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豪快に煙を吐く人気のSLを撮ろう

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公開日2009年07月28日

Lesson2 SLの一部分を切り取り、イメージカットを撮る

point1
単線の時間待ち、始発・終着駅でSLが停車しているときをねらう
point2
常識にとらわれず、さまざまなアングル、ポジションから撮影する
point3
ドアップにはせず、SLだとわかる程度のポイントは残す
撮影:キヤノン EOS-1Ds MarkⅡ/EF70-200mm F2.8L USM

キヤノン EOS-1Ds MarkⅡ/EF70-200mm F2.8L USM/絞り優先AE(F8、1/1,000秒)/露出補正:-2EV/ISO 100/WB:日陰/RAW/評価測光/焦点距離:200mm
「茂木駅のSL展望台から、停車中のC11を撮影。このような場合、全体を写すのもいいですが、思い切って一部分を切り取り力強い雰囲気を出してみましょう。煙突を中心にねらい、露出を-2EV補正すると、機関車のフォルムと輝く煙が暗く落ちたバックに浮かび上がり、幻想的な雰囲気になりました。さらにWBを日陰に設定し、重厚感を強調してみました」

イメージ写真のコツは、どれだけ多くの変化を見つけられるかにある

 次はアップで切り取る撮影方法を教えてもらおう。「真岡(もおか)鉄道は折り返しの駅で整備をするので、イメージカットを撮るのに適しています」。始発・終着駅の停車中でも絵になるのがSLの魅力の奥深さだ。「アップにしすぎるとなにを撮ったかわからなくなるので、SLらしさを残すようにしてください。煙突のアップだけだと銭湯の煙突と変わらなくなるでしょ(笑)」。イメージカットは想像力をふくらませて常識にとらわれないことがいちばん大切なようだ。
 今回の作例では、トップライトで少し逆光ぎみの光を活かしてアンダーぎみに撮影することで、画面のなかで煙を引き立たせたそうだ。「空を入れると背景が白くなるので上からねらいました。この写真は適正露出で撮ると背景の家が目立ってくるのでおもしろくないと思います。機関車は黒いのでアンダーにすると、光の当たっている部分の質感が強調されます」。試しに適正とアンダーを両方撮って、現場で簡単に比べられるのもデジタルの利点のひとつだ。

ファインダーを左目でのぞく中井さん

ファインダーを左目でのぞく中井さんは、超望遠レンズの手持ち撮影では、両手と左肩、額の4点支持で安定感を高めて、手ぶれを防いでいる

SLをなめるように撮影する中井さん

SLをなめるように撮影する中井さん。近づいてドアップにするときは、”らしさ”を表現するためにプレートや鉄板の質感をねらう

展望デッキから望遠レンズを使って撮影する中井さん

茂木駅駅舎2階の展望デッキから望遠レンズを使って撮影する中井さん。上下方向からの撮影や近接撮影など、豊富なアングルが楽しめる

 

一問一答

SL撮影のポイントはここ!!

SLを撮影するのによい季節はありますか?
夏場は蒸気があまり写らないので、春と、秋から冬にかけてが撮影には適していますね。
SLの好きな撮影地はどこですか?
北海道の釧網線を走るSL冬の湿原号は、雪を取り込むことでドラマチックな写真が撮れます。山口県で運行されているSLやまぐち号はけっこう煙を吐くので迫力があります。
SLを撮影するときの大切なマナーはなにですか?
鉄道撮影の現場では、ビデオを録画している方も多いので大声を出さないことが大事です。また、自分が撮影している場所よりもうしろの位置から撮影している方もいるので、周りにも注意してください。
あると便利な小道具はありますか?
人気の撮影地は場所取りも激しいので、脚立を用意しておくと便利です。あと、液晶モニターで画像を確認する際に、ゴム製のルーペ(UN)も重宝しています。
撮影後のデータの保存はどのようにしていますか?
外付けのハードディスク2台に保存して、とくに大切なデータはDVDにも焼いて保存しています。

デジタルカメラマガジン2008年2月号掲載

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