森喜朗元首相が首相特使としてロシアを訪問し、プーチン大統領と会談した。今春に見込まれる安倍晋三首相の公式訪ロに向けた地ならしとして、意義深い会談だったといえる。今後も日ロ間のさまざまな交流を深め、北方領土交渉を前に進めていってほしい。
森氏はプーチン大統領とは旧知の仲で、個人的に親しい。会談で大統領は「日ロ間に平和条約がないのは異常な事態だ」と述べ、安倍首相の訪ロに期待を表明した。
安倍首相は北方領土問題の解決を通じた平和条約の締結に前向きだ。プーチン大統領も昨年末の記者会見で安倍氏の意欲を高く評価し、「建設的な対話をしていく」と述べている。
首脳間で領土問題に本格的に取り組む環境は整いつつある。
問題はプーチン大統領が「引き分け」による決着を表明し、四島の日本への帰属を求める日本側の主張とかけ離れていることだ。大統領は今回、「双方が受け入れ可能な解決策」が「引き分け」の意味だと森氏に語ったという。
ここは両首脳が責任をもって打開策をみいだしていくしかない。重要なのは尖閣諸島や竹島と異なり、日ロ双方とも北方領土問題を交渉によって平和的に解決しようとしていることだ。
そもそも日本の首相の公式訪ロは10年も途絶えている。近年は両国首脳が膝詰めで、領土問題をとことん話し合う機会はほとんどなかったといってもいい。首脳の相互訪問や国際会議の場を使った会談を重ね、解決策を探っていくときだろう。
ロシアは極東開発や産業構造改革などの分野で日本の協力に期待している。日本もエネルギーが豊富で大きな消費市場も抱えるロシアとの協力拡大の余地は大きい。安全保障分野でも、中国の軍事力強化や北朝鮮の核開発は日ロ共通の脅威になりつつある。
日ロが平和条約を締結し、関係を強める利点はどこにあるのか。重層的なアプローチで領土交渉の進展を促すことも大切だ。
プーチン、安倍晋三、森喜朗、ロシア
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