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【社会】

愛知・東浦市 人口水増し 前副町長逮捕

 市制移行を目指していた愛知県東浦町の二〇一〇年国勢調査で人口を水増ししたとして、県警捜査二課などは二十二日、統計法違反の疑いで、東浦町の前副町長荻須英夫容疑者(63)=同町緒川屋敷壱区=を逮捕した。

 逮捕容疑は一〇年十一〜十二月、調査票が提出されていない世帯で、居住実態を確認していないのに住民基本台帳に登録されている人数を追記するなどして計三百三人を不正に水増しした疑い。

 町関係者によると、荻須容疑者は一〇年当時、調査を取り仕切る広報統計係長らを指導、監督する立場だった。捜査二課は市昇格の要件とされる人口五万人を満たすためだったとみて前町長の関与も調べる。

 捜査二課によると、荻須容疑者は「不正行為を指示したことや承知したことはない」と容疑を否認しているが、複数の町職員は「荻須容疑者に人口が五万人未満という結果を報告した後、水増しの指示があった」と証言している。

 捜査二課は荻須容疑者の指示を受けて不正に関与したとみられる職員も任意で事情を聴いており、容疑が固まれば書類送検する。

 警察庁によると、国勢調査で人口を水増しした事件は、一九七二年に北海道羽幌町長や町幹部が統計法違反容疑で書類送検され、翌年に有罪判決を受けた例がある。

 一〇年十二月に東浦町の国勢調査で水増しがあったとの匿名文書が総務省統計局に届き、統計局が町に調査を要請。町の人口は一一年二月の速報値では五万八十人とされたが、約八カ月後の確定値では四万九千八百人に下方修正された。

 市制移行の要件とされる人口に届かなかったため、町は市制移行を断念。町は記者会見などで、意図的、組織的な水増しを否定していた。

 

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