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【プレイバック芸能スキャンダル史】

病気を抱えていた根津甚八が起こした交通事故

【芸能】

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2012年11月14日 掲載
<2004年7月>

 数多くのドラマ、映画で活躍した根津甚八。原因不明の難病とともにうつ病に苦しみ、10年9月には俳優引退宣言をしたが、04年にはこの病気からくる視力障害が原因ともみられる交通事故を起こしている。
 7月6日、午前11時20分ごろ、目黒区の閑静な住宅街にある交差点で、ガシャンと大きな音が響いた。車と自転車の衝突事故だった。自転車の67歳の男性が衝撃で10メートルほど飛ばされ、血を流し倒れていた。車に乗っていた男性が駆け寄る。近所に住み、歯医者に行く途中の根津甚八(当時56)だった。根津は倒れている男性に「おじさん、おじさん」と声をかけるが、ぐったりしたまま。救急車を呼んで懸命に心臓マッサージを試みるが……。
 結局、男性の意識は戻らず、そのまま頭蓋骨骨折で死亡した。根津は警察で「安全確認が足りなかった」と供述。後日、書類送検されたが逮捕はされず、8日に行われた被害者の通夜に弔問に現れた。その様子は痛々しく、足をひきずりながらフラフラして夫人と事務所関係者に支えられてやっと歩いている状態。集まった報道陣の問いかけにも、答えもままならない憔悴(しょうすい)ぶりだった。
 根津は事故の前、2年ほど俳優活動を休止していた。変わり果てた姿は事故だけが理由ではなかった。彼の知人が明かしたところによると、当時根津は右目下直筋肥大という病気に侵され、それが原因で物が二重に見える「複視」という症状や目を自分の意思で動かすことが困難になる症状に苦しんでいた。
 実際、複視を治す手術を受け、その影響で右まぶたが垂れ下がってしまった。何度もの整形手術を受けて俳優人生の危機と直面し、同時にうつ病も発症。さらに腰も悪くし、事故の翌年、椎間板ヘルニアの手術を受けたが、歩行に障害が出る状態だったようだ。
 もともと、事故の起きた交差点は交通量の多い割には見通しが悪く、3年間で9件の交通事故が多発する「魔の交差点」でもあったが、事故と視力障害などとの関連がささやかれたのはいうまでもない。
 これからというときに病気に苦しみ、表舞台から姿を消した根津。ついに10年9月に、夫人が代弁する形で「俳優引退宣言」。現在は車椅子の生活だが、芝居への情熱はまだまだ強く、演出家や脚本家として再起を目指しているという。
 69年に唐十郎率いる状況劇場に入団。看板役者として鳴らした後、78年のNHK大河ドラマ「黄金の日日」の準主役、石川五右衛門役で人気を集めた。その後も黒沢明監督の「影武者」「乱」やキネマ旬報主演男優賞を受賞した柳町光男監督の「さらば愛しき大地」などに出演。80年代から90年代にかけて演技力と個性的な風貌で、注目を浴び続けただけに、円熟期を前にした一連の不運が惜しまれる。

◇2004年7月 11日、第20回参議院議員通常選挙。民主党が初めて国政選挙で自民党に勝利を収める。18日、福井豪雨が発生し、JR越美北線の鉄橋が流失。21日、小泉純一郎首相と韓国の盧武鉉大統領が済州島で会談。30日、扇千景が女性初の参議院議長に就任。
~2012年11月14日以前の記事~

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