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経済
【正論】杏林大学名誉教授・田久保忠衛 「小国転落」回避したTPP決断
最高指導者だった人の果てしない暗愚の言動に絶望感を抱いていたせいもあって、新鮮に見えるのかもしれない。東南アジア諸国を訪れた後、ワシントンでオバマ米大統領と会談した安倍晋三首相の軌跡は見事だったと思う。
《対中優位を維持する米戦略》
訪米が先の方がよかったとか、首脳間の信頼関係が構築できたとかできなかったとか次元の低い論評が罷(まか)り通っているが、それはどうでもいい。困難な国際環境の中で、日本の新指導者が国家として何を志向しているのか基本の型を演じた意義は小さくない。
最大の成果は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加への政治的な決断だった。共同声明に、「TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束するよう求められるものではないことを確認する」と盛り込んだ箇所は確かに重要である。が、それはあくまで国内世論の分裂あるいは党内の意見対立を中和する以上の意味は持たない。
一昨年の11月17日に、オバマ大統領はオーストラリア議会で、すこぶる重要な演説を行っている。イラクからの撤兵を完了し、アフガニスタンからも兵力を2014年末までに引き揚げる決定をした米国が、ピボット(軸足)をアジアに移す新しい政策の具体的な内容を明らかにしたのである。
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