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【芸能・社会】

OSK 73年ぶり東京の大劇場 往年ファン涙の“桜パラソル”

2013年2月21日 紙面から

下見に訪れた日生劇場で、公演への意欲をかき立てたOSKの看板スターの5人。左から牧名ことり、桐生麻耶、桜花昇ぼる、高世麻央、朝香櫻子(提供)

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 かつては宝塚歌劇団、松竹歌劇団(SKD)と並ぶ人気レビュー劇団として知られたOSK日本歌劇団が、4月に東京・日生劇場で「レビュー春のおどり〜桜咲く国」を上演する。東京での本格的な大劇場での公演は、1940年の浅草・国際劇場以来73年ぶり。総勢38人が大きな夢に向かって、劇団創設90周年の掉尾(とうび)を飾る。

 OSKには、ブギの女王・笠置シヅ子、女優京マチ子らも在席した。昭和40年代からは奈良のあやめ池遊園地円型劇場を拠点に活動してきたが、2002年に近鉄が支援を打ち切ったのを機に運営困難な状況に陥り、翌年解散。が、解散式から2カ月後には存続の会を立ち上げ、04年には大阪松竹座で再旗揚げ公演として「春のおどり」を復活させた。

 東京では五反田ゆーぽーと、パルコ劇場などでも公演したことがあり、10年からは3年連続で三越劇場に進出。90周年の記念イヤーに東京での大劇場公演を実現させる下地をつくってきた。今回は単なる周年事業ではなく、「いずれ東京でも常時、大劇場公演が実現できるように」(OSK中嶋健治支配人)との意気込みだ。

 作品は、1部「桜絵草紙」(山村若構成・振付)、2部「Catch a Chance Catch a Dream」(名倉加代子作・演出・振付)の和洋のレビュー2本立て。ファンの間で長く愛され続けているテーマソング「桜咲く国」のバックに流れる演奏は、今回の公演から豪華なオーケストラ・バージョンになる。

 「日生劇場での公演は、ニューOSKの目標でした」というトップスター5年目の桜花昇ぼるは、1960年代のスター秋月恵美子の扇子を受け継いで使っている。「未来につなげたい」と力強く話した。

 「桜咲く国」は、SKDでも歌われたことがある。曲に合わせてメンバーが小さな桜色の傘を振り付ける“桜パラソル”とともに、大劇場のステージで復活するのは、往年のファンには涙ものの光景になりそうだ。

 公演は4月5日から8日の全6回。

 ◆OSK日本歌劇団 1922(大正11)年に松竹楽劇部として大阪に誕生。28(昭和元)年に発足した東京松竹楽劇部がのちの松竹歌劇団(SKD)。戦前から宝塚歌劇団としのぎを削り、「歌の宝塚、ダンスのOSK」と称される。海外公演もするなど人気を博したが、経営母体の変遷もあり、2002年に突然解散が発表された。全劇団員が街頭で署名活動を行い、04年に再び旗揚げ。現在は関西財界のバックアップを得て劇団員は31人、東京公演で7人が初舞台を踏む。OSKは、「Osaka Shochiku Kagekidan」の略。

 

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