貴重な中継ぎ右腕に異変だ。渡辺が、右肩の張りを訴えて、ブルペン投球を回避。以降のメニューを組み替えると、早々にグラウンドをあとにした。
突然の事態に杉本一弘チーフトレーナーは「何も言えません」と口をつぐんだが、報告を受けた和田監督が「肩がしっくりこないということでね。少しノースローでいこうと。ちょっと気になるみたいだから。2、3日はノースローでいく」と説明した。
渡辺は6年連続で40試合登板を記録するなど、セットアッパーとしてフル回転してきた。昨季も50試合に登板し、防御率2・06(勝敗なし)と安定した成績を残した。
今季は抑えに久保を配置転換。新クローザーへとつなぐ、勝利の方程式作りは必須課題で、仮に『W』を失うことになれば、大きな誤算が生まれる。疲労蓄積も心配される渡辺は「何もないです…」と、ひと言を残した。中継ぎ左腕の筒井も今キャンプ中、左肩を痛めて安芸2軍キャンプでリハビリ中。福原とともに右の中継ぎ陣を支える鉄腕が、離脱ということになればチームにとっても大きなダメージだ。
★虎の中継ぎ事情
右投手では福原が順調な調整を続けているが、渡辺に加え、背中の張りを訴えている松田、練習試合で制球難を露呈したD3位・田面ら不安だらけだ。先発に再挑戦中の鶴がローテーションから漏れた場合には、ロングリリーフに戻る可能性もある。左投手では榎田が先発に配置転換したため、筒井と加藤が2枚看板。ベテランの加藤は自己流調整が認められており2軍に帯同中だが、筒井は左肩痛を抱える。オリックスから新加入した高宮、藤原らも候補者だが、キャンプ中の練習試合では結果を残せなかった。
(紙面から)