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危機感に欠けた民主党大会

2013/2/25付
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 これから何を目指すのか。誰に支持を求めるのか。民主党が衆院選敗北後の初めての党大会を開いたが、肝心な疑問に答えたとは言い難い。夏の参院選の結果次第では野党第1党の座すら失いかねないにもかかわらず、熱気も危機感も乏しい集まりだった。

 党大会の目玉は綱領の制定だった。執行部が衆院選後に実施した落選候補からの意見聴取で一番多かった「党がばらばら」という声を踏まえ、党の針路を明確にする必要があると判断したからだ。

 打ち出したのは社会的な弱者への支援を強調する「共生社会」との概念だ。ただ、制定過程で党内がまとまらず、「中道」との単語を盛り込むことは見送った。

 自民党が保守寄りに傾きつつあるとみられている中で、対立軸をはっきりさせる絶好の機会だったが、ものごとを決めきれない体質をまたも露呈した格好だ。支持基盤の一つに「働く者」という表現を入れたことは労組依存の印象を強めた。

 衆院選の敗因を総括した党改革創生本部の報告も「立ち位置は正しかった」など自己弁護のような表現が並んだ。本気で反省しているのかどうかが疑われる。これでは反攻の糸口はつかめまい。

 「きょうから靴底減らし運動を始めたい」。登壇した海江田万里代表は党勢回復に向け、国会議員や地方議員に地道に選挙区を回るよう促した。

 口の達者な目立ちたがり屋が多いが、それを実行する手腕はからっきし。そんなイメージを払拭するところから始めたいという意図はわかる。

 だが、参院選での野党の選挙協力をどう構築するのか、など具体的な反攻戦略を記者会見で聞かれると「時間をかけるつもりはない」などと曖昧だった。

 与党を脅かす健全な野党の存在なしに民主主義は成り立たない。それが民主党なのかどうかという局面に追い込まれていることをよく意識して党再生に取り組まなければ、民主党の先行きは暗い。

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