【北陸発】新潟がFGT延伸構想 上越−県都の便確保
県側示す 石川、富山は困惑新潟県は十四日、北陸新幹線の金沢−敦賀開業時に大阪−富山で導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を、新潟県内まで運行させる構想をまとめた。石川、富山両県はFGTを「あくまで敦賀から大阪延伸までの暫定措置」と位置付けており、延伸議論に一石を投じそう。(松本浩司) FGTはレール幅に合わせて左右の車輪の幅を変えられる。在来線と新幹線を行き来できるため敦賀開業時に敦賀以西の在来線と北陸新幹線を乗り換えなしで結ぼうと民主党政権時に導入が決定。フル規格(通常の新幹線のレール幅)で大阪延伸までの暫定措置として石川、富山県の沿線が受け入れた経緯がある。 新潟県の新構想「県内の鉄道交通のグランドデザイン」は、泉田裕彦知事をはじめ国土交通省北陸信越運輸局と北陸地方整備局、JR東日本新潟支社のトップが集まった会議で承認された。 構想では「FGT等による上越新幹線と北陸新幹線、在来線の直通列車等の運行」と明記。担当者は「FGTが実用化されれば、大阪から富山までと同様に新潟県内に延ばすのは有力な選択肢だ」と話した。構想の背景として、北陸新幹線金沢開業で上越駅(仮称)−新潟駅の便が悪くなる危機感などがある。 だが新潟の構想に対し、石川、富山県内の沿線関係者からは「大阪と東京をフル規格でつなぐ北陸新幹線の意味がなくなる」「暫定措置のFGTを固定化することにつながりかねない」と反発する声が漏れる。 石川県幹部は明確な評価を避けつつも「すぐに実現するとは思えない。どういう意味があるのか…」と新潟県の狙いを測りかねた様子。富山県担当者は「初めて聞く。詳細が分からずコメントしようがない」と戸惑い「あくまで大阪までフル規格整備を急ぐ」と話した。 自民党整備新幹線等鉄道調査会の幹事長に就任する予定の岡田直樹参院議員(石川選出)は「本来は富山−大阪のFGT導入も認められず、不必要なもの。FGTはフル規格の障害になる」と指摘する。 PR情報
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