大曲市に郊外型の大型店進出 97年オープン予定
地元商店に影響必至(96・11・29記)
大曲市戸巻町の国道13号大曲バイパス沿いに97年に向けて一つの敷地内に4棟の共同店舗「ケーズショッピングセンター」の出店を計画している株式会社「よつば電機(本社・福島県郡山市)」と株式会社「ローヤル(本社・東京都大田区)」、株式会社「坂上建設(福島県郡山市)」は29日、大規模小売り店舗法第二種の規定に基づいて地元説明会を市商工会で開いた。説明会には地元から小売業者や消費者代表ら20人の参加という関心の薄さを見せたが、家電製品とカー用品、ゲームセンター、それに24時間営業のコンビニエンスストアがセットで郊外に誕生するだけに、地盤沈下が進む市街地の商業活動に大きな影響を与えることは必至だ。
説明会で家電製品とコンビニエンスストアの設置者となるよつば電機は「大曲市花館に1988年に店舗をだしたが、近年のワイドテレビや大型冷蔵庫の普及および、パソコンなど情報家電商品の参入で現店舗では品ぞろえの充実が困難な状態」だとし、「豊富な品ぞろえ、消費者ニーズの夜型傾向に応えるためにも新しい店舗の進出を決意した」と理由を述べて、理解を求めた。
また、カー用品店舗の設置者となるローレル及び小売業者として入るティアールティ秋田販売の「イエローハット大曲店」の代表は「車を扱うプロとして時代のトレンドに合わせた商品開発と商用やレジャーに快適なカーライフを提案し、地域密着型のサービスを向上させたい」と述べた。
さらにゲームセンターの設置者となる坂上建設の代表は「健全な形で遊んでいただくよう、店内も清潔で明るいオープンなイメージを大切にしたい」と述べた。
計画によると敷地面積1万6423平方メートル(4967坪)を4人の土地所有者から賃貸契約で確保。駐車台数299台の駐車場を設け、よつば電機は「カトーデンキ大曲パワフル館」の店舗名で、カー用品のティアールティ秋田販売は「イエローハット大曲市店」で、ゲームセンターの坂上建設は「セガワールド大曲店」で、そして24時間営業のコンビニエンスストアは「ミムラストア」でオープンするという。
カトーデンキ大曲パワフル館は鉄骨平屋建てで店舗面積は2247平方メートル。閉店時間を午後8時とし、年間休日は24日。従業員数17人(うちパート3人)でオーディオ商品、映像商品、OA機器、ホームエンター商品、家電、最寄り品、季節商品などを取り扱い、年間販売額は9億円を目指したいとしている。
イエローハット大曲店は鉄骨平屋建て601平方メートルの店舗面積を持ち、閉店時間は8時。年間休業日数は10日とし、タイヤ、アルミホイール、オーディオ、オイルケミカルなどを扱い、年間販売額は3億円を目標に上げている。
セガワールドは鉄骨二階建てとし、店舗面積は693平方メートル。午前10時から午後0時までの営業時間とし、従業員数は20人(うちアルバイト18人)で常時5人体制で営業を予定。縫いぐるみ人形をつり上げる遊具機の「プライズ」20台、メダルでビンゴゲームなどを遊ぶ「メダル」40台、テレビゲームの「ビデオ」40台、車やオートバイなど乗物のスリルを楽しめる「体感・アップライト」20台などを合計135台の機器をそろえ、年間売上を1億6800万円としている。
ミムラストアは店舗面積133平方メートルで、24時間営業、年中無休の店舗とする。販売品は菓子類と食品、日曜雑貨、弁当、牛乳など日配商品、雑誌類で年間販売額を1億2000万円を目指すとしている。
出店にあたって4店舗の代表は「従業員の採用に当たっては、地元商業店からの引き抜きはしない」「商業秩序を乱すような不当表示はしない」とし、商工会議所及び地元商店会の実施する催しなどには協力して、地元商業の発展に努力したいと述べた。またゲームセンターのセガワールドは「16歳未満の客の単独入店は制限し、保護者同伴でも16歳未満は午後6時まで、18歳未満は午後10時までと時間制限を徹底したい」と配慮することを述べた。