会見で水質に問題があることを訴える地元の関係者=大津市役所で
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大津市伊香立南庄町の近隣住民らのグループが二十一日記者会見し、同町内の民間残土処分場の排水から国が定めた環境基準を上回る鉛やヒ素が検出されたと発表した。専門業者に水質検査を依頼したという。住民らは処分場に産業廃棄物が不法に持ち込まれている可能性もあるとみて、近く市にも結果を伝え処分場の管理業者に指導をするよう求める。
検出されたのは基準値の二十八倍の鉛と六倍のヒ素。住民が二日に採水し近江八幡市の検査会社に依頼、十八日に結果が出た。
処分場は二万四千平方メートルで、以前は農地。管理業者の申請を受けて二〇一一年四月、市が条例に基づいて工事などで出た残土を埋め立てる許可を出した。全国各地から残土が持ち込まれている。
条例では産業廃棄物が混入した土の持ち込みを禁じている。住民側は「汚染されている物質が混入していなければ、こんな水は出ない。産廃が投棄されている」と主張。排水は真野川を通じて農業用水としても利用されており、改善を求めるよう市に働き掛ける。
市によると、業者は残土を搬入するごとに成分を調査した計量証明書を市に提出する仕組みになっており、この業者も応じていた。証明書や市不法投棄対策課などの見回りによると、産業廃棄物の成分は見つかっていないが、同課の担当者は「市としても検証を進め、早急に対応したい」と話している。
管理業者の担当者は中日新聞の取材に「産廃は一切扱っていない。どうしてそんな水が出るのか分からず困っている」と回答した。
(山内晴信)
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