農業強化、TPP参加へ地ならし 産業競争力会議 (1/2ページ)

2013.2.19 08:00

 政府は18日、成長戦略の策定に向けて産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)を開き、重点10項目のうち「攻めの農業政策の推進」やエネルギー政策などを議論した。農業政策では農林水産品の輸出を1兆円規模に倍増する目標を改めて提示。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に農家の反発が強いことを踏まえ、農業の競争力強化で参加への地ならしを進める。

 この日の会議では、林芳正農水相が農業の競争力強化の方向性を説明。生産者が収益を高めるため加工、流通まで手がける「6次産業化」の促進や、農地の大規模化などを進め国際競争力を強化する方針を示した。

 世界の人口増で農林水産品の価格は上昇しているが、2012年の農林水産品・食品の輸出実績は前年比0.3%減の4497億円にとどまる。そのため第1次安倍内閣が06年に掲げた1兆円の輸出目標を改めて打ち出し、成長戦略の一環として国内市場だけに頼らない強い農林水産業の育成を目指す。

 また、会議では原発の稼働停止や円安で増加傾向にあるエネルギーコストの削減策についても議論。原発停止を受け、安価な北米産シェールガスの調達支援などを掲げた「エネルギー最先進国」への行動計画も報告。風力など再生可能エネルギーによる発電設備の環境影響評価(アセスメント)の迅速化も盛り込んだ。

 成長戦略を具体化するため、「農業輸出拡大・競争力強化」「産業の新陳代謝の促進」「人材力強化・雇用制度改革」など7つのテーマ別会合の設置も決定した。

 安倍政権が国内市場から輸出中心の農業政策への転換を鮮明にするのは、成長戦略に不可欠なTPP交渉参加への議論を前進させるのが狙いだ。

 「聖域なき関税撤廃」を掲げるTPPに参加すれば、国内市場に海外の安価な農林水産品が流入し、国内市場中心の農業団体などは「国内の農林水産業は壊滅する」と懸念。7月の参院選を前に自民党内にも反対の声が強い。

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