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教科書検定基準

2013年2月20日

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真摯な直視こそ国益に

 歴史教科書の検定基準見直しに向け、文部科学省が具体的な検討を進める。2014年度の中学教科書の検定での適用も想定しているという。

 「誇りが持てる」歴史を求めるイデオロギーに沿い、史実をゆがめる修正主義に陥らないよう、肝に銘じてもらいたい。

 あまりにも唐突な印象を受ける。なぜ今、検討の必要があるのか、理解できない国民も多かろう。ただ安倍晋三首相が「日本の伝統文化に誇りを持てる教科書」に強いこだわりをみせていることと無関係ではあるまい。

 見直しの矛先は、基準に盛り込まれている「近隣諸国条項」であろう。中国や韓国など、アジア諸国との歴史的関係に配慮するよう求めるものだ。

 特に近現代、アジア諸国とわが国の関わりは「戦争」「侵略」「占領」といった言葉と切り離せない。日本が多くの周辺国の人々を苦しめたという事実は、アジアのみならず国際社会の常識でもある。

 同条項は、近隣諸国と未来志向の関係を築くため、真(しん)摯(し)に歴史に向き合っていくという、わが国の姿勢の表れでもあった。

 だが歴史的事項の記述に対し、「負の部分をことさら強調している」として「自虐史観」という批判を展開する向きもあった。これまでの言動から、安倍首相もそうした考え方に親近感を覚えているとみられる。

 「誇り」を「取り戻す」には、歴史の負の部分は後世に伝えない方がいい。言葉を換えれば、「誇ることができない」歴史はいらない-。極めて内向きな考え方が政権の力を得て、教育を変える懸念を拭い切れない。

 不安を先取りするような出来事が既に起きている。横浜市の社会科副読本で、関東大震災時の朝鮮人虐殺を官憲が主体的に行ったという記述について、保守系市議が否定的な発言をし、市教委が改訂を約束した。東京都教育委員会は13年度版の高校日本史の副読本から、この件に「虐殺」の文言を使わないことにした。

 わが国が経済で生き残りを図るためには、アジア諸国との連携が不可欠であるといえよう。

 まず国策として行う必要があるのは、各国と共通の歴史認識を持てるように努力を重ねることではなかろうか。一部の人にとっての「誇り」を国益より優先すべきではない。


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