの由来の事ですか」
「うむ、そうだ。私も興味があるのでな。さらに、スカウト技術の達人だろう?」
スカウト技術……?
なんだそりゃ?かわいい女の子をスカウトする技術か?
「チョッパー…、それは貴方の妄想よ?」
うおっ!
シノハラ、心を読んだのか?
「全部声に出てるわよ」
何だと!俺の恥ずかしい思考がだだ漏れだと?
「あ、恥ずかしい思考だとは考えてたんだ」
スターシャさん。まぶしすぎる笑顔で言わないでください……。
「あ、姉さん、そこの色ボケの阿呆はほっといてかまいません」
てめえ、ブービー!隊長として、隊員を援護しねえのか!
「俺は変態を隊員にした覚えはないが?」
無駄に爽やかな笑顔で言わんでよろしい。
数少ない女性軍人と職員が目をハートにして釘づけだぞ。(シノハラ除く)
「お前な、年上を敬えよ…」
「俺はー、アルヴィンは尊敬してても、チョッパーは尊敬できないなぁー」
「あー、分かった分かった。変な事言わないよ」
「まあ、悪いが…寝てろ」
ちょっと待て!何でそんなに楽しそうな笑顔で歩いてくるんだ!まっ…
「がふっ」
このクソ隊長。俺に。ドライ・マティーニ飲みつつ、踏み込み上段蹴りかましやがった……。ガクッ。
「あれ、やりすぎたかな?」
この野郎!
「殺す気か!テメエは!」
「死ななかったか」
いやあれは俺だからだ。俺以外だったら死んどるわ!
首がゴキンッ!といい音立てて曲がったが。
「ええっと、スカウト技術って何ですか?」
「良い質問だブレット。スカウト技術というのは、剣術、ナイフ、追跡、偵察に特化した技術のことだ」
「そうなんですか」
「ふう、君は陸軍のトップレベルと戦ったことは無いだろう?一戦交えてみるか?」
感想、直した方が良いところなど、教えてください。
荒らしはやめてくださるとうれしいです。
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