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sage
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14
]
マルクスの誤算
投稿者:
口寄せもどき
投稿日:2009年 8月30日(日)07時49分32秒
ZS096148.ppp.dion.ne.jp
編集済
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>実存主義者さま
資本の価値増殖により、労働者階級化は窮乏化し、この窮乏化による暴動を起爆剤に、資本主義は崩壊するといった“窮乏化理論”がありました。この考え方は、マルクスが実際に観察した19世紀のイギリス産業資本主義に見られた現象でした。当時のイギリス社会は“階級社会”であり、労働者に対する賃金の支払いを抑制して“利潤”を生みだす、いわゆる資本家階級の“搾取”によって“労働者階級”が疲弊していくという状況が実際にみられました。資本の蓄積は高度な資本主義社会ほど進んでいるはずですから、資本主義の崩壊は、まず、先進資本主義国において出現するというのがマルクスの予言でした。
しかし、アメリカに現れた『大衆社会』には、このマルクスの予言の兆しが見られるどころか、『労働者階級』さえも影を潜め、それに代る巨大な『中間階級』と呼ばれるような存在が登場してきました。一体何が起ったというのでしょうか。
※この現象は、“T型モデル”を国民すべてのものにするという、フォードの“大量生産・大量消費”という革命的な方式によって説明されます。まず、“大量生産”方式については、作業の工程を細分化して、従来の熟練労働を単純労働に代え、これを流れ作業化、機械化して、徹底的に合理化するというものでした。しかし、“大量生産”が可能になっても、それを買う大勢の人々が出現しなければ、商品は余ってしまいます。では、“大量消費”は、如何にして可能になったのでしょうか。
フォードが目指したものは、“大量生産”によって労働の生産性を高め、労働者の賃金水準を引き揚げる、そして、それによって、人々の購買力を飛躍的に引き上げるという考え方でした。労働者(消費者)の購買力の増大は、逆に、“大量生産”を促して、経済を拡大させるという好循環を生み出すことになります。ここに、マルクスの予言とは逆に、みなが豊かになって、同じような生活水準を享受できる社会、『大衆社会』が現れたのです。これこそが、これまでのイギリス流とは異なる、アメリカが独自に創りあげた文明であると考えられます。
アメリカで生まれた新たな“大量生産・大量消費”の方式は、まるで生き物のように世界に繁殖していきます。このことは、ただ資本主義経済が世界に拡大発展したことを意味するだけでなく、おなじ商品の取得、おなじ生活様式によるおなじ意識の形成、それによる平等意識をもつ人間の誕生、人間の平準化を生み出す、“もののデモクラシー”の世界的な拡大を意味することになります。マルクスの予測は、幸いにもはずれましたが、下部構造が人間の意識の決定を規定するという命題の大筋は、現実となっているということが出来ます。
※このアメリカニズムのもつ“普遍性”は、いつか、“正統性”を意味するものに変質していったと思われます。ある事柄が、“普遍性”をもって、現実に世界に広がっていくのを目にするとき、人々は、これについて、“普遍性をもって伝播するものには、普遍化すべき根拠、正当性がある”というふうに考えるのでしょう。しかし、さきに申し上げた通り、フォードの“大量生産・大量消費”の方式が世界に広がったことは、“資本”の増殖する宿命にうらづけられたことで、これをとめることは困難ですが、そこからさらに生まれでた、“もののデモクラシー”、『大衆社会現象』の方は、その副産物ないし派生物なのですから、これをコントロールすべき知恵が、今後生まれる可能性がないとはいえないのではないでしょうか。希望的な観測といわれるかもしれませんが.....。
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