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 まず僕が一番音楽雑誌を読んでいた時期は「rockin'on」「ROCKIN'ON JAPAN」「MUSICA」「snoozer」「bridge」「ミュージックマガジン」を定期購読し、音楽からは外れるけど「CUT」「SIGHT」を読んでいました。「音楽と人」も内容次第では買い、他の雑誌もいろいろ本屋で立ち読みしていました。時期としては2004年から2010年くらいの間だったと思います。それがここ2年ほどで全ての音楽雑誌を購読をやめるようになったことをたびたびtwitterで愚痴っていて、あるフォロワーの方からそのことを聞かれたので今回あらためて考えてみた次第です。


 それでいろいろ理由があったのでこうやって記事にまとめてみました。大きな理由としては3つあります。

1. レビューが退屈

 自分が購読していたもののほとんどはロッキング・オン社関連の雑誌です。それ以外の会社から発行されているものでも大抵はロッキング・オン出身のライターが書いている雑誌がほとんどで、それらのものを除くとミュージックマガジンくらいしか残りません。それらの雑誌のレビューが相対的に力を失っていったのはネットの影響が大きいと思います。

音楽雑誌のレビュー
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 雑誌のレビューには字数制限があり、また基本的には絶賛/賞賛が大半になっているのが現状です。これは収益システムが広告に依存していることもあるけれど、日本という国において批評やジャーナリズムの文化が根付きにくいからだと思います。ジャーナリズムの精神が音楽メディアにおいて有効なのかはいまいちわからないけど、アメリカやヨーロッパのネット上の音楽メディアとの違いはわかりやすいです。例えばPitchforkもおそらくは広告に依存した収益体制なのでしょうけど、あれほど辛口な点数をつけたレビューがゴロゴロころがっているメディアが存在している以上、広告主の存在が批評の妨げになっているという言い訳は通用しないと思います。

 あと元々日本の音楽雑誌は過度にレコード会社の広告に依存してきた面もあるのですが、雑誌がフェス事業を手掛けるようになったことも影響していると思います。批評よりも紹介に重心を置いた誌面作りに変化しているのだと思います。

ネットのレビュー
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 個人ブロガーの批評は音楽雑誌のものとは明確に違います。音楽雑誌はその分野に関するレビューを網羅しなければいけないのですが、個人ブロガーは好き勝手に選ぶことができます。それから広告に依存していないから絶賛・賞賛のみならず、貶す記事を書くこともブロガー次第です。僕はここ一年くらいはDJホームランさんという方の記事を特に愛読しています。他にも様々な個人ブログをRSSで購読しています。それからプロのライターの方のtwitterもフォローしているのですが、どうもtwitterだとぽろっと好きな作品のことを呟いていて、その情報が自分にとって有益なものだったりします。

 それから気になる作品があったらまずGoogleのブログ検索とamazonのレビューをチェックします。amazonのカスタマーレビューに関しては、日本のレビューは海外と比較して質が低いのですが、それでも「良い作品」「悪い作品」に関してはしっかり反映しているので、音楽雑誌のレビューと比較すると全然信頼度が高いです。

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 ちなみにネットメディアの批評に関しては、僕の知る限りele-kingとCOOKIE SCENEが手掛けていますが、あまり雑誌との違いがわかりません。字数制限が無いくらいしか今のところ感じません。

2. インタビュー記事がネットに出回るようになった

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 ナタリーやOTOTOY、excite music、ele-kingの影響が大きいです。「音楽雑誌ならではの切り口」をしている雑誌もいるのでしょうけど、それを言ってしまえば「ライターならではの切り口」もそれぞれあるわけで。ちなみに僕は渋谷陽一信者だったのですが、先日のROCKIN'ON JAPANにおける桑田佳祐インタビューも、字数と時間の制約もあるのでしょうが、桑田ファンから見て納得のいく記事ではありませんでした。

3. 情報が遅い

 これも2と同様です。ナタリーが誕生して、雑誌を通してニュースを知ることはほとんど無くなりました。

 1〜3以外の理由で逆に音楽雑誌を読むとすれば連載コラムしかありません。今の自分の場合「渋松対談」と「激刊!山崎」くらいしか興味が無いのですが、これだけだと音楽雑誌をわざわざ買う理由にもならず、立ち読みで済ましてしまうし、最近だと立ち読みすらしなくなることもしばしばあります。

結論、そして音楽雑誌はどうなるのか

 自分が音楽雑誌を買わなくなった一番大きな理由はネットの充実によるものだと思います。ですが雑誌をめぐる情勢や役割もここ5年ほどで変わってきています。ですがその変化に対して対応できていないのではないか?というのが正直なところです。まだまだ音楽メディアは必要だと思いますが、音楽雑誌は僕にとってもう必要なものではなくなりました。

 ここからは想像ですが、おそらく洋楽ロック誌は今CD-BOXやアナログBOXを熱心に買う世代があと10年くらいはいるので、その後に大規模な再編成が進むと思います。何誌かが休刊、もしくは誌面縮小することになると思いますが、おそらくそれに変わる洋楽のネットメディアが生まれると思います。邦楽ロック誌に関しては発行数が今どのくらいなのかはわかりませんが結構安定していそうなので、それに変わるネットメディアは生まれず、現在のROCKIN'ON JAPANとRO69の関係のように雑誌からネットへの転載が主流になると思います。そしていつか確実に少しずつ衰退していきます。

 日本におけるPitchforkのようなネット上の批評メディアが生まれるかについてはブロガー周辺から誕生するしかないと思います。どう考えても既存の日本の音楽シーンからは生まれません。下にリストをつくりましたが、おそらくHi-Hi-Whoopeeさん
のような人が作るのではないかと。もちろん自分もその流れには加わりたい、いや生み出したいとは思っているのですが。

 最後に僕が購読している音楽ブログ、あとフォローしている音楽ライターの方のリストを書いておきます。

日々の音色とことば
RO69 - 中村明美の「ニューヨーク通信」
YUMECO RECORDS.
Sketches of Silence
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Mariko Sakamoto's Blog Transmissions from a pop life.
DAの今日何しましたか?
TAKUYAONLINE
club snoozer
曽我部恵一日記
DJ HOMERUN
レジーのブログ
Hi-Hi-Whoopee
GOLD SOUNDZ!
青春ゾンビ
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宇宙 世田谷 emam
Devil's Own
X JAPAN EXPERIENCE
NOから始まる芸術論
キマグレ GOOD LIFE!
音楽哲学論考

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 最後にこのテーマを投げかけてくれたゆうきさん(@ponntata2117)、どうもありがとうございました。参考になれば幸いです。

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