中国への1月の直接投資、8カ月連続減-金融危機以降で最長
2月20日(ブルームバーグ):1月の海外から中国への直接投資 は8カ月連続で減少した。海外企業の間で中国の景気回復への信頼感が戻っていないことを示唆している。
中国商務省が20日発表した1月の中国への直接投資額 は前年同月比7.3%減の92億7000万ドル(約8700億円)。一方、中国から海外への直接投資(金融除く)は同12.3%増の49億1000万ドルとなった。中国の1、2月の経済指標は春節(旧正月)連休時期のずれにより、ゆがみが生じ得る。昨年の春節入りは1月、今年は2月だった。
HSBCホールディングスは先月のリポートで、中国の人件費と土地代の上昇が投資先としての魅力を低下させており、労働集約型のメーカーは他のアジア諸国に移転していると指摘した。海外から中国への直接投資は2012年通年では3.7%減少した。中国経済 は昨年、1999年以来の低成長となった。
クレディ・アグリコルCIBのシニアエコノミスト、ダリウス・コワルツィク氏(香港在勤)は統計発表前、「中国の成長鈍化で海外企業が慎重姿勢を強めた可能性がある」と指摘。その上で、中国と世界の景気見通しが改善しつつあることから、今年の対中直接投資は回復する可能性が高い」と述べていた。
同氏はまた、1月の減少は、見通し改善と企業の投資決断との時間のずれを映しているとの見方を示した。8カ月連続の減少は世界金融危機以降で最長。過去15カ月では14回目のマイナスとなった。
原題:China’s Foreign Direct Investment Declines for EighthMonth (1)(抜粋)
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更新日時: 2013/02/20 12:10 JST