2013-02-22 10:02:04
大阪府市、究極の悪しき箱物行政
テーマ:大阪
大阪府市、究極の悪しき箱物行政
「大阪市は北区中之島の市有地にコンサートホールを誘致」?(朝日新聞)という報道があったという。
紙面をまだ確認していないのだが、おそらく下記の方針が具体化した結果だろう。
※大阪府市都市魅力戦略会議報告書(案)2012.06.13「世界的な創造都市に向けて ~グレート リセット~」
http://www.pref.osaka.jp/attach/15641/00100671/great%20resetpdf.pdf
さて、この中之島の新たなコンサートホール計画が、究極の悪しき箱物行政であることは、論を待たない。
大阪市民、府民、維新の会の支持層は、この事態の推移に、ぜひ注目しておいてほしい。
つまり、大阪府下(大阪市をふくめて)に、数多くの優れた音楽施設がすでにあることは周知の通りだ。
しかも、それらの多くが、建物の立派さとは裏腹に、ソフト面の貧弱さに苦しんでいることも、また昔から指摘され続けている。
おまけに、大阪府下、大阪市には、民間の優良音楽施設が数多くある。
ちなみに、今回の計画の場所、中之島には、まさにこの春、フェスティバルホールがリニューアルオープンする。
そこに大阪市が新たなコンサートホールを誘致するというのは、フェスティバルホール潰し?とみられても仕方があるまい。
さて、
問題は、大阪府市の上記の会議とやらが、音楽文化のなんたるかを全く理解していないと思われる点にある。
音楽文化は、立派なホールがあるにこしたことはないが、それにも増して、なにより、人が大切だという点である。
むろん、音楽家個人や、音楽団体はいうにおよばず、音楽活動をマネージメントする会社、組織、そして、舞台を運用するスタッフがなにより必要不可欠なのだ。
どんな立派なホールであっても、そこに優れた舞台スタッフと、マネージメントが伴っていなければ、文字通り、宝の持ち腐れである。
大阪府市を牛耳る維新の会の文化行政が、これまで大阪になにをもたらしたか?
大阪センチュリー潰し、大阪市音楽団潰しや、文楽潰し。
ワッハ上方潰し、児童文学館潰し、中之島図書館潰し。
大阪フィル潰し、
などなど、これまで、故・朝比奈隆をはじめとする大阪の先人たちが築いてきた音楽、文化の活動を、ことごとく潰してきた。
その上で、新たにコンサートホールを、しかも大阪の音楽の象徴であるフェスティバルホールにぶつけてくる。
まったく、なにをやっているのかわからない。
ちなみに、
大阪に数年前まであったはずの音楽財産を列挙してみよう。
大阪センチュリー交響楽団→民営化となって日本センチュリー交響楽団に
大阪市音楽団→解散の危機
イシハラホール→閉館
青少年会館→閉館
さらに、
今後存続が危ぶまれる在阪の音楽施設、団体も並べてみる。
ザ・シンフォニーホール→運営会社が変わり、先行き不透明
大阪フィル→補助金減額で活動の危機
関西フィル→補助金打ち切りも、かろうじてスポンサーに救われる
大阪交響楽団→補助金打ち切りも、かろうじてスポンサーに救われる
そして、
大阪府下にある各自治体、その他の主な音楽施設だが、
高槻現代劇場
吹田市メイシアター
大阪狭山市 SAYAKA
泉佐野市 泉の森ホール
羽曳野市 LICはびきの
富田林市 すばるホール
河内長野市 ラブリーホール
柏原市 リビエールホール
八尾市 プリズムホール
いずみホール
フェニックスホール
大阪音大オペラハウス
など
これらの、大阪府下の数多くの音楽文化施設を、ソフト面でサポートすることこそ、大阪の音楽文化のために行政が行うべき施策だと考える。
さらに、
大阪市にある大型ホールを列挙すると、
国際会議場
NHKホール
大阪城ホール
梅田芸術劇場
新歌舞伎座
などなど、
大阪府下には、音楽ホールが余っているぐらいなのだ。
これらが、相互に共存し、相乗効果で大阪に音楽ファンを世界中から呼び込むためにも、新たな箱ものを作る金を、ソフト面の支援や、音楽フェスティバルの開催に向けた方が、よほど未来志向だと考える。
繰り返すが、維新の会の大阪府市の政策は、先人の残した貴重な音楽文化を根絶やしにして、新たに無駄な箱ものを作るだけの、悪しき公共事業の典型だといえる。しかも、音楽施設を相互に競争させて、市場原理で負けたものは潰す、という、本来音楽文化にはそぐわない方向性で押し進められている。
そんな大掛かりな無駄をやりながら、さらに、大阪に観光の目玉を新たに誘致するなどというのだから、全く、なにをかいわんや、である。
以下、参考までに
※大阪府市都市魅力戦略会議報告書(案)2012.06.13「世界的な創造都市に向けて ~グレート リセット~」
http://www.pref.osaka.jp/attach/15641/00100671/great%20resetpdf.pdf
大阪府市都市魅力戦略会議報告書(案)
2012.06.13
世界的な創造都市に向けて ~グレート リセット~
特別顧問:橋爪 紳也
特別参与:
池末 浩規
太下 義之
嘉名 光市
中川 幾郎
橋本 裕之
山口 洋典
重点エリアのマネジメント2中之島ミュージアムアイランド構想
• 広域行政の視点からみた新たな美術館に求められるコンセプト (「美術館村構想」を含む)
• コンサートホールの整備の必要性 等
中之島にぎわいの森 (’13年夏オープン)
フェスティバルホール (’13年4月オープン)
重要文化財を含む近代建築群の魅力が 現状 十分に発揮されていない
市有地を含めて低未利用地が多く
現状 まちづくりのボトルネックとなっている
中之島図書館について、都市魅力の観点
からあり方検討を進める
『構想』推進のトリガーとして
中之島4丁目の市有地整備を進める
魅力的な近代建築が集積しているメリット
を活かし、観光拠点化を図る
文化集客拠点としてのまちづくりを公民
一体で進め、中之島全体に賑わいを拡大

重点エリアのマネジメント2中之島ミュージアムアイランド構想
大阪の新しい都市魅力の創造に向け、中之島を文化芸術の重点地域として位置づけ、エリアのブランド化を図る
『文化芸術』と『水と光』 のシンボリックな融合に向け、公民一体となったマネジメント戦略を展開する
• 市有地において新たな美術館やコンサートホールの整備を検討 (平成25年度には基本計画の策定に着手予定)
• 国立国際美術館や市立科学館とミュージアムコンプレックスを形成 • 世界的な文化集客ゾーンに向けて、公民一体でブランド化を推進
(『文化芸術』と『水と光』のシンボリックな融合)
「大阪市は北区中之島の市有地にコンサートホールを誘致」?(朝日新聞)という報道があったという。
紙面をまだ確認していないのだが、おそらく下記の方針が具体化した結果だろう。
※大阪府市都市魅力戦略会議報告書(案)2012.06.13「世界的な創造都市に向けて ~グレート リセット~」
http://www.pref.osaka.jp/attach/15641/00100671/great%20resetpdf.pdf
さて、この中之島の新たなコンサートホール計画が、究極の悪しき箱物行政であることは、論を待たない。
大阪市民、府民、維新の会の支持層は、この事態の推移に、ぜひ注目しておいてほしい。
つまり、大阪府下(大阪市をふくめて)に、数多くの優れた音楽施設がすでにあることは周知の通りだ。
しかも、それらの多くが、建物の立派さとは裏腹に、ソフト面の貧弱さに苦しんでいることも、また昔から指摘され続けている。
おまけに、大阪府下、大阪市には、民間の優良音楽施設が数多くある。
ちなみに、今回の計画の場所、中之島には、まさにこの春、フェスティバルホールがリニューアルオープンする。
そこに大阪市が新たなコンサートホールを誘致するというのは、フェスティバルホール潰し?とみられても仕方があるまい。
さて、
問題は、大阪府市の上記の会議とやらが、音楽文化のなんたるかを全く理解していないと思われる点にある。
音楽文化は、立派なホールがあるにこしたことはないが、それにも増して、なにより、人が大切だという点である。
むろん、音楽家個人や、音楽団体はいうにおよばず、音楽活動をマネージメントする会社、組織、そして、舞台を運用するスタッフがなにより必要不可欠なのだ。
どんな立派なホールであっても、そこに優れた舞台スタッフと、マネージメントが伴っていなければ、文字通り、宝の持ち腐れである。
大阪府市を牛耳る維新の会の文化行政が、これまで大阪になにをもたらしたか?
大阪センチュリー潰し、大阪市音楽団潰しや、文楽潰し。
ワッハ上方潰し、児童文学館潰し、中之島図書館潰し。
大阪フィル潰し、
などなど、これまで、故・朝比奈隆をはじめとする大阪の先人たちが築いてきた音楽、文化の活動を、ことごとく潰してきた。
その上で、新たにコンサートホールを、しかも大阪の音楽の象徴であるフェスティバルホールにぶつけてくる。
まったく、なにをやっているのかわからない。
ちなみに、
大阪に数年前まであったはずの音楽財産を列挙してみよう。
大阪センチュリー交響楽団→民営化となって日本センチュリー交響楽団に
大阪市音楽団→解散の危機
イシハラホール→閉館
青少年会館→閉館
さらに、
今後存続が危ぶまれる在阪の音楽施設、団体も並べてみる。
ザ・シンフォニーホール→運営会社が変わり、先行き不透明
大阪フィル→補助金減額で活動の危機
関西フィル→補助金打ち切りも、かろうじてスポンサーに救われる
大阪交響楽団→補助金打ち切りも、かろうじてスポンサーに救われる
そして、
大阪府下にある各自治体、その他の主な音楽施設だが、
高槻現代劇場
吹田市メイシアター
大阪狭山市 SAYAKA
泉佐野市 泉の森ホール
羽曳野市 LICはびきの
富田林市 すばるホール
河内長野市 ラブリーホール
柏原市 リビエールホール
八尾市 プリズムホール
いずみホール
フェニックスホール
大阪音大オペラハウス
など
これらの、大阪府下の数多くの音楽文化施設を、ソフト面でサポートすることこそ、大阪の音楽文化のために行政が行うべき施策だと考える。
さらに、
大阪市にある大型ホールを列挙すると、
国際会議場
NHKホール
大阪城ホール
梅田芸術劇場
新歌舞伎座
などなど、
大阪府下には、音楽ホールが余っているぐらいなのだ。
これらが、相互に共存し、相乗効果で大阪に音楽ファンを世界中から呼び込むためにも、新たな箱ものを作る金を、ソフト面の支援や、音楽フェスティバルの開催に向けた方が、よほど未来志向だと考える。
繰り返すが、維新の会の大阪府市の政策は、先人の残した貴重な音楽文化を根絶やしにして、新たに無駄な箱ものを作るだけの、悪しき公共事業の典型だといえる。しかも、音楽施設を相互に競争させて、市場原理で負けたものは潰す、という、本来音楽文化にはそぐわない方向性で押し進められている。
そんな大掛かりな無駄をやりながら、さらに、大阪に観光の目玉を新たに誘致するなどというのだから、全く、なにをかいわんや、である。
以下、参考までに
※大阪府市都市魅力戦略会議報告書(案)2012.06.13「世界的な創造都市に向けて ~グレート リセット~」
http://www.pref.osaka.jp/attach/15641/00100671/great%20resetpdf.pdf
大阪府市都市魅力戦略会議報告書(案)
2012.06.13
世界的な創造都市に向けて ~グレート リセット~
特別顧問:橋爪 紳也
特別参与:
池末 浩規
太下 義之
嘉名 光市
中川 幾郎
橋本 裕之
山口 洋典
重点エリアのマネジメント2中之島ミュージアムアイランド構想
• 広域行政の視点からみた新たな美術館に求められるコンセプト (「美術館村構想」を含む)
• コンサートホールの整備の必要性 等
中之島にぎわいの森 (’13年夏オープン)
フェスティバルホール (’13年4月オープン)
重要文化財を含む近代建築群の魅力が 現状 十分に発揮されていない
市有地を含めて低未利用地が多く
現状 まちづくりのボトルネックとなっている
中之島図書館について、都市魅力の観点
からあり方検討を進める
『構想』推進のトリガーとして
中之島4丁目の市有地整備を進める
魅力的な近代建築が集積しているメリット
を活かし、観光拠点化を図る
文化集客拠点としてのまちづくりを公民
一体で進め、中之島全体に賑わいを拡大

重点エリアのマネジメント2中之島ミュージアムアイランド構想
大阪の新しい都市魅力の創造に向け、中之島を文化芸術の重点地域として位置づけ、エリアのブランド化を図る
『文化芸術』と『水と光』 のシンボリックな融合に向け、公民一体となったマネジメント戦略を展開する
• 市有地において新たな美術館やコンサートホールの整備を検討 (平成25年度には基本計画の策定に着手予定)
• 国立国際美術館や市立科学館とミュージアムコンプレックスを形成 • 世界的な文化集客ゾーンに向けて、公民一体でブランド化を推進
(『文化芸術』と『水と光』のシンボリックな融合)
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1 ■勉強させてもらいましたm(_ _)m
たぶん、“行政”側は世界に誇れる施設を!っと強弁するでしょうが、大阪の魅力は香港とは違い〈素朴に暮らす庶民〉町だと私は思ってますし、意外と大阪人は外の人間はジャイで〈簡単に受け入れる〉体質ではありません。そこが、神戸と横浜の違いだと思います。もちろん、香港とも大いに違います。
ましてや、「世界的な創造都市に向けて ~グレート リセット~」なんて、橋下市長支持者・経済的につながっている人以外の大阪人は、【その時】になって歓迎できるのでしょうか?
仰る通り、各地にある施設を地道に利用し、各音楽団体に利用の斡旋をするのが、大阪市・府民の為だと思います。
この企画が失敗すれば、責任をはっきりさせるそうですが、さてもし、“橋下市長の好きな”数字が思い通りにならなければ、大阪の住民に押し付けかねないと思っています。《 ~グレート リセット~に非協力的》だったと言って。
橋下市長には、ほんとに大阪市・府民の事を考えてほしいっと思っています。