北朝鮮:中国で運営のレストラン…北朝鮮女性、相次ぎ失踪

毎日新聞 2013年02月19日 02時31分

中国遼寧省丹東
中国遼寧省丹東

 【北京・米村耕一】北朝鮮当局が中国国内で運営するレストランの女性従業員ら北朝鮮住民の失踪が昨年末や今年初めに相次いで発生していたことが18日分かった。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の体制発足後初めて。従業員は北朝鮮指導層の家庭出身者が大半で、失踪が発覚するのは異例だ。韓国の民間団体などが関与して北朝鮮在住の家族とともに脱出した可能性もあり、北朝鮮の体制に緩みが生じているとの指摘もある。

 ◇指導層の家庭出身…体制に緩みか

 中朝貿易関係者らによると、中国河南省のレストランで昨年10月、中国勤務数カ月の女性従業員(21)がレストランの宿舎を真夜中に抜け出して姿を消した。監視カメラには一人で外に出る様子が撮影されたという。女性の逃走には、脱北ブローカーの中国朝鮮族の男女が関与しているとみられる。女性は中国語をほとんど話せず、パスポートも店側に預けていたという。

 また、今月初旬には、中朝国境の町、遼寧省丹東を旅行していた北朝鮮女性(25)が、受け入れ業者に無断で行方をくらました。北朝鮮住民が一般の観光客として中国を訪れる例はほとんどなく、何らかの業務のため訪中し、その後、失踪したとみられる。北朝鮮の依頼を受けたと見られる中国人が女性を尋ねる異例の張り紙を出し、▽女性は紺色のコート、濃い色のズボン姿▽中国語ができない▽情報提供者には1万元(約14万5000円)を支払う−−と明記した。

 北朝鮮住民のうち、海外渡航や単独行動が許されるのは、高級幹部の子弟らごく一部だ。特に北朝鮮の貴重な外貨獲得源となっているレストランの従業員の行動には、強い相互監視システムが取られており、逃走するのは非常に困難という。

 北京の外交関係者によると、北朝鮮高官らの子弟の失踪には韓国の政府機関や民間団体が関与するのが大半とみられる。これに対し、中朝国境を不法越境して中国に滞在する女性の場合、受け入れ側の中国人による人身売買が横行する例も多発しているが、実態は把握されていない。

 北朝鮮レストランでの女性失踪に関しては、11年にもカンボジアで、韓国籍の元脱北者男性が北朝鮮女性を第三国に出国させたと韓国などで報道されたことがある。

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