コラム
窪田順生の時事日想:角田美代子容疑者に“戸籍ロンダリング”を伝授したのは誰なのか (3/3)
[窪田順生,Business Media 誠]
養子を組んだ人間同士で“共犯”になれる
かつて養子縁組ビジネスをしていた暴力団関係者が言う。
「養子縁組ビジネスのいいところは、家族の問題にできるので警察の介入を防げるということだが、ほかにもう1つある。養子を組んだ人間同士で“共犯”になれること。勧めた多重債務者が今度はブローカーになって、ほかの多重債務者に勧めるなんてことも多い」
ということは、養子縁組の悪用を繰り返すということでファミリーの結束が強まり、巨大な犯罪集団へと拡大していったということではないのか。
角田美代子容疑者がいったい何をしたかったのかはまだ分からない。だが、あの人物相関図を見ていると、彼女が明らかにプロの手口を使っていることだけは分かる。
報道によると、これまで彼女は「月岡」「東」と姓を変えたというが、本当にそれだけなのか。飲み屋で一緒になった知人が過去のことを聞いたら、異様に怒ったとインタビューで答えていた。
先ほどの暴力団関係者が述べたように、“戸籍ロンダリング”はまるでネズミ講のように共犯者を増殖させていく。そこで、「親ネズミ」が本当に角田美代子容疑者なのかという疑問が浮かぶ。
彼女自身がどこかのタイミングで何者かの“共犯”となって、この支配と殺人のスキームを伝授された可能性はないか。本当の黒幕はどこかでほくそ笑んでいるのではないか。何だかそんな気がしてならない。
関連記事
森口尚史さんのウソで露呈した、マスコミの“弱点”とは?
iPS細胞をめぐって、読売新聞が森口尚史さんにダマされたなんだという騒動がようやく落ち着いてきた。それにしても大手マスコミがなぜ相次いでダマされたのか。その背景には、マスコミが抱える構造的な問題があるからだ。NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
言葉を生業にしているマスコミだが、会社によってビミョーに違いがあることをご存じだろうか。その「裏」には、「華道」や「茶道」と同じく「報道」ならではの作法があるという。借金大国日本で“踏み倒す人”が急増している理由
国民年金、給食費、授業料、治療費……今、公的な支払いを踏み倒す人が増えている。この背景には、いったいどんな「裏」があるのだろうか?天才チンパンジー“パンくん”の女性襲撃は予見されていた?
『天才!志村どうぶつ園』などに出演している天才チンパンジー“パンくん”が、20歳の女性にかみつき、全治2週間のケガを負わせた。テレビ出演には専門家から何度となく警告が発せられていたが、それを無視し続けたことが今回の事故につながったのかもしれない。受信料徴収や新聞勧誘の裏ワザ、“てんぷら”って何?
新聞勧誘やNHK受信料徴収の現場では、しばしばインチキが横行しているという筆者。そのインチキの1つに“てんぷら”というものがあるという。「アニメは見ない」という人までファンに変えた、『TIGER & BUNNY』の仕掛け
テレビ放映時から多くのファンを魅了してきた『劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-』(9月22日公開)に、期待の声が高まっている。これまでも話題の作品を世に送り出してきたサンライズ エグゼクティブプロデューサーの尾崎雅之氏に話を聞いてみた。
Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special