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2013年2月25日(月)付

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日本原電―原発の後始末に着手を

原発を専業とする日本原子力発電(日本原電)の行き詰まりが表面化した。敦賀原発(福井県)など、保有している原発を動かすめどが立たないなかで、4月に返済期日を迎える借入金の[記事全文]

公判前手続き―「始まらない裁判」の罪

えっ、まだ始まってもいなかったの?驚き、あきれる声が聞こえてくるようだ。東京都内の高校生が死亡したエレベーター事故で、業務上過失致死罪に問われたシンドラーエレベータ社[記事全文]

日本原電―原発の後始末に着手を

 原発を専業とする日本原子力発電(日本原電)の行き詰まりが表面化した。

 敦賀原発(福井県)など、保有している原発を動かすめどが立たないなかで、4月に返済期日を迎える借入金の借り換えがむずかしくなった。

 とりあえず、原電の株主で電気も買っている大手電力4社を中心に、債務保証や資金支援でしのぐ方向だという。

 だが、当事者たちも認めるとおり、「一時的な救済策」にすぎない。

 日本原電がもつ休止中の原発3基は、敷地内で活断層の存在が指摘されたり、運転期間の寿命とされる40年をすぎていたり、地元自治体が再稼働に反対していたりする。今後も稼働は困難だと考えるべきだろう。

 事実上の清算処理を視野に入れざるをえない。

 やっかいなのは、ふつうの企業のように債権債務を整理して終わり、とはいかない点だ。

 使用済み核燃料の保管という問題がある。廃炉では、放射性物質に汚染された施設を、長い年月をかけて安全に処理しなければならない。すでに廃炉作業に入っている原発も1基ある。

 原電を整理する際、こうした負の資産を、責任をもって引き受ける受け皿が必要だ。

 貸手である金融機関の責任を問うにしても、新たな資金が必要になる。

 本来は事業者が廃炉に必要な費用を積み立てておくのがルールだが、予定より早く止まることもあり、原電は十分な積立金を確保できていない。

 電力業界全体も原発に代わる火力発電の燃料費増大などから経営環境が厳しくなっている。

 地域独占に安住し、もたれ合いのなかで原発依存を進めてきたツケがまわった形だが、一つのほころびが連鎖反応を呼びかねない。

 原発推進は国策でもあった。電力の安定供給に支障が出るようなシステム危機を避けるためにも、政治がきちんと関与していくべきだ。

 むろん、電力会社の経営への波及を恐れて、原発維持に動くのは本末転倒である。

 民主党政権下では、国内の原発を特定の事業体に集約し、安全管理や廃炉作業を担うといった考えも浮上していた。

 今後の原発政策全体をにらんで、原電の抜本処理を進めることが不可欠だ。

 だれが、どのように負担していくべきか。廃炉の技術や人材の確保を含めて、「原発の後始末」に早く着手しなければならない。

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公判前手続き―「始まらない裁判」の罪

 えっ、まだ始まってもいなかったの? 驚き、あきれる声が聞こえてくるようだ。

 東京都内の高校生が死亡したエレベーター事故で、業務上過失致死罪に問われたシンドラーエレベータ社元幹部2人の初公判が、来月11日に開かれる。

 事故から7年、起訴からでも4年。検察、弁護の双方が、法廷でする予定の主張を裁判所に示し、証拠調べの順番や審理の日程を決める「公判前整理手続き」に時間がかかった。

 この遅れは、刑事司法に対する信頼を大きく傷つけた。

 とりわけ、いったん提出した事故原因の鑑定書を途中で取りさげ、やり直した検察の責任は重い。起訴の正当性にもかかわる不手際ではないか。

 今回のケースほどではないにしても、公判前整理手続きの長期化が問題になっている。

 争点をしぼり集中的に審理する裁判員裁判では、この事前整理を必ずおこなう決まりだが、2011年の場合、被告が犯行を認めている事件でも平均5・0カ月、争う事件では8・3カ月を要した。「裁判員元年」の09年に比べ、2〜3倍の時間がかかった計算だ。

 むろん早ければいいという話ではない。被告の防御権を侵したり、見切り発車して公判になってから迷走したりするようなことはあってはならない。

 だが、裁判本番までの期間が長びくとどんな事態を招くか。

 まず、証人の記憶があいまいになる。捜査段階の供述ではなく、公の法廷のやり取りで黒白をつけようというのに、その土台がゆらいでしまう。

 被告の多くは身柄を拘束される期間が延びる。被害者もまた不安定な立場におかれ続ける。

 検察側が集めた証拠がはばひろく開示されるようになり、その検討や整理に一定の時間が必要なのは理解できる。

 であるならば、それを前提に運用の工夫をこらし短縮に努める。それが法律家の役目だ。

 意識のあり方も問われる。

 有罪・無罪の判断や、刑の重さに影響をおよぼすとは思えない部分についても徹底して争おうとすれば、公判前か開始後かを問わず、時間はいくらあっても足りないだろう。

 事件の内容を見きわめ、真に争うべき点を争う。国民が参加する裁判員制度の導入を機に、目標にかかげられた「メリハリある裁判」の実現を、常に念頭におかなければならない。

 施行からまもなく4年。順調に歩を進めてきた裁判員裁判だが、落とし穴はあちこちにひそむ。気を抜いてはいられない。

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