はじめに
「ブレードランナー」は1982年に公開されたハリウッド映画です。監督はリドリー・スコット、主演ハリソン・フォード。
近未来世界を描いたSFもので、公開当時は「ET」の陰に隠れて全く話題になりませんでした。
しかし、哲学的な内容やスタイリッシュな映像が次第にカルト的人気を呼び、今では歴史に名を残すSF映画の金字塔という評価を確立しています。
激しいアクションがあるわけでも、話がわかりやすいわけでもありませんから退屈かもしれませんが、金字塔なだけにこれを見ていなければ「映画好き」とか「映画にくわしい」とか言いづらい・・・というのも又事実。
「見てない」がばれずに華麗に知ったかぶれるように、要点を押さえておきましょう。
STEP1 何版のファンか決めておく
1982年に公開されて以来、劇場版、完全版、最終版(ディレクターズ・カット)、ファイナルカット、ワークプリント版と様々なバージョンが発表されている「ブレード・ランナー」。結末が大きく分けて二つに分かれます。
ハッピーエンドが好きなら
あなたがハッピーエンド好きなら劇場版を好むはずです。「最後に主人公の2人があの乗り物で逃げるところをみて、あ~よかった、と思ってさ~」などと、さも見ていたように言いましょう。
更に、「最後に映っていた森の景色って、キューブリックから『シャイニング』のオープニング映像のあまりを譲ってもらったんだってね」と言っておけば、まさか「ブレードランナー」を見たことがないとは思われないでしょう。
アンチハッピーエンド派なら
アンチハッピーエンド派で深読みが好きということでしたら最終版を推しましょう。
「やっぱりさ~、デッカード(ハリソン・フォード演じる主人公)はレプリカント(人造人間)だって解釈でいいと思うんだよね。だから最後のユニコーンの夢は絶対必要。」と一説ぶちましょう。
更に、「あのユニコーンは『レジェンド/光と闇の伝説』から流用しているんだよね」などと付け加えると、「ブレードランナー」のファンであることを疑われないでしょう。
STEP2 セリフを押さえておく
「ブレードランナー」には数々の名セリフがちりばめられています。知識として知っておいたほうがよいものをあげておきます。
「2つで充分ですよ」
映画の冒頭、ハリソン・フォードが4つ注文するのに、スシバー(?)のマスターが、日本語で「2つで充分ですよ!わかってくださいよ!」と言って押し問答になります。
何が2つで充分なのか?これは長年日本のブレードランナーファンの間で大きな問題となり、「2つで充分ですよ丼」問題として議論されてきました。おそらく「天丼の海老だろう」というのが有力でした。
答えはワークプリント版(試写版)で明らかになっているそうです(実は筆者は見てません。すみません)。
が、ネット上にその映像がアップされていました。
筆者には背びれもみえて、「魚」じゃないかと思います。
「2つで充分なのって、あれ、本当に海老なのかねぇ、海老には見えないね」というと、いかにも試写版を見た感じになりますね。
「雨の中の涙のように」
映画の終盤、寿命が尽きる直前にレプリカントのロイが言うセリフは美しく切なく、この映画のファンが最もシビれるシーンのひとつです。なんと、俳優さんのアドリブだそうです。
「おれは お前ら人間には信じられぬものを見てきた・・・(中略)・・・そういう思い出もやがて消える・・・涙のように・・・雨のように・・・」
「字幕では『涙のように・・・ 雨のように・・・』となっているけど、訳としては『雨の中の涙のように』が正しいよね。でも、前の訳も好きだけど。」と思い入れたっぷりに語りましょう。
おわりに
SFでラブストーリーなのですが、テーマが「人間を人間たらしめているものはなにか」という哲学的な内容を含んでいるため、じっくり見ないとしっかり良さを理解しづらい映画の一つです。
それだけに大勢でわいわい見るのに向いていない面もありますから、これを見ようというときに「いやだよ、眠くなるんだもん」と暴言を吐くのが最も「ブレードランナーをしったかぶる」方法かもしれません。
(Photo by 080411ブレードランナー By.LeeTee)
本記事は、2012/02/07公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。