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情報技術の活用で成長戦略に弾みを

2013/2/22付
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 政府のIT(情報技術)戦略が動き出した。安倍晋三首相を本部長とするIT戦略本部が近く会合を開催、総務省も22日に「ICT(情報通信技術)成長戦略会議」を発足する。6月にまとめる成長戦略に反映させる計画だ。情報技術は成長を促すエンジンともいえる。大胆な施策を望みたい。

 安倍政権では山本一太沖縄・北方相がIT担当相に就任、停滞していた情報化政策を前進させる方針を示した。政府は金融・財政政策と並び、民間投資を促す成長戦略を経済政策の柱に据える。新しい産業を興し、日本経済を活性化するには、ITを利用した行政や経済の効率化が不可欠だ。

 IT戦略本部では産業再興・経済活性化、国民の安心・安全、真の行政改革を重点目標に掲げ、農業や医療、エネルギーなどの分野にも最新の技術を導入する計画だ。様々な情報をインターネットで共有する「クラウドコンピューティング」といった新技術にも目を向けたことは評価したい。

 ICT成長戦略会議では資源問題や社会インフラ整備に情報技術を活用する一方、放送分野などで新事業の創出を目指す。復興防災に向け安倍政権は国土強じん化を掲げるが、単なるコンクリートの復活ではなく、通信網やセンサーを使い、災害などにすぐ対応できる街づくりを目指すべきだ。

 一方、ITによる経済の活性化や安心・安全の確保には、制度や規制などの大胆な見直しも欠かせない。電子行政を促すためには社会保障と税の一体改革と合わせ、個人番号制度を早急に導入する必要がある。医療分野でもレセプト(診療報酬明細書)の完全オンライン化は待ったなしだ。

 放送分野では、ハイビジョンの4倍~16倍の解像度を持つ高精細テレビの開発や放送番組の海外配信を狙うが、新しい放送サービスを実現するには放送法や著作権法などの見直しも要る。民主党政権は電波オークション(競売)制度の導入を検討したが、現政権でも改めて議論すべきだろう。

 政府は様々な行政データを民間に公開し、ビジネスに使えるようにする政策にも力を注ぐ計画だ。大量の情報を商品開発などに役立てるビッグデータの手法が産業界で注目されており、歓迎すべき動きといえる。ただ一方で個人情報保護法が円滑な情報流通を阻害している面もあり、法制度の見直しを含めた施策が求められる。

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情報技術、安倍晋三、山本一太、IT戦略本部、情報通信技術、クラウドコンピューティング、インターネット

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