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豪快に煙を吐く人気のSLを撮ろう

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公開日2009年07月28日

Lesson3 太陽を画面に取り込み、SLをシルエットでとらえ旅情感を演出する

point1
広角側を使って、画面に広がりをもたせる
point2
車輪の形がきちんと見える撮影位置を探す
point3
露出は空が適正になるように合わせておく

撮影:ペンタックス K10D/DA16-45mmF4 ED AL

ペンタックス K10D/DA16-45mmF4 ED AL/マニュアル露出(F8、1/1,000秒)/ISO 100/WB:太陽光/RAW/中央重点測光/焦点距離:19mm
「美しいSLのフォルムをシルエットでねらいました。このような場合、車輪まできちんと影絵にしないと列車の存在感が薄れてしまうので気をつけたいところです。この日は線路の奥に残っていた枯れたススキを、鎌ですべて刈ってから撮影しました。特徴的なスポーク車輪が青空に浮かび上がり、活き活きとしたシルエットになりました」

晴れた日だけでなく曇りでもOK。SLをシルエットにして形で表現する

 最後はSLのシルエット描写に挑戦だ。「最近は撮影に適した場所が少なくなっています。限られた場所しかないので、あとから来た人のことも考えながら場所取りをしてください」。マナーとともに譲り合いの精神も必要だ。最適な場所を見つけたら線路脇の下草刈りが始まった。「SLの車輪が抜けて(見えて)いないと、広角でシルエットにしたときに長屋を撮っているような感じになります。車輪がきれいに撮れそうなアングルを見つけてから必要な場所だけ草を刈ります」。線路脇の作業は、列車の通過に細心の注意を払って進めよう。広角レンズを使って画面に広がりをもたせると、旅情感も表現しやすい。晴れた日だけでなく、少し明るい曇りでも使えるテクニックだ。「雲に濃淡があるときにも絵になりやすいのが、SLの魅力です。露出は空が適正になるようにするとシルエット描写になります」。露出はあらかじめ測っておいて、マニュアルで設定しておくとよいそうだ。

 
タイミングを変えて2台のカメラで撮影するプロの技

タイミングを変えて2台のカメラで撮影するプロの技。シャッターを切るタイミングは、あらかじめ決めている。三脚にすえたカメラは、レリーズを使ってシャッターを切る

手慣れた手つきで自ら草刈りをする中井さん

手慣れた手つきで自ら草刈りをする中井さん。クルマには鎌と大きなせんていバサミがつねに積んであり、状況に合わせて使い分けている

単体露出計を使って露出を確認する中井さん

(左)単体露出計を使ってあらかじめ露出を確認する。持っていなくても、デジタルなら試し撮りをして決めればいいので安心だ
(右)草刈りの作業前に、自分の撮影場所をほかの人に知らせるために三脚を置いておく。必要最低限の場所だけを確保しよう

 
 

こたにんの今月の一枚

今月の一枚

こたにん:茂木駅に停車中のC11の車輪を地面に寝そべりながらねらいました。どうですか、先生?

中井先生:スポーク車輪をアップでねらったなかなかニクい作品です。寝転がって撮ったという低い構図もいいですね。もう少しSLらしさが出れば完ぺきだなぁ。

 

K~太のつぶやき

フィルム時代から続くマナーの問題。慈しむ精神と優しさをもって撮影する

 フィルム時代は、風光明媚な場所に行くと必ずフィルムの空き箱やフィルムケースが落ちていた。撮影場所をきれいに大切にする心がなければ、美しい写真など撮れないのに嘆かわしい限りだ。同じジャンルを長年撮っていると、しきたりのようなマナーもわかってくる。初めてのジャンルを撮影するときは、先輩に話を聞いて教えを請うのがよいだろう。むずかしく考えず、先に来ている人にあいさつをして話しかければ問題ない。世話好きの人が多いのも写真愛好家の特徴だ。

(佐々木啓太)

デジタルカメラマガジン2008年2月号掲載

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