大阪市:近代美術館、中之島に決定
毎日新聞 2013年02月18日 23時16分(最終更新 02月19日 01時27分)
大阪市は18日、橋下徹市長が計画見直しを指示していた市立近代美術館について、国から購入した大阪大学跡地(同市北区中之島)に建設することを正式決定した。3月までに美術館建設を決めなければ、土地購入時の契約に基づき国に違約金を払う必要があった。ただ、天王寺区にある市立美術館の存廃や、近代美術館の規模は未定。市は5月までに方向性を決め、13年度中に基本計画を策定する方針だ。
この日開いた幹部会議で、近代美術館のために購入した作品や市立美術館の所蔵作品を全て近代美術館に集約する「総合型」と、市立美術館を東洋古美術、近代美術館を近現代美術に特化して両方を残す「専門型」の2案を提示した。総合型の場合、市立美術館は事実上閉鎖し、比較的新しい地下のギャラリースペースだけを残す方向で検討する。
市は今後、専門家を交えて保有する作品の価値を評価し、展示の在り方を検討。現在、展示用の美術館がない大阪府の所蔵作品(約7900点)の活用も図る。
近代美術館は、市が98年に基本計画を策定。その後、大阪大跡地約1.6ヘクタールを国から約160億円で購入した。市は事業費122億円で16年度の完成を目指していたが、橋下市長が計画見直しを指示していた。【林由紀子、茶谷亮】