東日本大震災:福島第1原発事故 ベント前、10キロ圏拡散 線量最大720倍に

毎日新聞 2013年02月22日 東京朝刊

 当時、住民への避難指示は、県が11日午後8時50分に2キロ圏▽国が同9時23分に3キロ圏▽ベントを前提に国が12日午前5時44分に10キロ圏−−に拡大。だが10キロ圏内の住民(約5万人)の多くが圏外へ避難を始めたのは12日午前8時ごろとされ、放射性物質が広範囲に拡散し始めたのは、4回目のベントとその後の同日午後3時36分の原子炉建屋の水素爆発によるものとみられていた。4回目のベントの約30分後には、原発の北西6キロの上羽鳥地区で線量が1591マイクロシーベルトに急上昇している。

 ベント前に観測された線量は、1時間浴びたとしても胸部X線検診1回分を下回る。放射線防護に詳しい野口邦和・日大歯学部准教授は「ただちに健康に影響する線量ではない」としながらも、「どのように放射性物質が拡散し、住民がどのくらいの線量を浴びたのかは検証されなければならない」と指摘した。【神保圭作、栗田慎一】

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 ■解説

 ◇観測生かされず

 東京電力福島第1原発事故で、国の10キロ圏避難指示が出る前に放射性物質の拡散が始まっていたことが県の解析データで判明したが、当時、周辺で暮らしていた住民はその事実を知らず、避難もしていなかった。東日本大震災で福島第1原発周辺のモニタリングポストが電源を失い、機能不全に陥っていたためだ。これは住民放射線防護の根幹に関わる重大な問題だ。

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