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  雑記集 作者:jellyfish
不快になったら、すぐに読むのをやめてください。
偏見
 人は誰しもが何かに偏見を持ちます。例えば身体障がい者や精神障がい者、特定の宗教に所属している人などです。

 彼らは何か根拠があってそのような人たちに嫌悪感を持っているのか分かりませんが、恐らくはマスコミの影響が強いのだと思います。良い例が、大阪教育大学付属小学校での殺人事件です。

 マスコミははじめ、容疑者のことを統合失調症だと報道していました。それも、過剰なまでに。しかし後になって、容疑者は統合失調症だと偽装して精神病院に入院していたことが分かり、マスコミの報道は誤りだということも露わになりました。しかし民衆はこの事件以来、精神病患者に近寄らなくなったことだと思います。

 また、てんかんの患者が交通事故を起こし、死傷者を出したという事件も記憶に新しいかと思います。その時、掲示板にはこのようなことが書き込まれていました。

 『てんかん患者は全員死刑にしろ』

 これより強烈な言葉は無いと思います。私も掲示板の内容はそんなに覚えていませんが、上記だけはインパクトに残りました。

 実は私も偏見を持っている人種が存在します。ネット中毒者、とりわけ、ネット掲示板の住人です。何も理由も無しに偏見を持っているわけではありません。きちんとした実例があるのです。

 私はよく、自宅近く(とは言っても、一四、五分は歩きますが)のゲームセンターに出没します。音楽ゲームをやっていると、その人はいます。午前中に学校が終わったとき(正午くらい)にいつもの場所に行っても、サークルで遅くなってしまったとき(午後十時過ぎ)も、その人はいます。

 ある時、その人が音楽ゲームやっていると、後ろに私が並びました。その時偶然にも、その人が音楽ゲームで使っている名前が見えたのです。私は家に帰って、その名前をインターネットで検索してみることにしました。すると、彼は2ちゃんねるの住人だったのです。これだけならば偏見の対象とするには少しやりすぎな感じがあるかもしれません。しかし問題は、彼のプレーデータにありました。

 彼のデータを閲覧してみると、ほとんどの曲をパーフェクトでこなしていました。音ゲーマーであれば、これだけでも羨望の対象です。しかし私が着目したのはそこだけではありません。彼がプレーした時間を、チェックしてみたのです。すると一定の時期を境に、ほぼ毎日ゲーセンに繰り出していたことがわかったのです。それだけではありません。日にちだけではなく、その曲をプレーした時間もデータに残っていたので、そこにも着目していました。

 私は呆れました。平日にもかかわらず午前七時半に繰り出している時もあれば、午前四時までそのゲームに執着していたときもあったのです。さらに、学生が普通に学校に言っているような、社会人が仕事に従事しているような時間帯にも、のうのうとゲーセンに出没していたのです。彼はもしかしたら、NEETと呼ばれる人種なのではないのかと、疑ってしまいました。

 また別の日、私は友達と一緒にゲーセンに出没していました。この日は午後七時に筐体に並び始めていました。もちろん、あの2ちゃんねらーはいます。私たちの前には高校生のグループがいてしばらく空きそうにないので、2ちゃんねらーに譲ってあげることにしました。

 友達が「先やってもいいですよ」と、笑顔で順番を譲りました。するとどうでしょう。2ちゃんねらーは礼も言わずにそそくさと友達を抜かし、ゲームに直行したのです。彼は、人とまともにコミュニケーションが取れないのだろうかと思ってしまいました。

 私はこの人によって、2ちゃんねらーはこのような人種だという偏見を持ってしまいました。

・延々と暇を持て余している。
・人と意思疎通ができない。
・そのくせ、掲示板では強気なことをいう。

 2ちゃんねらーやネット掲示板の住人は必ずしもこのような人たちばかりではないと思いますが、私はいまだに上に挙げた偏見を拭いきれずにいます。それはすべてにおいて同じで、精神障がい者一つとっても、多くの人たちが情報に踊らされて、偏見は根深く残っているのです。そのようなものは決してあってはならないと思い、情報を取捨選択することが必要だと、私は思うのです。

 私も情報に踊らされた者の一人です。私たち一人一人がまやかしの言葉に騙されないようにすることが、偏見をなくすことへの第一歩なのではないのでしょうか。


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