社説
竹島の日 日韓の悪化は避けたい(2月22日)
安倍晋三内閣は、島根県がきょう開く「竹島の日」記念式典に、内閣府の島尻安伊子政務官(海洋政策・領土問題担当)を派遣する。
政務三役の出席は初めてだ。領有権を主張し島を実効支配している韓国は反発している。
日本側も歴史的に固有の領土だと訴えている。政府関係者が出席する意義はあろう。ただ日韓関係が悪化することは避けなくてはならない。
北朝鮮の核・ミサイル問題などをめぐり日韓連携の重要性はこれまで以上に高まっている。両国は対応をエスカレートさせず、領土問題は話し合いで解決を目指すべきだ。
島根県は1905年(明治38年)2月22日、竹島を県所管とすると告示した。100年後の2005年に竹島の日条例を定め、記念行事は今年で8回目となる。
戦後、竹島の領有を一方的に決めた韓国が、建築物を増やし警備隊常駐などを進めることに対抗し、県が啓発活動を強めたものだ。
竹島の日制定に韓国は強く反発してきた。1904年に日韓議定書を締結し、10年に韓国を併合する過程での県告示は、植民地支配の第一歩だったとの主張だ。
これまで政府は、韓国との関係悪化を避けるため、式典出席を見送ってきた。
菅義偉官房長官は初めて政務三役を派遣する理由を「竹島をめぐる領土問題に関するわが国の立場を明確にする」ためと述べた。両国民が納得のいく、より丁寧な説明が必要だ。
自民党は、衆院選公約に政府主催の式典を開くと明記した。25日に韓国の朴槿恵(パククネ)次期大統領就任式があることから見送ったが、党支持者への配慮が必要となり県式典出席に踏み切るものだとの見方もある。
昨年、李明博(イミョンバク)大統領が初めて竹島に上陸したことも日本政府の判断に影響しただろう。ただ、政府は国際司法裁判所への単独提訴を見合わせるなど対応を和らげてきた。
一方で首相は朴大統領就任式への出席を見送った。麻生太郎副総理が参列するが、5年前の李大統領就任式には福田康夫首相が出席し首脳会談を行っている。
安倍首相は両国のトップが代わる関係修復の好機を見送るもので、首をかしげざるを得ない。
首相は従軍慰安婦の強制性を認めた「河野官房長官談話」見直しも主張しており、アジア諸国から歴史認識に疑念を持たれている。竹島の日式典への政務官派遣が、摩擦を必要以上に強める懸念は小さくない。
対中国外交や経済面の連携強化など日韓間に課題は多い。領土主張は当然としても、先を見据えた戦略とバランス感覚ある外交が必要だ。
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