前回，山折哲雄氏の記事を取り上げたが，皇太子殿下に退位を迫り，秋篠宮殿下に譲位するべきというような記事を目の当たりにすると，筆者としては，改めて，秋篠宮家という存在について，いろいろと複雑な思いを抱いてしまう。
筆者としては，将来は秋篠宮家が主役になるということについて，それも仕方がないかなと思っていたところではあったのだが，さすがに黙ってはいられなくなった。
山折氏のような論者は，皇太子殿下に対して否定的な評価を行い，一方で，秋篠宮殿下をやたらと持ち上げるのであるが，筆者としては，秋篠宮殿下にこそ，非常に問題があるように思う。
まずは，不思議なことに，今となっては，誰もほとんど議論の対象にしないようであるが，平成１８年の御懐妊の経緯の問題である。
当時は，皇室典範論議が盛んに行われていたが，平成１８年２月７日の御懐妊報道によって，パッタリと中断することとなった。
皇室典範論議の中断という，非常に大きな政治的効果が生じたわけである。
そして，そのような効果を生じる原因は，子作りという，明らかな人間の意思に基づく行為であったわけである。
子どもを授かるという言い方があるが，何もしないで授かるというようなことはなく，まずは，子作りということに対する，明らかな人間の意思に基づく行為がなければならない。
非常に大きな政治的効果というものがあって，それが，子作りという，人間の意思に基づく行為によってもたらされた結果であり，そして，当時の状況からして，そのような行為があれば，そのような結果が生じるということは，誰の目にも明らかであった。
このように考えれば，平成１８年の御懐妊については，明らかに，政治的な効果に向けた政治的な意思に基づくものであると言わざるを得ないであろう。
では，平成１８年の御懐妊の根本にある秋篠宮殿下の政治的意思とは何なのか。
いったい何を考えていたのか。
そこが，全く明らかにされない。
黙りを決め込んでいる。
皇室典範論議については，かねてより，天皇陛下も国会の論議に委ねると述べておられ，それが，皇室の正式のスタンスということになっていたのであるから，筆者としては，このような政治的効果が生じることとなった際には，せめて，「今回の懐妊のこととは切り離して論議を継続して欲しい」というぐらいのコメントがあればと思っていたが，全く無かった。
天皇陛下にも無かった。
おかしなことであると思う。
明らかに政治的な意思に基づく干渉があり，政治的効果を生じた。
この問題は，象徴天皇制ということとの関係で言えば，極めて大きい問題なのではないだろうか。
皇太子殿下について家庭のことばかりという批判があるが，それとは比較にならないくらい，大きな問題なのではないだろうか。
筆者には，秋篠宮殿下が天皇になるということについて，本当に大丈夫だろうかという強い懸念がある。
国民の間で非常に大きな議論の対象となる問題があって，あれやこれやの民主的プロセスを経て，やっと何とかなりそうだというときに，全てをひっくり返すようなことをなさって，何も説明しないというようなことになりはしないか。
天皇という立場で，そのようなことがなされた場合，かなり危ういこととなるのではないのだろうか。
もっとも，平成１８年の御懐妊の件については，皇位継承の在り方に関するものであり，それは，皇室の問題でもあるのだから，特別なんだという見方もできるであろうか。
ただ，それならそうと，自らの意思を表明すればいいではないか。
その点，�鄂凌堂ε族爾蓮し蕕�った。
筆者としては，その御発言についてはいろいろと問題があるとも考えたが，御自身の考えを明確にされておられたので，国民としても，それを理解して評価することができた。
一方，秋篠宮殿下の場合は，まったく説明しない。
筆者からすると，じっと黙って，この政治的意思という問題について，世間の人々が意識しなくなり，状況が有利になるのを待っているというような感じにも見受けられる。
こういう状況であれば，推測するしかないが，皇位継承資格の女性・女系拡大阻止という効果を生じたことからすれば，以下の２通りしかないであろう。
１ 男系継承の維持
２ 宮家の立場から天皇家の立場へのシフト
この１と２については，どちらかというと２の方が強いのではないのだろうか。
さて，宮家の立場から天皇家の立場へのシフトということについて，それを円滑に実現するためにはどのようなことが必要であるか。
シフトへの意思に共感する立場の戦略家として，少し思いを巡らせてみれば，いろいろなことが見えてくるように思う。
まずは，シフトをシフトと感じさせないことが重要ということになる。
もちろん，現行の皇室典範のルールに従えば，皇太子殿下の次の皇位継承資格者は秋篠宮殿下であるのだから，何もしなくても，秋篠宮家が将来の天皇家となる。
ただ，その際，そのルールが維持されているというのも，平成１８年の御懐妊があったからこそであり，人為に基づくシフトであると捉えられなくもない。
そして，シフトがシフトとして意識されると，その背後の政治的意思に人々の注目が集まることとなり，そこに後ろめたさがあるのであれば，それは避けたいということになるであろう。
となれば，そのようなシフトへの意思に共感する戦略家の立場であれば，皇太子御一家が如何に皇室にとって不適格な存在であり，秋篠宮家が天皇家となるのは考える余地もなく望ましいことであると，世の中の人に思わせるような方策を考えるであろう。
秋篠宮家が天皇家となることは天が望んでいることであり人間の生々しい政治的意思などないのだと思わせる，ということである。
前回の山折氏の記事なども，このような戦略に沿ったものなのであろう。
＊もっといろいろな指摘もしようと思ったのですが，また次の機会に行うこととし，やや不十分ながら再アップしました。
筆者としては，将来は秋篠宮家が主役になるということについて，それも仕方がないかなと思っていたところではあったのだが，さすがに黙ってはいられなくなった。
山折氏のような論者は，皇太子殿下に対して否定的な評価を行い，一方で，秋篠宮殿下をやたらと持ち上げるのであるが，筆者としては，秋篠宮殿下にこそ，非常に問題があるように思う。
まずは，不思議なことに，今となっては，誰もほとんど議論の対象にしないようであるが，平成１８年の御懐妊の経緯の問題である。
当時は，皇室典範論議が盛んに行われていたが，平成１８年２月７日の御懐妊報道によって，パッタリと中断することとなった。
皇室典範論議の中断という，非常に大きな政治的効果が生じたわけである。
そして，そのような効果を生じる原因は，子作りという，明らかな人間の意思に基づく行為であったわけである。
子どもを授かるという言い方があるが，何もしないで授かるというようなことはなく，まずは，子作りということに対する，明らかな人間の意思に基づく行為がなければならない。
非常に大きな政治的効果というものがあって，それが，子作りという，人間の意思に基づく行為によってもたらされた結果であり，そして，当時の状況からして，そのような行為があれば，そのような結果が生じるということは，誰の目にも明らかであった。
このように考えれば，平成１８年の御懐妊については，明らかに，政治的な効果に向けた政治的な意思に基づくものであると言わざるを得ないであろう。
では，平成１８年の御懐妊の根本にある秋篠宮殿下の政治的意思とは何なのか。
いったい何を考えていたのか。
そこが，全く明らかにされない。
黙りを決め込んでいる。
皇室典範論議については，かねてより，天皇陛下も国会の論議に委ねると述べておられ，それが，皇室の正式のスタンスということになっていたのであるから，筆者としては，このような政治的効果が生じることとなった際には，せめて，「今回の懐妊のこととは切り離して論議を継続して欲しい」というぐらいのコメントがあればと思っていたが，全く無かった。
天皇陛下にも無かった。
おかしなことであると思う。
明らかに政治的な意思に基づく干渉があり，政治的効果を生じた。
この問題は，象徴天皇制ということとの関係で言えば，極めて大きい問題なのではないだろうか。
皇太子殿下について家庭のことばかりという批判があるが，それとは比較にならないくらい，大きな問題なのではないだろうか。
筆者には，秋篠宮殿下が天皇になるということについて，本当に大丈夫だろうかという強い懸念がある。
国民の間で非常に大きな議論の対象となる問題があって，あれやこれやの民主的プロセスを経て，やっと何とかなりそうだというときに，全てをひっくり返すようなことをなさって，何も説明しないというようなことになりはしないか。
天皇という立場で，そのようなことがなされた場合，かなり危ういこととなるのではないのだろうか。
もっとも，平成１８年の御懐妊の件については，皇位継承の在り方に関するものであり，それは，皇室の問題でもあるのだから，特別なんだという見方もできるであろうか。
ただ，それならそうと，自らの意思を表明すればいいではないか。
その点，�鄂凌堂ε族爾蓮し蕕�った。
筆者としては，その御発言についてはいろいろと問題があるとも考えたが，御自身の考えを明確にされておられたので，国民としても，それを理解して評価することができた。
一方，秋篠宮殿下の場合は，まったく説明しない。
筆者からすると，じっと黙って，この政治的意思という問題について，世間の人々が意識しなくなり，状況が有利になるのを待っているというような感じにも見受けられる。
こういう状況であれば，推測するしかないが，皇位継承資格の女性・女系拡大阻止という効果を生じたことからすれば，以下の２通りしかないであろう。
１ 男系継承の維持
２ 宮家の立場から天皇家の立場へのシフト
この１と２については，どちらかというと２の方が強いのではないのだろうか。
さて，宮家の立場から天皇家の立場へのシフトということについて，それを円滑に実現するためにはどのようなことが必要であるか。
シフトへの意思に共感する立場の戦略家として，少し思いを巡らせてみれば，いろいろなことが見えてくるように思う。
まずは，シフトをシフトと感じさせないことが重要ということになる。
もちろん，現行の皇室典範のルールに従えば，皇太子殿下の次の皇位継承資格者は秋篠宮殿下であるのだから，何もしなくても，秋篠宮家が将来の天皇家となる。
ただ，その際，そのルールが維持されているというのも，平成１８年の御懐妊があったからこそであり，人為に基づくシフトであると捉えられなくもない。
そして，シフトがシフトとして意識されると，その背後の政治的意思に人々の注目が集まることとなり，そこに後ろめたさがあるのであれば，それは避けたいということになるであろう。
となれば，そのようなシフトへの意思に共感する戦略家の立場であれば，皇太子御一家が如何に皇室にとって不適格な存在であり，秋篠宮家が天皇家となるのは考える余地もなく望ましいことであると，世の中の人に思わせるような方策を考えるであろう。
秋篠宮家が天皇家となることは天が望んでいることであり人間の生々しい政治的意思などないのだと思わせる，ということである。
前回の山折氏の記事なども，このような戦略に沿ったものなのであろう。
＊もっといろいろな指摘もしようと思ったのですが，また次の機会に行うこととし，やや不十分ながら再アップしました。
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