2013-02-20 00:00:51

トリケラトプスの姿勢について

テーマ:恐竜

トリケラトプス


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トリケラトプス

全長9m、体重は8トンの巨体を支える力強い四肢、
目の上に伸びる長大なツノと後頭部には分厚い大盾のようなフリルを
もつという頑強な体躯をもつ恐竜である。


同時期、同地域に生息した暴君竜ティラノサウルス とは宿敵という
イメージが色濃くあり、
ティラノサウルスとともに恐竜時代の終焉の時を生きた恐竜だ。


化石もよく発見されているためか、よく研究もされており、
ご存じのようによく知られた恐竜のひとつでもある。


しかしトリケラトプスには長い間物議をかもしていた
ひとつの大きな謎があった。

それが「前足の姿勢」である!

恐竜の仲間は
哺乳類や鳥類のように足は体に対して垂直に伸びている
直立歩行型である。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-恐竜と爬虫類の足の付き方

当然ながら恐竜の仲間であるトリケラトプスも
体に対して足が垂直に伸びるということになる。


トリケラトプスの骨格を組み立てる上で、後足はそれに当てはまるのだが、
前足に関しては直立状態で前足の骨を組み立てると
前足の関節がどうやら脱臼してしまうことがわかったらしい。


そのため
トリケラトプスの前足は爬虫類のように
前足の肘を横に張り出して「這い歩き」するような
姿勢であっただろうという復元になったのだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トリケラトプス旧復元

ちょうど前足は腕立て伏せの状態と思っていいだろう。


ところが・・・。


これには大きな矛盾点があった!

それが「トリケラトプスが残した足跡化石」だ!

トリケラトプスの前足が横へ張り出した状態なら、
左右の足跡の間隔は広くなるはずである。


しかし
実際の足跡化石を見てみると、
左右の間隔は胴体の幅と変わらなく狭かったという。

つまり、

前足が胴体から横へ張り出していたなら、

胴体の幅より、足跡の左右の間隔が広くなるはずであり、

ここで矛盾するというわけである。


そこで最新の研究では
体から横に張り出した前足の姿勢を
そのままにして脇を閉めるようにする。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トリケラトプス最新復元

「腕立て伏せ」から
「小さく前へならえ」のポーズにすると思えばいいだろう。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トリケラトプス前足ポーズ1

この姿勢によって
左右の足の幅は縮まり、

発見された足跡化石と合致するという!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トリケラトプスの足跡

その際、足の甲は外側へ斜め前に向くことになる。
これは鰭脚類のアシカや木を登る動物にみられる特徴だが、
トリケラトプスのもっとも力強い親指(第1指)は前方に向く形となり、
力強く前から後ろへ蹴ることは十分に発揮できる。


話変わって
トリケラトプスの姿勢をやってみました。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トリケラトプス前足ポーズ2

人間がやると重心が前へいってしまうのか、腕にたいへんな負荷がかかりますね。
筋トレにいいかもです。脇を閉めるのを忘れずに(^O^b



コメント

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1 ■無題

なんで今まで気づかなかったのか
って感じですね・・・

いつもイラストの完成度高いですね!
人間でやったらめちゃくちゃ面白いです!!

程よいマッチョ・・・いかつい顔・・・
・・・ツボです

2 ■無題

アニキ・・・(笑)

トリケラトプスの前足のつき方を一生懸命考えるって面白い世界ですね

そうか!小さく前へならえだったんだ!
って大発見なんですね

3 ■楽しい発見☆♪^^

おはようございます。

私にとってまさに
「未知との遭遇」

それ位の衝撃と笑いも何故か起こります。(ごめんなさい)( ´艸`)

子供が小さかったら夢中になること間違いなしの本だと思います。

次も楽しみです。
良い一日を~☆ (^_-)ー☆

4 ■ちょwww

最後の絵に笑ってしまいました~!

5 ■未知なる領域

アニキ・・・

天才っす。

6 ■川崎さんらしくない…

何故今頃になってこの説を取り上げたんでしょうか?
平成23年(2011年)の「恐竜博2011」でとっくに紹介されています。

それと人間で姿勢を再現しているイラストは、背中を丸めてお尻が下に落ちる方が自然です。背中を反らせてお尻突き出しているのは、トリケラトプスの姿勢に合わず、とてもおかしいですよ?

アンチ的なコメントになるので掲載されないでしょうが、川崎さんらしくなく、残念ですね。

7 ■出典はどちらでしょうか

いつの、どちらの論文にもとづくものでしょうか。
個人の感想ではなく、出典を明記していただけると勉強になってとてもありがたいのですが…。
「最新」という書き方はやや誤解をうむ印象もあります。

8 ■いろいろ

こんにちは。「これからは剥き出しの力が物を言う時代だ」と確信している破壊と闘争を愛する陸軍元帥・羊です。
久し振りに恐竜に関する記事を見せて頂きました。トリケラトプスの前肢の復元を巡る議論は、「恐竜博2011」の公式カタログで詳しく取り上げられています。↓
http://www.kosho.or.jp/public/book/detail.do?tourokubi=97E0DD388D9B088DFDAB0298BE71EB17576C3DB3E848515D&seq=1&sc=5E52CBE3B5C47A9F0A9FC4E920DDAF0F
あ、この場を借りて書かせて頂きますが、角竜類の中ではトリケラトプスが一番好きです。

少し話は逸れますが、今度は「現時点での最新の学説に基づいたティラノサウルスのイラスト」を見たいと思います。少々難しいようですが、来月からいのちのたび博物館で公開される「スー」の全身骨格を参考にしたイラストを希望します。(。-人-。)このページも見て下さいね。↓
http://www.kmnh.jp/2013_renewal/index.html
http://maakunz.blog.bbiq.jp/blog/2013/02/post-5061.html

今回の記事に関連して、最新のニュースを紹介したいと思います。
「ケラトプス類国内初の化石、鹿児島・下甑島で発見」
https://news.google.co.jp/news/story?cf=all&ned=jp&hl=ja&ncl=d0FB4P_ggIG1woM8GNR0w4X0ht9PM
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1905K_Z10C13A2CR8000/
http://www.dino-paradise.com/news/2013/02/ceratops.html
http://www.dino-pantheon.com/

またしても極めて貧弱と言わざるを得ない断片的な化石ですか。科博の「レイモンド」のような見事な化石などとは到底無縁ではないかと思います。やはり、日本は恐竜不毛の地でしょうか・・・。

9 ■コメントの続き

長文になりましたので、コメントを分割させて頂きます。ご了承下さい。m(_ _"m)ペコリ

あ、後、今回も小ネタを多数発掘しました。↓
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130220/fki13022002100000-n1.htm
http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/info/news/20130220.html
https://news.google.co.jp/news/story?cf=all&ned=jp&hl=ja&ncl=dMvc4aGya4ASGgM
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20130212004
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2927422/10270809
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2928767/10295564
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE91H01O20130218
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130216/erp13021614330005-n1.htm
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2929494/10313481
http://ameblo.jp/paleont-kt/entry-11469146703.html

10 ■無題

「恐竜博2011」の図録が手元にないので、論文名やなどは不明ですが、「恐竜博2011」のWebサイト
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2011/dinosaur/main.html
には、簡単な説明が出ていますね。
この当時で「最新の研究」ですから、「恐竜博2011」の企画段階から逆算すると、1年以上は前に論文が発表されているはずです。

11 ■これは面白い

(#⌒∇⌒#)ゞこんばんは。
トリケラトプスの前脚姿勢については、修正までは「思い込み」や「先入観」と言ったモノが先走りしてたのでしょうねえ。
骨だけでは生態や姿勢の復元は難しいっと言うトコロでしょうねえ。
多分、パンダも絶滅種で骨しか見つからなかったら、肉食もする雑食だと考えられるに違い無いですし。

人間でのポーズですけど、腕の姿勢が重要なのでヘッピリゴシでも問題ないのですよ(笑)
人間が真似して背中丸めたら歩けません(笑)。むりむり。

12 ■これは面白いです。

こんばんは。
トリケラトプスの前脚姿勢については、修正までは「思い込み」や「先入観」と言ったモノが先走りしてたのでしょうねえ。
骨だけでは生態や姿勢の復元は難しいっと言うトコロでしょうねえ。
多分、パンダも絶滅種で骨しか見つからなかったら、肉食もする雑食だと考えられるに違い無いですし。

人間でのポーズですけど、腕の姿勢が重要なのでヘッピリゴシでも問題ないのですよ(笑)
人間が真似して背中丸めたら歩けません(笑)。むりむり。

また、大変申し訳無いのですが、先のコメントではURLを間違えてしまいました。ご免なさい。

また、お絵描き掲示板が消失してしまったようですので、宜しければ再建のほど、お願い致します。

13 ■はじめまして…

昨年の暮れに見付け読み始め、やっと追い付きました!
いつも楽しく拝見させていただいてます♪

小さく前にならえ姿勢もなんとなく無理ありそうですよねιでも、真実はどうか?以上に、真実がどうなのかを考える事に楽しみがある気がします…

さきとぼTV番組で、巨大淡水エイの事をやってて「これか!」って思ってしまいました♪


そんな気付きを楽しめるブログです♪
これからも楽しみにしております(*^ω^*)

14 ■無題

人間での再現図は腕がどうより腰の方がヤバそうですねw

15 ■姿勢

人間が行うとなんかカオスなことになりましたね(笑)
今やなつかしきトリケラトプスの前肢の蹄での復元(JPの怪獣みたいな)

しかしフィギュアで反映されていると言えば、フェバリット(さすが!!)くらいですかね。

16 ■腕立て伏せ

私は脇を締めて腕立て伏せします。
こうすると、上腕三頭筋や広背筋に効果があります。トリケラちゃんに近いかな ?

17 ■コメントありがとうございます

妖怪島流しさん>
やはり、人間でもっていかれますね。
マッチョは程よいのが一番ですw

ラッキー☆さん>
アニキですw
化石からいろいろと推理するのも楽しいものですよ。きっと。

minaさん>
これで恐竜に関心をもっていただける人が増えればうれしいですが・・・どうだろw

kazoomoonさん>
記事を書く際に、最後にまとまらなかったので、
カオスなオチになってしまいました。

チョビ之助さん>
ご指摘ありがとうございます。
人間の足は他の動物にくらべて比率的に異様に長いので
脇を締めて、背中を丸めるといった具合にするのは
まず無理です。
まぁ、たしかにトリケラトプスの姿勢に合いません。

羊さん>
日本で産出されるものはやはり、海ものが多いですね。
やっぱり恐竜はむずかしいのかな。

RIBON-Yさん>
古生物の復元って、やはり現生動物も参考にしないと
思います。
ゾウが絶滅種だったら、あの長い鼻は復元できるのだろうか
と思います。
お絵かき掲示板のご報告ありがとうございます。
サービス探してみます。

たいやきさん>
はじめまして。ブログ読み始めてくれてありがとうございます。
巨大淡水エイはすごいですよね。
河にそんなのいるんだといつもボ~ッとみてしまいます。

いつまでさん>
はい。けっこう無理な体勢です。

牛王さん>
人間で再現は無理やり的にしましたw
そうですね。フェバリットで反映されてると思います。

六代目ハイサイおじさん>
やってみましたが、
脇を締めての腕立ても、意外と難しくないですね。
脇を締めて歩いてみるのも筋トレにいいかも。

18 ■無題

トリケラトプスみたいな有名でだいぶ昔に発見された恐竜でも今までわからなかったことがあるんですね。
やっぱ古生物学の世界って深いんですね

あと全く関係ないことですいませんがカルノタウルスが白亜紀前期の恐竜にカテゴライズされていますよね。カンパニアン期に生息していた恐竜なので白亜紀後期の恐竜になると思うんですけど

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