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歌舞伎俳優、十二代目市川團十郎さん死去
江戸歌舞伎を代表する名門、市川團十郎家当主で、おおらかな芸風で人気を博した歌舞伎俳優、十二代目市川團十郎(いちかわ・だんじゅうろう、本名・堀越夏雄=ほりこし・なつお)さんが3日、肺炎のため死去した。66歳。葬儀・告別式の日程などは未定。
團十郎さんは昨年12月、京都・南座での「吉例顔見世興行」出演中、風邪による体調不良で休演。「肺炎の兆候がみられる」との診断を発表して療養に専念し、4月の歌舞伎座開場公演に備えていた。平成16年には急性前骨髄球性白血病が判明し、一時復帰するも17年に再発。20年には妹の市川紅梅さんから骨髄移植を受けるなどして克服し、舞台に立ち続けていた。
昭和21年、十一代目團十郎の長男として東京に生まれ、28年、7歳で市川夏雄を名乗り「大徳寺」の三法師で初舞台。33年「風薫鞍馬彩(かぜかおるくらまのいろどり)」の牛若丸で六代目市川新之助を襲名。44年、「助六由縁江戸桜(ゆかりのえどざくら)」の助六などで十代目市川海老蔵を襲名、60年には「勧進帳」の弁慶などで十二代目團十郎を襲名した。團十郎の名跡が20年ぶりに復活した襲名披露興行は、歌舞伎座空前の3カ月連続で行われ、社会現象になるほどのブームを起こした。
家の芸、荒事そのもののような豪快で線の太い芸が魅力で、当たり役に「歌舞伎十八番」の「勧進帳」弁慶や「助六」のほか、「仮名手本(かなでほん)忠臣蔵」の由良之助(ゆらのすけ)など。「十八番」で上演が途絶えていた「外郎売(ういろううり)」「景清」を復活する一方、新作にも意欲的で「成田山分身不動(ふんじんふどう)」「上意討ち」のほか、三升屋白治(みますやはくじ)の名で自ら脚本を手がけた「黒谷(くろだに)」を上演した。
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