- [PR]
国際
【上海摩天楼】悲願のカナダ石油大手買収劇 中国「海洋強国」へ号砲 南シナ海で権益独り占め
中国の国有石油企業、中国海洋石油(CNOOC)によるカナダ石油大手ネクセンの151億ドル(約1兆4千億円)の買収計画が、早ければ3月にも完了する見通しだ。昨年12月に買収を承認したカナダ政府に加え、英米両政府も同意する方向に傾いている。ネクセンは英国バザード油田の権益や、米国沿岸のメキシコ湾に探査拠点を保有しており、買収の完了には3カ国の承認が必要となる。
ネクセンは中国にとって「悲願の買収劇」だ。
CNOOCは2005年8月に、総額185億ドルを提案した米石油会社ユノカルの買収計画を、安全保障問題を挙げた米議会の反対で断念せざるを得なかった経緯がある。ネクセン買収が成功すれば、この8年間で中国の経済力や政治力が、欧米に要求をのませるまで拡大したことを意味する。ただ、中国にとってはそれ以上に、ネクセンを通じて手に入れる「深海油田の探査技術」が重大な意味を持つとみられる。
中国メディアが「第2のペルシャ湾」と呼ぶ南シナ海で、海底数千メートルの深海油田開発には、どうしても最新技術の導入が必要だったからだ。中国は、ベトナムやフィリピン、ブルネイやマレーシアなどと領有権を争いながら、南シナ海のほぼ全域を自国領だと主張。中東やアフリカ、南米に頼らず「自国領内」でエネルギー供給源を確保することが、国家戦略上の最優先課題と考えている。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]