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ブレードランナー

1982年公開/アメリカ/監督 リドリー・スコット/出演 ハリソン・フォード、ショーン・ヤング、ルドガー・ハウアーほか/ヒューゴー賞作品賞、アカデミー賞視覚効果賞・美術賞ノミネート、ゴールデングローブ賞作曲賞ノミネートほか
 
圧倒的なビジュアルイメージと哲学性。史上もっともSFらしいSFといえる映画。
 
いまだにカルト的な人気を誇る映画で、さまざまなバージョンが存在する稀有な作品である。舞台は近未来、人類がレプリカントと呼ばれる遺伝子工学によって誕生した人造人間を作り出すのだが、宇宙で隷属的な環境の中で生きてきた彼らが人類に反旗を翻すという状況設定で、物語は、主人公のディッカードが、脱走して地球に来たレプリカントを抹殺するべく、結成された専任捜査官“ブレードランナー”の仕事に強引に復帰させられるところから始まる。
 
そして観客は映画が始まってすぐにこの映画の持つ、独特に陰鬱な映像に触れ、圧倒的に異様な雰囲気にどっぷりとつからざるを得なくなっていく。一言で言えば、世界観なのだけれど、まず興行重視の映画界において、これだけ陰鬱なイメージの世界観を堂々と描いている点に驚かされるし、またそこで表現されている世界観が当時の技術にあって、最高の仕事をし、SFXの正しい使い方と、SF映画とは何たるものかを痛烈に伝えようとしているのかがヒシヒシと伝わってくるのだ。
 
基本的に暗い配色を徹底し、暖色はあってもネオンなどの如何わしい部分でしか使っていないのだけれど、イメージを作り出すという点において、一貫してその細部にまで目を光らせて一つの映画を作り上げているというのは素晴らしいの一言に尽きるだろう。
 
そしてこの映画の持つ哲学性にも驚嘆させられる。表面上は、ブレードランナーVSレプリカントという図式になっており、エンターテイメントとしてのわかりやすさを求めるのならば、いかにレプリカントというのが悪いやつらで、それを倒さなければいけないのか、というのを前面に出さなければいけないのだけれども、最初から最後までどう考えてもレプリカントに悪意はあまり見えてこず、むしろ悪戯に人間によって作り出されたレプリカントの悲哀のほうに目が行ってしまい、見ている側はどうしょうもないぐらいに矛盾した気持ちに襲われてしまうのだ。
 
うん、ある程度お金をかけたSF映画で、素知らぬ顔をしてこんなことをやってのけてしまっていること自体がすごいと言える。単純に映画が当たるか当たらないかを考えたとき、自分がプロデューサーだったとしても、このやり方で大衆がついてくるとは思えず、あくまでカルト人気の枠を超えないというのが簡単に想像出来てしまうのだけれど、この制作者たちは、大衆なんて関係ねえと言わんばかりに、確信犯的に自分たちのイメージをやりたいがままに描ききっている。
 
普通ならね、主人公であるディッカードの戦闘能力はもっと高くてもいいわけで、彼がいかにレプリカントを捕らえ、ピンチに陥りながらも倒すのか、という点に主眼をおくのがエンターテイメント映画としての定石なのだけれど、この映画では、ディッカードは言うほど強くもなく、またレプリカントのリーダーであるバッティとの戦いでは終始遊ばれてしまうほどの始末で、その点からも単純にレプリカントを抹殺するかどうかに主眼を置いているわけではなく、あくまで作られた過去しか持たず、中途半端に感情を持ってしまったレプリカントへの同情が映画を支配しているのがわかるだろう。
 
しかもそれが一つのテーマとなっており、ディッカードとは何者か?という映画の枠を超えた論争につながっていくのである。
 
 ちなみに監督のリドリー・スコットはディッカードも本人は気がついていないものの、実はレプリカントだったと断言しており、だからこそレイチェルに惹かれ、ブレードランナーという仕事に対してさえもどこか乗り気でないところがあったのだと話している。確かにレイチェルが疑わしげにディッカードに、自分も面接(レプリカントかどうかを判断する)を受けたことがあるのかと聞いたシーンがあったし、何よりも92年に後悔されたディレクターズ・カット版で、ディッカードにユニコーンの夢を見させることによって、それを表現しているのだから、監督自身がそのつもりで描いていることは間違いないだろう。
 
だがこの話には作り手たちの間にも色々と意見があるようで、単純に映画が監督のものであるならば、ディッカード=レプリカントで落ち着くのだが、そうもいかないところがある意味で映画の奥深さで、面白いところであると言える。
 
うーん、いい映画は色々な解釈が成り立ち、何度見ても色々な発見があるといわれるけれど、この作品はその典型的な例だと思う。ある意味で、映画の神様が映画とはなんぞやと人間に問いかけるために、様々な才能と偶然が重なって作り上げられた映画なのかもしれない。
 
 

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ブレードランナー ファイナル・カット

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