練習で味方を鼓舞する闘莉王=トヨタスポーツセンターで(宮崎厚志撮影)
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名古屋グランパスの元日本代表DF田中マルクス闘莉王(31)が20日、チーム始動に遅刻したことでの罰金140万円をクラブに支払った。闘莉王はオフにブラジルに帰省した際にパスポートの有効期限切れに気付かず、さらに発給機関のシステム障害も重なって、1月28日の始動日から9日間も遅刻。リーグ戦2試合の勝利給にほぼ相当する痛恨の出費に、「その分、勝たないとね」と白星で取り返すことを誓った。
ほんのわずかなチェックミスのはずが、あまりに法外な“パスポート申請料”になってしまった。この日、午後練習開始前に闘莉王は封筒に入った現金140万円を持参。居合わせたGK楢崎が面白がって「ちょっとここはたいて」とほおを指さすと、苦笑いしながら140枚の分厚い札束で守護神のほおをなでつけた。
残念ながら一切の救済措置なく、規定された通りの罰金だ。グランパスでは正当な理由のない遅刻、服装違反、スポンサー軽視、監督命令違反など、罰金を科される8項目を定めており、それぞれ月給に対して0〜50%を科される。遅刻は最大15%の罰で、今回の闘莉王のケースは重めの遅刻として金額を決定。久米GMは「若手選手だろうと、日本を代表する闘莉王選手だろうと、平等性、公平性を持ってしっかりと対応する。ルールに定めた形のなかで徴収した」と毅然(きぜん)とした口調で語った。
闘莉王は昨年末に推定年俸1億7000万円の単年契約で合意し、タイキャンプ中に正式サイン。ただ、Jリーグ最高年俸男も自分のパスポート不備が招いた想定外の出費には「けっこう痛いよ」と渋い顔だ。それでもリーグ戦2試合の勝利給で取り戻せるとあって、「その分、勝たないとね」と発奮材料に変える。
タイキャンプには2日遅れでの合流だったが、暖かい気候のなかで1年間戦うための体づくりは順調。「寒いとあちこち痛くなるけど、今年は全然違う。フィジカル的には良い感じ」と手応えは十分で、名誉と出費を挽回する開幕ダッシュを誓っていた。
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