赤字経営が続く第三セクター・北近畿タンゴ鉄道(KTR)の経営改善に向けた取り組みをテーマに、京都府議会の特別委員会委員らと大槻茂社長らが30日に意見交換した。
府議会としてKTRの経営支援をしていくため、昨年に続いて開催。公共交通機関・道路整備対策特別委員会の議員11人と福知山の府議2人、KTR役員、木村学・中丹広域振興局長らが、JR福知山駅北口の本社で話し合った。
大槻社長が、近年の利用者数はピーク時の3分の2以下となり、2011年度は195万人で、経常赤字は過去最大の7億7000万円になったことを報告した。
さらに、赤字補てんを受けている沿線自治体の首長や府、兵庫県、JR西日本関係者らによる北部地域総合公共交通検討会から、昨秋、経営改善策についての提言(中間とりまとめ)を受け、今後10年間の経営ビジョンを策定することを紹介した。
意見交換では、委員から「4月から運行を予定している著名デザイナーによるリニューアル車両の運行計画」について、さらに「2014年度に京都縦貫自動車道が全線開通する予定で、利用者がさらに減る可能性があるが、対策はどうするのか」「検討している運行部分と施設管理部分を別会計で行う上下分離式の導入による効果は」などといった質問があった。
これに対して、大槻社長らは「リニューアル車両は沿線から均等に運行を望む声があり、一日おきに宮津線、宮福線を走らせることを考えている」「利用者増には、新しい観光商品による誘客や、覚えやすい1時間に1本のダイヤの確保などを考えている」「経営体制刷新のための上下分離式の導入では、基盤部門は国や自治体の支援を受けながら安全確保に必要な水準を確保。運行部門は大胆な集客対策や自由な営業で運輸水準を高めたい」と答えた。
このあと、KTR福知山駅構内や車両の視察をした。
写真=赤字経営の改善に向けて意見交換する府議会公共交通機関・道路整備対策特別委員会の委員
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