こっ恥ずかしいタイトルロゴにどことなく躊躇を覚えつつ、その次回作が発売延期を重ね、それを待ちきれずに結局買ってしまうという、本人にも訳わからん動機で購入したのが、このゲームでした。
ところで、「アイド」を変換すると「愛奴」と変換されるんですが、私のIMEはいつのまにこーゆーいらんことを覚えたのでありましょうか(^^;) かわいげないなぁ、アルファを見習えヾ(^^;
こっ恥ずかしいタイトルロゴにどことなく躊躇を覚えつつ、その次回作が発売延期を重ね、それを待ちきれずに結局買ってしまうという、本人にも訳わからん動機で購入したのが、このゲームでした。
ところで、「アイド」を変換すると「愛奴」と変換されるんですが、私のIMEはいつのまにこーゆーいらんことを覚えたのでありましょうか(^^;) かわいげないなぁ、アルファを見習えヾ(^^;
時は、ロボット技術が発達し、女形ヒューマノイド「AI-D(アイド)」まで誕生した近未来。主人公・工藤サトシ(変更不可)は、偶然AI-Dコンテストで大金を入手し、自分もAI-Dオーナーになりたいと思う。知り合いのショップでひょんなことから手に入れた「訳アリ」のAI-Dを自分のものとした主人公は、彼女を「アルファ」と名付ける。主人公とアルファとの同居生活の行く末には、なにがあるのか。
シナリオ担当は、TAMAMIさん。
とにかく、アルファがかわいい、それにつきるゲーム、といえましょう。一挙手一投足が、本当にかわいいんです。定期的に挿入されているイベントでは、彼女の人間くささを見ているだけで心が和みます。彼女がアンドロイドである必然性をほとんど感じさせないような展開が続きます(これはこれで問題。後述)。好奇心旺盛で目をキラキラ輝かせる彼女を見ていると、なんだかペットの挙動に対して目を細めているような気になってきます。
恋愛ゲームとしては、実は大したことありません。なにせ、いったん濃密なスキンシップ(笑)をすると、あとは感情どころかラブラブモードが一気にMAXになり、それ以降はベタベタな2人のモノガタリが続くだけですから、「胸キュン・ワクワク」な展開は期待できません。何かにつけてはアツアツぶりをこれでもかとばかりに見せつけ、しょっちゅうヤりまくってますし(^^;
むしろ、甘ったるい同棲物語と見るのが妥当でしょう。
上記のとおり、ヒロインであるアルファは確かにかわいいんですが、パートナーとしてほしい、というより、「心を和ませてくれるヒロイン」という役に徹し、どうすればこのヒロインをかわいく魅せることができるか、その点に注力してキャラが創られているのが、よくわかります。
もちろん、「可愛い」の一言で済まされるわけではなく、気になる点もけっこう多く残っています。
まず、ヒロインが「アンドロイド」であるという設定がほとんど活きていないこと。主人公の知人・友人には生身の人間が皆無という、ちょっと想像するのも寒くなる設定と相まって、非常に物寂しいものがあります。人間に仕える存在だから、といってしまえばそれまでですが、主人公の人間関係ってどうなってんの、と思ったのは私だけでしょうか。
また、「AI-D」が女形オンリーというのも、こういうゲームだから、で済ませていいものとも思えません。主人公の目に入るのは女形ばかり、というのであれば文句はないのですが、女性を対象としたヒューマノイドというものは存在していないようです。人間とアンドロイドとがくっつくようになると人間はどーたら、というのが、こういう設定のシナリオでは必ず絡んでくる「はず」(詳細は次段にて)ですが、それ以前の問題として、そもそも「男性にとって都合のいいAI-D」は存在するが、女性にとってのそういう存在は認められない…というのは、正直なところ不快の念を拭えません。アルファというキャラの「男性にとっての都合のよさ」を描くこと自体はいいのですが、それを安易に「主人公たちの世界全体が、男性にとって都合よい」ものにまで展開してしまっているように見えてなりません。男性がかわいい女のAI-Dを連れているのなら、女性はステキな男のAI-Dを連れていてもいいじゃないか、と思うのですが、そうすると「人間とAI-D」という関係が表に浮かび上がってしまい、あまりスマートではなくなったかも知れませんし、難しいところではありますね。ただ、「AI-Dは女形のみ」というのは、やっぱりイカンのでは。
さらに、エンディングの後味も、決してよいものとは言えません。ラブラブな2人の前には障害などなにもない、必ず最後に愛は勝つ、そう押し切ってしまうのは、それはそれでいいのですが、敵役側の論理が一切無視されているのはいただけません。それは、ヒロインであるアルファのアイデンティティにも関わり、また主人公とヒロインとの関係を再確認させるような内容を持っているにもかかわらず、「愛こそすべて」という形で、それ以上の関わりをシャットアウトしてしまうのは、どうにもよろしくない。人間とアンドロイドとの関係がどのように続くのか、それはこの物語の中で、安易に目をつぶっていいものとは思えません。
そういうことにさえ目を向けさせる余裕がないほどアルファがかわいい、といえばリクツはとおりますし、実際その通りのような気もするのですが(^^;)、それは要するに、種としての人間の存続に関わるような展開をも押し退けてしまうほど、魅力を感じさせてしまうアンドロイドの存在に対して、もはや人間は理性的な判断が不可能になっている、という、背筋が凍るような結論に到達することも可能でしょう。
実際にプレイしていたときは、とにかく恥ずかしい展開に対してとろけながら進めていたので、正直なところ何も考える余裕などありませんでした。その意味では、キャラクターの魅力という一点集中によって、雑念(?)をはさませないというスタイルだったのかも知れませんし、上記の「欠点」は、「見なかったことにして」楽しむことも可能ではありましょう。しかし、アルファのキャラへののめり込み度がさほどでなければ、上記の各点は致命的なものと受け取られる可能性が高いと思います。
アルファ以外のAI-Dを半数以下に絞り込んでもいいから、何とかスッキリできるシナリオに収めてくれれば、言うことはなかったんですけれどね。
1年間のゲーム期間を通じて、アルファをコンテストで勝たせるために育成していき、合間合間に挟まるイベントなどを楽しむというタイプのシミュレーションゲームです。
スケジュールは一週間単位で組むことになり、トレーニングやアルバイトなどを通じてアルファを育て、日曜日になるとパーツの購入・売却などが可能になります。月末になるとコンテストがあるので、ここで着実に勝つためには、毎週のスケジュールとパーツの揃えが大事…といっても、実はさほど難しいものではなく、パーツも目で見てわかりやすいために「組み立て」が楽しい、という気になります。初戦だけはちょっと苦労しますが、第2戦以降はそう手を焼くこともないでしょう。
毎月のコンテストで勝つと、相手のAI-Dを好きなように扱えるという、いわば『闘神都市』方式とでもいいましょうか。パーツを取るか相手とHするかの二択です。
シナリオ自体は一直線で、相手とHしようがしまいが後腐れは基本的にない(^^;)ので、実力に余裕が出る後半はヤりまくりでも問題ありません。
私がプレイしたときには気がつきませんでしたが、バグがあるようです。SAGA PLANETSのWebサイトに修正ファイルがアップされています。
対応OSはWindows95/98です。WindowsXPでは正常に動作しません。
ビジュアルアーツの標準仕様、というのがいちばん手っ取り早いでしょうか(^^;
最小インストールの場合に必要なHD容量は2MB強(セーブデータのみ)で、CGやシナリオデータ、BGMデータ、音声データなど、インストールしたいデータを細かく設定できるのはよし。フルインストールするとCD-ROMなしでプレイ可能となりますが、この場合は436MB必要です。
操作の基本はマウスですが、キーボードでの操作も可能になっています。左クリック=「Enter」キー、右クリック=「Esc」キーと単純明快なのがいいですね。また、スペースキーでメッセージウィンドウを消去することができます。
グラフィックは、基本的に640×480ドット全画面表示で、下部に半透明のメッセージウィンドウが表示されます(スペースキーで消去可能)。画面は、ウィンドウ表示とフルスクリーンとの切り替えが可能。デフォルトでは、フルスクリーンとなっています。
セーブ&ロードは任意の位置で16個所まで行え、セーブしたときのプレイ実日時と、ゲーム中の日付が記録されます。
テキスト速度表示は、かなりきめ細かく変えることができます。メッセージスキップに関しては、「Ctrl」キーを押している間スキップします。既読・未読の区別を行う場合は、右クリックから出るメニューにて行うことが可能。また、フェード設定や音量設定、音声設定など、かなり細かい設定変更が可能です。
CGモードはサムネイル表示され、イベント回想モードも兼ねています。再生可能なイベントはHシーンに留まらず、日常イベントも見ることが可能で、再生時には音声もつきます。また、BGMモードでは、曲名も表示されます。
BGMは、PCM(DirectSound)で演奏されます。ゲーム中のBGMはさほど印象には残っていません。主題歌「Pure Heart」(ヴォーカル曲)は、I'veの担当。単独で聴くぶんには「割といいな」と思うのですが、このゲームをプレイした後にこの曲を聴くと、全身がむず痒くなってきます(^^;
また、女性キャラのみ音声ありです。アルファの「マスター☆」(←主人公をこう呼びます)の声は破壊力満点です(^^; アルファ以外の声は…覚えてないやヾ(^^;
Ayumiさんの原画。アルファの一挙一動がとてもかわいく描かれ(以下読むに耐えない単語の羅列が続くので数行省略(^^;)。また、きれいであるというより、非常にていねいに作られているな、というのがよくわかり、見ていてキモチいいですね。
アルファ以外の選択肢はありません(^^; 他のAI-Dの中で、辛うじてイコマだけは覚えていますが、あとはほとんど覚えてないし…「着ぐるみ」とか「虚無僧」とかならピンとくるけどヾ(^^;
キャラのかわいさ、およびシナリオの物足りなさ(^^;)とを的確に指摘されているのが兄貴さんのサイト(閉鎖)でしょう。また、トータルの雰囲気をうまく伝えているところでは、SHEOさんのサイトがあります。
身も蓋もありませんが、メインヒロイン1人が「これでもか」といわんばかりにていねいに、かつかわいく描けていればそれでいい、という人に対してはお勧めできますが、そうでない場合はかなり危険が伴うと思います。
シミュレーションゲームとしてはどうにもおもしろみに欠ける点もさることながら、シナリオの根幹部分に、かなりの問題点を内包している点も大きく、素直に褒める気にはなれません。特に、ヒロインに「アンドロイド」を使いながら、その「意味」(所詮は後付けである、という見方も可能ではありますが、それでも解釈の尺度としては必要でしょう)が非常に薄いのは、やはり残念なところです。
しかし、パターン化された属性に適合させられているキャラクターに飽きてしまい、とことんまで「人間的な魅力」を出したキャラに触れたい、というのであれば、それなりに楽しめると思います。「萌え」という言葉に対して嫌悪感を直ちに覚える、という方は控えた方が安全かも。