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「第三極結集」はマヤカシだ 新体制で自民党を変える!

石破 茂氏

自由民主党幹事長

2012年12月号 [インタビュー]
by インタビュアー 本誌 宮嶋巌

石破 茂氏

石破 茂氏
(いしば しげる)

自由民主党幹事長

1957年鳥取県生まれ。慶大法学部卒業後、三井銀行へ。86年全国最年少で衆院初当選(8期連続当選)。防衛庁長官、防衛相、農水相、党政調会長を歴任。9月の総裁選を経て現職。政界随一の防衛政策通である(亡父の二朗氏は建設事務次官・鳥取県知事・自治相)。

写真/平尾秀明

自民党は地力をつけたが、党改革は道半ばです。今、多くの落選議員が復活を目指しています。地元をくまなく回り、支援者の声に耳を傾けてきた彼らは、なぜ、自民党が国民から嫌われたか、一番よく知っています。彼らが国政に復帰することで、党改革は加速する。私は、その先頭に立ちたい。

――法律の造詣が深いですね。

石破 大学時代にとことん勉強しましたね。専攻は民法でしたが、我妻(栄)先生の『民法総則』とか、団藤(重光)先生の『刑法綱要』とか、それこそ一冊目はボロボロになるまで読みました。一番好きだったのは刑法総論ですが、「団藤説」はピンとこなかった。異説でしたが、福田(平)先生に傾倒し、ご著書はすべて読みました。政治の本では田中美知太郎と清水幾太郎を愛読しました。父はあれこれ読めと言う人じゃなかったが、両先生の本を「読んでみろ」とくれたのを覚えています。議員になってからは、防衛安保理論では佐瀬昌盛先生に心酔。とにかく素晴らしい先生で、ご著書の『集団的自衛権』は三十数回読みましたが、まだ理解できないところがあります(笑)。

慶応では、スター教授ではなかったが新田敏先生という立派な先生がおられました。ゼミ生は毎週A4一枚のレポートを書かされます。先生は「ここは論理の飛躍がある」「この書き方は非常に説得力がある」などと、とても細かく丁寧に教えてくださる。あの2年間に鍛えられたことは、本当に後の財産になりました。僕は新田ゼミを1番で出たかったのですが、残念ながら2番でした(笑)。考え抜いた結果「これしかない」という結論を出して、ようやく口に出すという姿勢は、政治家になる前から身についていたもので、振り返ってみると、大学時代に学んだものだと思います。

選挙に強い自民党議員を作る

――経済や社会保障の指南役は?

石破 経済では伊藤元重さん、年金医療では権丈(けんじょう)善一さんの本はなるほどと読め、電話で教えを請うこともあります。農政では生源寺眞一先生のご著書はすべて読みました。私は狭く深く突き詰めるタイプだから、浅く広くは苦手です。本は自分の言葉になるまで読む。誰と議論しても負けないというところまで勉強しないと気が済まない。

――総選挙の勝敗ラインは?

石破 自民党単独過半数です。本当は数だけではなく、選挙に強い議員を作らないとダメ。選挙に弱いと追い詰められた時に、つい迎合的になったり、安易に妥協することもないとは言えないですから。

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